同じコンピューターでの HTTP を使用したストリーミングとダウンロード

公開日: 2008 年 9 月 26 日 (作業者: dmnelson (英語))

更新日: 2009 年 5 月 12 日 (作業者: dmnelson (英語))

Windows Media Services が HTTP ストリーミングに使用するポートの変更

Web サーバーでは通常、ポート 80 が予約されているため、Windows Media Services が HTTP ストリーミングに使用するポートを変更する方が簡単です。 使用しているネットワーク アダプターが 1 つで、バインドされている静的 IP アドレスが 1 つの場合、この方法が考えられます。 ただし、この構成には次の欠点があることに注意してください。

  • アナウンスメント ファイル、またはストリーミング コンテンツにリンクする Web ページ内では、コンテンツへの接続 URL として、HTTP URL モニカー (http://) と新しいポート番号を含めた URL を指定する必要があります。 たとえば、HTTP ストリーミング ポートをポート 1450 に変更する場合は、プレーヤーに次の接続 URL を指定する必要があります: http://サーバー名:1450/公開ポイント名。 接続 URL で HTTP URL モニカーを使用する場合、Windows Media Services では、ネットワーク状態に応じて最適なストリーミング プロトコルを選択するプロトコル切り替え (ロールオーバー) は使用できません。 プロトコル切り替え (ロールオーバー) は、接続 URL で MMS URL モニカー (mms://) を使用した場合に実行されます。
  • 対応するポートを Windows ファイアウォール (英語) で開く必要があります。

短期的に限られた数のストリームをクライアントに配信するシナリオ (ライブ イベントのブロードキャストなど) の場合は、Windows Media Services の HTTP ポートを変更するだけで十分な解決策となります。 しかし、より長期的 (永久的) なシナリオの場合は、ネットワーク アダプターに追加アドレスを割り当てる (または追加ネットワーク アダプターをインストールする) ことを検討してください。 これを行う場合は、この記事の後の方にある手順で構成を行い、Windows Media Services と IIS で別の IP アドレスとポート 80 の組み合わせが使用されるようにします。

Windows Media Services が HTTP ストリーミングに使用するポートを変更するには

1. Windows Media Services のコンソール ツリーで、HTTP ストリーミングの割り当てポートを変更するサーバーをクリックします。

2. 詳細ウィンドウで、[プロパティ] タブをクリックします。

3. [区分] で、[制御プロトコル] をクリックします。

4. [プラグイン] で、[WMS HTTP サーバー制御プロトコル] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。

5. [ポートの選択] で、[他のポートを使う] をクリックし、指定欄にポート番号を入力します。 HTTP ポート番号は、1 から 65535 の範囲で指定できます。

6. [OK] をクリックして変更を適用します。

7. 詳細ウィンドウの [プラグイン] で、[WMS HTTP サーバー制御プロトコル] をクリックし、[有効] をクリックして、Windows Media サーバーからのコンテンツ ストリーミングに HTTP プロトコルを使用できるようにします。

Windows Media Services が HTTP ストリーミングに使用する IP アドレスの変更

IIS 7.0 がインストールされたコンピューター上の Windows Media Services 2008 で HTTP ストリーミングを有効にしようとすると、次のエラーが返される場合があります。

エラー コード: 0xC00D158B
エラー テキスト: 各ソケット アドレス (プロトコル/ネットワーク アドレス/ポート) では、1 つの使用法が許可されています。 他のサービス (IIS など) またはアプリケーションが同じポートの使用を試みていないことを確認後、再度プラグインを有効にしてみてください。

既定では、IIS 7.0 の既定の Web サイトの HTTP リスナー (HTTP.sys) はポート 80 において、ネットワーク アダプターにバインドされているすべての静的 IP アドレスのすべての着信要求をリッスンします (サイト バインド = http:*:80:)。 HTTP.sys がリッスンする IP アドレスの一覧を、**"IP リッスン一覧" といいます。 HTTP.sys がリッスンしない IP アドレスは、Windows Media Services で使用できます。 ここでは、HTTP を使用したダウンロードとストリーミング用に、一意の静的 IP アドレスとポート 80 の組み合わせを作成する方法について説明します。

