低待機時間ワークロードのテクノロジ

 

適用対象: Windows Server 2012

このセクションでは、Windows Server® 2012 用に設計されたり機能強化されたりした、低待機時間のコンピューティング シナリオに対応する、次のテクノロジの概要について説明します。

  1. Data Center Bridging

  2. データ センター伝送制御プロトコル (DCTCP)

  3. Kernel Mode Remote Direct Memory Access (kRDMA)

  4. NIC (ネットワーク インターフェイス カード) チーミング

  5. NetworkDirect

  6. Receive Segment Coalescing (RSC)

  7. Receive Side Scaling (RSS)

  8. 登録入出力 (RIO) API 拡張

  9. 伝送制御プロトコル (TCP) ループバック最適化

  10. 低待機時間ワークロードの管理と運用

待機時間とは遅延のことであり、2 つの特定のイベントの間に経過する時間の長さを意味します。たとえば、2 つのコンピューター間でネットワーク パス経由で行われる、ネットワーク メッセージの送信から受信までの時間などです。 待機時間には、電気的な伝達の遅延、処理の遅延、キューの影響など、さまざまな原因が考えられます。

さまざまなワークロードを処理するためには、コンピューター間通信にかかる時間ができる限り短くなるようにすることが必要です。 このようなワークロードには、収束時間がネットワーク待ち時間の制約を受ける分散コンピューティング アルゴリズムも含まれます。 そのようなシステムの例として、分散合意プロトコル、Message Passing Interface (MPI) ワークロード、分散キャッシュなどがあります。 株式取引などの金融市場のワークロードも、ネットワーク通信によって発生する待機時間を可能な限り短くすることを必要とします。

低待機時間コンピューティング環境には、通常、非常に高速なプロセス間通信 (IPC) とコンピューター間通信、待機時間とトランザクション応答時間に関する高度な予測可能性、および非常に高いメッセージ率の処理能力を必要とするアプリケーションがあります。 次のセクションでは、低待機時間コンピューティング シナリオでパフォーマンスを向上させるために使うことができるテクノロジについて説明しています