Share via


ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月のツールボックス コラムで紹介するツールは、Windows PowerShell の操作を効率的に行ったり、Microsoft SQL Server Integration Services の拡張機能の作成にドラッグ アンド ドロップ操作を使用するのに役立ちます。

Greg Steen

PowerWF Studio

Windows PowerShell は、Windows コンピューターを管理するための強力なツールです。ですが、再利用可能なスクリプトを独自に作成するには、多くのことを学習する必要があります。その一番の原因は、コードを追跡するデバッガーが組み込まれていないことにあります。Devfarm Software が提供している PowerWF Studio を使用すると、迅速にスクリプトを生成できるようになり、Windows PowerShell IDE に表示される構文の詳細を部分的に分離することでスクリプトの作成作業が簡略化されます。

PowerWF Studio は、Windows PowerShell のように動作しながら、ワークフローのように見えるツールだと謳っています。端的に言うと、このツールを使用すると、スクリプト コンポーネントやフロー制御項目をツール ボックスからデザイン サーフェイスにドラッグ アンド ドロップできます。その後、各項目にパラメーターを設定し、生成された Windows PowerShell スクリプトを実行したり、デバッグしたりすることができます。

Visual Studio や Busienss Intelligence Development Studio (BIDS) に慣れ親しんでいる場合は、これらの環境に類似した PowerWF Studio の環境は使いやすいと感じるでしょう。タスク ツールボックスは左側にあり、"コード" とワークフローが中央にあり、プロパティとアウトライン ビューが右側にあります。また、中央下部には Windows PowerShell が表示されるので、出力を確認したり、アドホックなコマンドを実行したりすることができます。既定のレイアウトがお好みでなければ、インターフェイス コンポーネントを移動して、別の場所に固定できます。インターフェイスでは複数のワークフローを一度に開くことがサポートされているので、複数のスクリプトを参照したり、スクリプトをコピーしたりして、作業効率を高めることができます。

PowerWF Studio のツール ボックスには、ワークフローを作成するための、さまざまなタスクが用意されています。その多くは、(皆さんは確実に認識されていると思われる) 基盤となる Windows PowerShell コマンドのラッパーです。たとえば、バックグラウンド インテリジェント転送サービスに関連付けられているアクティビティ、ファイルやデータベースに対して読み取り/書き込みを行うタスク、Windows Management Instrumentation (WMI) の情報の読み取り/書き込みを行うタスク、HTTP GET/POST、FTP 転送、SMTP 経由の電子メール送信などのインターネット操作を行うためのタスク、Active Directory の統合を行うためのタスクがあります。

Microsoft Workflow Foundation になじみがある場合は、ワークフロー キャンバスとフロー制御のオプションが用意されていることにも気付くでしょう。while、for、for each などのループ処理をドラッグ アンド ドロップすることが可能で、条件演算子も使用できます。また、並列実行を作成したり、イベントに対応したり、例外をスローすることもできます。

Windows PowerShell ワークフローの作成中に、Outline ビューを使用すると、特定のセクションに移動してプロパティを編集したり、手順を追加したりすることができます。PowerWF Studio にはデバッグ機能も用意されているので、ワークフローの複数のステップにブレーク ポイントを設定して、状態を確認し、スクリプトをリリースする前に問題を切り離すことができます。

デバッグ中にパラメーターや変数の状態を確認できる Watch ビューもあります。このビューでは、問題を特定して、アプリケーションが予想通りの状態になっていることを確認できます。その後、ワークフローをコンパイルし、すべての設定を初期化して、制御フローが適切に構成されていることを確認できます。構成が必要なタスクには赤色の感嘆符が表示されるので、構成が必要なタスクを判別できます。

同様に、Windows PowerShell の各アクティビティには、青色の Windows PowerShell アイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、Windows PowerShell エディターが起動され、基盤となっているタスクを検証できます。また、パラメーターを追加して、データを渡し、Windows PowerShell ワークフロー内で状態を維持することもできます。

多くの場合、スクリプトのコンパイル、デバッグ、およびテストが完了したら、スクリプトを展開する必要があります。PowerWF Studio には、スクリプトを展開するオプションが多数用意されています。スクリプトを指定のディレクトリに保存して、コンソールまたは UI から実行できます。コマンドレット、スナップイン、または Windows PowerShell モジュールを作成できます。また、再利用可能な Toolbox Activity にすることもできます。.NET アセンブリとしてコンパイルして配布または他の .NET プロジェクトで使用したり、基盤となる C# コードを拡張または変更する必要がある場合は Visual Studio Workflow ソリューションとして保存することもできます。また、ワークフロー エージェントに公開したり、タスク スケジューラーを使用してスケジュール設定したり、PowerGUI や PowerScripter 環境にエクスポートするなどの展開オプションもあります。

