Reporting Services 構成ツール

Reporting Services のインストールを構成するには、Reporting Services 構成マネージャーを使用します。ファイルのみのインストール オプションを使用してレポート サーバーをインストールした場合は、このツールを使用して、サーバーを使用する前に構成を行う必要があります。既定の構成のインストール オプションを使用してレポート サーバーをインストールした場合は、このツールを使用して、セットアップ時に指定した設定の確認や変更を行うことができます。Reporting Services 構成マネージャーでは、ローカルまたはリモートのレポート サーバー インスタンスを構成できます。Reporting Services 構成マネージャーを使用すると、次のタスクを実行できます。

  • レポート サーバー サービス アカウントの構成。アカウントは最初にセットアップ時に構成されますが、パスワードの更新や使用するアカウントの変更を行う場合は、Reporting Services 構成マネージャーで変更できます。

  • URL の作成および構成。レポート サーバーおよびレポート マネージャーは、URL でアクセスされる ASP.NET アプリケーションです。レポート サーバーの URL からは、レポート サーバーの SOAP エンドポイントにアクセスできます。レポート マネージャーの URL は、レポート マネージャーを起動するために使用されます。1 つの URL を構成することも、アプリケーションごとに複数の URL を構成することもできます。

  • レポート サーバー データベースの作成および構成。レポート サーバーは、SQL Server データベースを内部ストレージとして必要とする、ステートレス サーバーです。Reporting Services 構成マネージャーを使用すると、レポート サーバー データベースを作成し、そのレポート サーバー データベースへの接続を構成できます。必要なコンテンツが格納されている既存のレポート サーバー データベースを選択することもできます。

  • スケールアウト配置の構成。Reporting Services では、複数のレポート サーバー インスタンスで 1 つの共有レポート サーバー データベースを使用できるようにする配置トポロジをサポートします。レポート サーバーをスケールアウト配置するには、Reporting Services 構成マネージャーを使用して各レポート サーバーを共有レポート サーバー データベースに接続します。詳細については、「スケールアウト配置の計画」を参照してください。

  • 保存されている接続文字列や資格情報を暗号化する対称キーのバックアップ、復元、または置き換え。サービス アカウントを変更する場合や、レポート サーバー データベースを別のコンピューターに移動する場合は、対称キーのバックアップが必要となります。

  • 自動実行アカウントの構成。このアカウントは、スケジュールされた操作でのリモート接続や、ユーザーの資格情報が利用できない場合に使用します。

  • レポート サーバーの電子メールの構成。Reporting Services は、簡易メール転送プロトコル (SMTP) を使用してレポートまたはレポート処理通知を電子メールボックスに配信する、レポート サーバーの電子メール配信拡張機能を備えています。Reporting Services 構成ツールでは、電子メール配信に使用する、ネットワーク上の SMTP サーバーまたはゲートウェイを指定できます。

Reporting Services 構成マネージャーには、レポート サーバー コンテンツの管理、拡張機能の有効化、サーバーに対するアクセス権の付与を支援する機能はありません。これには完全な配置が必要であり、拡張機能の有効化や既定値の変更には SQL Server Management Studio を使用し、サーバーへのユーザー アクセス権の付与にはレポート マネージャーを使用します。配置タスクの概要については、「サーバー配置のチェックリスト」を参照してください。

Reporting Services 構成マネージャーの使用

レポート サーバー コンピューターで SQL Server プログラム グループからツールを起動できます。

Reporting Services 構成マネージャーはバージョン固有です。このバージョンの SQL Server と共にインストールされる Reporting Services 構成ツールは、以前のバージョンの Reporting Services の構成には使用できません。同じコンピューター上で古いバージョンと新しいバージョンの Reporting Services をサイド バイ サイドで実行している場合は、各バージョンに付属する Reporting Service 構成ツールを使用して、各インスタンスを構成する必要があります。

Reporting Services 構成ツールを使用するには、次の準備が必要です。

  • 構成対象のレポート サーバーをホストするコンピューターに対し、ローカルのシステム管理者権限が必要です。リモート コンピューターを構成する場合、そのリモート コンピューターに対するローカルのシステム管理者権限も必要です。

  • レポート サーバー データベースをホストするために使用される SQL Server データベース エンジンに対し、データベースを作成する権限が必要です。

  • 構成対象のレポート サーバー上で、Windows Management Instrumentation (WMI) サービスが有効化および実行されている必要があります。Reporting Services 構成ツールは、レポート サーバーの WMI プロバイダーを使用して、ローカルおよびリモートのレポート サーバーに接続します。リモートのレポート サーバーを構成する場合は、そのコンピューターでリモートの WMI アクセスが許可されている必要があります。詳細については、「レポート サーバーをリモート管理用に構成する方法」を参照してください。

  • リモートのレポート サーバー インスタンスに接続して構成するには、リモートの WMI (Windows Management Instrumentation) 呼び出しを有効にして Windows ファイアウォールを通過できるようにしておく必要があります。詳細については、SQL Server オンライン ブックの「レポート サーバーをリモート管理用に構成する方法」を参照してください。

Reporting Services 構成ツールは、Reporting Services をインストールする際に自動的にインストールされます。

一度に接続および構成できるレポート サーバーは、1 つだけです。次の図は、SQL Server 2008 レポート サーバーに接続した後の Reporting Services 構成ツールを示しています。 

Reporting Services 構成ツール

Reporting Services 構成マネージャーの開始

Reporting Services 構成を開始するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2008 R2]、[構成ツール] の順にポイントします。

    以前のバージョンの SQL Server からレポート サーバー インスタンスを構成する場合は、そのバージョンのプログラム フォルダーを開きます。たとえば、SQL Server 2005 サーバー コンポーネントの構成ツールを開くには、[Microsoft SQL Server 2008 R2] ではなく [Microsoft SQL Server 2005] をポイントします。

  2. [Reporting Services 構成マネージャー] をクリックします。[次のレポート サーバー インスタンスに接続] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスで、構成するレポート サーバー インスタンスを選択します。

  3. [サーバー名] ボックスに、レポート サーバー インスタンスがインストールされているコンピューターの名前を指定します。ローカル コンピューターの名前が既定で表示されますが、リモート コンピューターにインストールされているレポート サーバーに接続する場合は、リモートの SQL Server インスタンスの名前を入力できます。

  4. リモート コンピューターを指定する場合は、[検索] をクリックして接続を確立します。

  5. [レポート サーバー インスタンス] で、構成する SQL Server Reporting Services インスタンスを選択します。この一覧には、このバージョンの SQL Server のレポート サーバー インスタンスのみが表示されます。以前のバージョンの Reporting Services を構成することはできません。

  6. [接続] をクリックします。