用語集 (StreamInsight)
Microsoft StreamInsight に関連する用語を次に示します。
用語
用語 |
定義 |
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アダプター (adapter) |
イベントを StreamInsight サーバーの内外に配信するソフトウエア トランスフォーマー。 「入力アダプター (input adapter)」、「出力アダプター (output adapter)」を参照。 |
アダプター ホスト (adapter host) |
ルート抽象クラスのアダプター。ENQUEUE 対話ポイントにおけるアダプターと StreamInsight サーバーとの間のハンドシェイクを定義します。 メモリ管理、例外処理など、必要なアダプター サービスをすべて提供します。 アダプター ホストは、サーバーに代わって、アダプター ライターによって実装されたメソッドを呼び出します。 アダプター ホストをユーザーが認識することはありません。 |
バウンド ストリーム (bound stream) |
イベントの生成に必要なすべての情報を含むイベント ストリーム。 情報が既にインスタンス化されたデータ ソースになっているか、StreamInsight サーバーがデータ ソースを開始するための十分な情報が含まれています。 「イベント ストリーム (event stream)」、「アンバウンド ストリーム (unbound stream)」を参照。 |
CEP エンジン (CEP engine) |
「StreamInsight サーバー (StreamInsight server)」を参照。 |
StreamInsight LINQ (StreamInsight LINQ) |
イベント ストリームの処理および操作のために StreamInsight サーバーで使用される LINQ の実装。 StreamInsight LINQ 式は、ストリーム全体で定義され、ストリームを生成します。 「LINQ (LINQ)」、「ストリーム (stream)」を参照。 |
コンポーザブル (composable) |
複雑なクエリを作成するための再利用可能な構成要素として、クエリ コンポーネント (オブジェクトまたは演算子) を使用すること。 これを行うには、クエリ コンポーネントどうしを関連付けるか、クエリ コンポーネントを相互にカプセル化します。 |
複合イベント処理 (CEP) |
待機時間がゼロに近い、宣言型のクエリおよびパターンの指定に基づいた、複数のソースからの連続的なイベント ストリームの増分処理。 これは、一見関連がないように見えるイベントから意味のあるパターン、リレーションシップ、データの抽象化を識別して、迅速な対応を行うことを目的としています。 |
カウント ウィンドウ (count window) |
カウント ウィンドウのサイズは可変です。このサイズは、タイムライン上における個別のイベント開始時刻のカウントで指定されます。 カウント ウィンドウは、個別の各イベント開始時刻が動くと、それに伴って移動します。 したがって、カウントが実行される間は、新しいイベント開始時刻を指定するイベントを新たに設定するたびに、カウント ウィンドウが新規作成されます。 「ホッピング ウィンドウ (hopping window)」、「スライディング ウィンドウ (sliding window)」、「スナップショット ウィンドウ (snapshot window)」、「ウィンドウ (window)」を参照。 |
CTI (Current Time Increment) イベント (CTI (current time increment) event) |
順序不定なイベントやイベントの待機時間による影響を制限するために使用されるイベント種別。 CTI イベントは、現在のタイムスタンプを示す 1 つのフィールドで構成されています。 CTI イベントは、StreamInsight サーバーに対して、これ以降に受信する INSERT イベントの開始時刻が CTI イベントのタイムスタンプよりも前にならないように通知します。 つまり、CTI とは、既存のイベントの完全性を示す特殊な中断イベントです。 完全性を示すことにより、StreamInsight サーバーは、状態を次のダウンストリーム演算子に累積しているウィンドウ演算子などの集計演算子の結果を提供できます。 「イベント種別 (event kind)」、「Insert イベント (insert event)」を参照。 |
デキュー (dequeue) |
StreamInsight サーバーから出力アダプターに 1 つのイベント (または 1 つのイベント バッチ) をプルするために出力アダプターによって使用される操作。 「出力アダプター (output adapter)」、「エンキュー (enqueue)」を参照。 |
エッジ イベント (edge event) |
エッジ イベント モデルは、ペイロードが一定期間有効なイベントの発生を表しますが、StreamInsight サーバーに到着したときにわかるのは、開始時刻だけです。イベントの終了時刻は、後で認識され、更新されます。エッジ イベントの例として、Windows プロセス、Event Tracing for Windows (ETW) からのトレース イベント、Web ユーザー セッション、アナログ信号の量子化などがあります。 「イベント (event)」、「イベント モデル (event model)」、「期間イベント (interval event)」、「有効な期間 (valid time interval)」、「ポイント イベント (point event)」を参照。 |