PowerWF Studio は、1 ライセンス 250 ドルからです。サイト ライセンス、ボリューム ディスカウント、30 日間限定の無償試用版もあります。PowerWF Studio には、Microsoft System Center 展開に便利ないくつかのアドオンが用意されています。サービス マネージャーのワークフロー作成に役立つ PowerWF for Service Manager (799 ドル)、管理パックの作成に役立つ PowerWF for Operations Manager (499 ドル) などがあります。この 2 つのアドオンは、バンドルとして 150 ドルで購入できます。Windows PowerShell システムのスクリプトを作成、テスト、および管理する環境が必要な場合は、PowerFW Studio がお勧めです。

PowerWF Studio

PowerWF Studio

/n Software SQL Server SSIS Tasks

Microsoft SQL Server Integration Services (SSIS) を使用すると、ドラッグ アンド ドロップ操作による、抽出、変換、および読み込み (ETL) のデザインとワークフローを実現できます。SSIS には、データ処理システムを起動して実行するための、多数の組み込みタスクが用意されています。SSIS の最も便利な機能は、拡張性です (これは SSIS に限らず、最近マイクロソフトからリリースされたサーバー製品についても言えることです)。

/n Software SQL Server SSIS Tasks では、SSIS の拡張性を活用して、.NET C# マネージ コードで記述された便利な追加の SSIS タスクを使用して SSIS の基本機能を拡張します。これらは BIDS 環境に直接統合されます。/n Software SQL Server SSIS Tasks では、SSIS 2005 と SSIS 2008 がサポートされているので、新しいバージョンの SSIS にアップグレードできていない場合も問題ありません。

ツールをインストールしてツールボックスの項目を BIDS タスク ツールボックスに追加したら、他のタスクと同様に、SSIS のデザイン サーフェイスに項目をドラッグ アンド ドロップします。その後、必要に応じて項目を構成します。

多数のタスクがあります。たとえば、クレジット カードのトランザクションを一括で処理するのに役立つタスクがあります。このタスクを使用すると、決済サービスを提供する会社のゲートウェイに接続されます。また、ファイル アーカイブの管理に役立つ 3 つの圧縮タスクがあります。GZIP 用のタスク、ZIP 用のタスク、LZ 圧縮アルゴリズムを使用したアーカイブ用の LZ-compress タスクです。さまざまなプロキシとファイアウォールの構成をサポートするセキュリティで保護された FTP タスクもあります。このタスクは SSL と SSH のどちらでも有効にできます。ファイルを暗号化、暗号化解除、署名、および検証する OpenPGP タスクもあります。

メッセージング タスクも複数あります。

  • ピア ツー ピアの SMS メッセージング用の SMPP タスク
  • 英数字のページングをサポートするための SNPP タスク
  • Jabber/XMPP インスタント メッセージングをサポートするための XMPP タスク

これらのタスクはパッケージの通知に便利です。RSS フィードを購読するための RSS タスク、Amazon クラウド ストレージ システムのデータを送信および取得するための Amazon Simple Storage Service (S3) タスク、セキュリティで保護された状態でリモート ホストにアクセスしてリモート タスクを実行できる SSH タスクもあります。それから、電子メール通信のプライバシーを確保するための SMTPS、POPS、および IMAPS をサポートするセキュリティで保護された電子メールタスクもあります。

/n Software SQL Server SSIS Tasks の価格は、サーバーと CPU 単位で設定されています。1 基の CPU を搭載したサーバーのライセンスは 249 ドル、CPU が 2 基の場合は 499 ドル、CPU が 4 基の場合は 999 ドルです。これ以外のサーバーと CPU の構成については、見積もりを依頼できます。また、30 日間限定の試用版もあります。Microsoft SSIS を使用していて、SSIS に組み込まれているタスクでサポートされていない機能が必要な場合は、/n Software SQL Server SSIS Tasks で必要なタスクが提供されているかもしれません。

/n Software SQL Server SSIS Tasks

/n Software SQL Server SSIS Tasks

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

関連コンテンツ