OneNote 2010 を計画する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

この記事では、Microsoft OneNote 2010 を展開するための計画プロセスについて説明します。

この記事の内容

  • 計画の概要

  • 組織の要件を評価する

  • OneNote 2010 の変更内容を確認する

  • 移行時の検討事項を確認する

  • OneNote のアップグレードを計画する

  • OneNote Web アプリケーションを計画する

  • SharePoint 製品で OneNote を使用する際の検討事項

計画の概要

次の図に、OneNote 2013 を企業内に展開するときの計画手順の概要を示します。

OneNote の計画プロセスの図

組織の要件を評価する

通常、計画プロセスは、組織の要件を確認するために現在の環境を評価することから始まります。ここで確認する事項は次のとおりです。

  • コンピューターが Microsoft Office 2010 のシステム要件を満たしているか

  • 製品を以前のバージョンからアップグレードするのか

  • ファイル形式やユーザー データの設定を移行する際の検討事項

  • インターネット上でのドキュメントの共有禁止など、セキュリティに関する検討事項インターネット上でのドキュメントの共有禁止など、セキュリティに関する検討事項

  • 多国語の必要性

OneNote 2010 のシステム要件

OneNote 2013 のシステム要件については、「Office 2010 のシステム要件」の「Microsoft InfoPath 2010」を参照してください。

現在の環境で使われているハードウェアとソフトウェアの評価ツールについては、「Office 2010 の評価ツール」を参照してください。

OneNote 2010 へのアップグレード

以前のバージョンの Microsoft OneNote からアップグレードする場合は、この記事の「OneNote のアップグレードを計画する」で、OneNote 2013 の新しいファイル形式と、Microsoft Office OneNote 2007 または OneNote 2003 からアップグレードする際の検討事項を確認してください。

セキュリティに関する検討事項

Office 2010 アプリケーションを組織内で利用する場合のセキュリティに関しては、セキュリティ上の脅威と Office 2010 の新しいセキュリティ用コントロールに関する情報が「Office 2010 のセキュリティの概要」、「セキュリティの脅威と Office 2010 のセキュリティ対策を理解する」、「Office 2010 のセキュリティを計画する」の各記事で提供されています。

多国語の必要性

Office 2010 では特定の言語に依存しないアーキテクチャによって、多国語での展開が簡素化されています。Microsoft Office Professional Plus 2010 などの Office 2010 製品は、特定の言語に依存しないコア パッケージと、言語固有の 1 つ以上のパッケージで構成されています。Office 2010 アプリケーションを多国語で展開する方法については、「Office 2010 の複数言語の展開を計画する」と「Office 2010 の言語のセットアップと設定をカスタマイズする」を参照してください。

OneNote 2010 の変更内容を確認する

OneNote 2013 の展開計画では現在のリリースの変更内容を確認することも必要です。OneNote 2013 の新機能、変更点、および削除された機能については、「OneNote 2010 での変更点」を参照してください。

移行時の検討事項を確認する

計画プロセスの次の段階では、以前のバージョンの OneNote から OneNote 2013 に移行するユーザーのために、移行の際の検討する事項を確認します。これらの検討事項については、「OneNote 2010 での変更点」の「移行時の検討事項」を参照してください。

OneNote のアップグレードを計画する

OneNote 2013 では、ファイルの保存のために以前のバージョンと異なる新しいファイル形式が使用されます。OneNote 2013 の新機能 (数式、バージョン管理、リンク ノートの作成、複数レベルのサブページなど) の多くで新しいファイル形式が必要とされます。新しいファイル形式を使用すると Web 上でノートブックを共有できるので、Web ブラウザーを使用してノートブック ファイルを表示したり編集したりできます。OneNote 2013 で新規に作成したノートブックは、既定では新しいファイル形式で保存されます。

以下に、以前のバージョンからのアップグレードに関する情報を示します。

OneNote 2007 からのアップグレード

OneNote 2013 では、Microsoft Office OneNote 2007 のファイル形式で保存したノートブックを表示したり、開いて編集したりできます。また、Office OneNote 2007 形式のノートブックを OneNote 2013 形式に変換する、あるいは逆に、Office OneNote 2007 形式に戻すこともできます。

Office OneNote 2007 から OneNote 2013 にアップグレードするとき、Office OneNote 2007 の既存のノートブックは既定では自動的に変換されません。OneNote 2013 のファイル形式で保存したノートブックを、Office OneNote 2007 で開いて使用することはできません。

