Office Web Apps のキャッシュを管理する

 

適用先: Excel Online, PowerPoint Web App Preview, Word Web App Preview

トピックの最終更新日: 2016-11-29

Microsoft Office Web Apps のキャッシュ管理についてこの記事で提供される情報は、スタンドアロン サーバーまたはサーバー ファームの Microsoft SharePoint 2010 製品にインストールされた Office Web Apps を管理する IT 担当者を対象としています。この記事では、特に明記していない限り、SharePoint 2010 Productsは Microsoft SharePoint Server 2010 および Microsoft SharePoint Foundation 2010 を指します。

Office Web Apps のキャッシュを管理する

Microsoft Word Web アプリケーションと Microsoft PowerPoint Web アプリケーションでは、ドキュメントをブラウザーに表示できるようにするために、ドキュメントを表す一連のイメージが生成されます。Microsoft Silverlight 3 がインストールされている場合は、このドキュメント表現の作成に XAML が使用されます。ドキュメント表現の作成には、大量のコンピューター リソースが消費されることがあります。リソースの消費を抑えるために、Word Web Appおよび PowerPoint Web Appではドキュメント表現がキャッシュ SharePoint コンテンツ データベースの一部として作成される) に保存されます。キャッシュに保存されたドキュメント表現は、同じドキュメントの表示が再び要求されたときに使用されます。ほとんどのドキュメントの変更頻度が低く、定期的に表示だけが行われるような環境では、キャッシュの容量や有効期限を最大値に設定すると、パフォーマンスが向上し、リソースの消費が抑えられます。ほとんどのドキュメントが高い頻度で変更される環境では、キャッシュに使用する容量を削減するか、ドキュメントをキャッシュに保存する時間を短縮すると、パフォーマンスを最適化できます。

Word Web Appと PowerPoint Web App はどちらも、単一の SharePoint Web アプリケーションのコンテキストで実行されます。キャッシュは、SharePoint Web アプリケーションごとに 1 つだけ作成されます。異なるコンテンツ データベースに格納された複数のサイト コレクションで Office Web Apps 機能がアクティブになっている場合、それらは同じキャッシュを使用します。

以下の設定を使用してキャッシュを構成することができます。

キャッシュ サイズ   ドキュメントの表示に使用できるバイト単位の容量。既定では、Office Web Apps をスタンドアロン サーバーまたはサーバー ファームにインストールすると、ドキュメントの表示に使用可能なキャッシュは 100 GB (1073741824 バイト) に設定されます。

有効期限   キャッシュに保存したドキュメントの表示をキャッシュから削除し、表示の作成をやり直すまでの日数。既定で、キャッシュの有効期限は 30 日です。

場所   キャッシュのデータベースの場所 (SharePoint コンテンツ データベース) です。Office Web Apps キャッシュを他のコンテンツと切り離すこともできます。これでキャッシュがバックアップの対象から除外できます。これを行うには、別のコンテンツ データベースを作成し、そこに 1 つのサイト コレクションだけが収容されるように設定し、そのうえで、そのデータベースを使用するように Office Web Apps キャッシュを構成します。

タイマー ジョブ   Office Web Apps には、キャッシュに関連付けられた 2 つのタイマー ジョブがあります。サーバーの全体管理で、タイマー ジョブの定義とジョブ状態を表示したり、設定を編集したりできます。

タイマー ジョブのタイトル 説明

Office Web Apps のキャッシュの作成

Office Web Apps がアクティブ化されたすべての SharePoint Web アプリケーションに特定の Office Web Apps キャッシュが関連付けられていることを確認します。既定で、このタイマー ジョブは 5 分間隔で実行されます。

Office Web Apps 有効期限

より古いドキュメントを破棄して、Office Web Apps キャッシュの領域が使い果たされないようにします。既定で、このタイマー ジョブは夜間に実行されます。

このタスクの手順は、以下のとおりです。

  • Windows PowerShell を使用して Office Web Apps のキャッシュ サイズと有効期限を設定する

  • Windows PowerShell を使用して Office Web Apps キャッシュ データベースの場所を移動する

このタスクの一部の手順では、Windows PowerShell または SharePoint 2010 管理シェルを使用してコマンドレットを実行する必要があります。Windows PowerShell で SharePoint 2010 コマンドレットを実行するには、Add-PSSnapin コマンドレットを使用して Microsoft.SharePoint.PowerShell スナップインを追加する必要があります。または、SharePoint 2010 管理シェルを使用して SharePoint 2010 コマンドレットを実行することもできます。既定では、Microsoft.SharePoint.PowerShell スナップインは登録済みであり、SharePoint 2010 管理シェルに追加されます。SharePoint 2010 コマンドレットを実行するには、構成データベースの SharePoint_Shell_Access ロールのメンバーであり、SharePoint 2010 Productsがインストールされているコンピューターの WSS_ADMIN_WPG ローカル グループのメンバーである必要があります。Windows PowerShell または SharePoint 2010 管理シェルでスクリプトを実行するには、set-executionpolicy コマンドレットで unrestricted パラメーターを指定して実行ポリシーを設定する必要があります。Add-PSSnapin コマンドレットの詳細については、「Add-PSSnapin」を参照してください。SharePoint 2010 Productsで Windows PowerShell を使用する方法については、「Windows PowerShell を使用した SharePoint 2010 製品の管理」を参照してください。

Windows PowerShell を使用して Office Web Apps のキャッシュ サイズと有効期限を設定する

  1. メモ帳を使用してテキスト ファイルを作成し、以下のスクリプトをコピーしてこのファイルに貼り付けます。

    この例では、キャッシュ サイズを 200 GB に、有効期限を 30 日に設定します。

    $200gbInBytes = 1024 * 1024 * 1024 * 200 
    Get-SPWebApplication | Set-SPOfficeWebAppsCache -ExpirationPeriodInDays 30 -MaxSizeInBytes $200gbInBytes 
    
  2. 以下のパラメーターを指定します。

    パラメーター

    –ExpirationPeriodInDays

    数値 (日数)

    –MaxSizeInBytes

    数値 (バイト)

  3. ファイルに .ps1 というファイル名拡張子を付け、スクリプトを実行するフォルダー (通常は C:\scripts) に保存します。

  4. スクリプトを実行するには、Windows PowerShell コンソールのコマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    C:\<パス>\<ファイル名>.ps1

Windows PowerShell を使用して Office Web Apps キャッシュ データベースの場所を移動する

  1. メモ帳を使用してテキスト ファイルを作成し、以下のスクリプトをコピーしてこのファイルに貼り付けます。

    この例では、http://contoso Web アプリケーションに関連付けられたキャッシュを ContosoDB データベースに移動します。

    $webapp = "http://contoso"
    $newDB = New-SPContentDatabase -Name ContosoDB -WebApplication $webapp -DatabaseServer ContosoServer1
    Get-SPOfficeWebAppsCache -WebApplication $webapp | Move-SPSite -DestinationDatabase $newDB
    
  2. 以下のパラメーターを指定します。

    パラメーター

    -WebApplication

    Web アプリケーションの URL

    -Name

    データベースの名前

    –DatabaseServer

    サーバー名

  3. ファイルに .ps1 というファイル名拡張子を付け、スクリプトを実行するフォルダー (通常は C:\scripts) に保存します。

  4. スクリプトを実行するには、Windows PowerShell コンソールのコマンド プロンプト (PS C:\>) で、以下のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    C:\<パス>\<ファイル名>.ps1