同期された配布リストからのメールがスパムと判定される場合の回避策

発行日: 2009 年 6 月

以下の条件がすべて当てはまる場合、Microsoft Exchange Online から会社の配布グループ宛てに送信された電子メールはスパムとしてフィルター処理され、配信されない可能性があります。

  • 社内の Microsoft Exchange Server 環境と Exchange Online の間に電子メールの共存を確立している場合

  • 社内の Active Directory を Microsoft Online Services と同期している場合

  • この同期には、社内の電子メール環境に作成された配布グループも含まれます。

  • これらの同期対象の配布グループのメンバーは、Exchange Online に移行されますが、社内の電子メール システム内にメールボックスを保有したままになります。

この原因は何でしょうか。配布グループには、ReportToOriginatorEnabled という Active Directory プロパティがあります。このプロパティには、True または False の値を設定できます。True に設定すると、メールを受信する電子メール システムは電子メールの送信元を読み取ることができますが、False に設定すると、受信側の電子メール システムはメールの送信元を特定することができません。

社内の電子メール システム内の配布グループでこのプロパティが False に設定されていると、この値が Exchange Online の配布グループに同期された後に、Exchange Online メールボックスを持つユーザーからこの配布グループのメンバーに送信された電子メールの Return Path ヘッダーが空白になります。この空白のヘッダーは、スパム フィルター サーバーまたはサービスがこの電子メールをスパムとしてフィルター処理する原因となり、この結果、社内の電子メール システムにメールボックスを持つユーザーにこのメッセージが配信されなくなります。

回避策

電子メールが確実に配信されるようにするには、社内の電子メール システム内のすべての配布グループについて、ReportToOriginatorEnabled プロパティの値を True に設定します。この処理は、LDP.EXE、ADSI Edit、または ReportToOriginatorEnabled プロパティを変更できるスクリプトを使用して行います。この変更を行うと、次の同期時に Exchange Online でこのプロパティが更新されます。

注: この状態は、Microsoft Online Services 管理センターに作成された配布グループには影響ありません。これは、これらの配布グループの作成時に ReportToOriginatorEnabled プロパティが True に設定されるためです。