エンキュー (enqueue) |
メモリから StreamInsight サーバーに 1 つのイベント (または 1 つのイベント バッチ) をプッシュするために入力アダプターによって使用される操作。 「入力アダプター (input adapter)」、「デキュー (dequeue)」を参照。 |
イベント (event) |
StreamInsight サーバーで処理されるデータの基本単位。 各イベントには、イベント種別とイベントの一時プロパティを定義するヘッダーが含まれています。 通常、イベント (CTI イベントを除く) には、イベントに関連付けられたデータが格納される .NET データ構造であるイベント ペイロードが含まれます。 「イベント ペイロード (event payload)」、「ポイント イベント (point event)」、「エッジ イベント (edge event)」、「期間イベント (interval event)」を参照。 |
イベント ヘッダー (event header) |
イベントの一時プロパティとイベント種別を定義する、イベントの一部分。 一時プロパティには、イベントに関連付けられた有効な開始時刻と終了時刻が含まれます。 「イベント (event)」、「イベント種別 (event kind)」、「イベント ペイロード (event payload)」を参照。 |
イベント種別 (event kind) |
イベント タイプを定義するイベント メタデータ。 StreamInsight では、Insert および CTI (Current Time Increment) という 2 つのイベント種別がサポートされています。 「Insert イベント (insert event)」、「CTI イベント (CTI event)」を参照。 |
イベント モデル (event model) |
イベントの時間特性 (形状) を定義するイベント メタデータ。 StreamInsight では、ポイント、期間、エッジという 3 つのイベント モデルがサポートされています。 「ポイント イベント (point event)」、「期間イベント (interval event)」、「エッジ イベント (edge event)」を参照。 |
イベント ペイロード (event payload) |
データ フィールドが CLR 型として定義されている、イベントのデータ部分。 イベント ペイロードは型指定された構造です。 「メタデータ ヘッダー (metadata header)」、「イベント (event)」を参照。 |
イベントの形状 (event shape) |
「イベント モデル (event model)」を参照。 |
イベント ストリーム (event stream) |
「ストリーム (stream)」を参照。 |
EventStreamGroup (EventStreamGroup) |
ストリーム内のすべての分岐がグループ化操作によって生成されていることを示す、ストリームのコレクション。 EventStreamGroup に対する操作は、グループ内の各ストリームに対して行われます。 このような操作の結果は、ストリームのグループになります。 |
汎用アダプター (generic adapter) |
「型指定されていないアダプター (untyped adapter)」を参照。 |
ホッピング ウィンドウ (hopping window) |
一定の期間ずつ、連続したウィンドウが前方に "移動する"、ウィンドウの種類です。 このウィンドウは、ホップ サイズ H とウィンドウ サイズ S という 2 つの期間によって定義されます。 H 時間単位ごとに、サイズ S の新しいウィンドウが作成されます。 「カウント ウィンドウ (count window)」、「スライディング ウィンドウ (sliding window)」、「スナップショット ウィンドウ (snapshot window)」、「ウィンドウ (window)」を参照。 |
入力アダプター (input adapter) |
データベース、ファイル、ティッカー フィード、ネットワーク ポート、製造元デバイスなどの外部ソースから受信したイベント ストリームを受け入れるソフトウエア トランスフォーマー。 入力アダプターは、指定された形式で受信イベントを読み取り、StreamInsight サーバーで使用できる形式にこのデータを変換します。 「アダプター (adapter)」、「出力アダプター (output adapter)」を参照。 |
Insert イベント (insert event) |
ストリームへのイベントの到着を示すために使用されるイベント種別。 Insert イベントは、イベントの有効期間を定義するメタデータと、イベントのペイロード (データ) フィールドで構成されています。 「CTI イベント (CTI event)」、「イベント (event)」を参照。 |
期間イベント モデル (interval event model) |
ペイロードが一定期間有効なイベントを表す、イベント モデル。 期間イベント モデルでは、イベント メタデータで期間の開始時刻と終了時刻の両方を指定する必要があります。 期間イベントが有効なのは、この特定の期間のみです。 期間イベントの例として、電子パルス幅やオークション入札期間 (有効期限) のほか、特定期間の間、株式の指値が有効になるストック ティッカー アクティビティなどがあります。 モデルの一時プロパティで定義された開始時刻と終了時刻によって、ペイロードの有効期間が決まります。 「イベント (event)」、「イベント モデル (event model)」、「ポイント イベント (point event)」、「エッジ イベント (edge event)」、「有効な期間 (valid time interval)」を参照。 |
