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チュートリアル: プロファイルを使って最適化された Windows PE イメージを作成する

発行: 2012年2月

適用対象: Windows 8, Windows Server 2008 R2, Windows Server 2012

Windows PE プロファイルを使って Windows(R) プレインストール環境 (Windows Preinstallation Environment) (Windows PE) イメージのサイズを縮小することができます。プロファイル機能は、Windows イメージの展開などの特定のシナリオで使われるファイルを、そのシナリオが実行されている間に追跡します。その後、プロファイル機能は、シナリオで使われたファイルの一覧をプロファイルに保存します。プロファイルでは、Dism /Apply-Profile コマンドを使って、特定のシナリオに関連するファイルのみを含めるように最適化されたイメージを作成することができます。

重要

Windows(R) 8 では、Windows PE プロファイルは推奨されなくなりました。この機能はこのリリースでは使用できますが、今後のリリースでは削除される可能性があります。

このトピックの内容:

  • 手順 1: Windows PE ビルド環境をセットアップする

  • 手順 2: 基本 Windows PE イメージをマウントする

  • 手順 3: プロファイルを有効にする

  • 手順 4: その他のカスタマイズを追加する (省略可能)

  • 手順 5: 変更をコミットする

  • 手順 6: 起動可能な Windows PE RAM ディスクを作成する

  • 手順 7: プロファイルを構築する

  • 手順 8: 最適化されたイメージを作成する

前提条件

このチュートリアルを完了するには、次のものが必要です。

  • Windows(R) アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK) がインストールされているテクニシャン コンピューター

  • 独自のカスタム アプリケーション

手順 1: Windows PE ビルド環境をセットアップする

この手順では、Windows PE イメージの構築をサポートする、必要なディレクトリ構造を作成します。

  1. テクニシャン コンピューターで、[スタート] ボタンをクリックし、「展開」と入力します。[展開およびイメージング ツール環境] を右クリックして、[管理者として実行] をクリックします。

    展開およびイメージング ツール環境 のコマンド プロンプト ウィンドウが開き、すべての必要なツールをポイントする環境変数が自動的に設定されます。既定では、C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.0\Assessment and Deployment Kit\Deployment Tools (64 ビット インストール) または C:\Program Files\Windows Kits\8.0\Assessment and Deployment Kit\Deployment Tools (32 ビット インストール) フォルダーにすべてのツールがインストールされます。

  2. コマンド プロンプトで、Windows PE ファイルのアーキテクチャと作業ディレクトリを指定した、次の Copype コマンドを入力します。

    Copype amd64 C:\winpe_amd64
    

    次のディレクトリ構造が作られます。

    <workingDirectory><workingDirectory>\media
    <workingDirectory>\mount
    

    注意

    Copype が Windows PE 基本イメージ (Winpe.wim) を <workingDirectory>\media\sources フォルダーにコピーすると、基本イメージのファイル名は、Winpe.wim から Boot.wim に変更されます。

手順 2: 基本 Windows PE イメージをマウントする

この手順では、ローカル ディレクトリに基本イメージをマウントし、オプション コンポーネントを追加または削除できるようにします。

  • コマンド プロンプトで、ローカルの \mount ディレクトリに Windows PE 基本イメージ (Boot.wim) をマウントして、オプション コンポーネントの追加または削除、およびその他のカスタマイズを実行できるようにします。次の例にある <image_index> は、.wim ファイルにある、選んだイメージの番号です。

    Dism /mount-image /imagefile:C:\winpe_amd64\ISO\sources\boot.wim /index:<image_index> /mountdir:C:\winpe_amd64\mount
    

手順 3: プロファイルを有効にする

この手順では、ブート イメージ内のすべてのファイルの呼び出しを追跡してトレースし、Windows PE イメージを簡略化するプロファイル機能を有効にします。Windows PE イメージの作成中にプロファイルが実行され、メモリ マップ ダイナミック リンク ライブラリ (DLL) が取得されます。プロファイルを有効にするには、Windows Management Instrumentation (WMI) サポートを追加し、Dism /Enable-Profiling コマンドを実行します。WMI は、Windows ベースのオペレーティング システム上の管理データと操作のインフラストラクチャです。

重要

Windows(R) 8 では、Windows PE プロファイルは推奨されなくなりました。この機能はこのリリースでは使用できますが、今後のリリースでは削除される可能性があります。

  1. 次の例に示すように、Dism /Add-Package コマンドを実行して WMI サポートを追加します。

    Dism /image:C:\winpe_amd64\mount /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.0\Assessment and Deployment Kit\Deployment and Imaging Tools\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\winpe-wmi.cab"
    
    Dism /image:C:\winpe_amd64\mount /add-package /packagepath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.0\Assessment and Deployment Kit\Deployment and Imaging Tools\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\en-us\winpe-wmi_en-us.cab"
    
  2. 次の例に示すように、Dism /Enable-Profiling コマンドを使い、イメージへのパスとプロファイルを保存する場所の両方を指定して、プロファイルを有効にします。

    Dism /image:C:\winpe_amd64\mount /enable-profiling
    
  3. 設定した内容でイメージが更新されていることを確認する場合は、Dism /Get-MountedWimInfo コマンドを使って、イメージの設定を確認します。