メモ   通常、コンピューターには単一のネットワーク アダプターが搭載されており、ネットワーク アダプターには、ポート 80 と組み合わせて使用するアドレスとして一意の静的 IP アドレスが 1 つ割り当てられています。ポート 80 をダウンロードとストリーミングの両方に使用するには、一意の静的 IP アドレスが少なくとも 2 つ必要です。 コンピューターのアダプターに追加の静的 IP アドレスを割り当ててもらうように、インターネット サービス プロバイダー (ISP) またはネットワーク管理者に依頼してください。または、コンピューター上に (一意の静的 IP アドレスを割り当てた) 追加のネットワーク アダプターをインストールする方法もあります。

HTTP ストリーミングに使用できる IP アドレスを特定するには

1. Windows Media Services のコンソール ツリーで、HTTP ストリーミングを有効にするサーバーをクリックします。

2. 詳細ウィンドウで、[プロパティ] タブをクリックします。

3. [区分] で、[制御プロトコル] をクリックします。

4. [プラグイン] で、[WMS HTTP サーバー制御プロトコル] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。

5. [IP アドレス] の [選択した IP アドレスのみにこのプロトコルの使用を許可する] で、Windows Media Services で使用できる IP アドレスの一覧を確認します。 この一覧にはループバック IP アドレス (127.0.0.1) やローカルの IPv6 IP アドレスを含む多くの IP アドレスが表示される可能性がありますが、ポート 80 に使用できる静的 IP アドレスが少なくとも 2 つ (ダウンロード用 1 つとストリーミング用 1 つ) 存在します。

HTTP ダウンロード用の IP アドレスを指定するには

1. コマンド プロンプトで適切なコマンドを入力し、次のサービスを停止します。

  • Windows Media Services: 「net stop wmserver」と入力します。
  • IIS: 「net stop w3svc」と入力します。

2.  コマンド プロンプトで、次を入力します: netsh http add iplisten ipaddress=x.x.x.xx.x.x.x には、Web サーバーがポート 80 で HTTP 要求を監視する静的 IP アドレスを指定します。指定しない静的 IP アドレスは、Windows Media Services 用に予約されます。

3. コマンド プロンプトで、ステップ 1. で停止したサービスを再開します。

  • IIS: 「net start w3svc」と入力します。
  • Windows Media Services: 「net start wmserver」と入力します。

HTTP ストリーミング用の IP アドレスを指定するには

メモ   先に前の手順を行ってください。前の手順で HTTP ストリーミング用の IP アドレスが予約されます。

1. Windows Media Services のコンソール ツリーで、HTTP ストリーミングを有効にするサーバーをクリックします。

2. 詳細ウィンドウで、[プロパティ] タブをクリックします。

3. [区分] で、[制御プロトコル] をクリックします。

4. [プラグイン] で、[WMS HTTP サーバー制御プロトコル] をクリックし、[プロパティ] をクリックします。

5. [IP アドレス] で、[選択した IP アドレスのみにこのプロトコルの使用を許可する] をクリックします。

6. 前の手順でポート 80 でのコンテンツ ストリーミング用に予約した IP アドレスを選択します。前の手順で IP リッスン一覧に追加した IP アドレスは選択しないでください。選択すると、プラグインを有効にしたときにエラー状態になる可能性があります。

7. [ポートの選択] で、[既定のポート (80) を使う] をクリックします。

8. [OK] をクリックして変更を適用します。

9. 詳細ウィンドウの [プラグイン] で、[WMS HTTP サーバー制御プロトコル] をクリックし、[有効] をクリックして、新しい IP アドレスでの Windows Media サーバーからのコンテンツ ストリーミングに HTTP プロトコルを使用できるようにします。

これで、Windows Media Services では、WMS HTTP サーバー制御プロトコル プラグインで選択した IP アドレスのデジタル メディア コンテンツが、ポート 80 を介してストリーミングされるようになります。IP リッスン一覧に追加した IP アドレスを使用してポート 80 に送られる他のすべての HTTP 要求は、HTTP.sys により処理されます。

関連記事

ここでは、Windows Server 2008 を実行するコンピューターで、Windows Media Services と IIS の両方がポート 80 を使用するように構成する方法について説明しました。Windows Server 2003 または Windows 2000 Server でこのソフトウェアの各バージョンを実行する場合は、これらのプラットフォームでの構成手順について、次の記事を参照してください。

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