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グループ チャット サーバーの処理能力計画

 

トピックの最終更新日: 2012-10-18

Microsoft Lync Server 2010、グループ チャットは、永続的なチャット セッションを提供します。 インスタント メッセージング (IM) とは異なり、Lync Server 2010、グループ チャット セッションは、進行中の会話に含まれるメッセージ、ファイル、URL、およびその他のデータと共に保存されます。

処理能力の計画は、グループ チャット サーバーの展開の準備の重要な部分です。 ここでは、個々の展開に最適な構成を判断するために使用できる、サポートされているグループ チャット サーバーのトポロジと処理能力の計画の表について、詳細に説明します。 ピーク時により大きな処理能力が必要なグループ チャット サーバー展開を管理するための最適な方法についても説明します。

グループ チャット サーバーをダウンロードするには、「Microsoft Lync Server 2010 Group Chat」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=209539&clcid=0x411) を参照してください。

グループ チャット サーバーのインストールの詳細については、「展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーのインストールおよび構成」を参照してください。

グループ チャット サーバーのサポートされるトポロジ

グループ チャット サーバーは、単一サーバー トポロジまたは複数サーバー トポロジに展開できます。

note注:
両方のトポロジの詳細については、このドキュメント セットの「グループ チャット サーバーの計画」および「展開」のドキュメントの「グループ チャット サーバーの展開」を参照してください。
note注:
Microsoft Lync Server 2010 と Microsoft Office Communications Server 2007 R2 の組み合わせの一部は共存できます。詳細については、「移行」のドキュメントの「グループ チャット サーバーの移行」を参照してください。

単一サーバー トポロジ

グループ チャット サーバーの最小構成である最も単純な展開が、単一サーバー トポロジです。 このトポロジは、最大 20,000 ユーザーをサポートできます。 Microsoft Lync Server 2010 を実行するための 1 台のサーバー、1 つのグループ チャット サーバー、グループ チャット データベースをホストするための 1 台のサーバー、および Microsoft Lync 2010 グループ チャットをホストするための複数のワークステーションが必要です。 コンプライアンスが要求される場合は、コンプライアンス サービスをホストするための追加のサーバーと、コンプライアンス データを格納するための追加のデータベースが必要です。 コンプライアンス データベースは、コンプライアンス サービスと併置できます。

note注:
Lync Server 2010 展開、グループ チャット サーバー、およびコンプライアンス サービスすべてを同じ Active Directory ドメイン サービス (AD DS) ドメインに配置する必要があります。

次の図は、オプションのコンプライアンス サービスから成る単一サーバー トポロジのすべてのコンポーネントを示しています。

単一のグループ チャット サーバー

単一のグループ チャット サーバー

複数サーバー トポロジ

処理能力と信頼性を向上させるために、複数サーバー トポロジを展開できます (「グループ チャット サーバーの計画」を参照)。複数サーバー トポロジには 3 台のグループ チャット サーバーを含めることができ、それぞれが 20,000 ユーザーをサポートできるので、合計 60,000 ユーザーに対応できます。複数サーバー トポロジは、複数のサーバーでグループ チャット サーバーをホストする点を除けば、単一サーバー トポロジと同じです。複数のグループ チャット サーバーは、Lync Server および Compliance Service と同じ AD DS ドメインに配置する必要があります。

次の図は、複数のグループ チャット サーバー、オプションの Compliance Service、および独立したコンプライアンス データベースで構成される複数サーバー トポロジのすべてのコンポーネントを示しています。

複数のグループ チャット サーバー

複数のグループ チャット サーバー

60,000 ユーザーが同時にサインインして Lync 2010 グループ チャットを使用することができる 3 台のサーバーのグループ チャット サーバー展開では、負荷はサーバーあたり 20,000 ユーザーで均等に分散されます。 1 台のサーバーが利用できなくなった場合、そのサーバーに接続されているユーザーはグループ チャット サーバーにアクセスできなくなります。 切断されたユーザーは、利用できなくなったサーバーが復元されるまで、残りのサーバーに自動的に転送されます。 ネットワーク上のグループ チャットのトラフィック量に応じて、この転送は数分で完了する場合や 1 時間かかる場合もあります。 残りの各サーバーで最大 30,000 ユーザーをホストする場合があるため、パフォーマンスの問題を回避するために、利用できなくなったサーバーをできるだけ早く復元することをお勧めします。

