標準のサブスクリプションの作成、変更、および削除

標準のサブスクリプションは、電子メールまたは共有フォルダーを使用してレポートを配信する個々のユーザーによって作成されるサブスクリプションです。標準のサブスクリプションは常に基になるレポートから定義されます。

サブスクリプションを作成するユーザーが、そのサブスクリプションを所有します。各ユーザーは、自分が所有するサブスクリプションを変更または削除できます。

注意

SQL Server 2008 R2 Reporting Services 以降では、サブスクリプションの所有権をプログラムによって転送できます。サブスクリプションの所有権の転送に使用できるユーザー インターフェイスはありません。詳細については、「ChangeSubscriptionOwner」を参照してください。

RSReportServer 構成ファイルの設定によっては、新しいユーザーをサブスクリプションに追加できます。たとえば、管理者が自分の部下の電子メール アドレスを追加すると、それらの各部下にレポートのコピーが送信されます。これがサポートされているかどうかは、個々のサブスクリプションを定義する際に、[宛先] フィールドが表示されるかどうかで決まります。詳細については、「電子メール配信用のレポート サーバーの構成」を参照してください。

このトピックでは、個別のユーザーが作成および管理する標準のサブスクリプションに関する情報を記載しています。データ ドリブン サブスクリプションについては、必要条件および手順が異なるため、別のトピックで説明します。詳細については、「データ ドリブン サブスクリプションの作成、変更、削除」を参照してください。

サブスクリプションの要件

レポートに対するサブスクリプションを作成する前に、以下の必要条件を満たす必要があります。

要件

説明

権限

レポートへのアクセス権は必須です。レポートをサブスクライブするには、レポートを表示する権限が必要です。

ロールの割り当てには、"個別のサブスクリプションを管理" タスクを含める必要があります。

格納された資格情報

実行時にデータを取得するには、保存された資格情報を使用するレポート、または資格情報を使用しないレポートが必要です。現在のユーザーの資格情報の権限借用や委任を使用して外部データ ソースに接続するように構成されているレポートは、サブスクライブすることはできません。保存された資格情報は、Windows アカウントまたはデータベース ユーザー アカウントのいずれかです。詳細については、「レポート データ ソースに関する資格情報と接続情報の指定」を参照してください。

レポート内のユーザー依存の値

標準的なサブスクリプションに限り、ユーザー アカウント情報をフィルターに組み込んだレポートや、レポートに表示されるテキストとしてのレポートのサブスクリプションを作成できます。レポートでは、現在のユーザーとして解釈される User!UserID 式を使用して、ユーザー アカウント名を指定します。サブスクリプションを作成する時点では、サブスクリプションを作成するユーザーが現在のユーザーとして想定されます。

モデル アイテム セキュリティは無効

モデルにモデル アイテム セキュリティの設定が含まれている場合、データ ソースとしてモデルを使用するレポート ビルダー レポートをサブスクライブすることはできません。この制限は、モデル アイテム セキュリティを使用するレポートのみが対象となります。

パラメーターの値

レポートでパラメーターを使用する場合、レポート自体または定義するサブスクリプションでパラメーター値を指定する必要があります。レポートで既定値が定義されている場合は、パラメーター値でその既定値を使用するように設定できます。詳細については、「サブスクリプションでのパラメータの設定」を参照してください。

サブスクリプションの作成

サブスクリプションを作成するには、実際のレポート サーバー配置に適合するツールと方法を選択します。

1 つのレポートに複数のサブスクリプションを作成して、サブスクリプションのオプションを変更することができます。たとえば、異なるパラメーター値を指定して、西支社の売上レポートと東支社の売上レポートのように、2 つのバージョンのレポートを作成できます。ただし、この逆は当てはまりません。単一の標準のサブスクリプションを使用して、1 つのレポートの複数のバージョンを作成することはできません。同じサブスクリプションから 1 つのレポートの複数のバージョンを作成する場合は、データ ドリブン サブスクリプションを使用する必要があります。

