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App-V システムをパッケージのアップグレード用に構成する方法

適用対象: Application Virtualization

App-V Sequencer でアップグレードされた既存のアプリケーション パッケージの新しいバージョンを展開する場合は、App-V Client によって自動的に新しいバージョンがローカル キャッシュにストリームされるように展開できます。使用するストリーミング ソリューションによって、パッケージのアップグレードの構成手順が異なります。次のセクションでは、最も一般的な公開とストリーミング シナリオについて説明し、それぞれのシナリオでパッケージのアップグレードを構成するために必要な手順を示します。

公開とストリーミングの両方に Management Server を使用する

このシナリオでは、パッケージとアプリケーションの公開とストリーミングの両方に単一の App-V Management Server を使用します。RTSP(S) プロトコルが必要です。管理者は、使用するパッケージを App-V Management Server にインポートするときに、Sequencer で作成したファイルを含むパッケージ フォルダを CONTENT フォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーします。また、OSD ファイルの HREF エントリを、パッケージ フォルダの SFT ファイルをポイントするように編集してから、パッケージをサーバーにインポートします。

Management Server がユーザーを認証するときに、applist.xml ファイルをクライアントに送信してユーザーのアプリケーションを公開します。次に、クライアントがアプリケーションの OSD ファイルとアイコンを Management Server から取得します。ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックすると、アプリケーションのコンテンツが、OSD ファイルで指定されているパスからクライアント キャッシュにストリームされ、アプリケーションが起動します。

パッケージをアップグレードするには

App-V Sequencer でアップグレードされたアプリケーションの新しいバージョンを追加するには、管理者が新しい SFT ファイルと変更されている他のファイルを、アプリケーションの元のバージョンと同じフォルダにコピーする必要があります。次に、Server Management Console の [バージョンの追加] を使用して、パッケージの新しいバージョンを追加します。

ユーザーが次回アプリケーションを起動したときに、サーバーによって新しいバージョンがクライアントに自動的にストリームされます。これは、以前「アクティブ アップグレード」と呼ばれていた方法です。

公開に Management Server を使用し、ストリーミングに Streaming Server を使用する

このシナリオでは、パッケージの公開に App-V Management Server を使用し、パッケージとアプリケーションのストリーミングに Streaming Server を使用します。RTSP(S) プロトコルが必要です。管理者は、使用するパッケージを Management Server にインポートするときに、Sequencer で作成したファイルを含むパッケージ フォルダを CONTENT フォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーします。また、OSD ファイルの HREF エントリを、Streaming Server の SFT ファイルをポイントするように編集してから、パッケージを Management Server にインポートします。

Streaming Server をセットアップするために、パッケージ フォルダを Management Server から Streaming Server の CONTENT フォルダにコピーします。このフォルダは、Management Server と同じ名前で、Streaming Server のCONTENT フォルダ以下の相対パス (たとえば、\\ストリーミング サーバー\CONTENT\パッケージ名) を持つ必要があります。

クライアントの Application Source Root (ASR) 設定が Streaming Server をポイントするように構成されていると、クライアントは、OSD ファイルの HREF エントリにあるサーバー名ではなく、この設定を使用します。クライアントの ISR フィールドと OSR フィールドは、使用しているシステム アーキテクチャに応じて、Management Server と Streaming Server のいずれかをポイントするように構成することもできます。

Management Server がユーザーを認証するときに、applist.xml ファイルをクライアントに送信してユーザーのアプリケーションを公開します。クライアントは、OSR フィールドと ISR フィールドの設定に応じて、Streaming Server と Management Server のいずれかからアプリケーションの OSD ファイルとアイコンを取得します。

ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックすると、クライアントは、OSD ファイルの HREF 要素に指定されているパッケージ コンテンツ ファイル (SFT) のパスを使用します。ASR を使用する場合は、クライアントは、HREF 要素のサーバー名 (使用されている場合はポートとプロトコルも含む) を ASR で指定されている Streaming Server のパスに置き換えます。アプリケーションが Streaming Server からクライアント キャッシュにストリームされて、起動します。

パッケージをアップグレードするには

App-V Sequencer でアップグレードされたアプリケーションの新しいバージョンを追加するには、管理者が新しいバージョンの SFT ファイルと変更されている他のファイルを、Streaming Server にあるアプリケーションの元のバージョンと同じフォルダにコピーする必要があります。

