新機能 (Reporting Services)

SQL Server 2012 の Reporting Services にはいくつかの新機能が導入されています。

このリリースの、他の SQL Server 2012 製品およびテクノロジの機能の詳細については、「SQL Server 2012 における新機能」を参照してください。

この記事の内容

SQL Server 2012 Service Pack 1 (SP1)

Power View

SharePoint モード

データ警告

Visual Studio 用 SQL Server Data Tools でのレポート サーバー プロジェクト

Microsoft Excel 2007-2010 用 Excel レンダラーと Microsoft Excel 2003

Microsoft Word 2007-2010 用 Word レンダラーと Microsoft Word 2003

SQL Server 2012 Service Pack 1 (SP1)

注意

SQL Server 2012 SP1 および SQL Server BI 機能のインストールの概要については、「SQL Server BI 機能の SQL Server 2012 SP1 へのアップグレード」を参照してください。

SQL Server 2012

Power View

Microsoft SharePoint Server 2010 Enterprise Edition 用の SQL Server 2012 Reporting Services アドインの機能である Power View では、対話型データの探索、ビジュアル化、およびプレゼンテーションが可能です。 データ アナリスト、意思決定者、インフォメーション ワーカーなどのビジネス ユーザーは、ドラッグ アンド ドロップ カスタム レポートを作成できます。 Power View のレポートでは、RDLX という新しいファイル形式が使用されています。

Power View は、PowerPivot for Excel および PowerPivot for SharePoint で提供されているセルフサービス BI 機能を拡張しています。これによりインタラクティブなビジュアル化、アニメーション、およびスマート クエリを使用して、モデル化されたデータを有効にビジュアル化および操作できるようになります。 Power View は、SharePoint Server 2010 内から起動する、ブラウザーベースの Silverlight アプリケーションです。ユーザーは、インタラクティブなプレゼンテーションを通じて組織で意見を提示したり、他のユーザーと共有したりすることができます。

ベースはテーブル モデル

Power View では、ユーザーは SQL Server 2012 Analysis Services (SSAS) のテーブル モデルを基にしてレポートを作成します。 テーブル モデルでは、メタデータを使用して、定義済みの関係や動作を含む、基になるデータ ソースをエンド ユーザーに理解できる形式で提示します。 テーブル モデルの詳細については、「新機能 (Analysis Services)」および「テーブル モデリング (SSAS テーブル)」を参照してください。

レポート ビルダーとの共存

Power View は、表現力豊かな運用レポートを設計するためのレポート作成ツールであるレポート ビルダーに代わるものではありません。 Power View は、Web ベースのカスタム レポートのニーズに対応します。 どちらも SQL Server 2012 内に含まれており、最新バージョンのレポート ビルダーと共存させることができます。

詳細については、以下を参照してください。

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SharePoint モード

SharePoint 統合は、SharePoint の IT 管理者の操作性、エンド ユーザー エクスペリエンス、およびサポート性を大幅に向上させるために再構築されています。 新しいアーキテクチャは、SharePoint 2010 の共有サービスとして実装されます。 共有サービス アーキテクチャにより、Reporting Services では SharePoint 製品の IT 機能の多くを活用できます。 このリリースの利点の一部を次に示します。

  • Reporting Services SharePoint モードの構成は、すべて SharePoint サーバーの全体管理で行うようになりました。具体的には、Reporting Services サービス アプリケーションの管理ページを使用するか、Reporting Services SharePoint モードの PowerShell コマンドレットを使用します。

    重要な注意事項重要

    Reporting Services 構成マネージャーは、Reporting Services SharePoint モードではサポートされなくなりました。 SharePoint モードの構成は、すべて SharePoint サーバーの全体管理を使用して行います。

  • Reporting Services サービス アプリケーションのための SharePoint スケールアウト機能を使用できます。

  • 新しい Reporting Services 共有サービスは、SharePoint 共有サービス アプリケーション プールでホストされます。

  • 新しい Reporting Services サービス アプリケーションは、要求ベースの認証をサポートしています。

  • レポート表示のための SharePoint クロスファームをサポートしています。

  • SharePoint のバックアップと回復、およびエンド ツー エンドの SharePoint ULS ログをサポートしています。

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データ警告

Reporting Services の "データの警告" は、関心のあるレポート データの変更を適切なタイミングで通知する、データ駆動型の警告ソリューションです。

年間売上、平均月次売上、販売員の担当区域別販売目標などの情報を含む売上レポートを考えてみましょう。 販売担当者は、どのように販売が進んでいるかを知りたいと思われます。 売上レポートにデータの警告を作成すると、年間売上が特定の値を上回ったり、下回ったりした場合、または注意を要するデータを含んでいる場合に、メッセージを受け取ることができます。 データ警告定義のルールでは、データ警告をトリガーするデータ値を指定します。 AND および OR 演算子をルールで使用することにより、多くの句を結合して複雑なルールを作成し、通知を受け取る必要のあるレポート データ値を正確に定義できます。

