ポリシー ベースのサービスの品質 (QoS) の構成

 

発行: 2016年6月

適用対象: Windows Server 2012

ネットワークのサービスの品質 (QoS) は、クリティカル アプリケーションの高品質なパフォーマンスを保証するために業界全体で使用される標準および機構の集まりです。QoS 機構を使用して、ネットワーク管理者は既にあるリソースを効果的に使用し、事後対応的にネットワークを拡張またはオーバープロビジョニングすることなく必要なサービス レベルを確保できます。

Windows では、ポリシー ベースの QoS は、標準ベースの QoS とグループ ポリシーの管理のしやすさを組み合わせたものです。この組み合わせにより、QoS ポリシーをグループ ポリシー オブジェクトに簡単に適用できるようになっています。Windows にはグループ ポリシーに QoS を構成できるようにポリシー ベースの QoS ウィザードが含まれています。

このトピックは次のセクションで構成されます。

QoS ポリシーを作成するには、グループ ポリシー管理コンソール (GPMC) でグループ ポリシー オブジェクト (GPO) の設定を編集します。QoS ポリシーの名前は一意であることが必要です。動作は QoS ポリシーが GPMC で格納される場所により異なります。

  • Computer Configuration\Windows Settings\Policy-based QoS 内の QoS ポリシーは、現在ログオンしているユーザーにかかわらず、コンピューターに適用されます。通常、サーバー コンピューターにはコンピューター ベースの QoS ポリシーを使用します。

  • User Configuration\Windows Settings\Policy-based QoS 内の QoS ポリシーは、どのコンピューターにログオンしたかにかかわらず、ログオンした後のユーザーに適用されます。

送信ネットワーク トラフィックの優先順位を定義するには、[DSCP 値を指定する] で、特定の Differentiated Services Code Point (DSCP) 値を使用して QoS ポリシーを構成します。RFC 2474 に記述されているように、DSCP は IPv4 パケットの Type of Service (TOS) フィールドに 0 ~ 63 の値で指定できます。ネットワーク ルーターは DSCP 値を使用してネットワーク パケットを分類し、適切なキューを特定します。値が高いほど、パケットの優先順位は高くなります。既定では、[DSCP 値を指定する] チェック ボックスはオンになっていて、その値は 0 です。

キューの数およびその優先順位付けの動作は、組織の QoS 戦略の一部として設計される必要があります。たとえば、特定の DSCP 値を含むパケットが 5 つのキュー (待機時間の影響を受けやすいトラフィック、制御トラフィック、ビジネス クリティカル トラフィック、ベストエフォート型トラフィック、一括データ転送トラフィック) に保持されるように 4 つの QoS ポリシーを作成できます。

ネットワーク帯域幅の使用を管理するには、[スロットル率を指定する] で、送信トラフィックのスロットル率を使用して QoS ポリシーを構成できます。既定では、[スロットル率を指定する] チェック ボックスはオフです。スロットル調整により、QoS ポリシーは、送信ネットワーク トラフィックを指定されたスロットル率に制限します。DSCP のマーキングとスロットルは組み合わせて使用して、トラフィックを効果的に管理できます。

ポリシー ベースの QoS ウィザードを使用して新しい QoS ポリシーを作成するには

  • グループ ポリシー管理コンソールで [ポリシー ベース QoS] ノードのいずれかを右クリックしてから [新規ポリシーの作成] をクリックします。

ポリシー ベースの QoS ウィザードの最初のページで、ポリシー名を指定し、QoS の送信ネットワーク トラフィックの制御方法を構成できます。

QoS ベースのポリシー ウィザードの [ポリシーのプロファイル] ページを構成するには

  1. [ポリシー名] に、QoS ポリシーの名前を入力します。名前により QoS ポリシーが作成された GPO ノード内でポリシーが一意に識別される必要があります。

  2. オプションで [DSCP 値を指定する] を使用して DSCP マーキングを有効にし、DSCP 値を 0 ~ 63 で設定できます。

  3. オプションで [スロットル率を指定する] を使用してトラフィックのスロットル調整を有効にし、スロットル率を設定できます。スロットル率は 1 を超える必要があり、1 秒あたりのキロバイト数 (KBps) または 1 秒あたりのメガバイト数 (MBps) の単位を指定できます。

  4. [次へ] をクリックします。

QoS ポリシーの概要

ポリシー ベースの QoS ウィザードの 2 ページ目で、ポリシーをすべてのアプリケーション、実行可能ファイル名で識別された特定のアプリケーション、パスおよびアプリケーション名に適用することができます。[すべてのアプリケーション] では、ポリシー ベースの QoS ウィザードの最初のページのトラフィック管理設定がすべてのアプリケーションに適用されることを指定します。[次の実行可能ファイル名を持つアプリケーションのみ] では、ポリシー ベースの QoS ウィザードの最初のページのトラフィック管理設定が特定のアプリケーションに適用されることを指定します。実行可能ファイルの名前には、末尾にファイル名拡張子 .exe が付いている必要があります。

必要に応じて、アプリケーション パスを入力できます。アプリケーション パスを指定するには、アプリケーション名をパスに含めます。パスには環境変数を含めることができます。たとえば、%ProgramFiles%\My Application Path\MyApp.exe や、c:\program files\my application path\myapp.exe などです。アプリケーション パスにシンボリック リンクを含めることはできません。

