Office SharePoint Server 2007 から SharePoint Server 2010 の変更点

 

適用先: SharePoint Foundation 2010, SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2010-04-15

ここでは、Microsoft Office SharePoint Server 2007 から Microsoft SharePoint Server 2010 への移行において使用できなくなった機能または削除された機能について説明します。使用できなくなった機能は、製品の以前のバージョンとの互換性のために、SharePoint Server 2010 にも付属しています。このような機能は、今後のバージョンで削除されます。

この記事の内容

  • 使用できなくなった機能

  • SharePoint Server 2010 から削除された機能

使用できなくなった機能

以下に示す機能は SharePoint Server 2010 にも組み込まれていますが、今後のバージョンで削除される予定です。

Stsadm コマンドライン ツール

説明: Stsadm コマンド ライン ツールは使用されなくなりました。

変更理由: Stsadm コマンド ライン ツールは、Windows PowerShell 2.0 に置き換わります。

移行パス: 以前のバージョンの製品との互換性をサポートするために、Stsadm コマンド ライン ツールも用意されています。コマンド ライン管理タスクを実行する場合は、Windows PowerShell 2.0 を使用してください。

サイト ディレクトリ機能

説明: サイト ディレクトリは、サイト コレクション内のすべてのサイトに対するリンクの一覧を提供します。

変更理由: この機能は、User Profile Service のソーシャル機能に置き換わります。

移行パス: システムに入力されたタグを検索し、それに関連付けられているサイト、およびそのサイトと関連付けられている他のタグやメモを表示するには、タグとメモの機能を使用します。リンク一覧に対するさらに構造化された方法を提供するため、すべてのサイト コレクションには、リンクの一覧を作成する機能、および編集の制御を定義できるワークフローが用意されています。スクリプトまたはタイマー ジョブで、ユーザー設定のリンク一覧を作成および更新できます。または、サーバーの全体管理の [サイト コレクションの作成] ページに機能を関連付けることもできます。

Reporting Services へのスコアカードのエクスポート

**説明:**SharePoint Server 2010 では SQL Server Reporting Services へのスコアカードのエクスポートはサポートされなくなりました。

変更理由: この機能はあまり利用されていません。

ビジネス データ カタログ

**説明:**Office SharePoint Server 2007 では、ビジネス データ カタログを使用して外部データがソリューションに統合されていました。ビジネス データ カタログは、共有サービス プロバイダー フレームワークのコンテキストでの共有サービスでした。

**変更理由:**SharePoint Server 2010 では、外部データは新しい Business Data Connectivity Service を使用してソリューションに統合されます。このサービスは、共有サービス プロバイダー フレームワークのコンテキストでは実行しなくなり、SharePoint Server 2010 の新しい共有サービス フレームワークに適合します。

**移行パス:**Business Data Connectivity Service のオブジェクト モデルとビジネス データ カタログで使用されていたオブジェクト モデルとの間に、下位互換性はありません。Office SharePoint Server 2007 ビジネス データ カタログ ソリューションと SharePoint Server 2010 の上位互換性をサポートするには、ビジネス データ カタログで使用されていたオブジェクト モデルをサポートする追加サービス Application Registry Service を SharePoint Server 2010 で使用できます。新しく開発するソリューションでは、Application Registry Service を利用しないことをお勧めします。このサービスは、2007 Microsoft Office system のソリューションの上位互換性を保証するためにのみ提供されています。

SharePoint Server 2010 から削除された機能

SharePoint Server 2010 では、以下の機能は使用できません。

32 ビット オペレーティング システム

**説明:**SharePoint Server 2010 では、64 ビット オペレーティング システムが必要です。32 ビット オペレーティング システム上での SharePoint Server 2010 の実行はサポートされません。

**変更理由:**SharePoint Server 2010 には、64 ビット オペレーティング システムで実現されるパフォーマンスによって効果を発揮する機能が多数あります。

移行パス: 64 ビット オペレーティング システムに SharePoint Server 2010 をインストールします。

並行インストール

説明: 同じサーバー上に Office SharePoint Server 2007 と SharePoint Server 2010 を並行インストールできる機能は削除されています。この変更は、段階的なアップグレードのサポートの削除に関係しています。

変更理由: 互換性とパフォーマンスの問題が原因で、並行インストールを行うことができません。

移行パス: 同じハードウェア上でインストールの一括アップグレードを実行するか、新しいファームへのデータベース接続を実行します。ファームの Office SharePoint Server 2007 バージョンと SharePoint Server 2010 バージョンが両方同時に存在する必要がある場合は、新しいハードウェアを使用します。

