Lync Server 2010 のスキーマの変更
トピックの最終更新日: 2010-11-02
Microsoft Lync Server 2010 を展開して稼動させる前に、スキーマを拡張して Active Directory ドメイン サービス (AD DS) を準備する必要があります。 スキーマを拡張することにより、Lync Server 2010 に必要なクラスと属性を追加します。
Lync Server 2010 では、いくつかの新規クラスと属性が必要となり、一部の既存クラスと属性が変更されます。 また、Lync Server 2010 のほとんどの構成情報は、以前のバージョンで構成情報が格納されていた AD DS ではなく、中央管理ストアに格納されています。 以下の情報は、現在も Lync Server 2010 の AD DS に格納されています。
スキーマ拡張:
ユーザー オブジェクトの拡張
以前のサポートされるバージョンとの下位互換性を確保するための Office Communications Server 2007 クラスと Office Communications Server 2007 R2 クラスの拡張
データ (Lync Server 拡張スキーマ クラスと既存のスキーマ クラスに保存):
ユーザーの SIP URI (Uniform Resource Identifier) と他のユーザー設定
リソース グループや会議アテンダントなどのアプリケーションの連絡先オブジェクト
中央管理ストアへのポインター
Kerberos 認証のアカウント (オプションのコンピューター オブジェクト)
このトピックでは、Lync Server 2010 に必要な Active Directory スキーマの変更について説明します。 Office Communications Server の以前のバージョンで導入されたスキーマの変更については説明しません。 クラスとその説明の一覧については、「スキーマのクラスと説明」を参照してください。 属性とその説明の一覧については、「スキーマの属性と説明」を参照してください。 クラスおよびクラスに含まれる可能性のある属性の一覧については、「クラスごとのスキーマの属性」を参照してください。
Lync Server に固有のクラスと属性を識別するプレフィックスは msRTCSIP です。
新規 Active Directory クラス
次の表では、Lync Server 2010 で追加された Active Directory クラスについて説明します。
Lync Server 2010 で追加されたクラス
| クラス | 説明 |
|---|---|
msRTCSIP-ConnectionPoint |
コンピューターを Lync Server を実行しているサーバーとして指定する、汎用のサービス接続ポイント (SCP) です。 |
msRTCSIP-GlobalTopologySetting |
グローバル トポロジ設定オブジェクト。 |
msRTCSIP-GlobalTopologySettings |
グローバル トポロジ設定オブジェクトを保持するコンテナーです。 |
新規 Active Directory 属性
次の表では、Lync Server 2010 で追加された Active Directory 属性について説明します。
Lync Server 2010 で追加された属性
| 属性 | 説明 |
|---|---|
msRTCSIP-AcpInfo |
これはユーザーの電話会議プロバイダー情報を格納する属性です。 |
msRTCSIP-DeploymentLocator |
分割ドメインのトポロジで使用する属性で、完全修飾ドメイン名 (FQDN) が含まれます。 |
msRTCSIP-GroupingID |
この属性はグループの一意識別子であり、アドレス帳エントリをグループ化するのに使用されます。 |
msRTCSIP-OwnerUrn |
この属性は、アプリケーション連絡先所有者の Uniform Resource Name (URN) です。 |
msRTCSIP-PrivateLine |
この属性には、プライベート番号デバイスのデバイス ID が含まれます。 |
msRTCSIP-TargetUserPolicies |
これは Lync Server ユーザー用の対象ポリシーの名前と値のペアを格納する属性です。 |
msRTCSIP-TenantId |
これはテナントの一意識別子を格納する属性です。 この識別子はすべてのテナントで一意である必要があります。 |
msRTCSIP-UserPolicies |
この属性はユーザー ポリシーの名前と値のペアを格納する属性です。 |
msExchUCVoiceMailSettings |
ボイス メールの設定が含まれる複数値の属性です。この属性は、Exchange ユニファイド メッセージング (UM) と共有されています。 |
変更された Active Directory クラス
次の表では、Lync Server 2010 で変更された Active Directory クラスについて説明します。
Lync Server 2010 で変更されたクラス
| クラス | 変更 | クラスまたは属性 |
|---|---|---|
Organizational-Unit |
add: mayContain |
msRTCSIP-TenantId |
User |
add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain |
msRTCSIP-AcpInfo msRTCSIP-GroupingID msRTCSIP-OwnerUrn msRTCSIP-TargetUserPolicies msRTCSIP-TenantId msRTCSIP-UserPolicies msRTCSIP-DeploymentLocator msRTCSIP-PrivateLine |
Contact |
add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain add: mayContain |
msRTCSIP-AcpInfo msRTCSIP-GroupingID msRTCSIP-OwnerUrn msRTCSIP-TargetUserPolicies msRTCSIP-TenantId msRTCSIP-UserPolicies msRTCSIP-DeploymentLocator msRTCSIP-PrivateLine |
Group |
add: mayContain add: mayContain |
msRTCSIP-GroupingID msRTCSIP-TenantId |
msRTCSIP-GlobalTopologySetting |
add: mayContain add: mayContain add: mayContain |
msRTCSIP-BackEndServer msRTCSIP-ExtensionData msRTCSIP-ServerVersion |
Mail-Recipient* |
add: mayContain |
msExchUCVoiceMailSettings |
* この補助型クラスは Exchange UM と共有されます。