Application Request Routing (ARR) サーバーの複数のインスタンスの使用

公開日: 2008 年 11 月 13 日 (作業者: wonyoo (英語))

更新日: 2009 年 2 月 19日 (作業者: wonyoo (英語))

概要

このトピックでは、Application Request Routing (ARR) サーバーの複数のインスタンス間でのホスト名アフィニティ データの管理に使用可能な Microsoft External Cache for IIS 7.0 を構成する手順について説明しています。

以下に該当する場合のみ、External Cache for IIS 7.0 が必要です。

  1. ホスト名アフィニティ機能が使用されている。
  2. 環境内で複数の ARR サーバーが使用されている。

External Cache は、IIS 7.0 用のディスク ベースのキャッシュ モジュールです。

目標

以下に示すように、Application Request Routing によって Microsoft External Cache for IIS 7.0 を構成して使用すること。

Ee886285.externalcacheoverview(ja-jp,TechNet.10).jpg

 

必要条件

このチュートリアルの必要条件は次のとおりです。

  • Windows 2008 (任意の SKU) 以降の IIS 7.0 のインストール (少なくとも 2 つ)。
  • Microsoft Application Request Routing Version 1 および依存モジュール (Microsoft External Cache Version 1 を含む)。
  • 運用中のサイトとアプリケーションが含まれているアプリケーション サーバー (少なくとも 2 台)。
  • ARR でファイルの読み込みと書き込みが可能な共有ファイル 1 個。

Application Request Routing Version 1 をインストールしていない場合は、以下の場所からダウンロードできます。

  • Microsoft Application Request Routing Version 1 for IIS 7 (x86) はこちら(英語)からダウンロードできます。
  • Microsoft Application Request Routing Version 1 for IIS 7 (x64) はこちら(英語)からダウンロードできます。

Application Request Routing をインストールするには、このドキュメントに記載されている手順に従います。

ARR サーバーとアプリケーション サーバーが、それぞれ少なくとも 2 台必要です。共有構成を使用して、複数の ARR サーバーの構成を同じように維持できます。また、別の共有構成を使用して、アプリケーション サーバー間の同期を保つことができます。共有構成の詳細については、この記事 を参照してください。

もう 1 つの必要条件として、「Application Request Routing サーバー グループの定義と構成」に記載されている手順を使用し、サーバー ファームの定義と構成を済ませていることが必要です。

Step 1 - External Cache を有効にする

UI を使用して、External Cache を有効にするには

1.  IIS マネージャーを起動します。

2.  このチュートリアル用に作成されたサーバー ファームを選択します。

3.  以下のアイコンが表示されます。

Ee886285.arr icons(ja-jp,TechNet.10).jpg

4.  [サーバー アフィニティ] をダブルクリックします。

5.  前述したとおり、External Cache はホスト名アフィニティが使用されており、ARR の複数のインスタンスがある場合のみ必要となります。そのため、[ホスト名を使用する] チェック ボックスがオンになっていることを確認してください。

Ee886285.hostnameaffinityRTW(ja-jp,TechNet.10).jpg

6.  [外部キャッシュを使用する] チェック ボックスをオンにして、External Cache を有効にします。[ファイル共有パス] テキスト ボックスは必須フィールドで、ARR サーバー間でホスト名アフィニティの状態を維持するために ARR サーバーがアクセスする場所を指定します。

Ee886285.externalcache(ja-jp,TechNet.10).jpg

7.  すべての ARR サーバーで、上記の手順を繰り返します。

8.  機能が動作していることを確認するには、特定のホスト名を持つ要求をARR サーバーのいずれかに送信します。どのアプリケーション サーバーがホスト名のアフィニティ化の対象となっているかを確認します。残りの ARR サーバーに対しても同じ要求を送信します。どの ARR サーバーがこのホスト名を持つ要求を処理するかに関係なく、すべての要求は同じアプリケーション サーバーにルーティングされる必要があります。

9.  必要に応じて、データが書き込まれている共有ファイルの場所についても確認します。

 

コマンド ラインを使用して、External Cache を有効にするには

1.  管理者権限で、コマンド プロンプトを開きます。

2.  %windir%\system32\inetsrv に移動します。

3.  ホスト名アフィニティを有効にするには、以下を入力します (以下の例では、サーバー ファームの名前として、myServerFarm を使用します)。

  • appcmd.exe set config  -section:webFarms /[name='myServerFarm'].applicationRequestRouting.affinity.useHostName:"True"  /commit:apphost

4.  External Cache を有効にして構成するには、以下のスクリプトを入力します (以下の例では、上記の UI を使用する手順と同じ値を使用します)。"********" と記述されている箇所には、自分のパスワードを入力します。

  • appcmd.exe set config  -section:system.webServer/externalCache/diskCache /[name='ARRCache'].path:"\\wonyoo-w2k8-3\IISShared" /[name='ARRCache'].userName:"redmond\wonyoo" /[name='ARRCache'].password:"********"  /commit:apphost

まとめ

これで、Application Request Routing のホスト名アフィニティ機能と組み合わせて使用するために、Microsoft External Cache for IIS 7.0 を正常に有効にして構成することができました。ARR 層での高可用性の実現に関する詳細については、以下のトピックを参照してください。

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