ひとの検索を構成する (FAST Search Server 2010 for SharePoint)

 

適用先: FAST Search Server 2010

トピックの最終更新日: 2010-12-03

FAST Search Server 2010 for SharePoint で使用するひとの検索の有効化と構成を行うには、この記事の手順に従います。

FAST Search Server 2010 for SharePoint のひとの検索は、Microsoft SharePoint Server 2010 のひとの検索とよく似ています。重要な違いは、FAST Search Server 2010 for SharePoint は 2 つの別個の Search Service アプリケーションを使用するということです。ひとの検索のコンテンツ ソースは FAST Search Query Search Service アプリケーションに追加されます。

この記事の内容

ひとの検索を有効にする

Web アプリケーションとサイト コレクションを構成する

User Profile Service アプリケーションにユーザー プロファイルを追加する

個人用サイトの設定を構成する

ひとの検索を有効にする

ひとの検索を使用するには、次のサービス アプリケーションが作成されていて、それらが依存しているサービスが開始済みでなければなりません。

  • FAST Search Query Search Service アプリケーション

  • User Profile

  • Managed Metadata

User Profile Service アプリケーションは、ひとの検索で重要な役割を果たします。ひとの検索の結果に表示される多くの情報がそこに格納されているからです。たとえば、個人用サイト内や、Active Directory ドメイン サービス (AD DS) といったライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコル (LDAP) ストア内の情報が、User Profile Service アプリケーションによって格納されています。

User Profile Service アプリケーションとその管理方法の詳細については、SharePoint Server 2010 の「User Profile Service の管理 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

このサービス アプリケーションに加えて、ひとの検索には、エンタープライズ検索センター テンプレートを使用して作成された検索センター サイトが必要です。基本検索センターとは異なり、FAST 検索センターには、人を対象とする検索に使用されるタブがあります。

サービス アプリケーションが実行中であることを確認する

ここでは、ひとの検索に必要なサービス アプリケーションの存在を確認する方法を説明し、存在しない場合のサービス アプリケーションの作成に役立つ情報を提供します。また、依存するサービス アプリケーションが開始済みであることを確認する方法も説明します。

サービス アプリケーションの存在を確認するには

  1. この手順を実行しようとしているユーザー アカウントが、Farm Administrators SharePoint グループのメンバーであることを確認します。

  2. サーバーの全体管理のホーム ページの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

  3. [サービス アプリケーションの管理] ページの [名前] 列に次の項目が表示されていることを確認します。

    • Managed Metadata Service

    • FAST Search Query Search Service アプリケーション (このサービス アプリケーションは FAST Search Server 2010 for SharePoint に固有で、一意の名前を持ちます。FAST Search Query Search Service アプリケーションの名前を把握しておく必要があります。)

    • User Profile Service アプリケーション

  4. Managed Metadata Service または User Profile Service アプリケーションが存在しない場合は、この記事の「Managed Metadata または User Profile Service アプリケーションを作成するには」の手順に従います。

    FAST Search Query Search Service アプリケーションが存在しない場合は、FAST Search Server 2010 for SharePoint の展開を完了していない可能性があります。必要な手順の全体の概要については「FAST Search Server 2010 for SharePoint の展開」を、具体的な方法については「Query Search Service アプリケーションを作成してセット アップする (FAST Search Server 2010 for SharePoint)」を参照してください。

    サービス アプリケーションがすべて存在する場合は、「Managed Metadata Service アプリケーションが開始済みであることを確認するには」に進みます。

Managed Metadata または User Profile Service アプリケーションを作成するには

  1. サーバーの全体管理 Web サイトのホーム ページのサイド リンク バーで、[構成ウィザード] をクリックします。

  2. [構成ウィザード] ページで、[ファーム構成ウィザードの起動] をクリックします。

  3. [SharePoint の品質向上にご協力ください] ページが表示された場合は、次のどちらかのオプションをクリックし、[OK] をクリックします。

    • [参加する (推奨)]

    • [参加しない]

  4. [SharePoint ファームの構成] ページで、[このウィザードを使用してファームを構成する] をクリックし、[ウィザードの開始] をクリックします。

  5. [SharePoint ファームの構成] ページの [サービス アカウント] セクションで、[既存の管理アカウントを使用する] を選択します。

  6. 作成する必要があるサービス アプリケーションのチェックボックスをオンにし、[次へ] をクリックします。

  7. [サイト コレクションの作成] ページで、[スキップ] をクリックします。

  8. [SharePoint ファームの構成] ページで、[完了] をクリックします。

Managed Metadata Service アプリケーションが開始済みであることを確認するには

  1. [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

  2. Managed Metadata Service アプリケーションの [状態] 列に [開始済み] と表示されていることを確認します。このサービス アプリケーションの作成にファーム構成ウィザードを使用しなかった場合、Managed Metadata Web Service が実行されていない可能性があります。そのときは、引き続き手順 3. を実行します。それ以外の場合は、「Web アプリケーションとサイト コレクションを構成する」に進みます。