グループ チャット サーバー上の負荷は、参照サービスによって調整されます。グループ チャット サーバーをハードウェア ロード バランサーの背後に配置することはできません。サーバーが利用できなくなった後で負荷が不均等になった場合、クライアントがサインインおよびサインアウトすると参照サービスは負荷を再調整しますが、既存の接続を調整するようには試みません。

グループ チャット サーバーの処理能力の計画

次の表は、グループ チャット サーバーの処理能力の計画に役立ちます。 さまざまなグループ チャット サーバー設定の変更が処理能力機能に与える影響をモデル化しています。 斜体の数値は、個々の展開に基づいて変更することができる変数を表しています。

グループ チャット サーバーの最大処理能力の計画

次のサンプル表を使用して、サポートすることができるユーザー数を判断します。

グループ チャット サーバーの最大処理能力サンプル

チャネル サービスのインスタンス

3

アクティブ ユーザー

60,000

上記のサンプルでは、グループ チャット サーバーで利用できる次の最大ユーザー数をサポートする計画になっています: 3 台のサーバー/チャネル サービスのインスタンス、およびサーバーあたり 20,000 ユーザー。合計 60,000 のアクティブ ユーザー。

チャット ルームのアクセスを管理するための処理能力の計画

次のサンプル表は、グループ チャット サーバーのチャット ルームのアクセス管理を計画するのに役立ちます。

チャット ルームのアクセス管理のサンプル

ルームあたり 30 ユーザー ルームあたり 150 ユーザー ルームあたり 12,000 ユーザー 合計

チャット ルーム

24,000

800

10

チャット ルームあたりのアクティブ ユーザー

30

150

12,000

ユーザーあたりのチャット ルーム

12

2

2

各チャット ルームのメンバーシップ リストのユーザー グループ

10

10

15

ユーザー グループによって管理されるルーム

50%

50%

50%

すべてのチャット ルームのユーザー グループ ベースのメンバーシップ エンティティ

120,000

4000

252

すべてのチャット ルームのユーザー ベースのメンバーシップ エンティティ

360,000

60,000

18,000

各チャット ルームのマネージャーの一覧、発表者の一覧、およびスコープの一覧のユーザーおよびユーザー グループ

6

6

6

すべてのチャット ルームのマネージャーの一覧、発表者の一覧、およびスコープの一覧のユーザーおよびユーザー グループ

144,000

4800

144

アクセス制御エントリ

624,000

68,800

18,396

711,196

最大アクセス制御エントリ

50

50

50

1,000,000

上記のサンプルでは、推奨ガイドラインに従ってグループ チャット サーバーを展開した場合、コンプライアンスが有効な、サーバー 3 台のプールによって最大 60,000 のアクティブなユーザーに対処できます。

このサンプルは、小規模 (常時 30 のアクティブ ユーザー)、中規模 (150 のアクティブ ユーザー)、および大規模 (12,000 のアクティブ ユーザー) として分類されたチャット ルームを示しています。 特定のサイズのチャット ルームの数は、次の合計数に基づいて計算されます。

  • システム内のアクティブ ユーザー

  • 特定のサイズのチャット ルームのアクティブ ユーザー

  • 単一ユーザーが参加する特定のサイズのチャット ルーム

上記の表の斜体の数値を変更して、システム内に作成される特定のサイズのチャット ルームの数、およびシステムで生成される送信チャット メッセージのレートを見積もることができます。 システム内に 60,000 のアクティブ ユーザーが存在するこのサンプルでは、各ユーザーが 12 の小規模、2 つの中規模、および 2 つの大規模チャット ルームに同時に参加した場合、システム内に 24,000 の小規模、800 の中規模、および 10 の大規模チャット ルームが作成されます。

上記の処理能力の計画表では、各チャット ルームについて、親カテゴリから継承されたエントリや、チャット ルームに直接割り当てられたエントリなど、チャット ルームに関連付けられたアクセス制御エントリの数を示しています。 アクセス制御リスト (ACL) を使用して、個々のチャット ルームへのアクセスを制御できます。 カテゴリ レベルでアクセスを制御することもできます。 ACL では、個々のアクセス制御エントリは、セキュリティ グループ、配布リスト、フェデレーション ユーザー グループなどのユーザー グループの場合と、単一ユーザーの場合があります。 チャット ルームのマネージャー、発表者、およびメンバーにアクセス制御エントリを定義できます。