作成するサブスクリプションごとに、配信オプションを指定する必要があります。配信オプションは、選択する配信拡張機能によって決まります。配信拡張機能は、いくつかの配信方法をサポートするモジュールです。Reporting Services には複数の配信拡張機能があります。追加の配信拡張機能は、サード パーティ ベンダーから利用できる可能性があります。詳細については、「サブスクリプションの管理」を参照してください。

サブスクリプションの要素

サブスクリプション定義は、以下の要素で構成されています。

  • 自動的に実行できるレポート (つまり、格納された資格情報を使用するか、資格情報を使用しないレポート) へのポインター。

  • 配信方法 (たとえば電子メール) および配信モード (たとえば電子メール アドレス) の設定。

  • 特定の形式でレポートを表示する表示拡張機能。

  • サブスクリプションを処理する条件。この条件は、イベントとして示されます。

    通常、レポートを実行する条件は時間ベースです。たとえば、特定のレポートを火曜日の午後 3:00 (UTC) に実行できます。ただし、レポートをスナップショットとして実行している場合は、スナップショットが更新されたときに常に実行するようにサブスクリプションを指定できます。

  • レポートの実行時に使用するパラメーター。

    パラメーターは省略可能で、パラメーター値を許可するレポートにのみ指定されます。通常、サブスクリプションはユーザーが所有しているので、指定されるパラメーター値はサブスクリプションごとに異なります。たとえば、異なる部門の営業部長は、それぞれ所属する部門のデータを返すパラメーターを使用します。すべてのパラメーターで値が明示的に定義されているか、有効な既定値が定義されている必要があります。

サブスクリプション情報は、個別のレポートと共にレポート サーバー データベースに格納されます。サブスクリプションが関連付けられているレポートから切り離して、サブスクリプションを管理することはできません。説明やその他のカスタム テキスト、またはその他の要素を含むようにサブスクリプションを拡張することはできない点に注意してください。サブスクリプションには、以前に一覧表示したアイテムのみを含めることができます。

サブスクリプションの変更

サブスクリプションは、いつでも変更できます。サブスクリプションを処理中に変更する場合、配信拡張機能がサブスクリプション データを受け取る前に、更新された設定をレポート サーバー データベースに保存すると、その設定が使用されます。それ以外の場合は、既存の設定が使用されます。

サブスクリプションを検索するには、[個人用サブスクリプション] ページを使用するか、レポートに関連したサブスクリプション定義を表示します。サブスクリプションを直接検索することはできません。また、所有者名、トリガー情報、状態情報を基にサブスクリプションを検索することもできません。

レポート サーバー管理者もサブスクリプションを変更または削除することができます。

注意

レポート サーバー管理者は、特定のレポート サーバーで使用されている個別のサブスクリプションすべてを 1 か所から管理することはできません。ただし、個別のサブスクリプションそれぞれにアクセスして、変更または削除することができます。

サブスクリプションの削除

サブスクリプションを削除するには、レポートの [サブスクリプション] ページまたはレポート マネージャーで [個人用サブスクリプション] を開き、レポートを選択して、[削除] をクリックします。

サブスクリプションを取り消す方法については「実行中の処理の管理」を参照してください。

サブスクリプションを終了するときに、そのサブスクリプションを簡単に検索できない場合は、受信中のレポートをメモして、名前を使用して検索します。レポートにアクセスすると、サブスクリプションから自分を削除できます。サブスクリプションを検索できない場合は、サブスクリプションがデータ ドリブン サブスクリプションである可能性があります。詳細については、レポート サーバー管理者に問い合わせてください。

基になるレポートを削除すると、サブスクリプションは自動的に削除されます。サブスクリプションを処理中に削除する場合、配信拡張機能がサブスクリプション データを受け取る前に削除操作を行うと、サブスクリプションは停止します。それ以外の場合は、サブスクリプションの処理を続行します。