  3. サーバーの全体管理のホーム ページにある [システム設定] セクションで、[サーバーのサービスの管理] をクリックします。

  4. [サーバーのサービス] ページにある [Managed Metadata Web Service] 行の [処理] 列で、[開始] リンクをクリックします。([処理] 列のリンクが [停止] の場合、Managed Metadata Web Service は既に実行されています。)

Web アプリケーションとサイト コレクションを構成する

運用環境では、通常、個人用サイトのサイト コレクションをホストするための Web アプリケーションを別に作成します。評価用の場合は、SharePoint サイト、FAST 検索センター サイト、および個人用サイトの各サイト コレクションをホストするのに同じ Web アプリケーションを使用できます。

このセクションでは、同じ Web アプリケーションを使用して SharePoint サイト、FAST 検索センター サイト、および個人用サイトの各サイト コレクションをホストするものとします。サーバー ファームには、サーバーの全体管理 Web サイト用と SharePoint 用の少なくとも 2 つの Web アプリケーションが存在するはずです。これらは、「SQL Server を使用する単一サーバーを展開する (SharePoint Server 2010)」の手順に従って SharePoint Server 2010 をインストールしたという前提に基づいています。

SharePoint サイト、FAST 検索センター サイト、および個人用サイト用の Web アプリケーションが作成済みであることを確認する

  1. この手順を実行しようとしているユーザー アカウントが、Farm Administrators SharePoint グループのメンバーであることを確認します。

  2. サーバーの全体管理のホーム ページの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[Web アプリケーションの管理] をクリックします。

  3. [Web アプリケーションの管理] ページに、このサーバー ファーム用に作成されたすべての Web アプリケーションの一覧が表示されます。

    SQL Server を使用する単一サーバーを展開する (SharePoint Server 2010)」の手順では、80 番ポートを使用する Web アプリケーションを作成しています。この Web アプリケーションを使用して、SharePoint サイト、FAST 検索センター サイト、および個人用サイトのサイト コレクションをホストできます。

    ヒント

    SharePoint Server 2010 のスタンドアロン インストールを実行した場合は、"SharePoint - 80" という Web アプリケーションが 80 番ポートに自動的に作成され、チーム サイト テンプレートを使用してこの Web アプリケーション内にサイト コレクションが作成されます。サーバー ファーム インストールの場合も、ファーム構成ウィザードを使用してサイト コレクションを作成したときには、この Web アプリケーションが作成されている可能性があります。

  4. SharePoint サイトや個人用サイト用の Web アプリケーションが存在しない場合は、手順 5. に進みます。それ以外の場合は、「サービス アプリケーションが Web アプリケーションに関連付けられていることを確認する」に進みます。

  5. [Web アプリケーションの管理] ページにあるリボンの [投稿] グループで、[新規] をクリックします。

  6. [新しい Web アプリケーションの作成] ダイアログ ボックスで、[新しい IIS Web サイトを作成する] を選択し、必要に応じて [名前] ボックスにサイトの名前を入力します。

  7. [ポート] ボックスに、この Web アプリケーションで使用するポート番号を入力します。

  8. その他の項目を設定し、[OK] をクリックします。

  9. [作成済みアプリケーション] ページで [OK] をクリックします。

サービス アプリケーションが Web アプリケーションに関連付けられていることを確認する

  1. [Web アプリケーションの管理] ページの [名前] 列で、必要なサービス アプリケーションと関連付けられていることを確認する Web アプリケーションの行をクリックします。通常、この Web アプリケーションの名前は "SharePoint - 80" です。

    注意

    SharePoint サイト、FAST 検索センター サイト、および個人用サイト用の Web アプリケーションに次のサービス アプリケーションが関連付けられていることを確認する必要があります。

    • Managed Metadata Service

    • User Profile

    • FAST Search Query Search Service アプリケーション

  2. リボンの [管理] グループで、[サービス接続] をクリックします。

  3. [サービス アプリケーションの関連付けの構成] ダイアログ ボックスで、[Managed Metadata Service]、[User Profile Service アプリケーション]、および [<FAST Search Query Search Service アプリケーションの名前>] の各チェックボックスをオンにします。

