レポート デザイナーでのレポート パーツ (SSRS)

レポート デザイナーで、プロジェクトのテーブル、グラフ、および他のレポート アイテムを作成した後、それらをレポート パーツとして、レポート サーバーまたはレポート サーバーと統合されている SharePoint サイトにパブリッシュできます。これにより、自分や他のユーザーが、それらのレポート パーツを別のレポートで再利用できるようになります。

通常、レポート パーツはレポート デザイナーおよびレポート ビルダーで同じように機能します。基本的な機能については、msdn.microsoft.com のレポート ビルダー 3.0 に関するドキュメントの「レポート パーツ (レポート ビルダー 3.0)」を参照してください。

ただし、レポート デザイナーでのレポート パーツの機能の仕方には、大きく異なる点があります。主な違いはワークフローです。レポート ビルダーでは、コラボレーティブな作成が可能です。つまり、あるユーザーがレポート パーツを作成してパブリッシュすると、別のユーザーがそのパーツを再利用して変更し、再パブリッシュすることができます。一方、レポート デザイナーでは、パブリッシュは一方向です。つまり、レポート デザイナーからレポート パーツをパブリッシュすることで、そのレポート パーツを別のユーザーが再利用できます。しかし、レポート デザイナーでレポートの既存のレポート パーツを再利用することはできません。このトピックでは、レポート パーツの概要について説明した後、これらの違いについて詳述します。

この記事の内容

レポート パーツ パブリッシュのライフ サイクル

レポート パーツのパブリッシュ

レポート パーツの再利用

レポート パーツの再パブリッシュ

レポート パーツ パブリッシュのライフ サイクル

レポート パーツの作成と再利用

  1. レポート デザイナーで、ユーザー A が埋め込みデータセットに依存するグラフを含むレポートのプロジェクトを作成します。

  2. ユーザー A は、埋め込みデータセットを含むグラフに、パブリッシュのフラグを設定します。すると、レポート デザイナーによって、そのレポート パーツに一意の ID が割り当てられます。次に、ユーザー A はそのレポートをレポート サーバーに配置します。すると、レポート デザイナーによって、グラフがパブリッシュされます。

  3. ユーザー B は、レポート ビルダーで空白のレポートを作成し、パブリッシュされたグラフをそのレポートに追加します。これで、グラフと埋め込みデータセットは、ユーザー B のレポートの一部になります。ユーザー B はレポート内のグラフとデータセットのインスタンスを変更できます。これは、レポート サーバー上のグラフとデータセットのインスタンスに影響することも、レポート内のインスタンスとレポート サーバー上のインスタンスの間のリレーションシップを壊すこともありません。

    レポート デザイナーでのレポート アイテムの再パブリッシュ

  4. レポート デザイナーで、ユーザー A が元のレポートのグラフに変更を加えます。

  5. ユーザー A はレポートを再配置します。これにより、グラフがサーバーに再パブリッシュされ、サーバー上のグラフが更新されます。

  6. レポート ビルダーで、ユーザー B は、サーバーから更新されたグラフを受け入れます。これにより、ユーザー B が自分のレポート内のグラフに対して行った変更が上書きされます。

レポート パーツのパブリッシュ

レポート パーツをパブリッシュすると、レポート デザイナーによってレポート パーツに一意の ID が割り当てられます。その後、レポート パーツにどのような変更が加えられても、その ID が維持されます。ID によって、レポート内の元のレポート アイテムとレポート パーツの間がリンクされます。他のレポート作成者がレポート ビルダーでレポート パーツを再利用すると、この ID によって、別のレポートで再利用されたレポート パーツと元のレポート パーツの間もリンクされます。

以下に、レポート パーツとしてパブリッシュできるレポート アイテムを示します。

  • グラフ

  • ゲージ

  • 画像と埋め込み画像

  • マップ

  • パラメーター

  • 四角形

  • テーブル

  • マトリックス

  • リスト

テーブル、マトリックス、グラフなどのデータを表示するレポート パーツをパブリッシュする場合、レポート パーツのベースに共有データセットを使用することができます。共有データセットを使用しない場合、レポート パーツをパブリッシュする際、レポート パーツが依存するデータ セットは埋め込みデータセットとして保存されます。埋め込みデータセットのベースに、埋め込みデータ ソースを使用することはできますが、埋め込みデータ ソースには資格情報が保存されていません。したがって、レポート パーツが、埋め込みデータ ソースを使用する埋め込みデータセットに依存する場合、このレポート パーツを使用するユーザーは、埋め込みデータ ソースの資格情報を指定する必要があります。これを避けるには、埋め込みデータセットおよび共有データセットのベースとして、資格情報が保存された共有データ ソースを使用します。詳細については、msdn.microsoft.com のレポート ビルダー 3.0 に関するドキュメントの「レポート ビルダー 3.0 でのレポート パーツとデータセットの操作」を参照してください。

レポート デザイナーでレポート パーツをパブリッシュするには、次の 2 つの手順を実行します。

  1. [レポート パーツのパブリッシュ] ダイアログ ボックスで、パブリッシュするレポート アイテムにフラグを設定します。

  2. レポートを配置します。

レポートを配置すると、レポート パーツは SharePoint サイトまたはレポート サーバーにパブリッシュされ、他のユーザーが再利用できるようになります。レポート パーツをパブリッシュするには、レポートを配置する際に SQL Server 2008 R2 レポート サーバーに接続でき、そのレポート サーバーに対する十分な権限を持っている必要があります。

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レポート パーツの再利用

レポート ビルダーとは異なり、レポート デザイナーでは、レポート パーツの作成元ではないプロジェクトから、そのレポート パーツを検索および再利用することはできません。

一方、レポート ビルダーで作業を行うレポート作成者は、自分が作成するレポートで、他のユーザーがパブリッシュするレポート パーツを検索および再利用することができます。

レポート パーツの再パブリッシュ

レポート デザイナーでは、レポート パーツに変更を加えた場合、レポート パーツを作成したレポートから、既存のレポート パーツを更新する必要があります。一方、レポート ビルダーでは、レポート作成者はレポート パーツを再利用し、新しいレポート パーツとしてパブリッシュできます。パブリッシュ済みのレポート パーツを新しいものに置き換える必要はありません。十分な権限を持つレポート作成者は、パブリッシュ済みのレポート パーツを更新することもできます。サイトまたはサーバー上のフォルダーに対する十分な権限を持つユーザーは、フォルダーに保存されているレポート パーツを更新できます。最新の更新で、以前の更新内容が上書きされます。

レポート パーツに変更を加えた後、そのレポート パーツをサイトまたはサーバーに再パブリッシュすることができます。レポート ビルダーのレポート作成者がそのレポート パーツを含むレポートを次回開くと、変更が通知され、変更を受け入れるかどうかを選択できます。

既にパブリッシュ済みのレポートを、新しいレポートとしてパブリッシュすることを選択することもできます。[レポート パーツのパブリッシュ] ダイアログ ボックスで、[新しいレポート パーツとしてパブリッシュ] をクリックします。この新しいレポート パーツには新しい一意の ID が付いており、古いレポート パーツとのリレーションシップはありません。

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関連項目

概念