Office OneNote 2007 ユーザーとノートブックを共有することが必要かどうかを検討してください。この点に関する推奨事項は次のとおりです。

  • OneNote 2013 をインストールしていない Office OneNote 2007 ユーザーと共有するノートブックは、アップグレードしないことをお勧めします。

  • 以前のバージョンの OneNote ユーザーとノートブックを共有する必要がない場合は、既存のノートブックを OneNote 2013 形式に変換することをお勧めします。これで新しい製品の機能をすべて利用できるようになります。

Office OneNote 2007 のノートブックを開いた場合は、アプリケーション タイトル バーに "[互換モード]" と表示されるので、Office OneNote 2007 のファイル形式であることがわかります。

ノートブックのファイル形式を変更するには、ナビゲーション バーにあるノートブック アイコンを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。[ノートブックのプロパティ] ダイアログで、ノートブックの形式を Office OneNote 2007 から OneNote 2013 に変更できます。また、それを Office OneNote 2007 形式に戻すこともできます。

OneNote 2003 からのアップグレード

OneNote 2003 のノートブックは OneNote 2013 (および Office OneNote 2007) では読み取り専用になります。つまり、OneNote 2013 と Office OneNote 2007 では、OneNote 2003 形式のファイルは編集できません。

OneNote 2003 から OneNote 2013 にアップグレードして引き続き OneNote 2003 のノートを編集するには、ノートブックを OneNote 2013 形式か Office OneNote 2007 形式にアップグレードする必要があります。それには、OneNote 2013 でノートブックを開き、OneNote 2003 ノートブックの各ページの上部にある情報バーをクリックします。

OneNote 2003 ノートブックを OneNote 2013 形式または Office OneNote 2007 形式に変換すると、もう元の形式に戻すことはできません。そのため、ノートブックのバックアップ コピーを作成してから新しい形式に変換することをお勧めします。

OneNote Web アプリケーションを計画する

Microsoft OneNote Web アプリケーションは、どこからでも OneNote のノートブックにアクセスして簡単な編集やノートブックの共有が行える、OneNote 2013 のオンライン コンパニオンです。OneNote Web App を使用すると、コンピューターに製品版の OneNote がインストールされていなくても、Web ブラウザーからアクセスしてノートブックを編集できます。パーソナル コンピューター、携帯電話、または Web を通じて、他のユーザーとドキュメントを共有し、表示や編集を行うことができます。

Microsoft Office Web Apps は Windows Live を通じてユーザーに提供されます。また、Office 2010 のボリューム ライセンスを取得して、Microsoft SharePoint 2010 製品をベースとするドキュメント管理ソリューションを使用しているビジネス カスタマーも利用できます。ビジネス カスタマーは、Microsoft SharePoint Server 2010 または Microsoft SharePoint Foundation 2010 が稼働するサーバーにインストールされた Office Web Apps を実行できます。企業環境では、SharePoint 2010 Productsの稼働するサーバー上で Office Web Apps を実行することによって、組織のデータ管理をもう一歩高めることができます。

このセクションでは、Microsoft Office Web Apps のシステム要件と、ダウンロード、展開、および使用方法に関するリソースへのリンクを示します。

現在の環境に OneNote Web App を展開することを計画している場合は、Office Web Apps の展開に関する次の記事を読むことをお勧めします: Office Web Apps について (SharePoint 2010 製品にインストールされている) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185473\&clcid=0x411)、Office Web Apps の計画 (SharePoint 2010 製品にインストールされている) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185475\&clcid=0x411)、Office Web Apps を展開する (SharePoint 2010 製品にインストールされる) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185483\&clcid=0x411)。

このセクションの内容

  • Office Web Apps のシステム要件

  • Office Web Apps の展開と使用方法に関するリソース

Office Web Apps のシステム要件

次の表は、Office Web Apps のシステム要件です。

システム要件 詳細

サポート対象オペレーティング システム

Windows Server 2008

Windows Server 2008 R2 および Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP2)

ハードウェア

プロセッサ: 64 ビット、デュアル プロセッサ、3 GHz

RAM: 4 GB (スタンドアロン)、8 GB (ファーム)

ハード ディスク: 80 GB

ソフトウェア

SharePoint Foundation 2010

または

SharePoint Server 2010

ブラウザーのサポート

Internet Explorer 7.0 以降 (Windows)

