PowerPivot for Excel

PowerPivot for Excel は、Excel ブックに大量のデータを追加して統合するために使用される Excel 2010 用アドインです。 ブックに追加するデータは、.xlsx ファイル内の埋め込み PowerPivot データベースとして内部に保存されます。

このデータベースは、Excel または Power View レポートで使用できます。 Excel では、ブックによってデータの視覚化機能および対話機能のすべてが提供されます。 既に習得しているピボットテーブルのレポート作成スキルを使用して、Excel で簡単に構築できる豊富な分析データに基づいて、洗練されたブックを作成できます。

Power View レポートは、SharePoint でのライブのカスタム レポートのために外部データ ソースとしてこのブックを使用できます。 Power View は、SQL Server 2012 リリースに含まれるプレミアム Reporting Services 機能です。 これは、レポートをオンラインで作成できるように、SharePoint に組み込まれているサーバー側のレポート デザイナーです。

このトピックには、次のセクションが含まれます。

Benefits of Using PowerPivot for Excel

Excel Version Requirements

Loading and Calculating PowerPivot Data on the Client

Upgrading from a Previous Version

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PowerPivot for Excel を使用する利点

このアドインをインストールすると、次の利点が得られます。

  • データのインポート、関連付け、拡充、およびクレンジングのために使用される専用のアプリケーション ワークスペース。 このワークスペースは Excel 上に開かれ、Excel が使用するのと同じ .xlsx ファイルにデータが格納されます。 ワークスペース内で、データのインポートおよび関連付けを行うときに、Excel 内に分析データベースを構築できます。

  • データ操作とビジネス ロジックは、DAX 式言語によってサポートされます。 DAX では、データ層で式を作成できます。 式では、関連テーブルまたは関連列を参照できます。 式を使用すると、計算列またはメジャーの作成、データの書式の変更、およびデータのグループ化を行うことができます。

  • データ処理は、ローカルの Analysis Services xVelocity メモリ内分析エンジン (VertiPaq) によって行われます。データを圧縮して読み込み、ワークシート内のデータ視覚化オブジェクト (ピボットテーブルなど) で使用できるようにします。 エンジンは、Excel のプロセス内で実行されます。 管理または構成のタスクは実行されません。 エンジンは、Excel への PowerPivot アドインの内部コンポーネントです。

  • Excel リボンの PowerPivot メニューは、Excel ワークスペースでデータを操作できるように追加されています。

  • AMO、ADOMD.NET、および Analysis Services OLE DB プロバイダーの最新バージョンを使用して、データにアクセスできます。 これらのプロバイダーはアドインと一緒にインストールされ、PowerPivot データへの接続をサポートします。

  • OData 形式のデータをインポートおよび更新するためのデータ フィード プロバイダー。

データを対話的に使用するには、PowerPivot for Excel アドインも含むローカル コンピューター上の Excel でデータを開く必要があります。または、Excel Services および PowerPivot for SharePoint または Reporting Services を含む SharePoint サーバー上のデータにリモートでアクセスすることもできます。

Excel バージョンの要件

PowerPivot データを含む Excel ブックを作成するには、Excel 2010 と PowerPivot for Excel アドインの両方が必要です。 ブックを作成すると、Excel Services がインストールされており、SQL Server PowerPivot for SharePoint が配置されている SharePoint Server 2010 ファームにブックをパブリッシュすることができます。 PowerPivot ブックは Excel 2007 で開くことができます。 ただし、Excel 2007 を使用して、PowerPivot データを作成または変更したり、PowerPivot データを使用する PivotTables や PivotCharts を操作することはできません。 すべての PowerPivot 機能への完全なアクセスを実現するには、Excel 2010 を使用する必要があります。

クライアント アプリケーションをインストールするには、コンピューターにプログラム ファイルをコピーするセットアップ プログラム (PowerPivot_for_Excel.msi) をダウンロードして実行します。

PowerPivot ウィンドウを開くには、Excel リボンの [PowerPivot] タブをクリックします。 [PowerPivot] タブの [PowerPivot ウィンドウ] をクリックします。

GMNI_clientApp

PowerPivot for Excel の完全な機能を利用するには、64 ビット版の Excel 2010 が必要です。 Windows プラットフォーム上の 64 ビット オペレーティング システムおよびクライアント アプリケーションでは、より多くのメモリをアドレス指定できるため、何百万ものデータ行を含むブックを構築できます。 ワークステーションの要件の詳細については、「ハードウェアとソフトウェアの要件 (PowerPivot for SharePoint と Reporting Services の SharePoint モード)」を参照してください。

クライアントでの PowerPivot データの読み込みと計算

PowerPivot for Excel には、Excel のインプロセスとして実行される Analysis Services xVelocity メモリ内分析エンジン (VertiPaq) が含まれています。 クライアント アプリケーションでブック内の PowerPivot データに接続してクエリを実行する場合、AMO と ADOMD.NET を通じて Analysis Services OLE DB プロバイダーを使用します。

ワークステーションでは、Analysis Services xVelocity エンジンがクエリを実行し、リレーショナル データベース、多次元データベース、ドキュメント、パブリック データ ストア、Web サービスなど、さまざまなデータ ソースからデータを受け取ります。 データのインポート時およびクライアント側のデータ更新時の外部ソースへのデータ アクセスはすべて、Excel のプロセス内で実行される Analysis Services xVelocity エンジンを通じて行われます。

次の図は、Excel 内からの PowerPivot データ アクセスを示したものです。 この図では、データ処理をサポートするコンポーネントを示しています。 サポートされるデータ ソースおよび PowerPivot データの作成の詳細については、PowerPivot for Excel アドインと共にインストールされるヘルプを参照してください。

GMNI_InprocVertipaq

以前のバージョンからアップグレード

このバージョンは、PowerPivot for Excel の 2 回目のリリースです。 前のバージョンに含まれない新しい機能 (新しい DAX 関数、階層データ、および KPI など) をサポートします。 アップグレードの詳細については、「PowerPivot for Excel のアップグレード」を参照してください。

関連コンテンツ

PowerPivot for Excel のインストール

SQL Server 2012 用 PowerPivot のヘルプ