SAP ワークフローを構成する (Duet Enterprise)

 

適用先: Duet Enterprise for Microsoft SharePoint and SAP Server 2.0

トピックの最終更新日: 2016-11-29

この記事では、Duet Enterprise で提供されるワークフロー ソリューションを構成する方法について説明します。ワークフロー ソリューションを構成するには、以下の手順を記載されている順序で実行する必要があります。

  • ワークフローのサービス アカウントを指定する

  • ワークフロー ソリューションを構成する

  • IIS を再起動する

Starter Services ソリューションは Duet Enterprise サイト コレクションの一部としてワークフロー サイトを提供しますが、Starter Services を展開する前に上記の手順を実行する必要があります。

Starter Services の構成を計画していない場合は、「ワークフロー サイトを準備する」の手順も実行して、個々のワークフロー サイトを作成する必要があります。

ワークフローのサービス アカウントを指定する

SharePoint Server 2010 と SAP システムの間のすべてのワークフロー トランザクションで使用されるユーザー アカウント (サービス アカウント) を指定するには、この手順を使用します。SAP システムはこのアカウントを使用して SharePoint Server 2010 を実行しているコンピューターへワークフロー タスクを送信します。

注意

この手順を実行するには、Windows Administrators グループのメンバーである必要があります。

ワークフローのサービス アカウントを指定するには

  1. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、<システム ドライブ>:\program files\Duet Enterprise\1.0 を開きます。

  2. プロンプトで、「notepad DuetConfig.exe.config」と入力し、Enter キーを押します。

    次の例は、DuetConfig.config ファイル内のワークフロー ノードの一部を示しています。

    <Workflow>
       <add key="ServiceAccount" value="domain\useraccount" />
    </Workflow>
    
  3. DuetConfig.config ファイル内で、ワークフロー ノード内の ServiceAccount キーの値を、ワークフロー プロトコルを受信および送信するときに使用するユーザー アカウントに、<ドメイン>\<ユーザー名> の形式で変更します。

    BatonHandoffIcon

    展開ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205392&clcid=0x411) を使用している場合、この名前はワークシートの表 3 の「ワークフロー発行元アカウント」行に記載されています。

    注意

    このユーザー アカウントは、ワークフロー サイトの Site Owners グループのメンバーとしても追加されます。SharePoint Server は、ワークフロー サイトの Owners グループのメンバーであるユーザー アカウントからの要求のみ受け取ります。このアカウントは、SAP システムにプロトコルを送信できる唯一のアカウントでもあります。

  4. DuetConfig.config ファイルを保存し、閉じます。

ワークフロー ソリューションを構成する

注意

この手順を実行するには、Farm Administrators グループのメンバーである必要があります。

ワークフロー ソリューションを構成するには

  1. コマンド プロンプトを開き、<システム ドライブ>:\program files\Duet Enterprise\1.0 を開きます。

  2. プロンプトで、「DuetConfig /configuresolution "Workflow" /webappurl "http://WebAppName**:Port"**」と入力します。

    ここで、WebAppName は、ワークフロー サイトを作成する Web アプリケーションの名前です。Web アプリケーションにホスト名が割り当てられていて、その名前が AD DS でマップされている場合は、そのホスト名を使用します。そうでなく、ホスト名が Web アプリケーションに割り当てられていない単一サーバー展開の場合は、SharePoint Server 2010 を実行しているコンピューターの NetBIOS 名を使用します。Port は、Web アプリケーションの顧客向けゾーンのポート番号です。

    ヒント

    ワークフロー サイトへのアクセスでエンド ユーザーが使用するゾーンに対応した、Web アプリケーション URL を使用する必要があります。同じ Web アプリケーションの異なるゾーンの URL を使用すると、エンド ユーザーは、ワークフロー アクション アイテムへの URL が無効な電子メール メッセージを受信します。

  3. Enter キーを押します。

    ワークフローが正常に構成されると、コマンド プロンプト ウィンドウに "ソリューションが正常に構成されました” と表示されます。

IIS を再起動する

注意

この手順を実行するには、フロントエンド Web サーバーの Windows Administrators グループのメンバーである必要があります。

IIS を再起動するには

  1. コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  2. iisreset /restart」と入力し、Enter キーを押します。

ワークフロー サイトを準備する

Starter Services で提供される Duet Enterprise サイト コレクションには、ワークフロー サイトが含まれます。「Starter Services を構成する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205817&clcid=0x411) の記載に従って Starter Services を展開する予定がない場合は、このセクションの手順を実行してワークフロー サイトを作成する必要があります。Starter Services を展開する場合は、「Starter Services を構成する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205817&clcid=0x411) に進みます。