一貫性を確保するために、新しいファイルを Management Server のフォルダにもコピーすることをお勧めします。特に、クライアントの OSR フィールドまたは ISR フィールドを使用する場合は、更新した OSD ファイルとアイコンを、OSR フィールドと ISR フィールドで指定されているサーバーにコピーしてください。

Streaming Server によって新しいバージョンが検出され、ユーザーが次回アプリケーションを起動したときに、新しいバージョンがクライアントに自動的にストリームされます。

公開に Management Server を使用し、ストリーミングに IIS サーバーを使用する

このシナリオでは、パッケージの公開に App-V Management Server を使用し、パッケージとアプリケーションのストリーミングに IIS サーバーを使用します。管理者は、使用するパッケージを Management Server にインポートするときに、Sequencer で作成したファイルを含むパッケージ フォルダを CONTENT フォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーします。OSD ファイルの HREF エントリを、IIS サーバーの SFT ファイルをポイントするように編集してから、パッケージを Management Server にインポートします。

IIS サーバーをストリーミング用にセットアップするために、パッケージ フォルダを Management Server から IIS サーバーの CONTENT フォルダにコピーします。このフォルダは、Management Server と同じ名前で、IIS サーバーの Web Content フォルダ以下の相対パスを持つ必要があります。たとえば、IIS サーバーの URL は、http://IISサーバー/CONTENT/パッケージ名や https://IISサーバー/CONTENT/パッケージ名になります。

クライアントの Application Source Root (ASR) 設定が IIS サーバーをポイントするように構成されていると、クライアントは、OSD ファイルの HREF エントリにあるサーバー名ではなく、ASR を使用します。使用しているシステム アーキテクチャに応じて、Management Server と IIS サーバーのいずれかをポイントするように ISR フィールドと OSR フィールドを構成することもできます。

Management Server がユーザーを認証するときに、applist.xml ファイルをクライアントに送信してユーザーのアプリケーションを公開します。クライアントは、ISR フィールドと OSR フィールドの設定に応じて、IIS サーバーと Management Server のいずれかからアプリケーションの OSD ファイルとアイコンを取得します。

ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックすると、クライアントは、OSD ファイルの HREF 要素に指定されているパッケージ コンテンツ ファイル (SFT) のパスを使用します。ASR を使用する場合は、クライアントは、HREF 要素のサーバー名 (使用されている場合はポートとプロトコルも含む) を ASR で指定されている IIS サーバーのパスに置き換えます。アプリケーションが、HTTP(S) プロトコルを使用して IIS サーバーからクライアント キャッシュにストリームされて、起動します。

パッケージをアップグレードするには

パッケージをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  • 新しいバージョンの OSD ファイルを、Management Server の CONTENT フォルダの下にある元のバージョンのフォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーし、既存の OSD ファイルを置き換えます。一貫性を確保するために、変更されている他のファイルもコピーします。クライアントの OSR フィールドまたは ISR フィールドを使用する場合は、更新した OSD ファイルとアイコンも、OSR フィールドと ISR フィールドで指定されているサーバーにコピーします。

  • 新しいバージョンの SFT ファイルを IIS サーバーの Web Content フォルダの下にあるパッケージ フォルダにコピーします。たとえば、IIS サーバーの URL は、http://IISサーバー/CONTENT/パッケージ名や https://IISサーバー/CONTENT/パッケージ名になります。

次回公開の更新を行ったときに、クライアントの OSD ファイルが新しいバージョンに更新されます。このファイルは、新しいバージョンの SFT ファイルをポイントするようになっているので、次回ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックしたときに新しいバージョンが起動します。

公開に Management Server を使用し、ストリーミングにファイル共有を使用する

このシナリオでは、パッケージの公開に App-V Management Server を使用し、パッケージとアプリケーションのストリーミングにファイル サーバーを使用します。管理者は、使用するパッケージを Management Server にインポートするときに、Sequencer で作成したファイルを含むパッケージ フォルダを CONTENT フォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーします。OSD ファイルの HREF エントリを、ファイル サーバーの SFT ファイルをポイントするように編集してから、パッケージを Management Server にインポートします。