Safari 4.0 以降 (Mac)

Firefox 3.5 以降 (Windows、Mac、Linux)

Office Web Apps の展開と使用方法に関するリソース

次の表は、Office Web Apps と OneNote Web App の計画、展開、および使用に関するドキュメントとダウンロード情報のリソースです。

リソース 説明

Microsoft Office Web Apps (Beta) (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=183997&clcid=0x411) (英語)

Office Web Apps のダウンロード。

Office Web Apps について (SharePoint 2010 製品にインストールされている) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185473&clcid=0x411)

Office Web Apps の社内型ソリューションとそれを使用して組織のユーザーの利便を図るための情報。

Office Web Apps の計画 (SharePoint 2010 製品にインストールされている) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185475&clcid=0x411)

Office Web Apps の社内型ソリューションの展開計画のための情報。

Office Web Apps を展開する (SharePoint 2010 製品にインストールされる) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185483&clcid=0x411)

Office Web Apps の展開のための情報。

Office Web Apps を管理する (SharePoint 2010 製品にインストールされる) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=185498&clcid=0x411)

組織の Office Web Apps を管理するための情報。

SharePoint 製品で OneNote を使用する際の検討事項

このセクションでは、OneNote 2013 を SharePoint 2010 Productsで使用するとき検討すべき事項を要約します。

[チェックアウトを必須にする] をオフにする

共同編集では、複数のユーザーが互いの変更を妨げたり、他のユーザーをロックアウトしたりすることなく、いつでも同じドキュメントに対して共同作業を行うことができます。共同編集をセットアップして管理するときは、次のことを検討する必要があります。


  • チェックアウト   ユーザーが編集のために SharePoint Server 2010 のライブラリからチェックアウトしたドキュメントがこれでロックされてそのユーザーだけが編集できるようになり、共同編集が禁止されます。共同編集が行われるドキュメント ライブラリでは [チェックアウトを必須にする] をオンにしないでください。SharePoint Server 2010 では、[チェックアウトを必須にする] は既定でオフにされます。共同編集が行われているとき、ユーザーはドキュメントを手動でチェックアウトしてはいけません。

バージョン管理

Microsoft Word 2010 および Microsoft PowerPoint 2010 と異なり、OneNote 2013 ではバージョン情報が OneNote ファイル本体に格納されます。このため、管理者は OneNote のノートブックを SharePoint Server 2010 のドキュメント ライブラリに格納するとき、次の推奨事項に従ってください。

  • マイナー バージョン管理をオンにしないでください。これは SharePoint Server 2010 の既定の設定です。

  • メジャー バージョン管理がオンの場合は、格納するバージョンの最大数を妥当な値に設定することをお勧めします。SharePoint が作成するメジャー バージョンごとにファイルのバージョン履歴が完全な形で保存されるので、記憶域の効率という面でやや不利です。メジャー バージョン管理をオンにする場合は、[次の数のメジャー バージョンを保存する] をオンにすることをお勧めします。これで、ファイルの編集が長引いても際限なくバージョンが作られることがなくなり、サイトに割り当てられた記憶域を使い尽くすような事態を避けることができます。SharePoint Server 2010 では、既定でメジャー バージョン管理がオフにされます。

バージョン管理とチェックアウトに関する計画の詳細については、「バージョン管理、コンテンツ承認、チェックアウトの計画 (SharePoint Server 2010)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=186210\&clcid=0x411) を参照してください。

Microsoft Office OneNote 2007 との混在環境

OneNote 2013 はファイル形式に関して Office OneNote 2007 と互換性があり、Office OneNote 2007 ユーザーとの共同編集をサポートしています。混在環境では、ノートブックを Office OneNote 2007 のファイル形式で保存する必要があります。これで Office OneNote 2007 ユーザーと OneNote 2013 ユーザーが、そのノートブックで一緒に作業を行えるようになります。ただし、OneNote 2013 ファイル形式にアップグレードすれば、OneNote Web Appとの互換性と共にその主要な機能のいくつかを利用できるようになり、製品版の OneNote をインストールしなくてもノートブックの編集や共同編集を行えます。

OneNote 2013 では、いつでも Office OneNote 2007 ファイルを OneNote 2013 ファイルにアップグレードできるので、このアップグレード パスにより、組織の環境を混在環境から Office 2010 上の統合環境へ簡単に移行できます。