サイト コレクションの有無を確認する

ワークフロー サイトを作成するには、ワークフロー サイトの作成先となるサイト コレクションが存在している必要があります。このサイト コレクションは、ワークフロー ソリューションを構成した Web アプリケーションに存在している必要もあります。サイト コレクションがまだない場合は、操作を続ける前にサイト コレクションを作成します。サイト コレクションは、任意のサイト コレクション テンプレートを使用して作成できます。サイト コレクションを作成する方法の詳細については、「サイト コレクションを作成する (SharePoint Server 2010)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205659&clcid=0x411) を参照してください。

ワークフロー サイトを作成する

ワークフロー サイトを作成し、サイトが使用するワークフロー タスクの種類を指定するには、この手順を使用します。

重要

ワークフロー サイトを作成し、サイトのタスクの種類を指定する前に、SAP 管理者が正しいワークフロー名とキーを SharePoint 管理者に提供する必要があります。

注意

ワークフロー サイトを作成するには、ワークフロー サイトが作成されるサイト コレクションのトップレベル サイトのサイト所有者である必要があります。

ワークフロー サイトとタスクの種類を作成するには

  1. ワークフロー サイトが作成されるサイト コレクションのトップレベル サイトを開きます。

  2. [サイトの操作] メニューで [サイトの設定] をクリックします。

  3. [Duet Enterprise ワークフローのアクション] セクションで、[新しい Duet Enterprise ワークフロー サイトの作成] をクリックします。

    関連するタスク、レポート、およびデータを表示する新しいサイトが登録されます。

  4. [Duet Enterprise ワークフロー サイト] ページで、[サイトの説明] ボックスに説明を入力します。

  5. [テンプレートの選択] ボックスの [Duet Enterprise] タブで、[SAP ワークフロー サイト] テンプレートを選択します。

  6. [ビジネス コンテキスト] セクションで、[タスク名] ボックスに、SAP 環境に表示されるタスクの種類の名前を入力します。[タスクの表示名] ボックスには、SharePoint Server に表示されるタスクの種類の名前を入力します。

  7. [タスクの結果] セクションで、目的の結果のオプションを入力します。

    たとえば、[テキスト] ボックスに「承認」と入力し、使用するキーとして [キー] ボックスに「001」と入力します。

  8. [結果の追加] をクリックします。

    オプションとそのキーが表示されます。

  9. 定義する結果ごとに手順 7. と手順 8. を繰り返します。

    たとえば、[タスクの結果] で、[テキスト] ボックスに「却下」と入力し、[キー] ボックスに「002」と入力できます。すべてのタスクの結果を定義したら、手順 10. に進みます。

  10. [外部コンテンツ タイプ] ボックスで、[外部コンテンツ タイプの選択] アイコンをクリックし、[WorkflowWebService] を選択し、[OK] をクリックします。

    [外部コンテンツ タイプ] ボックスに、Duet Enterprise ワークフロー タスク (WorkflowWebService) が表示されます。

  11. [作成] をクリックします。

  12. [OK] をクリックして、[サイトは正しく作成されました] ダイアログ ボックスを閉じます。

    新しい Duet Enterprise ワークフロー サイトが表示されます。サイトの URL を書き留めてください。これは、次の手順で必要になります。

ワークフロー タスクへのアクセス権をユーザーに付与する

SAP ワークフロー タスクの種類とそのサイトを作成したら、ワークフロー タスクを受信するユーザーをサイトに追加し、受信するワークフロー タスクへのアクセス許可をユーザーに付与できます。ユーザーは個別に追加したり、適切な SAP ロールを追加することによってユーザーのグループを追加したりできます。

次の手順を実行してワークフローへのアクセス権をユーザーに付与すると、Duet Enterprise では、要求されたユーザーについて認証を行い、SAP ワークフロー要素にアクセスします。

新しいタスクの種類で SAP ワークフロー サイトへのアクセス権をユーザーに付与するには

  1. ワークフロー サイトへ移動します。

  2. [サイトの操作] メニューで [サイトの設定] をクリックします。

  3. [サイトの設定] ページで、[Duet Enterprise ワークフローのアクション] グループの [SAP ワークフロー タスクへのユーザー アクセスの許可] を選択してユーザー アクセス リストを開きます。

