spreladmin.exe リファレンス
適用先: FAST Search Server 2010
トピックの最終更新日: 2015-03-09
SPRel は検索クリックスルー ログ解析エンジンです。検索結果の妥当性を向上させるためにデータを解析する点で、SPRel は WebAnalyzer に似ています。ただし、WebAnalyzer のようにリンクをカウントして解析するのではなく、SPRel では検索結果内のどのエントリをユーザーがクリックするかを解析します。最も頻繁にクリックされたアイテムには、そのクエリ用語の最適一致のフラグが設定されます。過去 30 日の検索結果内の検索クリックスルー ログを解析することによって、SPRel は将来のクエリの妥当性を向上させることができます。
spreladmin ツールを使用して、SPRel を構成し、状態情報を取得します。このコマンドライン ツールでは、検索クリックスルー ログ解析の実行スケジュールを管理することもできます。
このツールの使用頻度は高くありません。用途としては、show コマンドで SPRel の状態を確認することが最も多いでしょう。
注意
コマンドライン ツールを使用するには、使用者が以下の最小要件を満たしていることを確認します。FAST Search Server 2010 for SharePoint がインストールされているコンピューター上の FASTSearchAdministrators ローカル グループのメンバーであること。
Syntax
<FASTSearchFolder>\bin\spreladmin [global options] <command> [command options]
Parameters
パラメーター | 説明 |
---|---|
<FASTSearchFolder> |
C:\FASTSearch など、FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールしたフォルダーのパスです。 |
spreladmin グローバル オプション
オプション | 説明 |
---|---|
-h |
ヘルプを表示します。 |
-v |
バージョン情報を表示します。 |
spreladmin コマンド オプション
オプション | 説明 |
---|---|
-b |
BackupConfig コマンドと RestoreConfig コマンドのバックアップ ファイルを指定します。 |
-i |
実行と実行の間の間隔 (秒単位)。 既定値: 86400 秒 (1 日) |
-k |
構成を変更するときに変更する構成パラメーターを指定します。 |
-l |
SPRel の新しい詳細度を指定します。 |
-q |
ShowURIRelevance コマンドの URI を指定します。 |
-u |
–k によって指定されるパラメーターの新しい値を設定します。 |
-w |
最初の実行を開始する時刻を指定します。形式: yyyy-mm-dd,HH:MM |
spreladmin 処理コマンド
コマンド | 必須オプション | 説明 |
---|---|---|
AbortProcessing |
なし |
現在の処理を中止します。データは現在の状態を保持しますが、後で処理を再開する必要があります。最後の処理の実行を開始してから取得した新しい未加工データは、すべて新しい処理の実行に組み込まれます。 注意 実行を中止した後、まず SPRel が SPRel のファイルを保存し、その処理に時間がかかることがあります。 |
Enqueue |
なし |
SPRel をスタンバイ状態にします。新しい未加工データを取得したとき、またはユーザーがスケジュールした時間に処理を開始します。 |
Dequeue |
なし |
処理を中止し、SPRel のスタンバイ状態を解除します。SPRel が再びキューに入れられるまで、追加の処理は行われません。 |
PauseProcessing |
なし |
進行中の処理を一時停止します。すべてのデータが保持され、後で一時停止の状態から処理を再開できます。そのとき、処理の実行を開始してから取得された未加工データは処理に含まれません。 注意 一時停止した時点で、まず SPRel が SPRel のファイルを保存し、その処理に時間がかかることがあります。 |
StartProcessing |
なし |
SPRel が動作していない場合に、SPRel に解析の実行開始を強制します。 |
spreladmin の SET コマンド
コマンド | 必須オプション | 説明 |
---|---|---|
SetConfig |
-k <キーワード> -u <値> |
SPRel の構成を変更します。有効なキーワードと既定の構成値については、「SPRel のグローバル構成オプション」を参照してください。 |
SetFDMConfig |
-k <キーワード> -u <値> |
FDM の実行時の動作を変更します。有効なキーワードと既定の構成値については、「SPRel FDM の構成オプション」を参照してください。 |
SetLogLevel |
-l <ログ レベル> |
SPRel の詳細度を次の 5 つのいずれかに設定します。エラー、警告、情報、詳細、デバッグ。 |
