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クライアントの展開の新機能

 

トピックの最終更新日: 2012-10-18

このトピックでは、展開を計画する際に考慮する必要があるクライアントおよびサーバーの新機能について説明します。重要な変更点や機能強化が関係するのは以下の領域です。

  • 新しい統合コミュニケーション (UC) クライアント

  • クライアント構成

  • インストールと更新

  • Microsoft Lync 2010 をインストールしていないユーザー用の代替会議クライアント

  • 拡張プレゼンス プライバシー

  • マネージャー/代理人シナリオの変更

  • レコーディング

  • Lync 2010 のユーザーのピクチャ オプション

新しい UC クライアント

Lync Server 2010 の累積的な更新プログラム: 2011 年 11 月では、以下のクライアントが新たに提供されます。

  • モバイル デバイス用の Lync 2010 クライアント

  • Microsoft Lync Online Web Scheduler

モバイル クライアント用の Lync 2010

Lync Server 2010 の累積的な更新プログラム: 2011 年 11 月では、モバイル クライアント用の Lync 2010 を提供します。ユーザーは、モバイル クライアントを使用して、プレゼンス、インスタント メッセージング (IM)、連絡先、ダイヤルアウト会議 (つまり、会議サーバーがモバイル クライアントを呼び出します) などの Lync 2010 機能を利用できます。優れたモバイル クライアントを使用している場合は、さらに、同一番号接続 (勤務先番号にダイヤルされた通話をモバイル デバイスで受信します)、勤務先電話からの通話 (勤務先 ID を使用してモバイル デバイスから通話します)、ボイス メール、不在着信などのエンタープライズ VoIP 機能もモバイル クライアントでサポートされます。各モバイル クライアントで利用できる機能を比較するには、「モバイル クライアントの比較表」を参照してください。

Lync Online Web Scheduler

展開には、内部設置型のクライアント (Lync 2010) のみが含まれる場合と、内部設置型とホスト型のクライアントが混合される場合があります。

Lync Online は、Microsoft Office Professional Plus に付属している Lync 2010 のホスト型です。Lync Online の詳細については、以下のリソースを参照してください。

Lync Online Web Scheduler は、Microsoft Outlook にアクセスできないユーザーか、Windows ベース以外のオペレーティング システムを使用しているユーザー向けの、会議のスケジュールと管理を行う Web ベースのツールです。詳細については、「Lync Online Web スケジューラの機能」を参照してください。

このトピックの残りの部分では、内部設置型のみの展開 (つまり Lync Server 2010 のみの展開) について説明します。

クライアント構成

Microsoft Lync Server 2010では、Microsoft Office Communications Server の以前のリリースで使用されていたグループ ポリシー設定が、インバンド プロビジョニングを介してクライアントに送信されるサーバー設定によって制御されるようになっています。

インバンド プロビジョニング設定は、Microsoft Lync Server 2010 コントロール パネル、Lync Server 管理シェル、またはその両方を使用して管理します。これらのツールは、以前のバージョンの Office Communications Server でポリシー設定を管理するために使用していた Windows Management Interface (WMI) を置き換えるものです。たとえば、Microsoft Office Communications Server 2007 R2 では、グループ ポリシーを使用して特定のユーザーの会議ポリシーを上書きすることができます。Lync Server 2010 では、すべてのポリシー設定を集中管理し、グローバル レベル、サイト レベル、またはタグ レベル (タグは、1 人のユーザーまたは 1 つのユーザー グループに適用可能な設定) でそれらの設定を適用できます。

既存の Office Communications Server 2007 R2 展開がある場合、Communications Server 2007 R2 クライアントはサイド バイ サイド移行中もグループ ポリシーを使用し続けます。 ただし、ポリシー設定を Lync Server クライアントに移す場合は、同等の Lync Server インバンド プロビジョニング設定を構成する必要があります。 詳細については、「移行」のドキュメントの「Lync Server 2010 へのユーザー設定の移行」を参照してください。

note注:
クライアントのブートストラップでは、一部のポリシーが引き続き必要になります。 必要なのは、クライアントがサインインしてサーバーからインバンド プロビジョニング設定を受信し始めるよりも前に有効になっているポリシーです。 詳細については、「主要なクライアント ポリシーと設定」を参照してください。

