社内の Lync Server 2010 と Exchange Online との統合の構成

共有 SIP アドレス スペースを構成する

社内の Lync Server 2010 を Exchange Online と統合するには、共有 SIP アドレス スペース (分割ドメインとも呼ばれる) を構成する必要があります。同じ SIP ドメイン アドレス スペースが、Lync Server サービスおよび Exchange Online サービスでサポートされます。

Lync Server 管理シェルを使用し、次の例に示されたパラメーターを使用する Set-CsAccessEdgeConfiguration コマンドレットを実行して、フェデレーション用のエッジ サーバーを構成します。

Set-CsAccessEdgeConfiguration -AllowFederatedUsers $True

• AllowFederatedUsers パラメーターは、内部ユーザーがフェデレーション ドメインからのユーザーと通信することを許可するかどうかを指定します。このプロパティは、内部ユーザーが Lync Server および Exchange Online を使用して、共有 SIP アドレス スペース シナリオ内のユーザーと通信できるかどうかも決定します。

Lync Server 管理シェルの使用方法については、「Lync Server 管理シェル」を参照してください。

エッジ サーバーにホスティング プロバイダーを構成する

Lync Server 管理シェルを使用し、次の例に示されたパラメーターを使用する New-CsHostingProvider コマンドレットを実行して、エッジ サーバーにホスティング プロバイダーを構成します。

New-CsHostingProvider -Identity "Exchange Online" -Enabled $True -EnabledSharedAddressSpace $True -HostsOCSUsers $False -ProxyFqdn "exap.um.outlook.com" -IsLocal $False -VerificationLevel UseSourceVerification

• Identity は、作成するホスティング プロバイダーの、一意の文字列値からなる識別子を指定します (例: "Exchange Online")。空白を含む値は、二重引用符で囲む必要があります。

• Enabled は、ドメインとホスティング プロバイダー間のネットワーク接続が有効かどうかを示します。これを True に設定する必要があります。

• EnabledSharedAddressSpace は、ホスティング プロバイダーが共有 SIP アドレス スペース シナリオで使用されるかどうかを示します。これを True に設定する必要があります。

• HostsOCSUsers は、Office Communications Server または Lync Server をホストするためにホスティング プロバイダーが使用されるかどうかを示します。これを False に設定する必要があります。

• ProxyFQDN は、ホスティング プロバイダーによって使用されるプロキシ サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。Exchange Online の FQDN は exap.um.outlook.com です。

• IsLocal は、ホスティング プロバイダーによって使用されるプロキシ サーバーが Lync Server トポロジ内にあるかどうかを示します。これを False に設定する必要があります。

• VerificationLevel は、ホストされるプロバイダーとの間で送受信されるメッセージに対して許可される確認レベルを示します。UseSourceVerification を指定します。これは、ホスティング プロバイダーから送信されたメッセージに含まれる確認レベルを信頼します。このレベルが指定されていない場合、メッセージは、確認不能として拒否されます。

Hosted Exchange との統合のための DNS SRV レコードを作成する

Microsoft Exchange Online など、Hosted Exchange サービスにルーティングするためには、Lync Server 2010 エッジ サーバーのドメイン ネーム システム (DNS) の SRV レコードを構成する必要があります。

Hosted Exchange サービス用の外部 DNS SRV レコードを作成するには

1. DnsAdmins グループのメンバーとして外部 DNS サーバーにログオンします。

2. [スタート]、[管理ツール]、[DNS] の順にクリックします。

3. SIP ドメインのコンソール ツリーで、[前方参照ゾーン] を展開し、Lync Server 2010 をインストールする SIP ドメインを選択します。

   重要:
   Lync Server がインストールされているか Lync Server がインストールされる SIP ドメインに DNS SRV レコードを作成する必要があります。SRV レコードを作成するときに、[このサービスを提供しているホスト] フィールドで使用する FQDN には、エッジ プールの外部 FQDN を指定する必要があります。たとえば、エッジ プールの外部 FQDN が edge01.contoso.net の場合、その値を入力します。また、これは、DNS ホスト (A) レコードと同じドメインに含まれる必要があります。

4. 選択したドメインを右クリックし、[その他の新しいレコード] をクリックします。

5. [リソース レコードの種類] で、[サービス ロケーション (SRV)]、[レコードの作成] の順にクリックします。

6. [新しいリソース レコード] で、[サービス] をクリックし、「_sipfederationtls」と入力します。

7. [プロトコル] をクリックし、「_tcp」と入力します。

8. [ポート番号] をクリックし、「5061」と入力します。

9. [このサービスを提供しているホスト] をクリックし、信頼される外部クライアントに Lync Server システムへのアクセスを提供する Lync Server エッジ サーバー プールの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を入力します。

   注:
   このドメインを、Exchange Online 設定内で権限のある承認済みドメインとしてセットアップする必要もあります。詳細については、「承認済みドメインの作成 - Office 365 Beta for enterprises」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=229762&clcid=0x411) を参照してください。

10. [OK] をクリックしてから、[完了] をクリックします。

DNS SRV レコードが正常に作成されたことを確認するには

1. ドメイン内のクライアント コンピューターにログオンします。

2. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

3. コマンド プロンプトで、次のコマンドを実行します。

   nslookup <FQDN Lync Edge Pool>
   

4. 受け取る応答が、FQDN の適切な IP アドレスに解決していることを確認します。

更新された中央管理ストアのレプリケーションを確認する

前のセクションのコマンドレットを使用して変更した内容は、エッジ サーバーに自動的に適用され、通常、1 分未満でレプリケートされます。以下のコマンドレットを使用して、レプリケーションの状態を検証し、変更内容がエッジ サーバーに適用されたことを確認できます。

レプリケーションの更新状況を確認するには、Lync Server 2010 展開の内部にあるサーバーで、次のコマンドレットを実行します。

Get-CsManagementStoreReplicationStatus

変更が適用されたことを確認するには、エッジ サーバーで次のコマンドレットを実行します。

Get-CsHostingProvider -LocalStore

関連項目

その他のリソース

Hosted Exchange UM 上で Lync Server 2010 ユーザーにボイス メールを提供する
Hosted Exchange ユニファイド メッセージング統合