LINQ (LINQ) |
言語統合クエリ。 .NET Framework に対する一連の機能拡張で、統合言語を使用したクエリ、設定、および変換操作を可能にします。 「クエリ テンプレート (query template)」、「継続クエリ (standing query)」を参照。 |
メタデータ ヘッダー (metadata header) |
「イベント メタデータ (event metadata)」を参照。 |
演算子 (operator) |
クエリが適用されているイベントを処理するように StreamInsight サーバーでスケジュールされている、クエリのアトミック単位。 たとえば、SELECT、PROJECT、AGGREGATE、UNION、TOP K、および JOIN があります。 演算子は完全にコンポーザブルであり、演算子には特定の数の入力と出力が指定されます。 「クエリ (query)」「クエリ テンプレート (query template)」、「コンポーザブル (composable)」を参照。 |
出力アダプター (output adapter) |
StreamInsight サーバーによって処理されたイベントを受け取り、そのイベントを出力デバイスに必要な形式に変換して、データをそのデバイスに出力するソフトウエア トランスフォーマー。 出力デバイスには、データベース、テキスト ファイル、PDA、またはその他のデバイスを使用できます。 「アダプター (adapter)」、「入力アダプター (input adapter)」を参照。 |
ペイロード (payload) |
「イベント ペイロード (event payload)」を参照。 |
ポイント イベント モデル (point event model) |
ある時点におけるイベントの発生を表すイベント モデル。 これは、期間イベント モデルのサブクラスです。 ポイント イベント メタデータには、有効な開始時刻のみを指定します。 StreamInsight サーバーは、開始時刻にティック (基になる時刻データ型における時間の最小単位) を追加することによって有効な終了時刻を推測し、イベントに有効な期間を設定します。 ポイント イベントが有効なのは、この時点のみです。 ポイント イベントの例として、電子メールの到着、メーター値の読み取り、ユーザーによる Web クリック、株価の変化、または Windows イベント ログへのエントリがあります。 「イベント (event)」、「期間イベント (interval event)」、「有効な期間 (valid time interval)」、「エッジ イベント (edge event)」を参照。 |
クエリ (query) |
StreamInsight サーバーで連続して実行されるクエリ テンプレートのインスタンス。このサーバーでは、クエリのバインド先である入力アダプターのインスタンスから受け取ったイベントを処理し、クエリのバインド先である出力アダプターのインスタンスに処理済みのイベントを送信します。 |
クエリ バインド (query binding) |
入力アダプターのインスタンスと出力アダプターのインスタンスをクエリ テンプレートのインスタンスにバインドするプロセス。 |
クエリ テンプレート (query template) |
クエリ構成の基本単位。 クエリ テンプレートでは、StreamInsight サーバーに送信されるイベントやこのサーバーによって生成されるイベントを連続的に分析および処理するために必要なビジネス ロジックを定義します。 「クエリ (query)」、「クエリ バインド (query binding)」を参照。 |
RankedEventStream (RankedEventStream) |
順位付けられているイベントのストリーム。 このストリーム ソースは、TopK 演算子には必要ですが、それ以外の演算子のストリーム ソースとしては許可されません。 |
Retract イベント (retract event) |
イベントの EndTime を変更することで既存の Insert イベントを変更するために使用される内部イベント種別。 |
シンク (sink) |
出力アダプターを経由して StreamInsight サーバーからイベントを使用する構造またはデバイス。 たとえば、視覚化ツール、ダッシュボード、ファイル、テーブル、ログ、およびメッセージ キューがあります。 「ソース (source)」を参照。 |
スライディング ウィンドウ (sliding window) |
ストリームのイベントに応じて、タイムラインに沿って移動する固定長 L のウィンドウ。 タイムライン上のイベントごとに、イベントの開始時刻を起点として、新しいウィンドウが作成されます。 「ホッピング ウィンドウ (hopping window)」、「スナップショット ウィンドウ (snapshot window)」、「ウィンドウ (window)」を参照。 |
スナップショット ウィンドウ (snapshot window) |
スナップショット ウィンドウは、タイムラインに沿って固定されたグリッドではなく、ストリームのイベントの開始時刻と終了時刻に従って定義されます。 ウィンドウのサイズと期間は、ストリームのイベントのみによって定義されます。 最も近いイベント エンドポイント (開始時刻と終了時刻) のペアごとに、スナップショット ウィンドウが作成されます。 この定義により、イベントの開始時刻と終了時刻はすべて、ウィンドウの境界間ではなくウィンドウの境界上に当たることになります。 つまり、スナップショット ウィンドウでは、発生するすべての変化に従ってタイムラインが分割されます。 「カウント ウィンドウ (count window)」、「ホッピング ウィンドウ (hopping window)」「スライディング ウィンドウ (sliding window)」、「ウィンドウ (window)」を参照。 |
