SQLBrowseConnect

SQLBrowseConnect では、3 つのレベルに分類できる接続情報のキーワードを使用します。 次の表では、キーワードごとに、有効な値の一覧が返されるかどうか、およびそのキーワードが省略可能であるかどうかを示します。

レベル 1

キーワード

一覧が返されるかどうか

省略できるかどうか

説明

DSN

N/A

いいえ

SQLDataSources で返されるデータ ソースの名前。 DSN キーワードは、DRIVER キーワードと同時に使用できません。

DRIVER

N/A

いいえ

Microsoft® SQL Server Native Client ODBC ドライバーの名前は {SQL Server Native Client 11} です。 DRIVER キーワードは、DSN キーワードと同時に使用できません。

レベル 2

キーワード

一覧が返されるかどうか

省略できるかどうか

説明

SERVER

はい

いいえ

データ ソースがあるネットワーク上のサーバー名。 サーバー名には「(local)」と入力することもできます。これは、ネットワークに接続されていない SQL Server のローカル コピーも使用できることを意味します。

UID

いいえ

はい

ユーザー ログイン ID。

PWD

いいえ

はい (ユーザーによって異なります)

ユーザーが指定したパスワード。

APP

いいえ

はい

SQLBrowseConnect を呼び出すアプリケーションの名前。

WSID

いいえ

はい

ワークステーション ID。 通常は、アプリケーションが実行されているコンピューターのネットワーク名です。

レベル 3

キーワード

一覧が返されるかどうか

省略できるかどうか

説明

DATABASE

はい

はい

SQL Server データベースの名前。

LANGUAGE

はい

はい

SQL Server で使用される言語。

SQLBrowseConnect では、ODBC データ ソース定義に格納されている DATABASE キーワードと LANGUAGE キーワードの値が無視されます。 SQLBrowseConnect に渡す接続文字列に無効なデータベースや言語を指定した場合は、SQLBrowseConnect によって、SQL_NEED_DATA とレベル 3 の接続属性が返されます。

SQLSetConnectAttr を呼び出して設定する次の属性によって、SQLBrowseConnect から返される結果セットが決まります。

属性

説明

SQL_COPT_SS_BROWSE_CONNECT

この属性を SQL_MORE_INFO_YES に設定すると、SQLBrowseConnect によってサーバー プロパティの拡張文字列が返されます。

SQLBrowseConnect により返される拡張文字列の例を次に示します。

ServerName\InstanceName;Clustered:No;Version:8.00.131

この文字列では、サーバーに関するさまざまな情報がセミコロンで区切られます。 コンマは、異なるサーバー インスタンスを区切るために使用します。

SQL_COPT_SS_BROWSE_SERVER

サーバー名を指定すると、SQLBrowseConnect によって、指定したサーバーに関する情報が返されます。 SQL_COPT_SS_BROWSE_SERVER に NULL を設定すると、SQLBrowseConnect によって、ドメイン内のすべてのサーバーに関する情報が返されます。

注意

ネットワークの問題により、SQLBrowseConnect は、すべてのサーバーからタイムリーな応答を受信できない場合があります。 したがって、要求ごとに返されるサーバーの一覧が異なる可能性があります。

SQL_COPT_SS_BROWSE_CACHE_DATA

SQL_COPT_SS_BROWSE_CACHE_DATA 属性が SQL_CACHE_DATA_YES に設定されている場合は、バッファー長の不足が原因で結果を保持できないときにデータをチャンクでフェッチできます。 この長さは、SQLBrowseConnect に対する引数 BufferLength で指定されます。

バッファー長を超えるデータがあるときは SQL_NEED_DATA が返されます。 取得対象のデータがそれ以上ないときは SQL_SUCCESS が返されます。

既定値は SQL_CACHE_DATA_NO です。

SQLBrowseConnect の HADR サポート

SQLBrowseConnect を使用して AlwaysOn 可用性グループ クラスターに接続する方法の詳細については、「SQL Server Native Client の HADR サポート」を参照してください。

SQLBrowseConnect によるサービス プリンシパル名 (SPN) のサポート

接続が開くと、SQL Server Native Client により、SQL_COPT_SS_MUTUALLY_AUTHENTICATED および SQL_COPT_SS_INTEGRATED_AUTHENTICATION_METHOD が、接続を開くときに使用された認証方式に設定されます。

SPN の詳細については、「クライアント接続におけるサービス プリンシパル名 (SPN) (ODBC)」を参照してください。

関連項目

概念

ODBC API 実装の詳細

その他の技術情報

SQLBrowseConnect 関数

変更履歴

変更内容

SQL_COPT_SS_BROWSE_CACHE_DATA に関する記述を追加しました。