ポリシー ベースの QoS ウィザードの [アプリケーション名] ページを構成するには

  1. [この QoS ポリシーの適用対象][すべてのアプリケーション] または [次の実行可能ファイル名を持つアプリケーションのみ] をクリックします。

  2. [次の実行可能ファイル名を持つアプリケーションのみ] をクリックする場合、末尾にファイル名拡張子 .exe が付いている実行可能ファイル名を指定します。

  3. [次へ] をクリックします。

QoS ポリシーの概要

ポリシー ベースの QoS ウィザードの 3 ページ目では、ポリシー ベースの QoS ウィザードの最初のページで指定したトラフィック管理設定が次のものに適用されることを指定します。

  • すべての発信元 IPv4 または IPv6 アドレス、または特定の発信元 IPv4 または IPv6 アドレス

  • すべての宛先 IPv4 または IPv6 アドレス、または特定の宛先 IPv4 または IPv6 アドレス

[次の発信元 IP アドレスのみ] または [次の宛先 IP アドレスのみ] をクリックする場合、次のいずれかを入力する必要があります。

  • IPv4 アドレス (192.168.1.1 など)

  • ネットワーク プレフィックスの長さ表記を使用した IPv4 アドレス プレフィックス (192.168.1.0/24 など)

  • IPv6 アドレス (3ffe:ffff::1 など)

  • IPv6 アドレス プレフィックス (3ffe:ffff::48 など)

[次の発信元 IP アドレスのみ] および [次の宛先 IP アドレスのみ] の両方をクリックする場合、アドレスとアドレス プレフィックスの両方が IPv4 ベースまたは IPv6 ベースである必要があります。

ポリシー ベースの QoS ウィザードの [IP アドレス] ページを構成するには

  1. [この QoS ポリシーの適用対象] (発信元) で [すべての発信元 IP アドレス] または [次の発信元 IP アドレスのみ] をクリックします。

  2. [次の発信元 IP アドレスのみ] をクリックした場合、IPv4、IPv6 アドレス、プレフィックスを指定します。

  3. [この QoS ポリシーの適用対象] (宛先) で [すべての宛先アドレス] または [次の宛先 IP アドレスのみ] をクリックします。

  4. [次の宛先 IP アドレスのみ] をクリックした場合、発信元アドレスに指定したアドレスまたはプレフィックスの種類に対応する IPv4 または IPv6 アドレスを指定します。

  5. [次へ] をクリックします。

QoS ポリシーの概要

ポリシー ベースの QoS ウィザードの 4 ページ目では、ウィザードの最初のページの設定で制御されるトラフィックの種類およびポートを指定できます。次の方法で指定できます。

  • TCP トラフィック、UDP トラフィック、またはその両方

  • すべての発信元ポート、発信元ポートの範囲、または特定の発信元ポート

  • すべての宛先ポートまたは特定の宛先ポート

ポリシー ベースの QoS ウィザードの [プロトコルおよびポート] ページを構成するには

  1. [この QoS ポリシーを適用するプロトコルを選択してください] で、[TCP][UDP]、または [TCP および UDP] をクリックします。

  2. [発信元ポート番号を指定してください] で、[任意の発信元ポート] または [次の発信元ポート番号かポートの範囲] をクリックします。

  3. 前の手順で [次の発信元ポート番号かポートの範囲] をクリックした場合、1 ~ 65535 のポート番号を入力します。必要に応じて、ポートの範囲を、"下位:上位" の形式で指定できます。この下位および上位はポート範囲の下限および上限を表します (上位および下位の数値を含みます)。上位および下位にはそれぞれ 1 ~ 65535 の範囲の数値を指定する必要があります。コロン (:) および数値との間にスペースは入れません。

  4. [宛先ポート番号を指定してください] で、[任意の宛先元ポート] または [次の宛先ポート番号かポートの範] をクリックします。

  5. 前の手順で [次の宛先ポート番号かポートの範] をクリックした場合、1 ~ 65535 のポート番号を入力します。

新しい QoS ポリシーの作成を完了するには、ポリシー ベースの QoS ウィザードの [プロトコルおよびポート] ページで [完了] をクリックします。完了すると、新しい QoS ポリシーが GPMC の詳細ウィンドウにリストされます。

QoS ポリシー設定をユーザーまたはコンピューターに適用するには、QoS ポリシーがドメイン、サイト、組織単位 (OU) などの Active Directory コンテナーに配置されている GPO にリンクします。

QoS ポリシーの概要

上で説明したポリシー ベースの QoS ウィザードのページは、ポリシーのプロパティを表示、またはポリシーを編集するときに表示されるプロパティ ページに対応します。

QoS ポリシーのプロパティを表示するには

  • グループ ポリシー管理コンソールの詳細ウィンドウでポリシー名を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

    GPMC に次のタブのあるプロパティ ページが表示されます。

    • [ポリシーのプロファイル]

    • [アプリケーション名]

    • [IP アドレス]

    • [プロトコルおよびポート]

QoS ポリシーを編集するには

  • グループ ポリシー管理コンソールの詳細ウィンドウでポリシー名を右クリックし、[既存ポリシーの編集] をクリックします。

    GPMC に [既存の QoS ポリシーを編集します] ダイアログ ボックスが表示されます。

QoS ポリシーを削除するには

  • グループ ポリシー管理コンソールの詳細ウィンドウでポリシー名を右クリックし、[ポリシーの削除] をクリックします。

QoS ポリシーの概要

  • QoS の詳細については、Windows Server TechCenter Web サイト (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=65245) を参照してください。

  • ポリシー ベースの QoS の詳細もついては、Microsoft Web サイトの Cable Guy の記事 (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=65246) を参照してください。

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