インバンド プロビジョニング設定とグループ ポリシー設定の比較

インバンド プロビジョニング設定 グループ ポリシー設定

管理者は、単一のユーザー インターフェイスを使用し、一元的にすべてのクライアント構成タスクを実行できます。

管理者 (たとえば、Active Directory ドメイン サービス (AD DS) やメッセージングを管理する管理者) は、多くの場合、クライアントを構成するために組織内の他の部門と共同作業する必要があります。

設定の構成は、グローバル (つまり、ドメインまたは組織単位)、サイト、またはタグ レベルで実行できます。 タグとは、1 人のユーザーまたは 1 つのユーザー グループに適用可能な設定のことです。

各設定は、グローバル レベルとユーザー レベルでのみ構成できます。

サーバーベースの設定により、企業ドメインに参加していないユーザーや、デバイスまたはリモート クライアントを使用して参加するユーザーに、エンド ユーザーに一貫した操作性を提供します。

AD DS を使用して配信されるグループ ポリシー設定の場合には、ユーザーがコンピューターを使用して企業ドメインに接続されている必要があります。

設定はすぐに有効になります。

ユーザーは、設定を有効にするため、いったん Windows オペレーティング システムからサインアウトしてもう一度サインインする必要があります。

サーバーベースの設定では、クライアント プログラムに依存せずにポリシーを適用するため、クライアントのセキュリティを向上させることができます。

クライアント プログラムは悪意のあるユーザーによって変更される可能性があります。

インストールと更新

インストールと更新に関連した新しい機能は、実行可能ファイルとしてセットアップを配布することと、更新リンク オプションが Lync Server クライアント バージョンのチェック機能に追加されたことです。

Lync 2010 セットアップ実行可能ファイル

Microsoft Office Communicator 2007 R2 および Microsoft Office Communicator 2007 では、インストーラー (.msi) パッケージとしてセットアップが提供されます。Lync および Microsoft Lync 2010 Attendee では、セットアップ ファイルが実行可能ファイル (.exe) プログラムとして提供されます。Lync セットアップ実行可能ファイル プログラムは、以下のアクションを実行するゆえに、クライアントをインストールする場合の推奨方法となっています。

  • 前提条件を満たしているかどうかをチェックし、終了する必要があるプログラムについてユーザーに通知する

  • 必要なバージョンの Microsoft Visual C++ コンポーネントおよび Microsoft Silverlight ブラウザー プラグインをインストールする

  • Lync 2010 Attendee をアンインストールする

  • レコーディング機能を正常に動作させるには Windows Media Player 11 をインストールする必要があることをユーザーに通知する

  • 以前のバージョンの Office Communicator 2007 R2 または Office Communicator 2007 のマルチユーザー言語パックをアンインストールする

グループ ポリシーを使用してクライアントを展開する場合は、実行可能ファイル プログラムから Windows インストーラー (.msi) ファイルを抽出し、グループ ポリシー設定 UseMSIForLyncInstallation を使用してクライアント コンピューターで .msi を実行できるようにする必要があります。 また、通常は実行可能ファイル プログラムによって実行されるその他のすべての処理を対処することも必要になります。 詳細については、「展開」のドキュメントの「Lync 2010 の IT 管理インストール」を参照してください。

クライアント バージョンの更新オプション

Lync クライアントでは、Lync Server でホストされている場所に代わって、Windows Server Update Service (WSUS) または Microsoft Update から更新されたソフトウェアを受信することができるようになっています。Lync のクライアント バージョン ポリシーを設定するときには、引き続き [許可およびアップグレード] および [ブロックおよびアップグレード] オプションを選択できます。 ただし、更新ソフトウェアのサーバー上の場所を指定する必要はなくなりました。 代わりにクライアントは、WSUS を使用する場合、WSUS から更新プログラムを受信します。 それ以外の場合、クライアントは Microsoft Update から更新プログラムを受信します。

note注:
[許可およびアップグレード] オプションおよび [ブロックおよびアップグレード] オプションを選択すると、ユーザーが次に Lync にサインインするときに通知が表示されます。この通知では、更新があり、WSUS または Microsoft Update にまだリリースされていなくても、更新を利用できることが伝えられます。混乱を避けるため、このアクションは更新が利用できるようになった後でのみ選択する必要があります。

