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アーカイブの要件の定義

 

トピックの最終更新日: 2011-02-03

組織で法令上の規制に従う必要がある場合、アーカイブ サーバーを展開し、Microsoft Lync Server 2010 インスタント メッセージング (IM) および会議のアーカイブ サポートを有効にすることができます。 アーカイブ サーバーを展開するには、特定のサイトおよびユーザーのサポート、アーカイブの重要度、削除設定、およびアーカイブ データの管理を含んだ、実装方法を決める必要があります。

アーカイブ サーバーを展開する前に、組織に関する次の項目を決定する必要があります。

  • アーカイブ サポートを必要とするのは、組織内のどのサイトおよびどのユーザーか。

  • 内部通信 (つまり、内部ユーザー間の通信)、外部通信 (少なくとも 1 人の組織外のユーザーが含まれる通信)、あるいは両方のアーカイブを有効にするかどうか。

  • IM および会議セッションの両方に、または IM セッションにのみアーカイブを有効にするのか。

加えて、需要モードの使用およびアーカイブ データのエクスポートおよび削除の管理方法を含んだ、特定のポリシーおよびサポート オプションもまた、決定する必要があります。

note注:
高レベルのセキュリティを維持しながら管理タスクを委任できるようにするため、Microsoft Lync Server 2010 通信ソフトウェアでは、役割ベースのアクセス制御 (RBAC) を使用しています。RBAC を使用すると、定義済みの管理者の役割にユーザーを割り当てることにより、管理者特権が付与されます。 アーカイブ ポリシーおよびその他のアーカイブ オプションを構成するには、(別のコンピューターからリモートで行われる代わりに構成がアーカイブ サーバーで直接行われる場合を除き、) ユーザーに CsArchivingAdministrator 役割を割り当てます。RBAC の詳細については、「計画」のドキュメントの「役割ベースのアクセス制御」を参照してください。 アーカイブ展開に必要とされるユーザー権限、アクセス許可、および役割については、「計画」および「展開」の両方のドキュメントに記載されている、「アーカイブ展開の概要」を参照してください。

アーカイブ ポリシー

アーカイブ ポリシーおよび各ポリシーの構成オプションを使用して、アーカイブ サポートの範囲を制御することができます。 次に示すアーカイブ ポリシーがあります。

  • グローバル アーカイブ ポリシー   既定では、アーカイブ サーバーを展開する時、Lync Server 2010 はグローバル アーカイブ ポリシーを作成します。 グローバル ポリシーは、展開内のすべてのユーザーおよびサイトに適用されます。 グローバル ポリシーでは、内部通信、外部通信、またはその両方のアーカイブを有効にするかどうかを指定できます。

    important重要:
    既定では、内部通信についても外部通信についてもアーカイブは有効ではありません。グローバル ポリシーは削除できません。 削除しようとすると、ポリシーは規定値にリセットされます。
  • サイト アーカイブ ポリシー   特定のサイトに対してアーカイブ サポートを有効または無効にできます。 例えば、少数のサイトに対してアーカイブ サポートを有効にするには、グローバル アーカイブ ポリシーを、内部または外部通信をアーカイブしないように設定し、それからアーカイブ サポートを有効にしたいそれぞれのサイトに対してサイト ポリシーを作成することができます。 グローバル ポリシーと同様に、それぞれのサイト ポリシーにおいて内部通信、外部通信、または両方のアーカイブを有効にするかどうかを指定します。

  • ユーザー アーカイブ ポリシー   [ユーザー] で定義されたユーザーに対してポリシーを割り当てることで、特定のユーザーに対してアーカイブ サポートを有効または無効にすることができます。 例えば、サイトの特定のユーザーに対してアーカイブ サポートを無効にするには、グローバル アーカイブ ポリシーを内部または外部通信をアーカイブしないように設定し、サイトのアーカイブを有効にするサイトに対してサイト ポリシーを作成し、それからアーカイブ サポートを無効にしたいユーザーに対してユーザー ポリシーを作成することができます。 また、サイト ポリシーを全く使用せず、ユーザー ポリシーのみを使用して特定のユーザーのアーカイブを有効にすることもできます。 グローバル ポリシーおよびサイト ポリシーと同様に、それぞれのユーザー ポリシーにおいて内部通信、外部通信、または両方のアーカイブを有効にするかどうかを指定します。

展開内のそれぞれのアーカイブ ポリシーに対して、IM セッションのみをアーカイブするのか、または IM および会議セッションの両方をアーカイブするのかを指定することができます。

サイト ポリシーおよびユーザー ポリシーの両方を作成する場合、ユーザー ポリシーはサイト ポリシーより優先されます。

note注:
グループ インスタント メッセージおよび会議は、参加者のうち少なくとも 1 人のユーザー ポリシーがアーカイブ有効に構成されている場合のみ、アーカイブされます。

重要モード

アーカイブが組織にとってミッションクリティカルな場合は、アーカイブ サーバーを重要モードで実行するように設定できます。 重要モードでは、インスタント メッセージおよび会議内容がアーカイブされない場合、Lync Server 2010 は特定の機能を禁止します。次にその例を示します。

  • アーカイブ サービスが一時的にデータベース キューにメッセージを送信できない、またはデータベースにメッセージを挿入できない場合、アーカイブ サポートが復元されるまで、IM および会議機能の両方が展開内で禁止されます。

  • 会議ユーザーがファイルをアップロードし、そのファイルがアーカイブ ファイル ストアに複製されない場合、問題が解決されるまで展開内の会議機能が禁止されますが、IM 機能は禁止されません。

IM および会議機能の禁止は、その他の Lync Server 特徴および機能には影響せず、それらは通常通りに機能し続けます。 既定では、IM および会議機能の禁止は無効になっています。

データ エクスポート

Lync Server 2010 で提供されるセッション エクスポート ツールを使用して、アーカイブ済みデータの検索可能なトランスクリプトを作成することができます。 ツールを使用して実行できるのは以下の作業です。

  • 配布資料 (添付ファイルとして) を含む、IM または会議トランスクリプトから構成されるマルチパート電子メール メッセージ (マルチパート MIME 書式設定済み Outlook Express Electronic Mail (EML) 形式 .eml ファイル)、会議アクティビティ ファイル (添付ファイルとして)、およびアップロードされた会議ファイルのような、アーカイブ ファイルからトランスクリプトを作成します。 すべてのユーザーまたは特定のユーザーに対してトランスクリプトを作成することができます。

  • 削除しても安全として、エクスポート済みのレコードをマークします。

セッション エクスポート ツールは、指定されたデータ範囲内 (指定された開始日および終了日の間) で終了した通話セッションそれぞれに対して 1 つのトランスクリプトを作成します。 Lync ServerExport-CsArchivingData コマンドレットを使用してこのツールを実行します。 Lync Server を管理するのに使用することができるコマンドレットの概要については、「作業の開始」ドキュメントの「新しい Communications Server 管理シェル」を参照してください。

削除モード

データのアーカイブを削除するかどうかを指定できます。 アーカイブ データの削除を有効にする場合、次のオプションのうちから 1 つを指定する必要があります。

  • 特定の日数後に、エクスポート済みのアーカイブ データおよび保存されているアーカイブ データの両方を削除します。 指定できる最小日数は 1 日です。 指定できる最大日数は 2562 日です。 既定では、削除機能は無効になっています。

  • エクスポート済みのアーカイブデータのみを削除します。 このオプションは、すでにエクスポートされ、セッション エクスポート ツールによって削除しても安全だとマークされているすべてのレコードを削除します。