ファイル サーバーをストリーミング用にセットアップするために、パッケージ フォルダを Management Server からファイル サーバーの CONTENT フォルダにコピーします。このフォルダは、Management Server と同じ名前で、ファイル サーバーのCONTENT フォルダ以下の相対パス (たとえば、\\ファイル サーバー\CONTENT\パッケージ名) を持つ必要があります。

クライアントの Application Source Root (ASR) 設定が UNC パス (たとえば、\\ファイル サーバー\content) を使用してファイル サーバーをポイントするように構成されていると、クライアントは、OSD ファイルの HREF エントリにあるサーバー名ではなく、この設定を使用します。管理者は、使用しているシステム アーキテクチャに応じて、Management Server とファイル サーバーのいずれかをポイントするように ISR フィールドと OSR フィールドを構成することもできます。

Management Server がユーザーを認証するときに、applist.xml ファイルをクライアントに送信してユーザーのアプリケーションを公開します。クライアントは、ISR フィールドと OSR フィールドの設定に応じて、ファイル サーバーと Management Server のいずれかからアプリケーションの OSD ファイルとアイコンを取得します。

ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックすると、クライアントは、OSD ファイルの HREF 要素に指定されているパッケージ コンテンツ ファイル (SFT) のパスを使用します。ASR を使用する場合は、クライアントは、HREF 要素のサーバー名 (使用されている場合はポートとプロトコルも含む) を ASR で指定されているファイル サーバーのパスに置き換えます。アプリケーションがファイル サーバーからクライアント キャッシュにストリームされて、起動します。

パッケージをアップグレードするには

パッケージをアップグレードする手順は、次のとおりです。

  • 新しいバージョンの OSD ファイルを、Management Server の CONTENT フォルダの下にある元のバージョンのフォルダ (たとえば、\\サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーし、既存の OSD ファイルを置き換えます。一貫性を確保するために、変更されている他のファイルもコピーします。クライアントの OSR フィールドまたは ISR フィールドを使用する場合は、更新した OSD ファイルとアイコンも、OSR フィールドと ISR フィールドで指定されているサーバーにコピーします。

  • 新しいバージョンの SFT ファイルを、ファイル サーバーの CONTENT フォルダの下にあるパッケージ フォルダ (たとえば、\\ファイル サーバー\CONTENT\パッケージ名) にコピーします。バージョン 2 の SFT ファイルを、ファイル サーバーの CONTENT 共有フォルダの下にあるフォルダ (たとえば、\\ファイル サーバー\CONTENT\パッケージ名\V1) にコピーします。

次回公開の更新を行ったときに、クライアントの OSD ファイルが新しいバージョンに更新されます。このファイルは、新しいバージョンの SFT ファイルをポイントするようになっているので、次回ユーザーがアプリケーション アイコンをダブルクリックしたときに新しいバージョンが起動します。

MSI ストリーミング モードを使用してパッケージをアップグレードする

パッケージのシーケンス処理中に Windows インストーラ ファイル (MSI) を生成すると、Sequencer は、必要なすべての公開情報を含む .MSI ファイルを作成します。管理者は、この .MSI ファイルをクライアントにコピーし、パッケージ コンテンツを含む .SFT ファイルをクライアント コンピュータがアクセスできるネットワーク共有フォルダにコピーする必要があります。

アプリケーションをクライアントに公開するには、クライアント コンピュータで次のコマンドを実行します。

   Msiexec.exe /i \\PathToMsi\packagename.msi MODE=STREAMING OVERRIDEURL=\\\\server\share\package.sft

.MSI ファイルによってアプリケーションがクライアントに公開されてから、.SFT ファイルがクライアント キャッシュにストリームされます。

パッケージをアップグレードするには

新しいバージョンを追加するには、管理者が新しい .MSI ファイルをクライアントに展開し、新しい .SFT ファイルをネットワーク共有フォルダに展開する必要があります。次に、パッケージを展開したときと同じコマンドを実行しますが、ここでは新しい .MSI ファイルと .SFT ファイルを指定します。次に例を示します。

   Msiexec.exe /i \\PathToMsi\packagename.msi MODE=STREAMING OVERRIDEURL=\\\\server\share\package.sft

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