代替ミーティング クライアント

Lync をインストールしていないユーザーは、Microsoft Lync Web App または Lync 2010 Attendee を使用することにより、Lync Server の強化された会議およびコラボレーション機能を利用できます。さらに、ミーティング参加ページを構成することにより、ユーザーが使用可能なクライアントを判別することができます。

代替ミーティング クライアントの使用

Lync または Microsoft Lync 2010 Attendant をインストールしていないユーザーには、Lync Server 会議に参加するための次のオプションを提供できます。

  • Lync Web App

  • Lync 2010 Attendee

  • Communicator 2007 R2 または Communicator 2007

以下の表を参考にして、ユーザーおよび組織に適切なクライアントを判断してください。

会議クライアントの比較表

機能または要件 Lync Web App Lync 2010 Attendee Office Communicator 2007 R2 または Office Communicator 2007

Web プログラム

はい

いいえ

いいえ

展開またはインストールの要件

Silverlight

インストールには管理者権限とアクセス許可が必要

クライアント プログラム (Silverlight のインストールを含む)

インストールは管理者またはユーザーごとのレベルで実行できる

該当なし

新しい Lync Server の会議機能

はい1

はい

いいえ

ダイヤルイン会議

はい2

はい2

Communicator 2007 R2 のみ

統合された IP オーディオとビデオ

いいえ

はい

はい

フェデレーション ユーザーまたは外部ユーザーによる匿名参加

はい

はい

フェデレーション ユーザーのみ

内部ユーザーによる認証参加

はい

はい

はい

外部ユーザーによる認証参加

はい

はい

いいえ

1Microsoft PowerPoint プレゼンテーション グラフィックス プログラムを使用して作成されるファイルのアップロードを除いて、すべての機能が使用可能です。デスクトップまたはプログラム共有では、Microsoft ActiveX コントロールをインストールする必要があります。

2ダイヤルアウト会議もサポートされています (有効な場合)。

ミーティング参加ページの構成

スケジュールされた Lync Server 会議に参加可能なクライアントは、会議参加ページを構成することによって管理できます。会議に参加しようとしていても Lync がインストールされていないユーザーには、会議参加ページが表示され、このページから、Lync Web App、Lync 2010 Attendee、または以前のバージョンの Microsoft Office Communicator (Communicator 2007 R2 または Communicator 2007) にアクセスできます。

管理者は、このページに表示されるクライアント オプションを構成できます。 たとえば、Lync 2010 Attendee を展開しない場合は、ミーティング参加ページからのダウンロード リンクを削除できます。 会議参加ページの構成の詳細については、「展開」のドキュメントの「ミーティング参加ページの構成」を参照してください。

拡張プレゼンス プライバシー

Lync Server の拡張プレゼンス プライバシー モードの場合、ユーザーのプレゼンスはそのユーザーの連絡先リストにある連絡先に表示されますが、企業内のその他のユーザーには表示されません。

important重要:
指定されたプールのすべてのユーザーが Lync に移行するまでは、この機能を有効にしないでください。 プール内に以前のクライアント バージョンが存在すると、プライバシー管理オプションが無効になるか、リセットされる可能性があります。

