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ユーザー モデルを使用した処理能力の計画

 

トピックの最終更新日: 2012-10-17

このセクションでは、「Lync Server 2010 のユーザー モデル」に説明されている使用法に似た使用法であることを考慮に入れ、そのサイトに存在するユーザー数に対して、1 つのサイトに何台のサーバーが必要かについてのガイダンスを提供します。次の表は、これらの推奨事項を要約したものです。

サーバーの役割 サポートされる最大ユーザー数

1 台の Standard Edition サーバー

5,000

8 台のフロント エンド サーバーおよび 1 台のバックエンド サーバーを備えたフロント エンド プール

エンドポイントの合計 120,000 に対し、80,000 の一意ユーザー、プラス 50% の複数のMPOP (Multiple Point of Presence)。

1 台の音声ビデオ会議サーバー

20,000

1 台のエッジ サーバー

15,000 リモート ユーザー

1 台のディレクター

15,000 リモート ユーザー

1 台の監視サーバー

アーカイブ サーバーと併置されていない場合は 250,000 ユーザー。 併置されている場合は 100,000 ユーザー

1 台のアーカイブ サーバー

監視サーバーと併置されていない場合は 500,000 ユーザー。併置されている場合は 100,000 ユーザー

1 台の仲介サーバー

この後の「仲介サーバー」セクションを参照してください。

フロント エンド サーバー

フロント エンド プールでは、プールに所属する 10,000 ユーザー毎に 1 台のフロント エンド サーバーに加え、1 台のサーバーが使用不可能になった場合にパフォーマンスを維持するための追加のフロント エンド サーバーが 1 台必要です。1 つのフロント エンド プールの最大ユーザー数は 80,000 です。サイトに 80,000 を超えるユーザーが存在する場合、複数のフロント エンド プールを展開できます。

フロント エンド プール内のユーザー数を考慮する際は、このフロント エンド プールに関連付けられているブランチ オフィスの存続可能ブランチ アプライアンスおよび存続可能ブランチ サーバーに所属するユーザーを含めます。

追加のフロント エンド サーバーは、1 台のサーバーが使用できなくなった場合にパフォーマンスを維持するのを助けます。アクティブなサーバーが使用できなくなると、その接続はプール内にある他のサーバーに自動的に転送されます。 たとえば、30,000 ユーザーと 3 台のフロント エンド サーバーが存在する場合、1 台のサーバーが使用できなくなった場合、10,000 ユーザーの接続を他の 2 台のサーバーに転送させる必要があります (1 台のサーバーにつき平均 5,000 転送)。 さらに、残りの 2 台のサーバーはそれぞれ、推奨される最大数を超える 15,000 ユーザーをサポートすることになります。

しかしながら、30,000 ユーザーと 4 台のフロント エンド サーバーで始め、1 台のサーバーが使用できなくなった場合、合計 7,500 ユーザーが他の 3 台のサーバーに移動され (1 台のサーバーにつき平均 2,500 転送)、1 台のサーバーにつき 10,000 ユーザーとなります。この方がはるかに管理しやすい負荷になります。

プール内により多くのサーバーが存在する場合、この追加サーバーの必要性の重要度はより少なくなります。 たとえば、プール内に 80,000 ユーザーが存在する場合、通常、8 台のサーバーで十分です。 このケースでは、1 台のサーバーが使用できなくなった場合、約 10,000 ユーザーを他の 7 台のサーバーへ移動させることになります (1 台のサーバーにつき平均約 1,400 ユーザー)。

1 フロント エンド プール内の最大ユーザー数は 80,000 です。これは、バックエンド データベースの制約です。 1 プール内の最大フロント エンド サーバー数は 10 です。

80,000 ユーザーが存在するフロント エンド プールの場合、「Lync Server 2010 のユーザー モデル」に従った一般的な展開においては、8 台のフロント エンド サーバーで、フェールオーバー パフォーマンスを含めて十分なパフォーマンスを得ることができます。これらのシナリオでは、フロント エンド サーバーを 9 台以上展開したい場合があります。