  4. [ユーザー アクセス リスト] ページで、リボンの [リスト ツール] グループで、[アイテム] タブをクリックします。

  5. リボンの [新しいアイテム] の横の下矢印をクリックし、[新しいアイテム] をクリックして、ユーザー アクセス リストのプロパティ ページを開きます。

  6. [ユーザー アクセス リスト] ページで、次の操作を行います。

    1. アクセスを許可するタスクの名前をドロップダウン リストから選択します。

    2. [ユーザーの選択] ボックスで、アクセス権を付与するユーザーの名前を入力します。

      特定の SAP ロールを持つすべてのユーザーにアクセス権を付与する場合は、ロールの名前を入力します。作成したエントリは、[名前の確認] をクリックして確認できます。名前またはロールを参照するには、[参照] をクリックします。

      注意

      Active Directory ドメイン サービス (AD DS) グループおよび SharePoint グループはサポートされません。

    3. [実施日] ボックスに、ユーザーのアクセスが開始する日付を入力します。

      カレンダーから日付を選択するには、カレンダー アイコンをクリックします。

    4. 操作が終了したら、[OK] をクリックしてユーザー アクセス リストに戻ります。

ワークフローを再発行する

前の手順で作成したサイトのワークフロー インスタンスを再発行するには、この手順を使用します。使用する各ワークフローを再発行する必要があります。ワークフローを再発行するには、Microsoft SharePoint Designer 2010 が必要です。Microsoft SharePoint Designer 2010 を取得する方法については、「ハードウェアおよびソフトウェア要件」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205818&clcid=0x411) を参照してください。

注意

この手順を実行するには、ワークフロー サイトのサイト所有者である必要があります。

ワークフロー サイトのワークフローを再発行するには

  1. SharePoint Designer 2010 のサイド リンク バーで、[サイト] をクリックします。

  2. [SharePoint サイトを開く] セクションで、[サイトを開く] をクリックします。

  3. [サイトを開く] ダイアログ ボックスで、[サイト名] ボックスに作成した新しいワークフロー サイトの完全な URL を入力します。

    たとえば、「http://contoso /sites/WorkflowSiteName」と入力し、[開く] をクリックします。

  4. ワークフロー サイトが開いたら、[サイト オブジェクト] ウィンドウで [ワークフロー] をクリックします。

  5. [ワークフロー] タブで、前の手順でワークフロー サイトを作成したときに作成したワークフローを選択します。

  6. リボンの [発行] をクリックします。

OBAWorkflowService WSDL へのアクセス権を SAP 管理者に付与する

ワークフロー サイトが完全に動作するためには、SAP 管理者が、ワークフロー サイトの Web サービスを提供する SAP NetWeaver を実行しているコンピューター上に論理ポートを作成する必要があります。この操作を促進するには、ワークフロー サイトへの最小限の読み取りアクセス許可レベルを SAP 管理者に付与する必要があります。

BatonHandoffIcon

展開ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205392&clcid=0x411) を使用している場合、このアカウント名はワークシートの表 2 の「ワークフロー発行元アカウント」行に記載されています。

SharePoint サイトへのアクセス許可をユーザーに付与する方法の詳細については、「ロードマップ: アクセス許可を付与する」 (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=204629&clcid=0x411) を参照してください。

OBAWorkflowService WSDL への URL を SAP 管理者に提供する

SAP 管理者は、作成したワークフロー サイトの OBAWorkflowService Web サービス記述言語 (WSDL) ファイルへの URL を理解している必要があります。この URL を SAP 管理者に提供するには、この手順を実行します。

OBAWorkflowService WSDL を提供するには

  1. ブラウザーで、作成したワークフロー サイトを開きます。

  2. ブラウザーのアドレス ボックスで、URL の最後の部分 (default.aspx) を _vti_bin/obaworkflowservice.asmx?WSDL に変更します。

    たとえば、ワークフロー サイトの URL が http://contoso/sites/Workflow/default.aspx の場合、WSDL ページへの URL は http://contoso/sites/Workflow/_vti_bin/obaworkflowservice.asmx?WSDL になります。

  3. ブラウザーのアドレス ボックスで、httphttps に変更します。

    たとえば、https://contoso/sites/Workflow/_vti_bin/obaworkflowservice.asmx?WSDL になります。

  4. URL を SAP 管理者に提供します。

    BatonHandoffIcon

    展開ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205392&clcid=0x411) を使用している場合、この URL をワークシートの表 1 の「ワークフロー用 OBAWorkflowService の URL」行に追加します。