ドメインの確認時のテクニック

発行日: 2010 年 7 月

著者: Brett Hill

Exchange Online などの電子メール サービスにサインアップするとき、一般にはサインインと電子メールアドレス用に専用のドメイン名を使用することを計画します。ドメインの確認は 2 分以内で実行できますが、知っておくべきことがいくつか存在します。

BPOS に最初にサインアップするときは、ドメイン名の入力を求められます。このドメイン名は、"myverycooldomainname.microsoftonline.com" のような基本ドメインを作成するために使用されます。発行されるのは microsoftonline.com のドメインです (これは、Microsoft Online の既定のルーティング ドメイン、または時によって MSODRD と呼ばれることもあります)。このドメインは Microsoft Online AD に対して固有であり、所有権を直ちに証明する必要がありません。この方法により、マイクロソフトは BPOS アカウントを直ちに構成できます。

admin.microsoftonline.com にログインした後で、ドメインを確認できます。使用しているアカウントが Enom.com にホストされていれば、非常に簡単な方法が利用できます。この場合、Microsoft および Enom との契約の間で Web サービスによって確認と構成が行われます。この方法では、ドメイン確認が非常に簡単です。

しかし、それ以外の場合は、明瞭な一連の手順を正確に実行する必要があります。いくつかのヒントやトリックと、問題が発生した場合のトラブルシューティング手法を以下に示します。

次の操作を行います。

最初に、https://admin.microsoftonline.com の管理センター ([ユーザー] タブの下) にドメインを追加します。[新規] をクリックし、使用するドメイン名を入力します。

図 1
ここで、[権限あり] または [外部の中継] を選択する必要があります。これは簡単です。このドメインについて Exchange Online サービスがすべての電子メールを受信する場合は、[権限あり] を選択します。ここでは Contoso7.com を使用し、すべてのメールが Exchange Online に送信されるようにします。この設定を行った後で、オプションの確認ウィザードを開始するかどうかの確認を、次のような画面で求められます。

図 2

ここでは、実際に Enom を選択することもできますが、それを行うと操作は完了してしまいます。より詳細な操作の実例を見せるため、ここでは [その他] を選択します。

次のスクリーンショットを見てください。ここからクイズを出題します。

図 3

ホスト名の記述方法について混乱する場合があるので注意する必要があります。それではクイズです。MS98145153.contoso7.com という名前のうち、ホスト名はどの部分でしょうか。ドメインは contoso7.com なので、ホスト名は ms98145153 です。これらを組み合わせることで、完全修飾ドメイン名が出来上がります。

ホスト名 ドメイン名
MS98145153 contoso7.com

DNS 構成ページを開いたときは、プロバイダーにこの情報を入力します。UI の操作の詳細は、DNS の構成に使用されるアプリケーションによって異なる点に注意してください。たとえば、漠然とした DNS の規則に、CNAME エントリのアドレスの最後は "." であるという規則があります。Enom の DNS マネージャーの UI では、この処理が自動的に行われますが、テキスト ファイルで DNS 設定を編集する場合は、編集する内容について理解している必要があります。実際、一部の ISP ではこの情報の変更自体が認められていません。購入する前に試用を行うべきである理由の 1 つは、この点です。

正しい CNAME エントリを追加したら、保存してドメインを確認します。

図 4

ここで直ちに先に進みたいところですが、前のスクリーンショットの手順 4. に書いてある「15 分待機してから...」という指示に従う必要があります。さらに、その後の注意事項には、「この変更が有効になるまで、最大で 48 時間かかる場合があります」とあります。

**ヒント: この時点ですぐにドメインの確認を試みても問題はありません。**ドメインの確認が成功するか失敗するかは予測できませんが、通常、Enom にホストされているドメインは 5 分程度で確認できるようになります。

別のヒント: 必要な待機時間が 15 分か 48 時間かを判定するには、次のように NSLOOKUP を使用します。

コマンド プロンプトを開き、「NSLOOKUP」と入力して、Enter キーを押します。小さなプロンプトが表示されます (この時点で、動作しているのは NSLOOKUP のコマンド プロセッサです)。「set q=CNAME」と入力し、Enter キーを押します。次に、「<ドメイン名>」を入力し、Enter キーを押します。この操作によって、次の結果が表示されます。

図 5

TTL 設定は Time To Live (有効時間) の略で、この DNS サーバーからの DNS クエリがキャッシュに保存される時間を表します。この場合、3 分 1 秒後にはカスタム ドメインを安全に確認できるようになります。各 DNS プロバイダーはこの値を自由に設定しているため、結果はここに示すものと異なる場合があります。

さらに別のヒント: Ping を使用して、更新が発行されたかどうかを確認します。

FQDN を PING し、結果を確認するだけの操作です。

図 6

ここに示す結果が表示されれば、確認を行うことができます。最新の結果を得るには、ipconfig /flushdns コマンドの使用が必要になる場合があります。ここに示されているように更新されたホスト名が表示される場合は、管理センターに戻ってドメインを確認すると、次の画面が表示されます。

図 7

確認ボタンが表示される前にセッションがタイムアウトしても問題ありません。再度ウィザードを開始すると、同じ確認情報が保持されています。

この時点で、次の操作を行います。

1. ドメインを既定ドメインに設定します。

2. 受信電子メールを有効にします。

3. ユーザーを追加します。

4. MX レコードが Exchange Online を指すように設定します。

手順 4. によってドメインでの電子メール ルーティングが変更され、すべてのメールが Exchange Online に送信されるようになることに注意してください。この運用を行う準備が整うまで手順 4. は実行しないでください。準備が整っていれば、この作業は簡単です。ウィザードの指示に従い、DNS サーバーに MX レコードを追加します。追加確認は必要ありませんが、確認手順の場合と同じ TTL が MX レコードの更新にも適用されるため、MX レコードの変更が有効になるまでに多少の時間が必要な場合があります。

これで作業は完了です。いくつかの細かい注意点を以下に示します。accounting.contoso.com のようにサブドメインが存在する場合、入力時に自動的に有効になります。また、試用アカウント用のドメインを使用する場合、試用から有料のサブスクリプションに移行する計画がなければ、試用期間が終了する前に必ずそのドメインを削除してください。こうすることで、別のアカウントで別の試用やサブスクリプション購入を行うとき、問題を起こさずに再確認できます。

それでは、クラウドを十分に活用してください。

Brett