SetSchedule |
-w <日付,時刻> -i <間隔> |
最初の処理実行の開始時刻および実行と実行の間の時間間隔を指定することによって処理スケジュールを定義します。 |
spreladmin の show コマンド
コマンド | 必須オプション | 説明 |
---|---|---|
ShowConfig |
なし |
SPRel の現在の構成を表示します。 |
ShowFDMConfig |
なし |
FDM (Fast Distributed Make、解析の生成に使用されるフレームワーク) の現在の構成を表示します。 |
ShowLogLevel |
なし |
SPRel の現在の詳細度の設定を表示します。 |
ShowSchedule |
なし |
現在の処理スケジュールを表示します。 |
ShowStatus |
なし |
SPRel の状態を表示します。 |
ShowURIRelevance |
-q <URI> |
特定の URI の妥当性情報を検索するために SPRel 参照データベースに対してクエリを実行します。 |
spreladmin のその他のコマンド
コマンド | 必須オプション | 説明 |
---|---|---|
BackupConfig |
-b <ファイル名> |
SPRel の構成をバックアップします。 |
RestoreConfig |
-b <ファイル名> |
BackupConfig によって作成されたファイルから SPRel の構成を復元します。 |
ExtendedHelp |
任意のコマンド名 (たとえば ExtendedHelp ShowURIRelevance) |
指定されたオプションの拡張ヘルプを表示します。 |
SPRel のグローバル構成オプション
キーワード (パラメーター) | 値 | 説明 |
---|---|---|
batch_size |
<値> |
バッチあたりのアイテムの最大数。 既定値: 128 |
callback_timeout |
<値> |
最後のバッチが送信されてからコールバックまでの待機時間 (秒単位) を指定します。 既定値: 1800 |
concurrent_feeds |
<値> |
同時に実行できるフィード クライアントの数を指定します。 この値はインストール システム内のすべてのノード上のクライアントの総数です。 既定値: 4 |
cpus |
インストール時に指定された "max-targets" 値と同じ値 |
同時に実行できるプロセスの数を指定します。 この値にシステム内のノードの数を掛けた値が concurrent_feeds 値より小さい場合、この値はフィード クライアントの数を指定します。 |
force_collections |
true|false |
クロール コレクションが新しいデータを受け取っていない場合でも、SPRel がすべてのクロール コレクションを更新するかどうかを指定します。 false を指定すると、SPRel は新しいデータを受け取ったことがわかっているクロール コレクションだけを更新します。ただし、すべてのクロール コレクションを解析に追加します。 既定値: false |
keep_clicklogs |
<値> |
検索クリックスルー ログを保存する日数。 既定値: 30 |
pollwalsr_callback_interval |
<値> |
パイプラインを介して送信された新しいデータを SPRel がチェックする時間間隔 (秒単位)。 既定値: 300 |
run_partial_update |
true|false |
SPRel が解析の実行を完了した後、新しい妥当性データでインデックスを更新するかどうかを指定します。 false を指定すると、SPRel はインデックスを更新せず、更新は保存されず、後で適用もされません。 既定値: true |
sort_buffer |
<値> |
データを並べ替えるときに使用するメモリの容量 (メガバイト単位)。この値はシステムで実行されているタスクごとに指定されます。 既定値: 200 |
use_clicklogs |
<値> |
解析に含める検索クリックスルー ログの数。 既定値: 30 |
SPRel FDM の構成オプション
キーワード (パラメーター) | 値 | 説明 |
---|---|---|
disk_free |
<値> |
処理のためにノードで利用可能になっている必要のある最小限のディスクの空き領域 (MB 単位)。 ディスクの空き領域がこの下限を下回ると、ノードは解析に使用されません。 既定値: 2000 |
verbose |
true|false |
解析の詳細度。 既定値: false |
例
以下の例では、SPRel の全体の状態を表示します。
<FASTSearchFolder>\bin\spreladmin showstatus
以下の例では、SPRel の構成の一覧を表示します。
<FASTSearchFolder>\bin\spreladmin showconfig
以下の例では、処理ノードごとに 2 つの CPU を使用するように SPRel に指示します。
<FASTSearchFolder>\bin\spreladmin setconfig -kcpus -u2