計画目的のために、個々のユーザーではなくユーザー グループを割り当てて、管理されるチャット ルームの割合を見積もる必要があります。 上記のサンプルのデータは、小規模チャット ルームの 50%、中規模チャット ルームの 50%、および大規模チャット ルームの 50% から成る ACL がユーザー グループで排他的に構成され、残りのチャット ルームは個々のユーザーで構成されることを前提としています。

上記のサンプルでは、チャット グループのカテゴリであるマネージャー グループ、発表者グループ、およびスコープの ACL は、すべてのチャット ルーム サイズで一定になっています。 サンプルでは、これらの各一覧のチャット ルームごとに 6 つのアクセス制御エントリが存在することを前提としています。

important重要:
チャット ルームの管理戦略を計画する際に、許可されるアクセス制御エントリの合計数は 100 万であることに注意してください。 計算されたアクセス制御エントリが 100 万を超える場合、サーバーのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。 この問題を可能な限り回避するには、アクセス制御エントリが個々のユーザーではなくユーザー グループとなるようにします。

チャット ルームのアクセスを招待別に管理するための処理能力の計画

招待を送信するように構成する場合、次の処理能力の計画表を使用して、グループ チャット サーバーがグループ チャットデータベースに作成および格納する招待の数を計算します。 招待は、Microsoft Lync Server 2010 グループ チャット管理ツールまたはグループ チャット サーバー クライアント (グループ チャット) のチャット ルーム設定ページから管理します。

次の表のサンプル データでは、すべてのチャット ルームの 50% のチャット ルーム設定ページで招待オプションが [はい] に設定された場合、チャット ルームは全処理能力で機能することを前提としています。

important重要:
サーバーによって生成された招待の数の計算値が 100 万を超えると、サーバーのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。 この問題を回避するには、招待を送信するように構成されているチャット ルームの数を最小限に抑えるか、招待を送信するように構成されているチャット ルームに参加できるユーザーの数を制限します。

招待別のチャット ルームのアクセスのサンプル

ルームあたり 30 ユーザー ルームあたり 150 ユーザー ルームあたり 12,000 ユーザー 合計

招待を送信するように構成されているチャット ルーム

12,000

400

5

チャット ルームにアクセスできるユーザー

30

150

12,000

グループ チャットサーバーによって生成される招待

360,000

60,000

60,000

480,000

招待の上限数

1,000,000

グループ チャット サーバーのパフォーマンスのユーザー モデル

次の表に、グループ チャット サーバーのユーザー モデルを示します。処理能力の計画要件の基となるもので、60,000 の同時ユーザーがいる一般的な組織を示しています。

グループ チャット サーバーのパフォーマンスのユーザー モデル

アクティブ ユーザーの数

60,000

チャネル サーバーの数

3

小規模チャット ルームのサイズ

30 ユーザー

中規模チャット ルームのサイズ

150 ユーザー

大規模チャット ルームのサイズ

12,000 ユーザー

チャット ルームの合計数

24,810

小規模チャット ルームの数

24,000

中規模チャット ルームの数

800

大規模チャット ルームの数

10

ユーザーあたりのチャット ルームの合計数

16

ユーザーあたりの小規模チャット ルームの数

12

ユーザーあたりの中規模チャット ルームの数

2

ユーザーあたりの大規模チャット ルームの数

2

ピーク時の参加レート

10/秒

チャット レート合計

20/秒

小規模チャット ルームのチャット レート

18/秒

中規模チャット ルームのチャット レート

1.8/秒

大規模チャット ルームのチャット レート

0.2/秒

招待が構成されているチャット ルームの割合

50%

直接メンバーシップの割合

50%

グループ メンバーシップの割合

50%

AD DS の親所属の平均数

100 - 200

ユーザーごとの加入する連絡先の数

80

表示されるチャット ルームの平均数

1.5 (1 が 50%、2 が 50%)

一定間隔でポーリングされる参加者の数

表示されるチャット ルームあたり 15

ポーリング間隔の長さ

5 分

1 秒あたりにポーリングされる参加者の数

4500

1 時間あたりのユーザーごとのプレゼンス変更の数

4

1 秒あたりのプレゼンス変更の数

66.66