Microsoft Online Services - 2012 年 2 月の新機能
発行日: 2012 年 2 月
管理者は Microsoft Online ユーザーのクライアント アクセスの設定を PowerShell を通して行うことができるようになりました。Get-MSOnlineUser への更新と、新しい Set-MSOnlineCASMailbox コマンドレットにより、管理者は Exchange ActiveSync や Outlook Web Access (OWA) を各ユーザーに対して有効にするかどうかを設定できるようになりました。
- Get-MSOnlineUser: このコマンドレットは、指定した Microsoft Online Services ユーザーの属性を取得します。このコマンドレットの出力に以下の 3 つの属性が追加されました。
- ActiveSyncEnabled: ユーザーのメールボックスに対して ActiveSync が有効になっているかどうかを示すブール値を返します。メールボックスを持たないユーザーについてはこの属性は False を返します。
- OWAEnabled: ユーザーのメールボックスに対して Outlook Web Access が有効になっているかどうかを示すブール値を返します。メールボックスを持たないユーザーについてはこの属性は False を返します。
- POPEnabled: ユーザーのメールボックスに対して POP3 でのアクセスが有効になっているかどうかを示すブール値を返します。メールボックスを持たないユーザーについてはこの属性は False を返します。
- Set-MSOnlineCASMailbox: このコマンドレットは指定されたユーザーのメールボックスに対する ActiveSync や Outlook Web Access を有効または無効にします。
管理者はコマンドラインからユーザーのメールボックスに対して Exchange ActiveSync や OWA を有効にするかどうかを指定することができます。たとえば、以下のコマンドを実行すると、alexei@tailspintoys.com というユーザーに対して ActiveSync を無効にして Outlook Web Access を有効にします。 C:\PS>Set-MSOnlineCASMailbox -Identity alexei@tailspintoys.com -Credential $companyAdminCred -ActiveSyncEnabled False -OWAEnabled True
Set-MSOnlineCASmailbox はパイプから属性名の入力をすることも可能です。この機能の 1 つの使い方は、CSV ファイルからインポートされた情報に基づいてこのコマンドを実行するというものです。たとえば、alexei@tailspintoys.com に対しては ActiveSync と OWA を両方とも有効にして、pavel@tailspintoys.com に対しては ActiveSync を有効にして OWA を無効にしたいとします。管理者は "CASmailboxes.csv" という名前の CSV ファイルを作成して以下のような値を入れ、次のコマンドを実行します。
Identity ActiveSyncEnabled OWAEnabled alexei@tailspintoys.com True True pavel@tailspintoys.com True False C:\PS>Import-Csv -path C:\CASmailboxes.csv | Set-MSOnlineCASMailbox -Credential $companyAdminCred
Set-MSOnlineCASMailbox コマンドレットは、現在ユーザーのメールボックスに適用されている ActiveSync ポリシーを変更したり削除したりすることはありません。ユーザーのメールボックスに ActiveSync ポリシーが適用されてから ActiveSync を無効にした場合、ActiveSync を再度有効にすると元のポリシーが再び適用されます。ActiveSync ポリシーが何も適用されていない場合には、ActiveSync を有効にすると既定のポリシーが適用されます。
更新されたコマンドレットを利用するには、管理者は最新の 32 ビット、もしくは 64 ビットの Microsoft Online Services 移行ツールをダウンロードする必要があるます。