手順 4: その他のカスタマイズを追加する (省略可能)

この手順では、顧客からの注文に応じて追加のアプリケーションとその他の更新プログラムをインストールすることができます。カスタム アプリケーションをイメージに追加する方法について詳しくは、「アプリケーションを Windows PE に追加する方法」をご覧ください。

手順 5: 変更をコミットする

この手順では、イメージの保存およびマウント解除を行います。

  • 次の例に示すように、Dism /Unmount-Image コマンドを /Commit オプションと共に使います。

    Dism /unmount-image /mountdir:C:\winpe_amd64\mount\ /commit
    

手順 6: 起動可能な Windows PE RAM ディスクを作成する

この手順では、カスタマイズした Windows PE RAM ディスク イメージをムーバブル メディアに配置し、メモリを起動します。このディスクを作成する場合は、「チュートリアル: Windows PE を CD、USB フラッシュ ドライブ、USB ハード ドライブにインストールする」の手順に従ってください。起動可能なメディアを作成すると、テスト イメージの準備が整います。次にプロファイルを作成し、その後はプロファイルに基づいたイメージを作成できます。

手順 7: プロファイルを構築する

この手順では、テスト コンピューター上でイメージを起動してから、実際の環境で使われるすべての操作をテストすることで、プロファイルを構築します。たとえば、メモ帳を使う場合、メモ帳ファイルを保存するには、[名前を付けて保存] を使う必要があります。イメージを起動すると、プロファイル機能がセッション中にファイル読み取りのログ記録を開始し、使われたファイルをマークします。ファイルが使われていない場合は、Windows PE イメージにプロファイルが適用されるとファイルは削除されます。

  1. カスタム Windows PE イメージがあるコンピューターを起動します。

  2. 実行中の Windows PE セッションで、カスタム イメージを使うシナリオをテストします。複数のアプリケーションを使う場合は、アプリケーションごとに目的のコマンドをすべて実行する必要があります。

  3. すべてのアプリケーションに対して目的のすべてのコマンドをテストし、実行した後、プロファイルのパスを指定して、Wpeutil Saveprofile コマンドを実行します。その後、次の例に示すように、プロファイルを外部ソースに保存します。

    Wpeutil saveprofile E:\Optimize_Profile.txt "Image Optimization Profile" 
    
  4. Windows PE セッションを終了します。

    注意

    同じ Windows PE イメージから複数のプロファイルを作成できます。これを実行するには、イメージを再び起動し、別のアプリケーションを実行して、新しいプロファイルを保存します。/Apply-Profiles コマンドを実行すると、DISM がプロファイルを 1 つに結合します。

手順 8: 最適化されたイメージを作成する

この手順では、テスト イメージをマウントする最適化されたイメージを構築します。これを実行するには、DISM ツールを使ってプロファイルを適用し、イメージへの変更をコミットします。

  1. オプション: 元のイメージと Apply-Profiles コマンドが実行された後の最適化されたイメージを比較する場合は、boot.wim ファイルのコピーを作成してから、次の手順に進みます。

  2. 元の基本イメージをマウントします。次の例にある <image_index> は、.wim ファイルにある、選んだイメージの番号です。

    Dism /mount-image /imagefile:C:\winpe_amd64\iso\sources\boot.wim /index:<image_index> /mountdir:C:\winpe_amd64\mount
    
  3. 次の例に示すように、DISM を使って作成したプロファイルをテスト イメージに適用します。

    Dism /image:C:\winpe_amd64\mount /apply-profiles:E:\Optimize_Profile.txt
    

    注意

    プロファイルを使ってカスタマイズされた Windows PE イメージは、処理できません。/Apply-Profiles オプションは、プロファイルを自動的に無効にします。

  4. 次の例に示すように、Dism /Unmount-Image オプションを /Commit オプションと共に使うことで、変更をコミットします。

    Dism /unmount-image /mountdir:C:\winpe_amd64\mount /commit
    
  5. イメージを新しいイメージ ファイルにエクスポートして最適化します。イメージを変更すると、DISM によって追加のリソース ファイルが保存されるため、イメージの全体のサイズが増加します。DISM を使ってイメージをエクスポートすると、不要なリソース ファイルが削除されます。次の例にある <image_index> は、.wim ファイルにある、選んだイメージの番号です。

    Dism /export-image /sourceimagefile:C:\winpe_amd64\iso\sources\boot.wim /sourceindex:<image_index> /destinationimagefile:C:\winpe_amd64\iso\sources\boot2.wim
    
  6. 元の Boot.wim ファイルを削除して、ファイル名を Boot2.wim から Boot.wim に変更します。

次のステップ

起動可能な Windows PE RAM ディスクを、リムーバブル メディアに作成できます。詳しくは、「チュートリアル: Windows PE を CD、USB フラッシュ ドライブ、USB ハード ドライブにインストールする」をご覧ください。最適化した Windows PE イメージは、ネットワーク共有またはハード ディスクにも展開できます。

関連項目

タスク

チュートリアル: カスタム Windows PE イメージを作成する
チュートリアル: 多言語サポートを Windows セットアップに追加する

参考資料

イメージ管理のコマンド ライン オプション
Windows PE サービスのコマンド ライン オプション