ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月のツールボックス コラムで紹介するツールを使用すると、さまざまなソースの電子メールを分類、整理、アーカイブしたり、PST ファイルを Exchange Server 2010 にインポートしたりすることができます。

Greg Steen

MailStore Server

電子メールは、すぐに破棄できるものではありません。電子メールの保管に関する法規制が厳しくなり、訴訟好きと言える現代において、電子メールのアーカイブには簡単にアクセスできる必要があります。一元管理されている電子メール サーバーとリポジトリを保有している組織もあれば、そのような設備がない組織もあります。

また、すべての組織が、法的なリスクとハードウェア/ソフトウェアのリスクを回避するための障害回復やアーカイブの手続きを確立しているわけではありません。サードパーティがホストしているメールを使用している場合、必要なときに必ずデータにアクセスできる確信は持てますか。

Software GmbH が提供している MailStore Server は、電子メールのセキュリティと可用性を長期に渡って確保するのに役立ちます。これは、基本的なサーバー/クライアント構成で設計された、メールのアーカイブを一元管理するアプリケーションで、複数のユーザーに対応しています。また、エンド ユーザーのメール アーカイブのリポジトリとして使用することもできます。サーバー コンポーネントは、MailStore Server の Base Configuration (基本構成) のインターフェイスから制御および構成可能な Windows サービスとして実行されます。

MailStore Server では、サービスを開始、停止、または再開したり、MailStore に関連のあるイベントのログを確認したり、アプリケーションのさまざまな構成オプションを設定したりすることができます。たとえば、マスター データベースとアプリケーションの設定を保存するディレクトリを設定できます。また、IP アドレスとポート、HTTPS 接続を要求するかどうか、(アプリケーションで生成される既定の証明書以外の証明書を使用する場合は) サーバーでトラフィックの暗号化に使用する SSL 証明書を設定することもできます。  

サーバーでは、IMAP (インターネット メッセージ アクセス プロトコル) を使用して直接アクセスすることがサポートされており、この設定は有効にして構成できます。トラブルシューティングとサーバーの構成をダブルチェックする目的でデバッグ ログも提供されています。サーバーの設定の大半は、インストール時に設定すれば、その後の調整は必要ありません。多くの操作は MailStore Client で行います。クライアントでは、電子メールをアーカイブまたはエクスポートしたり、メールのアーカイブを検索したり、日常的に使用する MailStore Server の設定を管理できます。

MailStore Server では、Microsoft Outlook、Microsoft Exchange Server、Windows メール、Windows Live メール、AVM KEN! Mailbox、Mozilla Thunderbird、Mozilla SeaMonkey、および Gmail など、さまざまな場所からメールをインポートしてメールをアーカイブできます。また、IMAP サーバー、POP3 サーバー、PST ファイル、MBOX ファイル、EML ファイルや MSG ファイルを含むフォルダーから直接インポートすることもできます。

MailStore Server には、Microsoft Exchange Server と IMAP/POP3 サーバーからインポートする場合に、複数のメールボックスをインポート先として指定できるという優れた機能があります。この機能は大規模な環境では必要不可欠です。Microsoft Exchange Server に限定すると、複数の指定したメールボックスやパブリック フォルダーからメールをインポートすることが可能です。また、すべての送受信メールを自動的にアーカイブすることもできます。

Exchange Server との統合をサポートするため、MailStore Server は Active Directory と直接統合されており、新しい Exchange ユーザーを MailStore Server のデータベースに自動的に追加できます。このインポート タスクは、ユーザーの操作を必要とすることなく、オフピーク時に自動的に繰り返し実行するようにスケジュールできます。

MailStore Server のアーカイブからメールをエクスポートするときには、Outlook、Exchange Server、Thunderbird、SeaMonkey、Windows メール、または IMAP メールボックスにエクスポートできます。また、EML ファイルや MSG ファイル形式でファイル システムにエクスポートしたり、SMTP 経由で特定のアドレスにすべてのメッセージを送信したり、CD や DVD に直接焼いたりすることもできます。

クライアント アプリケーションの検索機能では、件名、本文、優先度、サイズ、添付ファイル名、添付ファイル自体など、電子メールのさまざまな部分を検索できます。また、電子メールの宛先や差出人、日付の範囲などを指定して検索結果を絞り込むこともできます。検索条件は、保存して、後日再利用できます。

