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ビジネスにおける IT: インターネット成功の影の功労者である IT

インターネットにより、情報の扱い方が大きく変化しましたが、その功績はだれに感謝すべきなのでしょうか。

Romi Mahajan

インターネットは、ビジネスのアイディアに、それほど大きな変化をもたらしておらず、単にビジネスを行う方法と情報を収集および伝達する方法を変えたに過ぎません。その功績に対する賛辞は IT プロフェッショナルと開発者の両方に向けられるべきです。

私が小学生のとき、大掛かりな調査が必要な課題がありました。いくつかの図書館に行って、索引カードを使用して、難解な問題に対する答えを見つけましたが、「ビートルズが米国で最後にコンサートを開催した場所はどこですか」という最後の質問にはお手上げでした。私は不安に苛まれました。ですが、私が訪れた公立図書館には、電話で図書館員に質問できるというすてきなシステムがあったことを思い出しました。電話をして質問すると、その答えを探して、折り返し電話をくれるというシステムでした。そこで私は電話をして、この質問をしたところ、「サンフランシスコ」という回答を得ることができました。Google なしでも「優」が取れました。

私は eBay が誕生する前に、オークションを利用したことがあります。また、Groupon が誕生する前から、共同購入が持つ力を知っていますし、Amazon が誕生する前から、好きな数だけ本を貪るように読むことはできました。ですが、インターネットやこれらのサービスが誕生するまで、これらの作業を行うのは確かに困難でした。

インターネットがビジネスのアイディアを生み出すことはありませんでしたが、選択肢、配送、および速度に決定的な変化をもたらしました。ですが、その影には IT の功績があります。にもかかわらず、IT は、絶えずビジネスから待ち伏せ攻撃を受けています。では、このインターネットがもたらした進化として選択肢、配送、および速度という 3 つの主な要素を分析し、それぞれにおいて IT が果たした役割を見てみましょう。

選択肢と IT: 選択肢は、利用できるさまざまな製品、サービス、経験、これらを市民、消費者、または企業に提供する方法という形で表れます。新しい企業と新しいサービスは IT によって誕生しています。銀行と銀行が提供している新しい金融商品のポートフォリオを思い浮かべてみてください。これらは単なるコードで、そのコードは IT で管理されています。

配送と IT: 総合航空貨物輸送会社であるフェデックスは、パッケージに関する情報はパッケージ自体と同じくらい重要であるという概念に基づいて設立されました。同様に、インターネットの世界では、製品、サービス、またはエクスペリエンスを提供するのは、たいてい仮想的なことです。このすべての原動力となっているのが IT です。

速度と IT: 電子はトラックよりも高速です。これ以上、語ることは何もありません。

部分的に証拠を挙げて、この主張の正しさを説明しましたが、多くの場面で、IT がインターネットの成功を支援していることには同意していただけると思います。では、業界紙が、この領域の事実を定義する権利が彼らにあると信じて疑わないのは、なぜでしょうか。

主な要因は 2 つあります。1 つ目は、お金が話のネタになるということです。多くの賞賛されたインターネット会社は破産しました。私たちの文化では、金銭的な成功は卓越していることを意味します。そのため、インターネット関連のベンチャー企業に関する記事で取り上げられている内容の大半は、金銭的な成功についてのもので、技術的な創造性や技術スタッフの管理に関する独創性が取り上げられていることは、めったにありません。

2 つ目は、IT は寡黙であることが最善とされていることにあります。すばらしい経験の場合も、"おなじみの型にはまったやり方" は表舞台に出るべきではありません。IT は、"おなじみの型にはまったやり方" と見なされることが往々にしてあります。

私たちが当然の賛辞を受けて、魔法のようなビジネスの手法を実現した技術的な支援に対する功績を認めてもらうには、どうしたら良いでしょうか。そのためには、エクスペリエンスに関する言葉を用いて IT による創造的な前進について議論する必要があります。驚くほどのことではありませんが、IT プロフェッショナルには、問題について考えるときに技術用語を使用する傾向があります。これは賢明で良いことですが、IT プロフェッショナル以外の人と話をするのにはうまくありません。そのようなときには、テクノロジに関して考えるのではなく、技術的なソリューションが市民や消費者にもたらすエクスペリエンスについて考えます。

それから、IT は、もっと主張すべきです。主張するために、あちこちで IT による革新を引き起こす必要があるわけではありません。必要なのは私たちの経験を声を大にして伝えることだけです。顧客にサービスを提供している主要ビジネスに IT プロフェッショナルが関与していることを結び付けてください。

インターネットが、ビジネスのあらゆる側面に革命をもたらしたことを否定しても無駄足を踏むだけです。また、インターネット会社がもたらしたビジネスのリーダーシップを誇張することについても同様です。

そこに難しさがあります。新しいアイデアを生み出すのは容易ではありませんが、既存のアイディアを新たに適用する作業 (選択肢、配送、および速度の強化につながること) は、インターネットとインターネットを影で支える IT プロフェッショナルが日常的に行っていることです。

Romi Mahajan

Romi Mahajan は、KKM グループの代表取締役です。連絡先は、romi.mahajan@ascentium.com (英語のみ) です。KKM に加わる前は、Ascentium Corporation のマーケティング最高責任者でした。Romi はテクノロジとメディア回路に関する著名な講演者で、さまざまな諮問機関の委員を務め、また、年間 12 個以上の業界イベントで講演を行っています。

 

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