この機能が期待通り働くようにするため、「展開」のドキュメントの「拡張プレゼンス プライバシー モードの構成」を参照してください。

マネージャー/代理人シナリオの変更

Lync は、マネージャー/代理人シナリオをフルサポートする、委任用の推奨クライアントです。Lync 2010 Attendant では一部の代理人機能が廃止されていますが、それらの機能は Lync によって提供されます。 それらの代理人機能には、ユーザーが他のユーザーの代理人として追加されたときの通知機能、マネージャーに代わって電話をかける機能、および自分が代理人となっているユーザーを含める自動連絡先グループ機能などがあります。 さらに代理人は、Lync を使用して、複数のマネージャーをサポートし、Lync 2010 Attendant コンソールでは提供されていないプログラム共有やファイル転送などのコラボレーション ツールを利用できます。

Microsoft Office Communications Server 2007 R2 Attendant は、マネージャー/代理人シナリオと受付担当者シナリオの両方をサポートしていましたが、Microsoft Lync 2010 Attendant は受付担当者シナリオのみを対象に設計されています。 必要な場合、代理人は Lync 2010 Attendant を使用してマネージャーの電話を受け付けることができますが、その他の代理人機能は組み込まれていません。

Lync 2010 レコーディング

レコーディング機能により発表者は、出席者、オーディオ、ビデオ、およびコンテンツ (インスタント メッセージング (IM) の会話、プログラム共有、PowerPoint プレゼンテーション、配布資料、およびホワイトボードなど) を含む Lync セッションのすべての要素を記録することができます。既定では、レコーディング機能はオフになっています。レコーディングは、会議のレコーディング ポリシーを構成することによって有効にできます。有効にするには、Lync Server コントロール パネルを使用して会議グループでレコーディング ポリシーを構成するか、Lync Server 管理シェルを使用して、CsConferencingPolicy コマンドレットの AllowConferenceRecording、AllowExternalUsersToRecordMeetings、および EnableP2PRecording パラメーターを構成することができます。

Lync 2010 のユーザーのピクチャ オプション

Lync では、ユーザーはピクチャを表示できます。このセクションでは、既定のユーザーのピクチャ オプションの一覧を示し、Lync Server 管理シェルを使用して既定値を変更する方法について説明します。

Lync ユーザーは、既定で、[オプション] ボタンをクリックしてから [マイ ピクチャ] をクリックすることにより、Lync メイン ウィンドウから以下の 3 つの選択肢を表示できます。

Lync 2010 の [マイ ピクチャ] での既定のオプション

オプション 説明

マイ ピクチャを表示しない

ユーザーのピクチャは表示されません

既定のコーポレート ピクチャ

AD DS でユーザーのピクチャを表示します

Web アドレスからピクチャを表示する

画像は次の条件を満たす必要があります。

  • 認証が不要な Web サーバー上に存在する

  • サイズが 30 KB 以下である

[既定のコーポレート ピクチャ] オプションを選択する予定の場合は、Lync を展開する前に AD DS にユーザーのピクチャが存在することを確認してください。

[Web アドレスからピクチャを表示する] オプションを選択する予定の場合は、Windows Live Essentials、Flickr、または Facebook などの公共の Web サイト上にユーザーの個人ピクチャがすでに置かれている必要があることに注意してください。詳細については、Lync のヘルプとハウツー (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=211130&clcid=0x411) を参照してください。

ユーザーのピクチャの既定オプションの変更

New-CsClientPolicy コマンドレットを使用することにより、ユーザーの [マイ ピクチャ] タブに表示される内容を変更できます。New-CsClientPolicy の使用法の詳細については、「操作」のドキュメントの「New-CsClientPolicy」を参照してください。次の表に、関連するパラメーターを示します。

CsClientPolicy のユーザーのピクチャ オプション

CsClientPolicy のパラメーター 説明

DisplayPhoto

次のいずれかのコマンド ライン設定を指定します。

  • NoPhoto   Lync にピクチャは表示されません。

  • PhotosFromADOnly   AD DS で公開されているピクチャのみ表示できます。

  • AllPhotos   AD DS で公開されているピクチャまたはカスタムのピクチャのいずれかを表示できます。

AllPhotos が既定の設定です。

MaxPhotoSizeKB

Lync に表示されるピクチャの最大サイズ (KB) を示します。MaxPhotoSize を 0 に設定すると、Lync にピクチャを表示できなくなります。

既定値は 30 KB です。