詳細については、「SharePoint Server 2010 へのデータベース接続アップグレードを実行する」を参照してください。

段階的なアップグレード

説明: 段階的なアップグレード機能は、並行インストールの削除に伴い、削除されています。

変更理由: 互換性とパフォーマンスの問題が原因で、並行インストールを行うことができません。

**移行パス:**Office SharePoint Server 2007 の読み取り専用データベース機能と SharePoint Server 2010 のデータベース接続アップグレード機能を使用して、ダウンタイムを最小限にしてください。

詳細については、「アップグレード プロセスの一部として AAM URL リダイレクトを使用する (SharePoint Server 2010) (ホワイト ペーパー)」を参照してください。

Office SharePoint Server 2007 と SharePoint Server 2010 の両方のバージョンのファームを維持する必要がある長期間のアップグレードの場合は、SharePoint Server 2010 で提供されている代替アクセス マッピング (AAM) URL リダイレクト機能を使用できます。AAM URL リダイレクトを使用するアップグレードは、ユーザー インターフェイス (UI) からスケジュールを設定するタイマー ジョブに基づくイベントではなく、データベース接続アップグレード コマンドライン操作を使用して実行します。

詳細については、「アップグレード プロセスの一部として AAM URL リダイレクトを使用する (SharePoint Server 2010) (ホワイト ペーパー)」を参照してください。

Office Web コンポーネント

**説明:**SharePoint Server 2010 は Office Web コンポーネント (OWC) をサポートしなくなりました。ピボットグラフ、ピボットテーブル、トレンド グラフの各レポート タイプは、SharePoint ダッシュボード デザイナーのオプションとしては使用できません。

変更理由: この 2007 Microsoft Office system の機能は、SharePoint Server 2010 の Microsoft SharePoint Server 2010 の Excel Services で使用できる機能に置き換えられています。

**移行パス:**SharePoint Server 2010 では、Office Web コンポーネントの代わりに Excel Services を使用してください。

Web ディスカッション

説明: Web ディスカッションを使用すると、ユーザーは、実際のコンテンツを変更せずに、ドキュメントおよびページに関するコメントを追加できます。SharePoint Server 2010 では、Web ディスカッションはサポートされていません。

変更理由: この機能は、あまり使用されないために Office SharePoint Server 2007 では使用できなくなりました。この機能は製品から削除されました。

**移行パス:**SharePoint Server 2010 のメモ掲示板がこの機能を提供するようになっています。

SQL Server 2000 データ ソース

**説明:**SharePoint Server 2010 では、SQL Server 2000 データ ソースはサポートされません。

変更理由: SQL Server 2000 は、SharePoint Server 2010 で使用できる最新のデータ機能の多くを完全にはサポートしていません。

**移行パス:**Microsoft SQL Server 2005 または Microsoft SQL Server 2008 のデータ ソースを使用します。

ODBC データ ソース

**説明:**SharePoint Server 2010 では、ODBC データ ソースはサポートされません。

変更理由: ODBC の機能は、最新の多様なデータベース接続オプションに置き換えられています。

移行パス: ODBC は、データ ソースへの接続のオプションとしてリストされません。他のデータ接続の種類を使用します。

バージョン 3 のテーマ

説明: テーマは、サイトの外観を簡単に変更できる色、フォント、および装飾要素のセットです。バージョン 3 のテーマで提供された機能は、新しく設計されたバージョン 4 のテーマでは使用できません。

変更理由: バージョン 4 のテーマは再設計されて、テーマを生成するプロセスが簡素化されています。新しいアーキテクチャは、バージョン 3 のテーマのアーキテクチャと互換性がありません。

移行パス: UI モードがバージョン 3 の場合、バージョン 3 のテーマは引き続きサポートされます。バージョン 4 の UI モードでは、バージョン 3 のテーマはサポートされません。

記憶域の管理ページ

説明: 記憶域の管理 (storman.aspx) ページはサーバーの全体管理 Web サイトから削除されました。

変更理由: この機能は、SharePoint ファームのパフォーマンスに大きな影響を与える場合がありました。サイト管理者がこの機能を使用すると、気付かずにユーザーのパフォーマンスを低下させていることがよくありました。

移行パス: この機能は使用できなくなりました。

Web bot ソフトウェア エージェント

説明: Web bot ソフトウェア エージェントは、ページが保存されるとき、または、場合によってはページが Web ブラウザーで開かれるときに評価される、Web ページ上の動的オブジェクトです。検索クローラーとインデクサーが、Web bot の例です。開発者は Web bot エントリ ポイントを使用できず、ユーザーは Web bot を SharePoint Server 2010 サイトに追加できません。

変更理由: この機能は、Web パーツに置き換えられています。

移行パス: Web bot の代わりに Web パーツを使用します。

電子メール対応グループおよび Microsoft SharePoint Directory Management Service (DMS)

説明: Microsoft SharePoint Directory Management Service (DMS) は、SharePoint サイトを組織のユーザー ディレクトリに接続することによって、強化された電子メール機能を提供します。SharePoint ファームが DMS を使用している場合、SharePoint グループによる電子メールの使用を有効にできません。

