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ユーティリティ スポットライト: Web サイトを最適化して分析する

Web サイトの管理を担当していれば、Web サイトの利用しやすさと SEO イニシアチブのバランスを取るのが難しいことはご存じでしょう。このような場合には、IIS SEO Toolkit が役に立ちます。

Lance Whitney

ユーザーが利用しやすく、検索エンジンでも処理しやすいように、Web サイトを維持するのは難しい問題です。組織の Web サイトを管理している場合、リンク切れを追跡したり、存在しないコンテンツを検出したり、ページに適切な検索エンジンの最適化 (SEO) タグが含まれるようにしたりできるツールを絶えず探していると思います。IIS を使用してサイトを管理している場合は、マイクロソフトが無料で提供している、最適化と分析に役立つように特化して設計されたツールを使用できます。

IIS Search Engine Optimization Toolkit は、IIS 7 または 7.5 に直接統合されます。このツールキットは、次の 3 つの基本的なタスクで役立ちます。

  1. レポートやカスタマイズ可能なクエリを使用して、サイト分析を実行する
  2. 検索エンジンに送信するサイト マップを設計および管理する
  3. robots.txt ファイルを管理して、検索エンジンに処理対象外のページを指定する

IIS SEO Toolkit は、Microsoft ダウンロード センターのページから直接ダウンロードできます。32 ビット版の Windows 用 (IISSEO_x86_ja-JP.msi) と 64 ビット版の Windows 用 (IISSEO_amd64_ja-JP.msi) の 2 種類のバージョンが用意されています。

ファイルをダウンロードしてインストールしたら、IIS を実行します。さまざまなモジュールが表示されますが、その中に、管理グループに Search Engine Optimization (検索エンジンの最適化) という名前の新しいアイコンがあります。この SEO アイコンをダブルクリックすると、上記 3 つの基本的なタスクで使用できるオプションが表示されます。

高度な分析

サイトを分析するときには、まず、サイトの初期分析を行います。レポート名を指定し、サイトの完全な URL (http を含む) を入力します。[Advanced Settings] (詳細設定) をクリックし、レポートに含める URL の数と URL ごとの最大ダウンロード サイズを指定して結果を絞り込みます。また、特定のコンテンツにアクセスするために必要な認証のレベルも設定できます。

初期設定が完了すると、ツールでは、Web サイトのフル スキャンを実行します。この処理がすべて完了するには、数分以上かかります (この時間は、サイトのサイズや階層数によって異なります)。スキャンが完了すると、ダウンロードした項目、スキャンしたリンク、検出された違反などのデータの合計を含む概要レポートが作成されます。いくつかのスキャン結果については、その詳細を確認できます。

[Violations] (違反) タブをクリックすると、不適切な HTML タグや CSS、不足している SEO 情報、不完全な SEO 情報など、ツールで検出された問題が表示されます (図 1 参照)。特定の違反の項目をダブルクリックすると、具体的な問題の情報、問題になっているコード、および推奨される処理などの詳細情報が表示されます。また、最も違反が多いページを表示したり、コンテンツ、SEO、HTML 標準などのカテゴリ別に違反を表示したりすることもできます。

図 1 Web サイト コードの違反の種類を特定できる

[Content] (コンテンツ) タブをクリックすると、サイトのページが、テキスト、PDF、イメージ ファイルなどの種類別に表示されます。重複するファイル、リンク切れ、存在しないコンテンツなど、特定の問題を確認できます。このタブでも、URL、コンテンツの種類など、特定の項目をダブルクリックすると、その項目の詳細情報が表示されるので、特定の問題に焦点を絞ることができます。

[Performance] (パフォーマンス) タブでは、各ページのサイズ、読み込みにかかる時間など、ページの処理速度を分析します。[Links] (リンク) タブではサイトのすべてのハイパーリンクを検証して、リンクが最も多く含まれるページや、robots.txt ファイルによって検索エンジンで処理されないように指定しているページを確認します。

このツールキットでは、生成したレポートが自動的に保存されるため、レポートを簡単に再確認したり、他のレポートと比較したりできます。また、CSV ファイル形式でレポートをエクスポートすることもできます。レポートを生成したら、特定のデータを確認するために、たくさんのクエリをカスタマイズできます。新しいクエリは、単にフィールド名、演算子、および値を選択するだけで簡単に作成できます。

たとえば、サイトで使用されている JPEG ファイルの数を確認する必要があるとしましょう。フィールド名は [Content Type] (コンテンツの種類)、演算子は [Equals] (等しい) を選択します。次に、値に「image/jpeg」と入力します (図 2 参照)。また、特定の SEO キーワードがすべてのページに設定されているかどうかを確認する必要がある場合は、[Content Type] (コンテンツの種類) を [Keywords] (キーワード) に変更してクエリを作成できます。演算子は [Not Equal] (等しくない) を選択して、値にキーワードを入力します。

図 2 クエリを保存して CSV ファイル形式でエクスポートできる

サイト マップとロボット

IIS SEO Toolkit では、レポートやクエリを実行できるだけでなく、XML 形式のサイト マップを作成できます。このサイト マップを主要な検索エンジンに送信して、検索エンジンでサイトの適切なコンテンツがクロールされるようにします。サイト マップを作成するときには、サイト マップに含める URL や、コンテンツを変更する頻度に基づいたファイルの更新頻度を指定します。このツールキットでは、複数のサイト マップやサイト マップ インデックス (各サイト マップを集めたもの) を作成できます。

このツールキットは、robots.txt ファイルの作成と管理にも役立ちます。このファイルをサイトで設定して、クロールする必要がない URL を検索エンジンに指定できます。インデックスを作成するコンテンツを特定する禁止規則と許可規則は、簡単に作成できます。また、メモ帳で robots.txt ファイルを開いて確認することもできます。

全体的に見て、この IIS SEO Toolkit には、サイトを維持管理するのに役立つすばらしい機能が揃っています。サイトにアクセスするユーザーと検索エンジンの両方に対して効果を発揮します。また、IIS とスムーズに統合できるため、このツールキットは強力で使いやすいものになっています。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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