New-CsClientPolicyEntry

構文

New-CsClientPolicyEntry -Name <String> -Value <String>

解説

クライアント ポリシーは、Lync Server 2010 で Microsoft Lync 2010 などのクライアント ソフトウェアを管理するために使用する基本のメカニズムです。クライアント ポリシーを作成または構成する際には多数のオプションを使用できます。たとえば、Lync 2010 で写真を使用するかしないか、インスタント メッセージで絵文字を使用できるようにするかしないか、Lync 2010 でインスタント メッセージ セッションの内容を自動保存するかしないかなどです。これらのオプションは、管理者が管理する必要があるクライアント関連の設定の多くをカバーしています。

ただし、これらの設定で管理者が管理する必要があるクライアント設定をすべてカバーすることはできません。管理の柔軟性と拡張性を高めるため、クライアント ポリシーに PolicyEntry という名前のプロパティが含まれています。管理者はこの複数値プロパティを使用して、クライアント ポリシー内で明示的に呼び出されない新しい管理オプションを追加できます。たとえば、Lync Server のリリース前に行われたベータ テストでは、Lync 2010 にフィードバック オプションを追加する機能がありました。このオプションは新しいポリシー エントリとして追加され、New-CsClientPolicyEntry を使って作成されていました。

新しいポリシー エントリを任意に作成することはできません。また、そういったエントリで Lync 2010 などのクライアント アプリケーションを管理することを見込むことはできません。その代わりに、新しいクライアント ポリシー エントリを作成するために使用できる名前や値に関する、Microsoft からの通知を待つ必要があります。

このコマンドレットを実行できるユーザー: 既定では、次のグループのメンバーは New-CsClientPolicyEntry コマンドレットのローカル実行を承認されています。RTCUniversalServerAdmins。このコマンドレットが割り当てられているすべての役割ベースのアクセス制御 (RBAC) の役割の一覧 (自身が作成したカスタムの RBAC の役割を含む) を戻すには、Windows PowerShell プロンプトから次のコマンドを実行します。

Get-CsAdminRole | Where-Object {$_.Cmdlets –match "New-CsClientPolicyEntry"}

パラメーター

入力の種類

なし。New-CsClientPolicyEntry はパイプライン入力を受け入れません。

戻り値の種類

New-CsClientPolicyEntry を実行すると、Microsoft.Rtc.Management.WritableConfig.Policy.Client.PolicyEntryType オブジェクトの新しいインスタンスが作成されます。

例

-------------------------- 例 1 ------------------------

$x = New-CsClientPolicyEntry -Name "OnlineFeedbackURL" -Value "http://www.litwareinc.com/feedback"

$y = Get-CsClientPolicy -Identity global
$y.PolicyEntry.Add($x)

Set-CsClientPolicy -Instance $y

例 1 に示すコマンドは、グローバル クライアント ポリシーに新しいポリシー エントリを追加する方法を示しています。この例では、Lync 2010 に新しいフィードバック オプションを追加しています。この例はデモンストレーション用です。これらのコマンドを実行して、Lync 2010 のコピーに同様のフィードバック オプションを追加できると見込まないでください。

新しいポリシー エントリを追加するため、この例のコマンドではまず New-CsClientPolicyEntry を使用し、名前が OnlineFeedbackURL、値が http://www.litwareinc.com/feedback のエントリを作成しています。作成したポリシー エントリ オブジェクトを $x という名前の変数に格納しています。

2 番目のコマンドでは Get-CsClientPolicy を使用し、グローバル クライアント ポリシーへのオブジェクト参照 ($y) を作成しています。このオブジェクト参照を作成した後、Add メソッドを使用して、PolicyEntry プロパティに新しいポリシー エントリを追加しています。PolicyEntry に既に 1 つまたは複数のエントリがある場合は、単純に新しい値をそのコレクションの末尾に追加します。

この例の最後のコマンドでは、Set-CsClientPolicy を使用して、実際のグローバル ポリシーに変更を書き込んでいます。Set-CsClientPolicy を呼び出さなければ変更はメモリ内のみで存在し、Windows PowerShell セッションの終了後または変数 $x の削除後すぐに消滅します。

-------------------------- 例 2 ------------------------

$x = New-CsClientPolicyEntry -Name "OnlineFeedbackURL" -Value "http://www.litwareinc.com/feedback"
Set-CsClientPolicy -Identity global -PolicyEntry $x

例 2 は例 1 に示したコマンドの変化形です。ただしこの場合、現在グローバル ポリシーの PolicyEntry プロパティ内にあるすべての項目を、新しいポリシー エントリに置き換えています。それを行うため、この例の最初のコマンドで新しいポリシー エントリを作成し、$x という名前の変数に格納しています。次に 2 つ目のコマンドでは、Set-CsClientPolicy を使用し、PolicyEntry プロパティの値を $x に設定しています。このコマンドが完了すると、PolicyEntry プロパティ内で実行している項目は新しいエントリだけになります。Set-CsClientPolicy を呼び出す前にこのプロパティ内に含まれていた項目は、すべて新しいエントリによって置き換えられます。

-------------------------- 例 3 ------------------------

$y = Get-CsClientPolicy -Identity global
$y.PolicyEntry.RemoveAt(0)

Set-CsClientPolicy -Instance $y 

例 3 は、グローバル ポリシーからクライアント ポリシー エントリを削除する方法を示しています。それを行うため、この例の最初のコマンドでグローバル クライアント ポリシーを取得し、$y という名前の変数にその情報を格納しています。

グローバル ポリシーを取得した後、例の 2 番目のコマンドで RemoveAt() メソッドを使用して、ポリシー内にある最初のポリシー エントリを削除します。削除するポリシー エントリは、インデックス番号で示します。最初のポリシー エントリのインデックス番号は 0、2 番目のポリシー エントリのインデックス番号は 1、以下同様です。RemoveAt(0) という構文は、最初のポリシー エントリを削除することを意味します。

グローバル ポリシーのメモリ内インスタンスからそのポリシー エントリを削除した直後に、Set-CsClientPolicy コマンドレットを呼び出して、変更結果をグローバル クライアント ポリシーの実際のインスタンスに書き込みます。

-------------------------- 例 4 ------------------------

Set-CsClientPolicy -Identity global -PolicyEntry $Null

例 4 に示すコマンドを実行すると、グローバル ポリシーの一部として構成済みであるすべてのクライアント ポリシー エントリが削除されます。PolicyEntry パラメーターを使用し、パラメーター値を Null ($Null) に設定することによって、これを実行します。

関連項目

その他のリソース

New-CsClientPolicy
Set-CsClientPolicy