  • フロント エンド サーバーのハードウェアが、「サーバー ハードウェア プラットフォーム」の推奨事項を満たしていません。

  • ユーザー モデルよりもかなり多い会議トラフィックの場合など、組織の使用法がユーザー モデルのそれと著しく異なります。

  • 10,000 以上のユーザーを擁するフロント エンド プールで、音声ビデオ会議サーバーがフロント エンド サーバーと併置しています。

次の表は、「Lync Server 2010 のユーザー モデル」で定義された、ユーザー モデルを考慮した IM およびプレゼンスの平均帯域幅を示します。

ユーザー単位の平均帯域幅 10,000 ユーザーが存在するフロント エンド サーバーごとの帯域幅要件

1.3 Kpbs

13 Mbps

最大会議数

プール内のユーザーのうちの 5% がいつでも会議中である可能性があるというユーザー モデルを考慮すると、プール内のユーザー数が 80,000 の場合は、一度に約 4,000 ユーザーが会議中である可能性があります。これらの会議は、混合メディア (たとえば、IM のみ、音声付き IM、音声ビデオ) であり、参加者数もさまざまであると考えられます。許可される実際の会議数に対して厳しい制限はありません。実際の利用状況が実際のパフォーマンスを決定します。たとえば、組織内の混合モードの会議数がユーザー モデルで想定された数よりも多い場合は、このドキュメントで推奨される値よりも多くのフロントエンド サーバーまたは音声ビデオ会議サーバーを展開することが必要になる可能性があります。ユーザー モデルの想定内容の詳細については、「Lync Server 2010 のユーザー モデル」を参照してください。また、ホストしている会議の平均数を把握している場合は、「シナリオベースの処理能力の計画」に記載されている表を使用してサーバーのニーズを見積もることができます。

Lync Server がホストする、サポートされる最大会議規模は、参加者 250 名です。 この大きな会議が進行中である一方、プールは同時に他の会議もサポートできます。 250 ユーザーが参加する会議が行われている時、プールは、同時に行われる会議内で、プール ユーザーのうちの 5% をサポートします。 たとえば、8 台のフロント エンド サーバーおよび 80,000 ユーザーが存在するプールでは、250 名のユーザーが参加する会議が行われている時、Lync Server は 3,750 名の他のユーザーがより小さい会議に参加するのをサポートします。

note注:
250 は、Microsoft によるテストに基づく、共有プール展開の最大数です。250 人以上の参加者がいる会議のサポートについての情報は、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=242073&clcid=0x411 の「Microsoft Lync Server 2010 Support for Large Meetings」を参照してください。

フロント エンド サーバーまたは Standard Edition サーバーに所属するユーザー数にかかわらず、Lync Server は、250 名のユーザーが参加する会議が行われている時、最小で 125 名の他のユーザーがより小さい会議に参加するのをサポートします。 たとえば、5,000 名のユーザーが所属する Standard Edition サーバーでは、250 名のユーザーが参加する会議は、合計で 125 名のユーザーが参加する別のより小さい会議と同時に行われることが可能です。

音声ビデオ会議サーバー

サイトのユーザー数が 10,000 以下であり、音声ビデオの使用状況が一般的なものである場合、音声ビデオ構成サーバーの役割をフロント エンド サーバーと併置させることが可能です。

10,000 ユーザーを超える場合、フロント エンド プールとは別に音声ビデオ会議サーバーを展開することをお勧めします。「Lync Server 2010 のユーザー モデル」に説明されているのに似た使用状況であると仮定すると、サイトの 20,000 ユーザーごとに 1 台の音声ビデオ会議サーバーを展開する必要があります。高可用性を実現するために 2 つ以上の音声ビデオ会議サーバーを用意することをお勧めします。

音声ビデオ会議サーバーのユーザー数を考慮する際は、このサイトのフロント エンド プールに関連付けられているブランチ オフィスの存続可能ブランチ アプライアンスおよび存続可能ブランチ サーバーに所属するユーザーを含めます。

音声ビデオ会議サーバーの処理能力の計画についてもう 1 つ知っておくべきことは、それぞれの音声ビデオ会議サーバーは約 1,000 名の同時音声ビデオ会議ユーザーをサポートすることができるということです。 同時会議に参加しているのが組織内ユーザーの 5% であるというユーザー モデル想定内容で、これがサイトの 20,000 ユーザーごとに 1 台の音声ビデオ会議サーバーの推奨に繋がります。 組織で音声ビデオ会議に参加するユーザーの割合が高いまたは低い場合、組織内で必要なサーバー数を調整することができます。

エッジ サーバー

サイトにリモートでアクセスする 15,000 ユーザーごとに 1 台のエッジ サーバーを展開する必要があります。高可用性を実現するために 2 つ以上のエッジ サーバーを用意することをお勧めします。

