Application Request Routing を使用した共有ホストの展開の概要

公開日: 2008 年 7 月 2 日 (作業者: pharr (英語))

更新日: 2009 年 5 月 12 日 (作業者: pharr (英語))

Microsoft Application Request Routing (ARR) は、HTTP ヘッダー、サーバー変数、および負荷分散アルゴリズムに基づいて HTTP 要求をコンテンツ サーバーに転送するプロキシ ベースのルーティング モジュールです。詳細については、Application Request Routing の使用についての記事を参照してください。

特に共有ホスト提供者向けに設計された、ホスト名アフィニティと呼ばれる機能があります。この記事では、この機能の概要、およびこの機能を使用して高い可用性と拡張性を持ち、管理しやすく、さらなるビジネス機会を生み出す可能性を持つ環境を展開する方法を説明します。

一般的な共有ホスト展開

次の図に、典型的な共有ホスト展開環境を示します。

Ee909425.common(ja-jp,TechNet.10).jpg

  1. ユーザーが www.site2.com を要求します。

  2. DNS は www.site2.com を要求されます。

  3. www.site2.com の IP アドレスが返されます。

  4. ブラウザーがその IP アドレスに要求を送信します。

  5. ホスト名に基づいて、対応するサイトに要求がルーティングされます。

  6. www.site2.com の応答が返されます。

上記の展開は機能しますが、以下の不利な点があります。

  • サイトに冗長性がありません。

  • 管理者は、サーバーあたりのサイト数を制限して、トラフィック負荷を分散する必要があります。

  • サーバー間で、サーバー リソースの使用率が不均一になる可能性があります。

  • 管理者は、複数の構成ファイルを管理する必要があります。

Application Request Routing を使用した共有ホスト

Application Request Routing のホスト名アフィニティ機能を使用すると、共有ホスト提供者はサイトの展開方法を再考できます。Application Request Routing は、要求元クライアントが 1 つか複数かに関係なく、ARR の背後の 1 台のサーバーに要求を関連付け、任意の 1 つのサイトが 1 台のサーバーのリソースのみを消費するようにします。次の図に、この展開環境を示します。

Ee909425.Shared hosting using ARR(ja-jp,TechNet.10).jpg

  1. ユーザーが www.site2.com を要求します。
  2. DNS は www.site2.com を要求されます。
  3. www.site2.com の IP アドレスが返されます。
  4. ブラウザーがその IP アドレスに要求を送信します。
  5. ARR は、負荷分散のためにこの要求を 1 台のサーバーに振り分け、対応するワーカー プロセスの有効期間の間、www.site2.com に対する要求を同じサーバーに関連付けます。
  6. 要求がサーバーの 1 台に送信されます。
  7. ファイル共有から www.site2.com のコンテンツが要求されます。
  8. www.site2.com のコンテンツが返されます。
  9. www.site2.com の応答が返されます。

上記の Application Request Routing を使用した展開環境には、一般的な共有ホスト展開と比較して以下の利点があります。

  • 要求は、Application Request Routing によって動的に負荷分散されます。
  • 管理者は、サイト割り当てを事前に定義することなく、新しいサーバーを追加して環境を拡張できます。
  • サーバーのリソースはより均一に分散されます。
  • サイトの可用性が高くなります。
  • 管理する共有構成が 1 つのみです。

ARR Version 1 リリースを使用すると、ホスト提供者は、ホスト名ごとにサイトで利用できるサーバー台数を指定できます。この機能によって、ホスト提供者は、サイト所有者が購入できる容量単位として各アプリケーション サーバーを配置できます。

Application Request Routing のホスト名アフィニティの使用方法については、「Application Request Routing を使用した共有ホスト」を参照してください。

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