場合によっては、レポート内の特定のデータの存在が重要になります。 たとえば、最初にキャンセルが発生すると、キャンセルされた注文を一覧表示するレポートが重要になります。 特定のデータ値ではなく、データの存在が重要なレポートにデータの警告を作成することができます。

データ警告メッセージは電子メールで送信されます。 情報の重要性に応じて、警告メッセージの送信頻度を選択したり、結果が変更された場合にのみ警告メッセージが送信されるようにすることができます。 警告メッセージに対して複数の受信者を指定し、この方法で他のユーザーに通知し、効率性とコラボレーションを強化することができます。 警告メッセージをすぐに送信する必要がある場合は、スケジュールされた時刻に自動的に実行されるのを待つのではなく、直ちに警告メッセージを直接実行できます。

データの警告機能は、大きく次の機能に分けることができます。

  • データ警告の定義の作成と保存: ユーザーは、レポートの表示、データ警告の追加、関心のあるデータ値を識別するルールの作成、警告を送信する定期的なパターンの定義、データ警告メッセージの受信者の指定などを行います。

  • データ警告の定義の実行: 警告サービスは、予定された時刻にデータ警告の定義を実行してレポート データを取得し、警告の定義にあるルールに基づいてデータ警告をトリガーします。

  • 受信者へのデータ警告メッセージの配信: 警告サービスは、警告のインスタンスを作成し、データ警告メッセージを電子メールで受信者に送信します。

データ警告には、データ警告インスタンスおよび定義の作成と管理のための次のツールが用意されています。

  • データ警告デザイナー: ユーザーはデータ警告の定義を作成および編集します。

  • ユーザー用のデータ警告マネージャー: ユーザーは、データ警告についての情報を表示したり、データ警告の定義を削除したり、警告の定義を開いて編集したりできます。

  • 警告管理者用のデータ警告マネージャー: 警告管理者は、SharePoint サイトのすべてのユーザーによって作成されたデータ警告を一覧表示したり、警告を削除したりすることができます。

詳細については、「データ警告 (SSRS)」、「データ警告デザイナー」、「SharePoint ユーザー用のデータ警告マネージャー」、および「警告管理者用のデータ警告マネージャー」を参照してください。

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Visual Studio 用 SQL Server Data Tools でのレポート サーバー プロジェクト

SQL Server 2012 では、SQL Server データ ツール (SSDT) は Visual Studio に対するアドインです。 SQL Server 2008 R2 で作成したレポート サーバー プロジェクトを、SQL Server データ ツール (SSDT) で直接開くことができます。 SQL Server 2008 で作成されたプロジェクトは、SQL Server データ ツール (SSDT) で開くと自動的にアップグレードされます。 既存および新規のレポート サーバー プロジェクトの管理を容易にするため、SQL Server 2008 R2 および SQL Server 2008 で作成されたプロジェクトを SQL Server 2012 のビジネス インテリジェンス ソリューションに引き続き追加できるようになっています。

また、2005 および 2008 RDL スキーマを使用するレポートも、引き続き SQL Server データ ツール (SSDT) で開いて編集できます。 ただし、レポートで使用されているスキーマと互換性のないレポート項目を追加した場合は、レポートは 2010 RDL スキーマに自動的にアップグレードされます。

Microsoft Excel 2007-2010 用 Excel レンダラーと Microsoft Excel 2003

SQL Server 2012 で新しく採用された Reporting Services Excel 表示拡張機能では、インストールされている Word/Excel/PowerPoint 用 Microsoft Office 互換機能パックによって、レポートが Microsoft Excel 2007-2010 および Microsoft Excel 2003 と互換性のある Excel 文書として表示されます。 形式は Office Open XML で、ファイルの拡張子は XLSX です。

この Excel 表示拡張機能では、Excel 2003 と互換性のある以前のバージョンの制約が取り除かれています。 表示拡張機能で強化された点を次に示します。

  • ワークシートあたりの最大行数: 1,048,576 行

  • ワークシートあたりの最大列数: 16,384

  • ワークシート内で使用できる色の数: 約 1,600 万色 (24 ビット カラー)

  • ZIP 圧縮によるファイル サイズの削減

詳細については、「Microsoft Excel へのエクスポート (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

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Microsoft Word 2007-2010 用 Word レンダラーと Microsoft Word 2003

SQL Server 2012 で新しく採用された Reporting Services Word 表示拡張機能では、インストールされている Word/Excel/PowerPoint 用 Microsoft Office 互換機能パックによって、レポートが Microsoft Word 2007-2010 および Microsoft Word 2003 と互換性のある Word 文書として表示されます。 形式は Office Open XML で、ファイルの拡張子は DOCX です。

エクスポートされたレポートで Word 2007-2010 の新機能が利用できるようになる点に加え、エクスポートされたレポートの *.docx ファイルのサイズが小さくなる傾向があります。 Word レンダラーを使用してエクスポートされたレポートは通常、Word 2003 レンダラーを使用してエクスポートされた同じレポートよりもサイズがかなり小さくなります。

詳細については、「Microsoft Word へのエクスポート (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

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関連項目

概念

SQL Server 2012 の各エディションがサポートする機能

Reporting Services のアップグレードと移行

Reporting Services (SSRS)