ソース (source) |
入力アダプターを経由して StreamInsight サーバーにソース データを提供する構造またはデバイス。 たとえば、ファイル、Web ログ、システム ログ、テーブル、メッセージ キュー、市場やニュースのフィード、製造業や物流のセンサーがあります。 「シンク (sink)」を参照。 |
継続クエリ (standing query) |
受信イベントに対して連続した計算を実行する、StreamInsight サーバー内で実行されるクエリ テンプレートのインスタンス化。 個々のイベントが StreamInsight サーバーに到着すると、継続クエリによってイベントが処理され、入力イベントの到着に応じて出力イベントが生成されます。 継続クエリは、言語フレームワーク LINQ で記述されます。 |
ストリーム (stream) |
時間の経過と共に変化するデータのコレクション。 StreamInsight サーバーのデータはすべて、ストリームとして形成されます。 ストリームを処理するために外部ソースから StreamInsight サーバーに送信し、外部ソースに出力できます。 また、ストリームは、クエリ処理中に、ある演算子から演算子ツリー内の次の演算子に変換される、クエリ内のデータ イベントのキューでもあります。 |
ストリーム コンシューマー (stream consumer) |
クエリの出力を使用する構造またはデバイス。 たとえば、出力アダプターや実行中の別のクエリがあります。 「ストリーム ソース (stream source)」、「ストリーム (stream)」を参照。 |
StreamInsight イベント フロー デバッガー |
イベントフローのデバッグ機能と分析機能を提供する Microsoft StreamInsight プラットフォームのスタンドアロン ツール。 |
StreamInsight プラットフォーム (StreamInsight platform) |
CEP (複合イベント処理) アプリケーションの開発用の完全なプラットフォーム。 プラットフォームは、StreamInsight サーバー、イベント フロー デバッガー ツール、Visual Studio IDE、およびその他のコンポーネントで構成されています。 |
StreamInsight ランタイム (StreamInsight runtime) |
「StreamInsight サーバー (StreamInsight server)」を参照。 |
StreamInsight サーバー (StreamInsight server) |
Microsoft StreamInsight のコア エンジン コンポーネントとアダプター フレームワーク コンポーネント。 StreamInsight サーバーを使用すると、CEP (複合イベント処理) アプリケーションに関連付けられたイベント ストリームを処理および分析できます。 |
StreamInsight ストリーム (StreamInsight stream) |
「イベント ストリーム (event stream)」を参照。 |
ストリーム ソース (stream source) |
「ソース (source)」を参照。 |
ティック (tick) |
datetime データ型の最小時間単位 (ナノ秒)。 |
期間 (time interval) |
特定のイベントが有効な期間。 有効な期間には、有効な開始時刻および最大時間が含まれますが、有効な終了時刻は含まれません。 |
型指定されたアダプター (typed adapter) |
単一のイベントの種類のみを出力するアダプター。 「型指定されたイベント (typed event)」を参照。 |
アンバウンド ストリーム (unbound stream) |
イベント モデルまたはペイロード タイプの定義を含むイベント ストリーム。ただし、データ ソースは定義されていません。 「イベント ストリーム (event stream)」、「バウンド ストリーム (bound stream)」を参照。 |
型指定されていないアダプター (untyped adapter) |
ペイロードの構造やペイロードのフィールドの種類が事前にわかっていない、複数のイベントの種類を受け入れたり出力したりするアダプター。 たとえば、CSV ファイルやテキスト ファイル、SQL テーブル、またはソケットからのイベントがあります。 「型指定されたアダプター (typed adapter)」を参照。 |
ウィンドウ (window) |
一定期間内にあるストリーム内のイベント サブセット。つまり、ウィンドウにはタイムラインに沿ってイベント データが含まれます。 ウィンドウは、総計、平均、件数などのウィンドウベースの演算子を有効にする必要がありますが、ウィンドウを他のデータ処理操作と組み合わせることもできます。 「カウント ウィンドウ (count window)」「ホッピング ウィンドウ (hopping window)」、「スライディング ウィンドウ (sliding window)」、「スナップショット ウィンドウ (snapshot window)」を参照。 |
WindowStream (WindowStream) |
各ウィンドウにイベントのコレクションが含まれる、ウィンドウのストリーム。 ストリーム内のすべてのウィンドウは、1 つ以上のウィンドウに該当する共通プロパティを共有します。 これは、開始時刻と終了時刻にアクセスできる、時間ベースのウィンドウになる場合があります。 |