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レポート機能とビジネス インテリジェンスを計画する (Project Server 2010)

 

適用先: Project Server 2010

トピックの最終更新日: 2010-03-26

Microsoft Project Server 2010 では、Project Server に Microsoft SharePoint Server 2010 の Excel Services が統合され、カスタム レポートの作成が容易になりました。この統合の一環として、未入力のデータ接続スプレッドシートとサンプル レポートも提供されています。レポート機能に使用できるデータとして、タイムシート ユーザー設定フィールド、プロジェクトのプロパティ、ポートフォリオのプランナーとオプティマイザーのデータなどがあります。また、既定のオンライン分析処理 (OLAP) キューブは、特定の部署のデータのみを含めるようにカスタマイズできるようになりました。

Office Excel 2007 と Excel 2010 のレポート機能

Excel レポートは、レポート データベースまたは OLAP データベースから取得したデータを表示できるデータ接続スプレッドシートです。Microsoft Excel 2010 のレポート機能では、テーブル、ピボットテーブル、またはピボットグラフにデータを表示でき、その他の視覚効果機能も使用できます。Microsoft Office Excel 2007 のレポート機能では、ピボットテーブルまたはピボットグラフのみ使用できます。Excel レポートでは、レポート データベースや OLAP データベースのデータのアクセスと取得のために、Office データ接続が使用されます。

ダッシュボード

ダッシュボードは、SharePoint Server 2010 インフラストラクチャと Excel Services 統合によって使用可能になります。

ビジネス インテリジェンス センター ダッシュボード ページは、Web パーツをホストできるページです。Web パーツを併用することによって、Project Server のデータを表現するために以下の各種機能を利用できます。

  • Excel Services

  • Microsoft PowerPivot

  • Microsoft SQL Server Reporting Services (SSRS) 2005 または 2008

  • Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services

  • SharePoint Server 2010 Business Connectivity Services 機能

  • Microsoft Search Server 2010

これらの 6 つの各レポート機能に関連する Web パーツを使用することによって、ダッシュボード ページにそれぞれの機能を追加できます。たとえば、ダッシュボード ページに Excel レポートを追加するには、ダッシュボード ページに Excel Web Access Web パーツを追加し、その Web パーツに表示する特定の Excel .xlsx ファイルに Web パーツをリンクします。

ダッシュボード ページには、レポート Web パーツにリンクできる組み込みのページ フィルターがあり、これを利用すると、他の情報に基づいてコンテンツをフィルター処理できます。レポート Web パーツは相互にリンクすることもできるので、あるレポートで選択した値に基づいて、接続されている別のレポートをフィルター処理することもできます。

セキュリティとアクセス

Project Server のインストール後にビジネス インテリジェンス センターにアクセスできるのは、インストールに使用したアカウントのユーザーのみです。それ以外のユーザーがレポート コンテンツを使用できるようにするには、事前にアクセス権を付与する必要があります。

ビジネス インテリジェンス センターでは、Project Server 2010 のセキュリティ メカニズムは使用されません。サイト アクセス用には SharePoint Server 2010 セキュリティ、データ アクセス用には Secure Store Service が使用されます。したがって、ビジネス インテリジェンス センターの管理操作は、Project Server ユーザー以外の担当者に委任できます。

ビジネス インテリジェンス センターは、Microsoft Project Web App (PWA) サイトのサブサイトです。通常、サブサイトは親サイトのセキュリティ権限情報を継承しますが、このようなセキュリティの継承を切断してサイトのセキュリティ管理を分離することもできます。これによって、ビジネス インテリジェンス センターに含めるユーザーとして、Project Server 2010 ユーザーのほか、Project Server 2010 のデータは必要でも Project Server トランザクション システムへのアクセスは必要としていない、企業内のその他の情報ユーザーも含めることができます。

