IT キャリア開発: IT プロフェッショナルとして万全のキャリアを築く

この困難な時代でも、確実なキャリアを築いて前進するために、前向きに取り組めることがあります。

Romi Mahajan

キャリア開発には、次の 2 つの実証済みの方法があります。

  1. 継続的な成長と能力開発に投資する
  2. どんな立場ででも、組織で必要とされる存在になる

IT プロフェッショナルとして万全のキャリアを築くには、この 2 つの方法に同時に取り組む必要があります。この記事では、それを将来のためだけではなく、今を楽しみながら取り組む方法を紹介します。

その前に、IT プロフェッショナルの生活に関するいくつかの主張を考察しておきましょう。これらの主張は、大量のデータおよび IT プロフェッショナルと交わした何百回もの会話から得たものですが、次のようないくつかの明確なテーマが浮かび上がってきます。

  • IT プロフェッショナルは、常に "首刈りがまを突き付けられている" ように感じています。彼らは、より少ないリソースで今よりも複雑なタスクを管理し、必要としているわずかなものを正当化するように要求されます。
  • IT プロフェッショナルは、常に "顕微鏡で観察されている" ように感じています。経営幹部が IT 部門の経費を削減する新しい理由を見つけられるように、だれかが IT 部門で問題が生じるのを待ち構えているかのようです。
  • IT プロフェッショナルは、能力開発と継続的な学習に今よりも多くの時間をかけたいと考えていますが、応対に追われる性質の仕事であるために、そのような "ぜいたく" は許されません。
  • IT プロフェッショナルは、自分たちが価値のあるクリエーターや革新者として認識されていないと感じています。
  • IT プロフェッショナルは、組織内の他の従業員から共感を得られず、仕事内容を理解されていないことから、疎外されているように感じています。

上記のいずれも身に覚えがないなら、これ以上読む必要はありません。そのような人は、"適切な実践" をし、組織で大きな成功を収めるように自分を方向付けてきたに違いありません。一方、これらのテーマが自分の経験に似ていると感じるのなら、ぜひ続きを読んでください。

IT プロフェッショナルならだれでも取り組める、これらの困難を乗り越えるための 6 段階のアプローチがあります。

ステップ 1: 手を止めて耳を澄ます

調査によると、ほとんどの IT プロフェッショナルには、応対に追われる態勢から抜け出す時間がありません。皮肉なことに、彼らは、今よりも深く事業にかかわり、革新を推進する態勢になることを望んでいると言います。しかし、"問題を修復する" という絶え間なく続く仕事のために、かかわりを持つことを望んでいる組織内のコミュニティから切り離されています。

IT プロフェッショナルは、あまりにも頻繁に慣性状態に陥るため、ペースを落とし、少しの間手を休め、付加価値の高い領域にエネルギーを向け直す時間がありません。成功を収めるためには、この閉じたループから抜け出す必要があります。

ステップ 2: 模倣して学ぶ

応対に追われる態勢から抜け出したら、新しい役割と手本となる人を前向きに受け入れる必要があります。その対象は、隣接するオペレーション部門の場合もありますし、事業の中核となる部門の場合もあります。いずれにしても、メンターを見つけ、その人を模倣し、さまざまなことを吸収し、自分の仕事についての理解を深めましょう。

このプロセスを通して多くのことを学べるだけでなく、組織の別部門に真の理解者を得ることができます。これは、現在と将来において大きな助けになります。

ステップ 3: 顧客を知る

すべての企業でどんな役割を担っているプロフェッショナルにも共通する最も重要な特質は、顧客を知ることです。顧客の事業とビジネス プロセスに関する詳しい知識という観点からだけではなく、個人的な関係という視点からも、顧客のことを知る必要があります。

IT プロフェッショナルの役割はサポートすることだからと言って、顧客がいないと思わないでください。IT プロフェッショナルの顧客は、社内と社外の両方に存在します。事業部のリーダーと営業部も IT プロフェッショナルの顧客ですし、Web サイトにアクセスして、それを会社の顔と認識するビジネスの顧客も同様です。

顧客のことを知って受け入れます。顧客は、インスピレーションと革新の重要なひらめきを与えてくれる可能性があります。顧客との良好な関係を築くことは、変化する時代において自分を守る最も確実な方法です。

ステップ 4: 自分を売り込む

IT プロフェッショナルは人に教えることができますが、組織の他の従業員から学べることもたくさんあります。具体的には、マーケティング部門の同僚から多くのことを学べます。彼らの商売道具は、メッセージとコミュニケーションです。

これまでに IT 部門のマネージャーから送られてきた最も印象的な電子メールは、マーケティングのメッセージでした。彼のチームがどれほど忙しく、生産的で、熱心であるかは知っていましたが、彼は、前月に彼のチームが達成したことを伝える電子メールを全社宛てに送りました。この電子メールには、IT 部門がブロックしたスパム メールの数、電子メールと基幹業務システムのダウンタイムをたった 2 時間に抑えてデータセンターを移行したことなど、詳細な統計情報が記載されていました。

このメールの受信者の中に、不快感を覚えた人は 1 人もいませんでした。それどころか、IT チームが舞台裏でひっそりと達成したすばらしい成果に、だれもが驚かされました。そのメッセージの送信後、IT チームはかつてないほど称賛されました。

ステップ 5: 熱意を持ってリードする

これまでにない熱意とやる気を持って、仕事とキャリア開発に取り組むと、こうした態度は他人に伝染することに気付くでしょう。さらに重要なのは、このように情熱を示すことで、IT プロフェッショナルは "機能を果たしている" が、感情の豊かさや社会性が乏しいという、広く普及した不公平なステレオタイプが覆されることです。

そうすると、すぐに真のリーダーの役割を担うようになるでしょう。その役割と態度は、IT プロフェッショナルにありがちな守勢または受け身の立場からの喜ばしい変化です。

ステップ 6: 理解し、何度も繰り返して、改善する

学習と成長は継続的なプロセスなので、現状に満足しないことが重要です。1 ~ 5 のステップを 1 度行うだけで大きな成果が得られるとは思わないでください。

より大きなフレームワークを念頭に置いて、各ステップを前回よりもうまく行えるようになる努力をしてください。気が付くと、自分が以前の状態を乗り越え、将来に希望を持ち、今を完全に楽しんでいるようになるでしょう。

絶えず忙しい IT の世界では、キャリア管理は、ぜいたくなものだと思われるかもしれません。しかし、キャリア管理を後回しにしないでください。この 10 年間に、新しいテクノロジ、管理体制、および経済の混乱が重なって、チャンスと不安の両方が入り混じった時代が生まれ、IT プロフェッショナルの役割は、劇的に変化しました。ですから、自分のポテンシャルを発揮するのに役立つことに時間をかけるようにする必要があります。

Romi Mahajan

Romi Mahajan は、KKM グループの代表取締役です。KKM に加わる前は、Ascentium Corporation のマーケティング最高責任者でした。Romi はテクノロジとメディア回路に関する著名な講演者で、さまざまな諮問機関の委員を務め、また、年間 12 個以上の業界イベントで講演を行っています。

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