ホスティング事業者のための URL 書き換え

公開日: 2009 年 1 月 13 日 (作業者: walterov (英語))

更新日: 2009 年 1 月 13 日 (作業者: walterov (英語))

はじめに

この記事では、ホスティング事業者向けに IIS 7 の URL 書き換えモジュールの詳細やその展開方法に関するさまざまなリソースを紹介します。書き換えモジュールは、「共有ホスティング」の記事で説明されているように、Windows Web プラットフォームの重要なコンポーネントです。URL 書き換えモジュールによって、Web ユーザーやサイト管理者は、これまで一部の複雑なカスタム システムでしか利用できなかった機能を使えるようになります。

URL 書き換えモジュールについて

サーバーやサイトの管理者は、URL 書き換えモジュールを使用して、表示されるサイトの URL を変更するルールを作成できます。Web サーバーは、変更された URL を使用してその後の処理を行います。この機能により、サイトの URL をユーザーにとってわかりやすいシンプルなものにすることができます。また、サーバーやサイトの管理者は、このわかりやすい URL が検索エンジンでも保存、処理、表示されるようにして、サイトの総合的な Web エクスペリエンスを向上させることができます。
ここでは、共有ホスティング環境で URL 書き換えモジュールを使用して、わかりやすい URL を実装する方法について簡単に説明します。

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  1. 上の図は、URL 書き換えを使用する際に行われる以下のような処理を示しています。
    エンド ユーザーが「http://www.somestore.com/chocolates/dark/organic」という URL を入力します。
  2. www.somestore.com サイトの Web サーバーにインストールされている URL 書き換えモジュールは、入力された "http://www.somestore.com/chocolates/dark/organic" という URL を "http://www.somestore.com/catalog.php?Department=chocolates&Category=dark&Label=organic" に変換します。変換された URL をアプリケーションが処理します。
  3. チョコレートのリストを表示したい場合は、Web アプリケーションのナビゲーション機能を使用せずに、「http://www.somestore.com/chocolates」という URL を入力できます。

このように、URL 書き換えを使用すると、ユーザーが簡単に URL を入力できるようになります。このモジュールには、一部を挙げるだけでも以下のようなメリットがあります。

  • Web アプリケーションのユーザーや検索エンジンが扱いやすい、シンプルな URL が提供されます。
  • Web 開発者や管理者は、アプリケーションの内部構造を隠すことができます。
  • Web 開発者は URL 書き換えを抽象化レイヤーとして使用することで、アプリケーション実装に使用したコア テクノロジーに変更を加えた場合も、わかりやすい URL をそのまま使用することができます。
  • 管理者は、ホット リンクやインライン リンクなどの望ましくない行いを防止するツールとして使用できます。

ドキュメント

機能の一覧とガイドの完全なリストを確認するには、「URL 書き換えモジュールの使用」を参照してください。

URL 書き換えモジュールの展開

前出の図に示したように、URL 書き換えモジュールは以下の場所にインストールされます。

  1. Web ファーム内のすべての Web サーバー。すべての Web サーバーにインストールすることで、サーバーおよびサイトの管理者は URL 書き換えのルールを管理できるようになります。これには、ファームのサーバーを構築するにあたって、URL 書き換えモジュールを含むイメージを使用します。

  2. Application Request Routing (ARR) サーバー。ARR は、URL 書き換えモジュールをルーティング機能のコア コンポーネントとして使用します。URL 書き換えモジュールのインストールは ARR インストーラーによって行われるので、別途インストールを行う必要はありません。

URL 書き換えは、以下の場所からダウンロードできます。

• IIS 7 用 x86 版のダウンロード
• IIS 7 用 x64 版のダウンロード

インストーラーの詳細な使用手順については、「URL 書き換えモジュールの使用」の「モジュールの取得場所」セクションを参照してください。

インストールされた URL 書き換えモジュールの機能は、既定でユーザーに提供されます。これとは別に、ホスティング事業者はグローバル ルールを利用して、サーバー上のすべてのサイトに適用されるルールを定義できます。詳細については、「グローバル リライト ルールと分散リライト ルールの使用」を参照してください。グローバル ルールは、ユーザーには表示されません。

一般的な URL 操作タスク

次のビデオ (英語) では、以下の手順のデモをご覧いただけます。

  • ユーザーにとってわかりやすく、検索エンジンで高い評価を得られる URL を動的な Web ページで使用する。

  • Web サイトの正規ホスト名を強制的に使用する。

  • 書き換えマップを使用する。

  • 好ましくない要求をブロックする。

  • 書き換えルールのトラブルシューティングやデバッグを実行する。

URL 書き換えモジュールの使用」の「モジュールの使用」セクションで、URL 書き換えモジュールの機能や、このモジュールを使用して一般的な URL 書き換えシナリオを実行する方法に関する記事へのリンクを紹介しています。

この記事では、URL 書き換えと HTTP 要求フィルターの違いについて説明しています。この 2 つのモジュールを使い分ける上で役立つ情報を得ることができます。

まとめ

この記事では、新しい URL 書き換えモジュールの概要とホスティング事業者にとっての利点を説明し、IIS 7 の URL 書き換えモジュールの詳細、展開、構成に関するリソースを紹介しています。