更新プログラムと修正プログラムの適用に関するトラブルシューティング
更新日: 2013 年 1 月 10 日
適用対象: Microsoft Dynamics AX 2012 R2、Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack、Microsoft Dynamics AX 2012
このトピックでは、更新プログラムおよび修正プログラムを適用するときに生じる可能性のある一般的な問題と、これらの問題に対処する方法について説明します。
エラー メッセージまたは症状別に問題を示します。
修正プログラムの適用後、X++ コンパイル エラーまたは CIL 生成エラーが発生する
修正プログラムの適用後、X++ コンパイル エラーまたは共通中間言語 (CIL) 生成エラーが発生する場合は、レイヤー間でコードの競合が発生している可能性が高いです。
解決方法
テスト システムでコードを確認し、X++ 開発者と共に 1 つのレイヤーのコードが他のレイヤーに適用された変更と競合していないかどうかをチェックします。お客様の行ったカスタマイズが、SYP または FPP レイヤーの修正プログラムと競合していないかどうかをチェックします。詳細については、「モデルのインポート後に発生した競合を解決する方法」(英語) を参照してください。
重要
Microsoft サポートでは、お客様のカスタマイズの目的や、競合の対処方法がわからないため、コードの競合については対処していません。
AXUpdate.exe がモデル ストア データベースを検出できない、またはデータベース インスタンスを更新できない
AXUpdate.exe が、修正プログラムをインストールするモデル ストアを検出できません。さらに、AXUpdate.exe に対して手動でモデル ストアの場所を指定すると、データベース インスタンスが更新されないため修正プログラムを適用できない、というエラーが表示されます。
注意
このエラーが発生した場合、対象となる修正プログラムが既にインストールされている可能性が高いです。
Microsoft モデルのマニフェストにクエリを実行して、特定の修正プログラム、および修正プログラムの特定のビルドがインストールされているかどうかを確認する必要があります。モデルのマニフェストの詳細については、「モデルのマニフェストのプロパティの表示方法または変更方法」(英語) を参照してください。
追加情報
ビルドのバージョン番号が 6.0.947.339 ~ 6.0.1108.1199 の修正プログラムを、それより高いビルドのバージョン番号の修正プログラムが既にインストールされたモデル ストア データベースにインストールすると、この問題が発生する可能性があります。
6.0.1108.1200 またはそれ以降のバージョン番号の修正プログラムではこの問題は発生しませんが、これよりも低いバージョン番号の修正プログラムがインストールされると、問題が発生します。
解決方法
この問題は、CustomerSource の修正プログラム KB 2665135 に同梱されている AxSetupSP.exe の新しいバージョンを使用することによって解決できます。
この問題を解決するには、次の手順に従います。
- 修正プログラム KB 2665135 を展開します。
- Support サブディレクトリにある AxSetupSP.exe を、修正プログラム KB 2665135 でリリースされたバージョンに置き換えます。
新しい更新プログラムをインストールすると、以前インストールした一部の更新プログラムがなくなる
修正プログラムは、以前の修正プログラムのコードを置き換えたり、これらのコードを包含していることがあります。この場合、新しい更新プログラムのインストール中に置き換えられた修正プログラムは削除されます。
解決方法
削除された修正プログラムを強制的に再インストールする必要はありません。
X++ のコンパイル中に、SQL 記述子が空である旨のエラー メッセージが表示される
このエラー メッセージは、以前使用していたコンフィギュレーション キーを無効にした場合に表示されます。
解決方法
このエラー メッセージは、更新プログラムのインストールの妨げにはなりません。他に解決する必要のある X++ コンパイル エラーがない限り、チェック リストを使って作業を続行してください。
ソフトウェア更新プログラム チェック リストに、"プロジェクトが既に存在します" と表示される
前回の更新プログラム プロジェクトがシステムに存在しています。
更新プログラムをアンインストールしたい
バイナリ修正プログラムまたはカーネル修正プログラムをアンインストールするには、[コントロール パネル] > [プログラムと機能] > [インストールされた更新プログラムを表示] の順にクリックします。削除する KB 番号に移動し、ファイルを右クリックして [アンインストール] をクリックします。カーネルのバージョン ビルドが前回インストールされたバージョンに戻ります。
アプリケーション修正プログラムを無効にするには、修正プログラムをインストールする前に作成したデータベース バックアップを復元する必要があります。
アプリケーション修正プログラムに、直接影響を受けるクラス以外のクラスが含まれている
修正プログラムに、必要以上のクラスが含まれているように思われるかもしれません。修正プログラムのプロセスで作成される依存関係のために、修正プログラムに追加のクラスが含まれることがあります。
修正プログラムが作成されるときに、サービス プロセスによって、修正プログラムのオブジェクト間の依存関係が作成されます。たとえば、ある修正プログラムが 2 つのクラスを修正する場合、これらのクラスの間に依存関係が作成されます。したがって、別の修正プログラムに片方のクラスが含まれるたびに、依存関係としてもう一方のクラスも含まれます。修正プログラムの整合性をとるために、この動作は必須です。修正プログラムには全体的な修正と共に、すべてのソフトウェア更新プログラムが含まれているため、Microsoft が以前リリースした機能に戻すことはありません。
さらに詳しい説明については、Microsoft Dynamics AX Sustained Engineering ブログの投稿記事 「Dynamics AX 2009 修正プログラムのアプリケーションの依存関係を理解する」(英語) を参照してください。