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Exchange 2007 のハイブリッド展開用に 1 つの URL を使って Outlook Web App にアクセスする方法について

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2

Microsoft OfficeOutlook Web App を使用して 1 つの共通 URL から Exchange メールボックスにアクセスすると、特にアカウントをクラウドベースの組織に移動したユーザーは、より簡単でスムーズにハイブリッド展開に移行できます。Outlook Web App 要求をハイブリッド サーバーが社内メールボックス サーバーに自動的にリダイレクトできる機能、またはクラウドベースの組織内のメールボックスへのリンクをそのメールボックス所有ユーザーに提供できる機能を有効にしておけば、メールボックスの配置場所に関係なく、1 つの URL を覚えておくだけで Outlook Web App にアクセスできます。

Outlook Web Access と社内 Exchange 2007 サーバー

既存の社内 Exchange 2007 サーバーによって、Outlook Web App を使用したユーザーのメールボックスへのアクセスがサポートされます。Outlook Web App では、Outlook 2003 メール クライアントと同様の電子メール機能が、ブラウザーベースで提供されます。

企業ネットワークの外部から Outlook Web App を起動するには、通常、 Web ブラウザーで、外部からのアクセスが可能なメールボックス サーバーの FQDN を入力し、その後に Outlook Web App 仮想ディレクトリ名を入力します (たとえば https://mail2.contoso.com/owa)。プロンプトが表示されたら、ネットワーク資格情報を入力します。社内ネットワークから Outlook Web App を起動することもできます。その場合は通常、Web ブラウザーで社内サーバー名を入力し、その後に Outlook Web App 仮想ディレクトリ名を入力します (たとえば https://mailserver/owa)。社内ネットワークから Outlook Web App を起動する場合も、ネットワーク ユーザー資格情報が必要です。

Exchange 2007Outlook Web App へのアクセスに使用する URL を構成する場合、Set-OwaVirtualDirectory コマンドレットに次のパラメーターを指定します。

  • InternalUrl   このパラメーターには、社内ネットワークのユーザーが Exchange 2007Outlook Web App へのアクセスに使用する URL を指定します。たとえば、「https://ex2007.corp.contoso.com/owa」と指定します。

  • ExternalUrl   このパラメーターには、ユーザーがインターネットから Exchange 2007Outlook Web App にアクセスするために使用する URL を指定します。たとえば、「https://mail1.contoso.com/owa」と指定します。

Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーが 1 台しかない小規模な組織では、これらのパラメーターを設定していない場合があります。ハイブリッド展開を構成するときには、ハイブリッド サーバーから Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーに Outlook Web App 要求を自動的にリダイレクトするオプションを選択できます。このリダイレクトを機能させるには、Outlook Web App 仮想ディレクトリの InternalUrl プロパティと ExternalUrl プロパティに、Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーの正確な URL にユーザーを導く値を指定して、構成する必要があります。ハイブリッド サーバーから Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーへのリダイレクトについては、後で詳細に説明します。

詳細情報:Exchange 2007 での Outlook Web Access 仮想ディレクトリの管理

Outlook Web App とハイブリッド サーバー

ハイブリッド展開では通常、既存のユーザー メールボックスを社内の Exchange 2007 メールボックス サーバーからクラウドベースの組織に段階的に移行します。多くの場合、メールボックスの移行中もユーザーが Web ブラウザーを使用してメールボックスにアクセスできるようにしておくことは重要です。

Outlook Web App (旧称: Outlook Web App) は、クラウドベース組織に移行後のユーザー メールボックスで利用でき、移行前と同様な Web ベースのメッセージング機能を提供します。クラウドベース組織の Outlook Web App には、いくつかの新しい機能、ブラウザー サポートが追加され、Exchange 2007 での Outlook Web Access の操作に比べ、インターフェイスもより効率的になりました。

通常、ユーザーが Outlook Web App にアクセスするために指定しなければならない URL は、ユーザーのメールボックスが社内の Exchange 2007 サーバーにあるか、クラウドベースの組織内にあるかによって異なります。ハイブリッド サーバーの場合は、1 つの Outlook Web App アドレスを設定して、ユーザーを適切な Outlook Web App URL に自動的にリダイレクトするか、ユーザーに適切な URL を指示することができます。Outlook Web App 要求を処理し、1 つの URL を使用してユーザー メールボックスにアクセスするようにハイブリッド サーバーを構成することをお勧めします。

インストール済みクライアント アクセス サーバーの役割を使用して、ユーザー メールボックスの配置場所に応じて、次のいずれかの操作を実行するようにハイブリッド サーバーを構成することができます。

  • 社内サーバーのメールボックス   メールボックスが社内の Exchange 2007 メールボックス サーバー上にある場合、ハイブリッド サーバーは Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーの内部または外部 URL を検索し、ユーザーをその URL に自動的にリダイレクトします。次にユーザーは、Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーと直接通信して Outlook Web App にアクセスします。

    詳細情報:プロキシとリダイレクトについて

  • クラウド内のメールボックス   メールボックスがクラウドベースの組織内にある場合、ハイブリッド サーバーに対して行われた Outlook Web App 要求は、クラウドベースの組織に自動的にリダイレクトされません。代わりに、ハイブリッド サーバーに Web ページが表示され、その Web ページにクラウドベースの組織用の Outlook Web App エンドポイントへのリンクが提供されます。また、ユーザーは対象の URL を Web ブラウザーにお気に入りとして保存することもできます。

上記の操作ができるようにハイブリッド サーバーを構成するには、あらかじめ次の手順を完了しておく必要があります。

  1. Exchange 2007Outlook Web App にアクセスするためにユーザーが使用する内部および外部 URL を使用して、Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーで Outlook Web App 仮想ディレクトリを構成します。

  2. クラウドベースの組織内に配置されているユーザー メールボックス用のクラウドベース Outlook Web App URL を表示するように、ハイブリッド サーバー上で組織上の関係を構成します。

  3. 既存の DNS レコードを更新して、Outlook Web App 要求がハイブリッド サーバーに送信されるようにします。

この構成では、Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーとハイブリッド サーバーが共にインターネットからの Outlook Web App 接続を許可することが必要になります。これは、ハイブリッド サーバーが Outlook Web App の要求を Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーにリダイレクトするからです。各サーバーでは、サーバー専用のパブリック IP アドレスと TCP ポート 80 と 443 がファイアウォール上で開かれている必要があります。

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