Windows PowerShell を使用した SharePoint 2010 製品の管理

 

適用先: SharePoint Foundation 2010

トピックの最終更新日: 2017-01-18

ここでは、Microsoft SharePoint 2010 製品で Windows PowerShell を使用する方法について説明し、この強力な機能を最大限に活用するために必要な、Windows PowerShell の基本的なコマンドレットと概念について、概要を示します。

この記事の内容

  • 概要

  • SharePoint 2010 管理シェルを使用して SharePoint 2010 製品向けの Windows PowerShell にアクセスする

  • 権限

  • スクリプトと実行ポリシー

  • Windows PowerShell について学ぶ

概要

Windows PowerShell は、コマンド ライン スクリプト ツールです。Windows PowerShell により、管理者は、アプリケーション プログラミング インターフェイス (API) へのフル アクセスが可能になるほか、SharePoint 2010 Productsと直接やり取りする機能のロックを解除して Web アプリケーション、サイト コレクション、サイト、リストなどを操作できるようになります。さらに、コマンドレットのスクリプトを記述すると、以前のバージョンの製品と比べて、より自在に管理できるようになります。

Windows PowerShell 2.0 は SharePoint 2010 Productsをインストールするための前提条件です。Microsoft SharePoint 製品準備ツールを実行したときに、必要に応じてインストールされます。既定では、Windows PowerShell は <%SystemRoot%>\System32\WindowsPowerShell\v1.0\PowerShell.exe にインストールされます。

注意

Windows PowerShell 2.0 は Windows PowerShell 1.0 と下位互換性があり、v1.0 フォルダーに続けてインストールされます。

Windows PowerShell バージョン 2.0 の新機能の一覧については、「Windows PowerShell 2.0 について」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=113247&clcid=0x411) を参照してください。

Windows PowerShell の構文について説明する対話形式のツールとガイドについては、Windows PowerShell Command Builder ツール (英語)および『Getting Started Guide (英語)』を参照してください。

コマンドライン管理タスクを実行するときには Windows PowerShell を使用することが推奨されています。Stsadm コマンドライン ツールは推奨されていませんが、製品の以前のバージョンとの互換性をサポートするために含まれています。

SharePoint 2010 製品向けの Windows PowerShell にアクセスする

SharePoint 2010 製品をインストールした後で、SharePoint 2010 管理シェルまたは Windows PowerShell コンソールを使用して、該当する Windows PowerShell コマンドレットを使用できます。管理シェルでは、SharePoint 2010 Productsの各側面を管理できます。新しいサイト コレクション、Web アプリケーション、ユーザー アカウント、サービス アプリケーション、プロキシなどを作成できます。管理シェルからのコマンドでは、Microsoft .NET プラットフォームに基づく SharePoint オブジェクトが出力されます。これらのオブジェクトは、後続のコマンドで入力として適用したり、ローカル変数に格納して後で使用したりできます。

管理シェルでは、コマンドレットを含むスナップインを登録する必要はありません。SharePoint 2010 コマンドレット用の Microsoft.SharePoint.PowerShell.dll モジュールの登録は、%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\14\Config\PowerShell\Registration の SharePoint.ps1 ファイルにある Add-PSSnapin Microsoft.SharePoint.PowerShell という行によって自動で行われます。Windows PowerShell コンソールを使用することを選択した場合は、このスナップインを手動で登録する必要があります。

管理シェルと Windows PowerShell コンソールのどちらを使用する場合も、追加のスナップインを読み込むことができます。詳細については、「Windows PowerShell プロファイルの力」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=183166&clcid=0x411) を参照してください。

SharePoint 2010 管理シェルにアクセスするには

  1. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  2. [Microsoft SharePoint 2010 Products] をクリックします。

  3. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

注意

SharePoint 2010 管理シェルと Windows PowerShell コンソールでは、スレッド モデルの使用方法を定義する ReuseThread オプションの使用も異なります。管理シェルでの使用方法は、SharePoint.ps1 ファイルにある {Host.Runspace.ThreadOptions = "ReuseThread"} という行で定義されています。詳細については、「PS Thread Options (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=183145&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

権限

管理シェルおよび Windows PowerShell コマンドレットを使用する前に、次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。

SharePoint_Shell_Access ロールまたは WSS_Admin_WPG ローカル グループのメンバーでない場合は、Add-SPShellAdmin コマンドレットを使用します。Add-SPShellAdmin コマンドレットを使用すると、ユーザーはすべてのフロントエンド Web サーバーで WSS_Admin_WPG グループに追加され、SharePoint_Shell_Access ロールに追加されます。対象のデータベースに SharePoint_Shell_Access ロールがない場合は、ロールが自動的に作成されます。Add-SPShellAdmin コマンドレットを実行すると、ユーザーは複数サーバーのファーム環境で SharePoint 2010 Windows PowerShell コマンドレットを実行できます。