変更理由: DMS で使用する認証の種類は、クレーム認証に置き換えられています。

**移行パス:**SharePoint Server 2010 では、この機能を使用できません。代わりにクレーム認証を使用します。

詳細については、「クレーム認証を計画する (SharePoint Server 2010) (現在不使用)」を参照してください。

サブ Web の権限

説明: 親サイトにアクセス許可レベルを割り当てると、既定では、親サイトのすべてのサブ Web にそのアクセス許可レベルが継承されます。Office SharePoint Server 2007 では、サブ Web が親とは異なる権限を持つ必要がある場合、サブ Web のスコープで、継承されたアクセス許可レベルの定義を編集できます。その結果、スコープに応じて、異なる権限から成る同じ名前の 2 つのアクセス許可レベルが作成されます。たとえば、親サイトにデザイン アクセス許可レベルを割り当てたが、サブ Web ではユーザーがページにスタイル シートを適用できないように、サブ Web の権限を変更する必要があるものとします。Office SharePoint Server 2007 では、サブ Web 自体でデザイン アクセス許可レベルを編集し、スタイル シートの適用権限を削除し、アクセス許可レベルをデザインとして保存できます。サブ Web が、実際には親サイトとは異なる権限のセットを持つのかどうか、アクセス許可レベルを調べるだけでは判断できない可能性があります。

**移行パス:**SharePoint Server 2010 では、サブ Web に異なる権限を与えるには、別のアクセス許可レベルをサブ Web に割り当てる必要があります。Office SharePoint Server 2007 からアップグレードされ、このような独自のアクセス許可レベルの構造を持つサイト コレクションは、そのまま動作します。ただし、SharePoint Server 2010 のユーザー インターフェイスには、サブ Web のスコープで、継承されたアクセス許可レベルを編集する方法がないので、これらを変更したり、このような種類の新しいアクセス許可レベルの定義を作成したりできません。Office SharePoint Server 2007 プロセスを引き続き使用するという特定のビジネス ニーズがある場合は、SharePoint Server 2010 オブジェクト モデルを使用します。

共有サービス プロバイダー (SSP)

説明: 共有サービス プロバイダー (SSP) は SharePoint Server 2010 には存在しません。

変更理由: サービス アプリケーションがこの機能を受け継いでいます。

移行パス: SSP でサポートおよび構成されていた機能の多くについては、サービス アプリケーションを使用してください。

国際化ドメイン名

**説明:**Microsoft Office SharePoint Server 2007 は国際化ドメイン名 (IDN) をサポートしていましたが、SharePoint Server 2010 はサポートしていません。

変更理由: 国際化ドメイン名 (IDN) のサポートは使用されなくなりました。

移行パス: 現在 Office SharePoint Server 2007 で IDN を使用していて、SharePoint Server 2010 にアップグレードまたは移行する場合は、その前に、IDN の使用を停止し、すべての IDN 設定を削除して、IDN を使用しない環境をセットアップする必要があります。

サイト ディレクトリ テンプレート

説明: このサイト テンプレートは SharePoint Server 2010 のオプションとして使用できません。

変更の理由: このテンプレートで提供されていた機能は、エンタープライズ コンテンツ管理 (ECM) ソリューションに置き換えられています。

移行パス: サイト ディレクトリ テンプレートで提供されていた機能の多くは、SharePoint Server 2010 のソーシャル タグ機能を使用して利用できます。詳細については、「ソーシャル タグの概要 (SharePoint Server 2010)」および「ソーシャル タグのプライバシーとセキュリティへの影響 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

ニュース ポータル テンプレート

説明: このサイト テンプレートは SharePoint Server 2010 のオプションとして使用できません。

変更の理由: このテンプレートで提供されていた機能は、エンタープライズ コンテンツ管理 (ECM) ソリューションに置き換えられています。

移行パス: 開発者は、まだプログラムでこのテンプレートにアクセスして使用できます。SharePoint Server 2010 ファームを Microsoft Office SharePoint Server 2007 からアップグレードした場合は、UI でもまだオプションとして使用できます。このテンプレートの代わりには、発行サイト テンプレートを使用してください。

グループ作業ポータル テンプレート

説明: このサイト テンプレートは SharePoint Server 2010 のオプションとして使用できません。

変更の理由: このテンプレートで提供されていた機能は、エンタープライズ コンテンツ管理 (ECM) ソリューションに置き換えられています。

移行パス: 開発者は、まだプログラムでこのテンプレートにアクセスして使用できます。SharePoint Server 2010 ファームを Office SharePoint Server 2007 からアップグレードした場合は、UI でもまだ使用できます。このテンプレートの代わりには、発行サイト テンプレートを使用してください。