このサイトの基本操作には、SharePoint Server 2010 サイトに対する以下の 3 種類のアクセス許可レベルが必要になります。

  • Web 管理者グループ — ビジネス インテリジェンス センター サイト管理者用

  • チーム メンバー — レポート閲覧者用

  • プロジェクト マネージャー — レポート作成者用

これらのロールによって、サイト内の各種アイテムへのユーザーアクセス権が指定されます。アクセスするアイテムとしては、レポート、レポート テンプレート、および Office データ接続があります。Office データ接続のアイテムについては、当該 ODC に使用される Secure Store 資格情報によって、レポートや OLAP データベースのデータへのアクセスが提供されます。

このサイト内の特定のアイテムへのアクセスのセキュリティを管理するには (レポート フォルダー、特定のレポート、Office データ接続へのアクセスを制限する場合など)、対象アイテムの保護に利用する固有のセキュリティ グループを作成するか、各アイテムのセキュリティ権限を編集する方法で、例外を設定することによって、セキュリティ権限をカスタマイズできます。このような処理はすべて、SharePoint Server 2010 のセキュリティによって実現されます。

ビジネス インテリジェンス センターを実装した場合は、既定コンテンツや既定コンテンツのフォルダーを名前変更したり削除したりしないことをお勧めします。将来、更新プログラムやサービス パックがリリースされたときに、既定コンテンツが再作成される可能性があります。

Office データ接続

Office データ接続は、複数の Excel レポートから使用できる外部ファイルです。このようなファイルには、以下のものが含まれます。

  1. 正しいターゲット データベースに接続およびアクセスするために必要な接続情報。

  2. ターゲット データベースからデータを読み込むのに必要なセキュリティ資格情報。

  3. ターゲット データベースから取得するデータに関する固有の説明。ここには、構造化照会言語 (SQL) の選択クエリが含まれることもあります。

このようなファイルへのアクセスは、SharePoint Server 2010 セキュリティを使用して保護できます。また、Secure Store アプリケーション定義をアカウント別に作成することによって、レポートするデータへのアクセスも保護できます。

Microsoft SQL Server を使用したデータ分析

データ分析には、SQL Server 2005 および SQL Server 2008 に含まれている Analysis Services が必要です。

データ分析のユーザー

ユーザーは、PWA を使用してデータ分析ビューを作成および操作でき、また、Microsoft Project Professional 2010 を使用してデータ分析ビューを操作できます。ユーザーがデータ分析ビューを作成および操作するには、以下の条件があります。

  • ユーザーは、データ分析を操作するには、PWA のデータ分析ページにアクセスする権限を付与されている必要があり、データ分析に含まれることになるデータにアクセスする権限が必要です。

  • ユーザーは、PWA のビジネス インテリジェンス サイト Project Professional 2010 からデータ分析を表示する権限を付与されている必要があります。

データ分析機能を使用するには、ユーザーに以下の権限が付与されている必要があります。

  • データ分析の表示   これは、ユーザーが PWA または Project Professional 2010 を使用してデータ分析を表示するためのグローバル アクセス権です。

  • Project Web App ビューの管理   これは、ユーザーが PWA で新しいビューを作成するためのグローバル アクセス権です。

エンタープライズ設定

Project Server 2010 のエンタープライズ グローバル テンプレートおよびエンタープライズ リソース共有元における設定は、ユーザーがデータ分析を使用するときのデータ処理方法に大きく影響することがあります。データ分析を使用する前に、以下の点を考慮してください。

  • 組織において、エンタープライズ プロジェクト ユーザー設定フィールドおよびエンタープライズ リソース ユーザー設定フィールドが定義されていますか。

  • 必要なすべてのリソースをエンタープライズ リソース共有元に追加済みですか。

  • いずれかのエンタープライズ ユーザー設定フィールドに値を設定済みですか。

  • データ分析ビューにアクセスできるようにするために、エンタープライズ リソース共有元のリソースを正しい Project Server セキュリティ カテゴリに割り当てていますか (Active Directory ディレクトリ サービスで、リソースをインポートしたり、エンタープライズ リソース共有元と同期したりすると、すべてのリソースが "チーム メンバー" セキュリティ カテゴリに追加されます)。