  4. [OK] をクリックします。

User Profile Service アプリケーションにユーザー プロファイルを追加する

ひとの検索で有用な検索結果を得るには、User Profile Service アプリケーションにユーザー プロファイルを追加する必要があります。これを行うには、次の 2 つの方法があります。

  • ユーザー プロファイルを手動で追加する

  • ディレクトリ サービスまたは外部データ ソース (AD DS、サードパーティ LDAP、Business Data Connectivity Service など) との同期を取る

重要

テスト環境の場合は、プロファイル ストアと、運用環境内にあるディレクトリ サービスや他の外部データ ソースとの同期を取らないことをお勧めします。代わりに、User Profile Service アプリケーションとの同期を取るディレクトリ サービスのコピーを作成します。

ユーザー プロファイルの一覧を表示する

  1. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Service アプリケーションを含む行をクリックし、リボンの [管理] をクリックします。

  2. [プロファイル サービスの管理] ページの [] セクションで、[ユーザー プロファイルの管理] をクリックします。

  3. [ユーザー プロファイルの管理] ページの [プロファイルの検索] ボックスにそのユーザーが所属するドメインの名前を入力し、[検索] をクリックします。

    たとえば、ユーザーが Contoso.com ドメインのメンバーである場合は、[プロファイルの検索] ボックスに「Contoso」と入力します。完全修飾ドメイン名は入力しないでください。

  4. [検索] をクリックします。

個人用サイトの設定を構成する

既定では、ファーム構成ウィザードを使用して User Profile Service アプリケーションを作成すると、個人用サイトの設定が構成されます。既定の設定を変更する場合は、次の手順を実行します。

  1. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Service アプリケーションを含む行をクリックします。

  2. リボンの [操作] グループで、[管理] をクリックします。

  3. [プロファイル サービスの管理] ページの [個人用サイトの設定] セクションで、[個人用サイトのセットアップ] をクリックします。

  4. [優先する検索センター] セクションの [優先する検索センター] ボックスに表示されている FAST 検索センター サイトのパスが正しいことを確認します。

  5. [ひと検索の検索範囲] の一覧で、[ひと] が選択されていることを確認します。

  6. [ドキュメント検索の検索範囲] の一覧で、ドキュメントの検索で使用する検索範囲を選択します。

    [すべてのサイト] の範囲を選択することをお勧めします。

  7. [個人用サイトのホスト] セクションの [個人用サイトのホストの場所] ボックスで、個人用サイトのホストへのパスが正しいことを確認します。

  8. [個人用サイトの場所] セクションの [場所] ボックスに、個人用サイトを作成する場所を入力します。

    既定では、"my/personal" というパスになっています。

  9. [サイトの名前付け形式] セクションで、新しい個人用サイトに名前を付けるときに使用する形式を選択します。

    既定では、[ユーザー名 (競合を解決しない)] が選択されています。

  10. [言語オプション] セクションで、必要に応じて、ユーザーが自分の個人用サイトの言語を選択できるようにするかどうか、またユーザー プロファイルの編集にその個人用サイトの言語を使用するかどうかを選択します。

  11. [読み取りアクセス許可レベル] セクションで、必要に応じて、個人用サイトの作成時にそのサイトでの読み取りアクセス許可レベルが与えられるアカウントを 1 つ以上入力します。

    既定では、すべての認証済みユーザーにこのアクセス許可が与えられます。

  12. [個人用サイトの電子メール通知] セクションで、必要に応じて、すべての個人用サイトから送信される電子メール通知に表示される別の名前を指定します。

    既定では、送信者の名前が "My Site"(個人用サイト) になっています。

  13. [OK] をクリックします。

個人用サイトに情報を追加する

個人用サイトの情報は、User Profile Service アプリケーションに格納されます。そのため、個人用サイトに追加する情報が増えるほど、ひとの検索結果が有益なものになります。たとえば、ユーザーの専門知識や関心についての情報を個人用サイトに記述して、検索結果ページにどのように表示されるかを確認することをお勧めします。

個人用サイトに情報を追加するには、User Profile Service アプリケーションにユーザー プロファイルが作成されているユーザーとしてログオンし、個人用サイトの URL にアクセスします。そのためには、Web ブラウザーのアドレス バーに「http:// hostname/my/」と入力します。個人用サイトがまだ作成されていない場合は、自動的に作成されます。