エッジ サーバーのユーザー数を考慮する際は、このサイトのフロント エンド プールに関連付けられているブランチ オフィスの存続可能ブランチ アプライアンスおよび存続可能ブランチ サーバーに所属するユーザーを含めます。

note注:
エッジ サーバーの音声ビデオ会議エッジ サービスのパフォーマンスを改善するには、エッジ サーバーのネットワーク アダプターの Receive-side Scaling (RSS) を有効にする必要があります。RSS は、着信パケットがサーバーの複数のプロセッサによって平行して処理されるのを可能にします。詳細については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=206013&clcid=0x411 を参照してください。RSS を有効にする方法については、「ネットワーク アダプター」のドキュメントを参照してください。

ディレクター

パフォーマンス上の理由から、リモートからサイトにアクセスする 15,000 ユーザーごとに 1 つのディレクターを展開する必要があります。高可用性を実現するために 2 つ以上のディレクターを用意することをお勧めします。

ディレクターのユーザー数を考慮する際は、このサイトのフロント エンド プールに関連付けられているブランチ オフィスの存続可能ブランチ アプライアンスおよび存続可能ブランチ サーバーに所属するユーザーを含めます。

仲介サーバー

何台の仲介サーバーを展開するかは、仲介サーバーに使用されるハードウェア、存在する VoIP ユーザーの数、それぞれの仲介サーバー プールが管理するゲートウェイ ピアの数、それらのゲートウェイを通過する最繁時トラフィック、および仲介サーバーをバイパスする通話の割合などの、多くの要素から決まります。

次の表は、仲介サーバーが処理できる同時通話数に関するガイドラインを提供しています。仲介サーバーのスケーラビリティの詳細については、「音声の利用状況とトラフィックの予測」および「仲介サーバーの展開ガイドライン」を参照してください。

スタンドアロン仲介サーバーの処理能力: 内部ユーザーが 90%、外部ユーザーが 10%

サーバー ハードウェア 最大通話数 T1 回線の最大数 E1 回線の最大数

デュアル プロセッサ、クアッド コア、2.26 GHz ハイパースレッディング CPU (ハイパースレッディング無効)、32 GB メモリ、1GB ネットワーク アダプター カード × 4

950

40

30

デュアル プロセッサ、クアッド コア、2.26 GHz ハイパースレッディング CPU、32 GB メモリ、1GB ネットワーク アダプター カード × 4

1200

50

37

note注:
パフォーマンス テストにはメモリが 32 GB のサーバーを使用しましたが、スタンドアロンの仲介サーバーにはメモリが 16 GB のサーバーがサポートされており、その条件のサーバーでもこの表に示されるパフォーマンスを十分実現できます。

スタンドアロン仲介サーバーの処理能力: 内部ユーザーが 70%、外部ユーザーが 30%

サーバー ハードウェア 最大通話数 T1 回線の最大数 E1 回線の最大数

デュアル プロセッサ、クアッド コア、2.26 GHz ハイパースレッディング CPU (ハイパースレッディング無効)、32 GB メモリ、1GB ネットワーク アダプター カード × 4

800

33

25

デュアル プロセッサ、クアッド コア、2.26 GHz ハイパースレッディング CPU、32 GB メモリ、1GB ネットワーク アダプター カード × 4

1075

45

34

note注:
パフォーマンス テストにはメモリが 32 GB のサーバーを使用しましたが、スタンドアロンの仲介サーバーにはメモリが 16 GB のサーバーがサポートされており、その条件のサーバーでもこの表に示されるパフォーマンスを十分実現できます。

仲介サーバー処理能力 (フロント エンド サーバーと併置された仲介サーバー)

サーバー ハードウェア 最大通話数

デュアル プロセッサ、クアッド コア、2.3 GHz ハイパースレッディング CPU、16 GB メモリ、1GB ネットワーク アダプター カード × 2

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監視サーバーおよびアーカイブ サーバー

監視サーバーと監視ストアが同じサーバーに配置され、その他のサーバーの役割と一緒に併置されていない場合、1 台の監視サーバーは最大で 250,000 ユーザーをサポートすることができます。

アーカイブ サーバーとアーカイブ ストアが同じサーバーに配置され、その他のサーバーの役割と一緒に併置されていない場合、1 台のアーカイブ サーバーは最大で 500,000 ユーザーをサポートすることができます。

監視サーバーとアーカイブ サーバーが一緒に併置されている場合、それぞれのサーバーは最大 100,000 ユーザーをサポートすることができます。 ユーザー数が許せば、1 つのサイトの監視サーバーとアーカイブ サーバーはそれぞれすべての中央サイトとブランチ オフィスのユーザーにサービスを提供できます。

Standard Edition サーバー

1 台の Standard Edition サーバーで最大 5,000 ユーザーがサポートされます。