Add-SPShellAdmin コマンドレットを実行してユーザーを SharePoint_Shell_Access ロールに追加する場合、ユーザーは次のセキュリティ権限を持っている必要があります。

  • SQL インスタンスに対する Securityadmin サーバー ロール アクセス権およびデータベースの db_owner ロール。

  • ローカル コンピューターの管理権限。

注意

通常、Add-SPShellAdmin コマンドレットを使用する人は、セットアップに使用されたユーザー アカウントと関連付けられている必要があります。

アクセスを許可するすべてのデータベースに対して Add-SPShellAdmin コマンドレットを実行する必要があります。データベースを指定しない場合は、ファーム構成データベースが使用されます。データベースを指定した場合は、指定したファーム構成データベースに加えて、ファーム コンテンツ データベースが対象に含まれます。

*SPShellAdmin のすべてのコマンドレットの一覧を表示するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、「Get-Command -Noun SPShellAdmin」と入力します。

スクリプトと実行ポリシー

Windows PowerShell を使用して単一の管理作業を実行できますが、Windows PowerShell コマンドレットを使用する真の利点は、スクリプトによって一連の作業を自動化できることです。スクリプトは、1 つ以上の Windows PowerShell コマンドを含むテキスト形式ファイルです。 Windows PowerShell スクリプトは, .ps1 というファイル名拡張子を持ちます。

スクリプトを使用する際は、Windows PowerShell の既定のポリシーは Restricted ですが、SharePoint 2010 Productsに最低限必要な実行ポリシーは RemoteSigned であることに注意してください。ポリシーが Restricted のままになっている場合は、SharePoint 2010 管理シェルによって、Windows PowerShell のポリシーが RemoteSigned に変更されます。つまり、[管理者として実行] を選択することにより、管理者権限で SharePoint 2010 管理シェルを起動する必要があります。この変更は、すべての Windows PowerShell セッションに適用されます。

スクリプトと実行ポリシーの詳細については、「about_scripts」および「about_Execution_Policies」をそれぞれ参照してください。

Windows PowerShell について学ぶ

SharePoint を扱う IT 担当者で Windows PowerShell になじみがない方向けの Windows PowerShell のラーニング リソースはいくつかあります。

TechNet スクリプト センター

TechNet スクリプト センターには、Windows PowerShell の使用方法の基礎について学ぶための多数のリソースがあります。また、さまざまな Microsoft 製品で一般的に使用するスクリプトのサンプルを含むスクリプト リポジトリもあります。次の表は、主なラーニング リソースを示します。

ページ 説明

TechNet の Windows PowerShell のドキュメント (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=187813&clcid=0x411)

TechNet ライブラリのこのセクションには、Windows PowerShell の Get-Help の主要なトピックのコピーがあります。また、Windows PowerShell の概要についてのドキュメント、PowerShell.exe のヘルプ、および Windows PowerShell の入門の文書のコピーもあります。

Windows PowerShell でのスクリプティング (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=187815&clcid=0x411)

Windows PowerShell スクリプトのラーニング リソースのホーム ページです。

Windows PowerShell Owner's Manual (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=187817&clcid=0x411) (英語)

Windows PowerShell の概要について学ぶための Web ベースのガイドです。

Windows PowerShell Quick Reference (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=187819&clcid=0x411) (英語)

Windows PowerShell と共にインストールされるクイック リファレンス ドキュメントのダウンロード可能なコピーです。

Windows PowerShell ドキュメント

Windows PowerShell では、Windows PowerShell 1.0 のプログラム グループに以下のドキュメントがインストールされます。これらは、Windows PowerShell 1.0 Documentation Pack (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=187822&clcid=0x411) (英語) をダウンロードしてインストールすることもできます。

ファイル 説明

GettingStarted.rtf

Windows PowerShell の使用を開始する方法について説明しています。

UsersGuide.rtf

Windows PowerShell の環境と言語について説明した文書です。

QuadFold.rtf

Windows PowerShell で一般的に使用する構文とコマンドについて説明した、印刷可能なクイック リファレンス ドキュメントです。TechNet のスクリプト センターからダウンロードすることもできます。

これらのリソースを読むときには、SharePoint 2010 製品向けの Windows PowerShell を使用する前に、以下の概念およびコマンドレットについて学んでおくと役立ちます。