Publisher 2010 での変更点

リボン

Microsoft Office Fluent user interface (UI) の一部であるリボンは、Publisher の重要なシナリオを最適化して、簡単に使用できるように設計されています。Publisher 2010 のリボンを使用すると、すべてのコマンドにすばやくアクセスでき、後からの追加やカスタマイズも容易です。また、リボンをカスタマイズすることもできます。たとえば、カスタム タブやカスタム グループを作成し、よく使うコマンドをまとめることができます。ページのノート作成領域が最大になるように、書き込み中はリボンを非表示にすることもできます。

Backstage ビュー

Microsoft Office Backstage は Fluent UI の一部であり、リボンに付随する機能です。Backstage ビューには [ファイル] タブからアクセスでき、Publisher 2010 ファイルの管理によく使用する機能が簡単に見つかります ([ファイル] タブは、Microsoft Office の以前のリリースで使用されていた Microsoft Office ボタンと [ファイル] メニューに代わる機能です)。Backstage は、ファイルの作成と保存、非表示のメタデータや個人情報の検査、ファイル オプションの設定など、ファイルおよびファイルに関するデータの管理に使用されます。

より簡潔ですっきりとしたワークスペース

新しいワークスペースでは、必要なときにだけ、オブジェクトの境界 (たとえば、オブジェクトにポインターを置いたとき、またはオブジェクトを選択したとき) や配置ガイド (たとえば、オブジェクトをドラッグするとき) が表示されます。また、1 ページまたは 2 ページのサムネイルが表示される新しいページ ナビゲーション ウィンドウを使用して、すばやくページ間を移動できます。

印刷とプレビューの操作の統合

印刷と印刷プレビューが統合されたため、発行物を印刷したときの外観のいっそう正確な確認を、より簡単に行うことができます。たとえば、発行物の大きいプレビューで変更の影響を見ながら、印刷を調節できます。複数のページを同時に表示したり、印刷プレビューの間にページの境界、ページ番号、シート ルーラーを表示したりできます。また、両面印刷をシミュレーションして光に透かしたように表示することさえでき、発行物を印刷したときの表と裏を同時に確認できます。

.pdf または .xps としてのファイルの保存

ファイルを .pdf 形式または .xps 形式で保存できます。この機能は、グループ ポリシーを使用してブロックできます。また, .pdf ファイルはパスワードで保護してセキュリティを強化できます。

64 ビット版

Publisher 2010 の 64 ビット版を Windows 64 ビット オペレーティング システムにインストールでき、他のバージョンの Publisher との間には下位互換性があります。Publisher 2003、Office Publisher 2007、Publisher 2010 32 ビット版、または Publisher 2010 64 ビット版のすべてのファイルを、32 ビットまたは 64 ビットの Windows オペレーティング システムを実行するコンピューターで開き、編集して、保存できます。詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

向上した写真テクノロジ

次の写真テクノロジの向上により、発行での写真の使用がいっそう簡単になりました。

• トリミング   写真の回転やサイズ変更、四角形以外の図形へのトリミング、および目的のサイズ、図形、位置に写真を保った状態での画像のプレビューを行うことができます。

• 写真の置換   ドラッグ アンド ドロップによる写真の置換、単一操作での 2 つの写真の入れ替え、および Publisher の外部からコピーした画像の Publisher 内のプレースホルダーへの貼り付けを行うことができます。

• 写真プレースホルダーの使用   写真を挿入するときにプレースホルダーの寸法を維持できます。たとえば、プレースホルダーに対して写真が小さすぎる、または大きすぎる場合は、自動的にサイズが変更されます。

• キャプションの追加   キャプションのデザインとレイアウトのギャラリーから選択して、写真にキャプションを追加でき、簡単に変更できます。

オブジェクトの配置

視覚的な配置ガイドを使用して他のオブジェクトやテキストを基準にオブジェクトを配置でき、最終的にオブジェクトを配置する位置を決定できます。これには、オブジェクトをオフセット配置する機能も含まれます。

テンプレートおよび構成要素へのオンライン アクセスの向上

テンプレートを使用したり、コンテンツの構成要素 (たとえば、題字、境界、グラフィックスなど) を挿入したりして、優れた見た目のページを作成できます。Publisher 2010 では、Publisher のオンライン コミュニティに簡単にアクセスして、作成済みのテンプレートや構成要素を入手したり、提供したりできます。

カタログ データの差し込み

データベース (Microsoft Excel、Microsoft Access、Microsoft Outlook など) からテキストや画像を結合できるカタログ データの差し込みが、UI からいっそう簡単にアクセスできるようになっています。発行の過程のどこからでも、カタログ データの差し込みを開始できます。

Web モード

新しい Web サイトおよび Web 発行の作成は、Publisher 2010 では利用できません。ただし、以前のバージョンの Publisher で作成した Web 発行を編集することはできます。Publisher 2010 では、Web サイト テンプレートのフォルダー、または発行を Web モードに変更するためのユーザー インターフェイス アクセス ポイントは表示されません。ただし、以前のバージョンの Publisher で作成した Web 発行を開くと、Web モード タブが表示されます。

廃止されたアプリケーション設定

[ツール] | [オプション] で使用できた設定の一部には、アクセスできなくなりました。これには、[スペル チェック オプション]、[カスタマイズ]、[サービス オプション] の各ダイアログ ボックスに対する変更、および [オプション] ダイアログ ボックスの複数のタブに対する変更が含まれます。また、[設定] での、[カラー パレットに基本色を表示する]、[ヒントを表示する/ヒントのリセット] ボタン、[差し込みフィールドと勤務先情報フィールドに下線を表示する]、[書式の自動同期]、および [ウィザードを使用して白紙の文書を作成する] に対する削除や変更も含まれます。

VBA の設定の移行

Office 2010 では、Visual Basic for Applications (VBA) 6.0 から VBA 7.0 に更新されました。VBA 7.0 の設定は、移行後には既定の設定にリセットされ、元の設定は自動的には再設定されません。このようになるのは、以下の表に示すように、VBA 用のレジストリ設定が Office 2010 では異なるハイブにあるからです。

この問題を修正するには、VBA 6.0 のレジストリ キーを 6.0 のハイブから 7.0 のハイブにコピーします。

詳細については、「Office 2010 に移行するユーザー レジストリ設定」および「Office 2010 の 32 ビット バージョンと 64 ビット バージョンとの互換性」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185841\&clcid=0x411) を参照してください。