Restore-ASDatabase コマンドレット
Analysis Services のバックアップ ファイル (.abf) から、多次元形式または表形式のデータベースを復元します。
構文
Restore-ASDatabase [-RestoreFile] <string> [-Name] <string> [-AllowOverwrite <SwitchParameter>] Locations <Microsoft.AnalysisServices.RestoreLocation[]>] [-Security <Microsoft.AnalysisServices.RestoreSecurity>] [-Password <System.SecureString>] [-StorageLocation <System.string>] [-Server <string>] [-Credential <PSCredential>] [<CommonParameters>]
説明
Analysis Services システム管理者は、多次元形式または表形式のデータベースをバックアップ ファイル (.abf) から復元できます。 復元するファイルが暗号化されている場合は、-FilePassword を使用して、ファイルの暗号化を解除するためのパスワードを提供します。
このコマンドレットは、HTTP アクセスに対して Analysis Services インスタンスを構成している場合に使用できる、–Credential パラメーターをサポートします。 –Credential パラメーターは、Windows のユーザー ID を提供する PSCredential オブジェクトを受け取ります。 IIS は、Analysis Services に接続する際、このユーザーの権限を借用します。 ファイルを復元するために、この ID には、Analysis Services インスタンスに対するシステム管理者権限が必要です。
パラメーター
-RestoreFile <string>
復元するファイルのパスと名前を指定します。 パスを含まないファイル名だけを指定した場合は、既定のバックアップの場所と見なされます。
必須/オプション |
必須 |
位置 |
0 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-Name <string>
復元対象の Analysis Services データベースを指定します。
必須/オプション |
必須 |
位置 |
1 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-AllowOverwrite <SwitchParameter>
同じ名前と場所を使用するデータベースが上書きされます。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-Locations <Microsoft.AnalysisServices.RestoreLocation[]>
復元対象のパーティションのリモートの場所を指定します。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-Security <Microsoft.AnalysisServices.RestoreSecurity>
復元操作に使用されるセキュリティ設定を表します。 有効な値は、CopyAll、SkipMembership、IgnoreSecurity のいずれかです。 CopyAll はロールおよびメンバーシップを復元します。 SkipMembership はロールのみを再作成します。 IgnoreSecurity はデータベースを復元しますが、ロールは復元しません。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-Password <SecureString>
暗号化されたバックアップ ファイルの復元に使用するパスワードを指定します。 ファイルの暗号化に使用したパスワードを指定する必要があります。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-StorageLocation <string>
データベースのストレージの場所を指定します。 これは、ファイル システム上のデータベース ファイルの場所です。 既定の場所 (ターゲット インスタンスのバックアップ フォルダー) を使用しない場合は、このパラメーターを設定します。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
不可 |
-Server <string>
コマンドレットが接続して実行する Analysis Services インスタンスを指定します。 サーバー名が指定されていない場合は、localhost に接続されます。 既定のインスタンスの場合は、サーバー名のみを指定します。 名前付きインスタンスの場合は、servername \instancename 形式を使用します。 HTTP 接続では、http[s]://server[:port]/virtualdirectory/msmdpump.dll 形式を使用します。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
localhost |
パイプライン入力の受け入れ |
不可 |
ワイルドカード文字の受け入れ |
オプション |
-Credential <PSCredential>
Windows ユーザー名とパスワードを提供する PSCredential オブジェクトを指定します。 基本認証を使用して、HTTP アクセスに対する Analysis Services インスタンスを構成している場合のみ、このパラメーターを指定します。 統合セキュリティを使用するネイティブ接続では、このパラメーターは無視されます。
このパラメーターが存在する場合、パラメーターで提供される資格情報は接続文字列に付加されます。 IIS は、Analysis Services に接続する際、このユーザー ID を借用します。 資格情報を指定していない場合は、ツールを実行しているユーザーの既定の Windows アカウントが使用されます。
このパラメーターを使用するには、最初に、Get-Credential を使用して PSCredential オブジェクトを作成し、ユーザー名とパスワードを指定します ($Cred=Get-Credential “adventure-works\admin” など)。 このオブジェクトは、–Credential パラメーター (-Credential:$Cred) にパイプできます。
認証と資格情報の使用法の詳細については、「Analysis Services PowerShell」を参照してください。 HTTP アクセスの詳細については、「インターネット インフォメーション サービス (IIS) 7.0 上の Analysis Services への HTTP アクセスの構成」を参照してください。
必須/オプション |
オプション |
位置 |
指定 |
既定値 |
|
パイプライン入力の受け入れ |
可 (ByValue) |
ワイルドカード文字の受け入れ |
オプション |
<CommonParameters>
このコマンドレットは共通のパラメーターをサポートしています (-Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-OutBuffer、および -OutVariable)。 詳細については、「About_CommonParameters」を参照してください。
入力および出力
入力型は、コマンドレットにパイプできるオブジェクトの型です。 戻り値の型は、コマンドレットが返すオブジェクトの型です。
入力 |
System.string 文字列値をコマンドレットにパイプすることができます。 |
出力 |
なし |
例 1
PS SQLSERVER:\SQLAS\localhost\default> restore-asdatabase awtest.abf testawrestoredb –security:CopyAll
このコマンドは、ローカルのバックアップ フォルダー内にある Analysis Services バックアップ ファイル (awtest.abf) をローカルの Analysis Services の既定のインスタンスに復元します。 データベース名は存在していなくてもかまいません。この場合は、復元操作の一部としてデータベース名を指定します。 -Security:CopyAll を追加すると、バックアップ データベースのロールおよびロールのメンバーシップが、新しく復元されたデータベースに設定されます。
例 2
PS SQLSERVER:\SQLAS\Localhost\default > $pwd = read-host –AsSecureString –Prompt “Password”
PS SQLSERVER:\SQLAS\Localhost\default > $pwd -is [System.IDisposable]
PS SQLSERVER:\SQLAS\localhost\default> restore-asdatabase –restorefile testdb.abf –name AWTEST2 –password:$pwd
PS SQLSERVER:\SQLAS\Localhost\default >$pwd.Dispose()
PS SQLSERVER:\SQLAS\Localhost\default >Remove-Variable –Name pwd
行 1 と 2 を使用して、ファイルの暗号化に使用されたパスワードを要求します。
行 3 は、Analysis Services の既定のインスタンスのローカル バックアップ フォルダーから暗号化された Analysis Services バックアップ ファイル (testdb.abf) を復元します。
行 4 と 5 は、パスワードを削除します。
例 3
PS SQLSERVER:\SQLAS\localhost\default> restore-asdatabase –restorefile “\\myremoteserver\backups\testdb.abf” –name Contoso_Retail –server myremoteserver –storagelocation “\\myremoteserver\restoreDBFiles”
このコマンドは、リモートのバックアップ フォルダー内にある暗号化された Analysis Services バックアップ ファイル (testdb.abf) をリモートの Analysis Services の既定のインスタンスに復元します。 -StorageLocation パラメーターを使用して、データベース ファイルを既定以外の場所 (この場合は restoreDBfiles という名前のファイル共有) に配置します。