アプリケーションの管理は、主に管理ツールのセクションから行います。このセクションでは、ユーザーとユーザーの特権を定義します (ユーザーは、Active Directory から直接インポートできます)。また、保存場所を定義したり、検索インデックスを管理したり、メール アーカイブのバックアップを作成したり、使用状況の統計やアクティブなセッションに関する情報を確認したりすることもできます。

MailStore Server は、ユーザーごとに課金されます。最小購入単位である 5 ユーザー ライセンスは 190 ドルで、1 ユーザーあたりの価格は 38 ドルです。ライセンス数に応じてディスカウントが適用されるので、200 ユーザー ライセンスを購入した場合は、1 ユーザーあたりの価格が 13 ドルになります。まとめて購入されたライセンスには、1 年間の無料アップデートと技術サポートが含まれます。製品 Web サイトでは 30 日間限定の無料評価版が提供されているので、購入前に試してみることができます。複数のユーザーをサポートしたり、PST ファイルを直接インポートする必要がない場合は、MailStore Home Edition も使用可能です。このエディションは、個人使用の場合は無償です。電子メールのアーカイブとバックアップを行い、複数のクライアントをサポートする使いやすいソリューションが必要な場合は、MailStore Server がお勧めです。

MailStore Server

MailStore Server

PST Importer 2010

個別に Outlook を使用している状況から Exchange Server に移行している場合、ローカルのユーザー プロファイルに電子メールと連絡先を維持するのが望ましいと考えるでしょう。Microsoft Outlook では、PST という拡張子のファイルに、メールと連絡先のデータが格納されます。PST ファイルを Exchange Server にインポートする作業は、面倒で時間がかかります (Exchange Server には、この作業をサポートする組み込みの管理ツールが用意されていますが、この作業が面倒で時間がかかるのには変わりありません)。

Red Gate Software Ltd. が提供している PST Importer 2010 を使用すると、PST ファイルを Exchange Server 2007 または Exchange Server 2010 に一括インポートできるので、時間と労力を大幅に削減できます。PST Importer 2010 では、この処理を 2 つのステップに分けています。1 つは、PST ファイルを検出する PST Search で、もう 1 つは、検出した PST ファイルをインポートする Import List です。

PST Search では、検索するドメインまたはドメインのサブセットを選択し、検索するコンピューターの検索場所を選択し、検索を実行する日時を選択し、後で再利用できるように PST Search に名前を付けます。検索場所には、すべての場所、固定されたハード ドライブの特定のフォルダー、リムーバブル ドライブを指定できます。また、システム フォルダーやプログラム ファイルのディレクトリを検索対象から除外することもできます。PST Serach は手動で実行することも、ネットワークとコンピューターのリソースの使用率をできるだけ抑えるように、スケジュールを設定して実行することもできます。

PST Search を実行したら、データを Exchange Server にインポートする Import List を定義できます。PST ファイルを 1 つのディレクトリに集めた場合は、そのフォルダーを指定すれば、そのディレクトリにある PST ファイルのインポート リストが作成されます。各 PST ファイルをユーザーのメールボックスに割り当てることで、メッセージを Exchange Server に直接インポートできます。また、ファイル名や特定のフォルダーに基づいてメールをフォルダー構造にインポートすることもできます。この機能はアーカイブや障害回復を行う場合に役立ちます。PST Importer 2010 では、予定表アイテム、連絡先、仕事、およびメモも自動的にインポートします。

破損した PST ファイルによってインポート処理が妨げられないようにするには、問題があるメッセージの許容範囲を定義して不良データをインポートしないようにすることができます。PST Importer 2010 では、複数の PST Search と Import List を保存できるので、さまざまな実装に対応できます。

Exchange Server にアップグレードしていて、古い PST ファイルのデータを自動的にインポートする方法が必要な場合は、Red Gate の PST Importer 2010 をお勧めします。PST Importer 2010 は、サーバー単位でライセンスが付与されます。最低価格は 1 サーバーあたり 495 ドルですが、ライセンス数に応じてディスカウントが適用されます。製品のサイトから 14 日間限定の評価版をダウンロードできます。

PST Importer 2010

PST Importer 2010

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

関連コンテンツ