Exchange Hosted Archive - 2009 年 7 月 (8.2) の新機能

発行日: 2009 年 7 月

米国時間 2009 年 7 月 24 日にリリースされた Hosted Archive サービスの最も重要な変更点は、Microsoft Hosted Archive Web ベースのインターフェイス (別名 MWA) に代わるものになることです。EHS 8.2 では、Hosted Archive の管理機能が、EHS 8.2 の新しい管理センターを使用して管理されるようになります。新しい管理センターでは、管理者は、ユーザーを作成し、作成したユーザーに Hosted Archive のアクセス許可を割り当て、キーワード監視リストをアップロードできます。

一方、コンプライアンス管理、電子証拠開示、メッセージ レビュー、および監督のすべてのタスクの場合、エンド ユーザーは新しい Microsoft Exchange Hosted Archive ビューアーを使用できます。

Exchange Hosted Archive ビューアー

Exchange Hosted Archive ビューアーは、EHS 8.2 の新機能であり、コンプライアンス、監督、およびエンド ユーザー アーカイブと継続タスクを実行するための Microsoft Web Access (MWA) Web サイトに代わる機能です。Archive ビューアーは Web ベースの管理コンソールであり、このビューアーを使用すると、Hosted Archive ユーザーは、メッセージ レビュー、メッセージ エクスポート タスク、電子証拠開示とコンプライアンス タスク、基本的な継続機能など、管理タスク以外のタスクを完了できます。

管理者は、管理センターを使用して、Hosted Archive ビューアーへのアクセス権をユーザーに付与し、完了する必要があるタスクの種類に合わせたアクセス許可をユーザーに割り当てることができます。

Hosted Archive のカスタマイズ可能なユーザー ロール

管理者は、Hosted Archive ユーザーのカスタム ユーザー ロールを作成できるようになりました。以前のバージョンの EHS では、Hosted Archive サービスへのアクセスは特定のロール セットに基づいていました。新しいアーカイブ システムにより、ユーザーの権限を細かく設定でき、目的のタスクを実行できるユーザー プリンシパルかどうかを判断する際に権限とアクセス権の両方を確認する認証モデルが定義されます。

EHS 8.2 では、ユーザーの権限のカスタム セットに基づいてカスタム ユーザー ロール テンプレートを作成できるようになりました。この機能により、管理者は、会社のビジネス プロセスや従業員体制に合わせたユーザー ロール テンプレートを作成することができます。

以前のユーザー ロールは、ユーザー ロール テンプレートの標準セットの一部として、新しいサービスでも利用できます。管理者はこうしたユーザー ロール テンプレートを変更できます。

重要な変更: 新規に契約したお客様はアーカイブ対象ユーザーを明示的に有効化する必要があります

バージョン 8.2 より、明示的に EHA が有効化されたユーザーのメッセージのみアーカイブされるようになりました。EHA が有効化されていないユーザーの電子メール アドレスにメッセージが届いてもアーカイブされません。バージョン 8.2 以前よりご契約されている組織ではこの変更は加えられません。明示的に変更されない限り、また、契約の更新をしない限り、特定のドメイン宛に届いたすべての電子メールは、有効化されたユーザーに紐づいていなくても引き続きアーカイブされます。

その他のバージョン 8.2 における新機能

EHA バージョン 8.2 では、他にも以下の新機能がご利用いただけます。

  • 1 万人以上のサポート: SQL Azure の基盤を利用することにより、仮想的に上限のないスケーラビリティを獲得しました。
  • 10 年までの保持期間: 7 日から 10 年まで保持期間が日単位で設定できます。
  • サービス レベル契約の設定: Archive ビューアーの稼働率とメッセージ キャプチャーの稼働率が SLA で設定されました。
  • PST へのエクスポート: アーカイブされたメッセージをエクスポートするオプションとして EML ファイルに加えて PST が追加されました。
  • パスワードの共通化: プライマリ・セカンダリ SMTP アドレスでのユーザー ログインに同じパスワードを使うことが可能になりました。
  • 偽装モード: デバッグモードに代わるもので、必要に応じて有効化できます。
  • メッセージ注釈の検索: メッセージ注釈の検索が可能になりました。また、件名、本文、添付ファイル名を検索対象に含めることも可能です。
  • 言語を指定しての検索: 検索言語を指定できるようになりました。また、 Unicode の SQL フルテキスト インデックスを使い、日本語などの言語もインデックスされるようになりました。

Hosted Archive の削除された機能と使用されなくなった機能

EHS 8.1 で利用できた機能の中には、EHS 8.2 で削除された機能や使用されなくなった機能があります。このような削除された機能と、可能な場合に考えられる回避策の一覧を以下に示します。

  • アップロードされたドキュメント: MWA でアップロードされたドキュメントの機能は、Archive ビューアーや管理センターでは使用できなくなりました。この問題を回避するには、ドキュメントを電子メールで自分自身に送信し、Archive ビューアーの個人用フォルダーまたは共有フォルダーに保存することをお勧めします。
  • カスタム配布リストの定義と管理: この機能は、Hosted Archive 8.2 ではサポートされなくなりました。 
  • ユーザー クラス: Hosted Archive サービスでは、クラスの関連付けレポートを含む、EHS 8.2 のクラス ベースの機能 (クラス サンプリングなど) がサポートされなくなりました。現在、この問題の回避策はありません。
  • カスタマイズ可能な配色: Archive ビューアーおよび EHS 8.2 管理センターでは、カスタマイズされた配色がサポートされなくなりました。Archive ビューアーおよび管理センターでは、新しい Microsoft オンラインのブランドとカラー パレットが使用されます。
  • 呼び出しツリー機能: EHS 8.2 では、管理者が、呼び出しツリー情報の作成や呼び出しツリー レポートの生成を実行できなくなりました。この問題の現在の回避策として、呼び出しツリー リストを電子メールで自分自身に送信し、その情報を Archive ビューアーのフォルダーに保存する方法があります。
  • 既定の辞書: 既定の辞書を使用できるのは、既存の顧客のみです。既存の顧客以外は、Hosted Archive サービス Version 8.2 で独自の辞書リストを作成して管理する必要があります。
  • "トップ 10" レポート: Hosted Archive Version 8.2 では、Hosted Archive のトップ 10 レポートを使用できなくなりました。