Windows 7: 古い Windows と新しい Windows を同時に実行する
仮想環境の Windows XP Mode は、Windows 7 を最大限に活用できる方法の 1 つで、インフラストラクチャを合理化するのに使用できます。
Jorge Orchilles
出典: 『Microsoft Windows 7 Administrator’s Reference』(Syngress、2010 年)
Windows Virtual PC は、Windows 7 Professional Edition、Enterprise Edition、および Ultimate Edition のオプション コンポーネントです。Windows Virtual PC を使用すると、Windows 7 で、別の OS を仮想マシンとして実行することができます。
つまり、お使いの Windows 7 システムが、Windows Virtual PC がインストールされたホストになり、お好きなゲスト OS をインストールできます。この機能により、Windows 7 と互換性のないレガシ アプリケーションをインストールして実行できるようになります。たとえば、Windows XP アプリケーションは Windows 7 でシームレスに動作しているようにを実行できます。
Windows XP Mode
Windows XP Mode は、Windows 7 Professional Edition、Enterprise Edition、および Ultimate Edition でサポートされており、Windows 7 の新機能を使用しながら、Windows Vista や Windows 7 で適切に機能しない重要なアプリケーションを使用し続けることができる仮想化テクノロジです。
Window XP Mode は、Windows Virtual PC により動作します (Windows 7 Professional Edition、Enterprise Edition、および Ultimate Edition で使用可能です)。Windows Virtual PC は Virtual PC 2007 の進化版です。Virtual PC 2007 は、以前のバージョンの Windows 向けのスタンドアロン製品です。Windows XP Mode は、マイクロソフトのサイトから無料でダウンロードできます。同時に、Windows Virtual PC もダウンロードする必要があり、このダウンロードも無料です。
Windows XP Mode としてインストールされるのは製品版の Windows XP SP3 ですが、ある程度の制限があります。たとえば、TV チューナーや同様のデバイスなど、特別なハードウェアが必要な 3D グラフィックや 3D アプリケーションはサポートされていません。
Windows XP Mode でインストールしたプログラムは、Windows XP Mode と Windows 7 の両方で使用できます。このテクノロジにより、ユーザーは Windows 7 への移行中にレガシ アプリケーションを実行できます。
次に、システムで Windows XP Mode を使用するための具体的な要件を示します。
- Windows OS (Windows 7 Professional Edition、Enterprise Edition、または Ultimate Edition)。
- ハードウェア仮想化に対応したコンピューター (Intel-VT または AMD-V の仮想化機能を備えた中央処理装置 (CPU) を搭載したコンピューター)。コンピューターが新しいものであれば、おそらく要件を満たしています。
- コンピューターの BIOS で仮想化機能が有効になっていること。既定で有効になっているとは限らないため、セットアップ モードで、仮想化機能を有効にすることが必要な場合があります。
Windows 7 を検証する
Windows XP Mode をインストールするには、まず、Windows XP Mode をサポートするバージョンの Windows 7 を使用しているかどうかを確認します。Windows 7 Professional Edition、Enterprise Edition、または Ultimate Edition のいずれかを使用している必要があります。Windows 7 のバージョンが適切かどうかを検証するには、[スタート] ボタンをクリックして、[コントロール パネル]、[システムとセキュリティ]、[システム] を順にクリックします。
Windows 7 のバージョンをアップグレードする必要がある場合は、[Windows 7 の新しいエディションの追加機能の取得] ハイパーリンクをクリックします。リンクをクリックすると、次に行う操作を選択する Web ページが表示されます。Windows XP Mode を使用するには、アップグレード版を購入する必要があります。
手続きが完了すると、ライセンス キーが提供されます。新しいアップグレード キーを受け取ったら、そのキーをダイアログ ボックスに入力します。[次へ] をクリックして、アップグレードする Windows 7 のライセンス認証を行います。アップグレードが完了したら、[閉じる] をクリックします。
ハードウェア仮想化機能を確認する
既に説明したように、Windows XP Mode を使用するには、ハードウェア仮想化機能を備えた CPU を搭載したコンピューターが必要です。これは難しいことではありません。最新のプロセッサには、この機能が搭載されています。Intel プロセッサを使用している場合は Intel-VT 機能、AMD プロセッサを使用している場合は AMD-V 機能が必要です。マイクロソフトも便宜を図るために、Hardware-Assisted Virtualization Detection Tool を開発しました。
このツールを使用すると、お使いのコンピューターが仮想化の要件を満たしているかどうかを確認できます。次の 3 つのうちいずれかのメッセージが表示されます。
- This computer is configured with hardware-assisted virtualization. (このコンピューターには、ハードウェア支援による仮想化テクノロジが搭載されています): お使いのコンピューターに何も問題がないことを示しています。このメッセージが表示されれば、Windows XP Mode を実行できます。
- Hardware-assisted virtualization is not enabled on this computer. (このコンピューターでは、ハードウェア支援による仮想化テクノロジが有効になっていません) お使いのコンピューターには仮想化機能が搭載されていますが、システム BIOS でハードウェア仮想化支援機能を有効にする必要があることを示しています。
- This computer does not have hardware-assisted virtualization. (このコンピューターには、ハードウェア支援による仮想化テクノロジが搭載されていません) お使いのコンピューターでは、Windows XP Mode または Windows Virtual PC を使用できないことを示しています。この情報を、マイクロソフトに送信するかどうかを選択できます。希望する選択肢をクリックし、[OK] をクリックします。
Windows XP Mode をインストールする
Windows XP Mode がサポートされているバージョンの Windows 7 を実行しており、コンピューターが仮想化をサポートできることを確認したら、Windows XP Mode をダウンロードする準備は万全です。Windows XP Mode は、Windows XP SP3 がインストールされた完全な仮想ハード ディスクです。お使いのインターネット接続によっては、ダウンロードが数分で完了する場合もあれば、数時間かかる場合もあるので、状況に応じて計画を立ててください。
Windows XP Mode をインストールしたら、設定を行う必要があります。Windows XP Mode は、完全な OS の独立した実装です。スタンドアロン コンピューターにインストールした場合と同じように、Windows XP の初期設定を行う必要があります。大きく違うのは、Windows XP と Windows 7 のどちらでも使用できることです。
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Jorge Orchilles は、勤め先の私立学校でネットワーク管理を担当したときからネットワークに携わってします。現在は、セキュリティ運用センターのアナリストとして活動しており、最近、フロリダ国際大学で管理情報システムの理学修士号を取得しました。
©2011 Elsevier Inc. All rights reserved. Syngress (Elsevier の事業部) の許可を得て掲載しています。Copyright 2011.『Microsoft Windows 7 Administrator's Reference』(Jorge Orchilles 著) この書籍と類似書籍の詳細については、elsevierdirect.com (英語) を参照してください。