リンク メジャー グループの定義

リンク メジャー グループは、同じデータベースまたは別の Analysis Services データベース内の別のキューブ内にある他のメジャー グループに基づいています。 複数のキューブでメジャーのセットや対応するデータ値を再利用する場合、リンク メジャー グループを使用できます。

同じサーバー上で実行されるソリューションに、元のメジャー グループとリンク メジャー グループがあるようにすることをお勧めします。 リモート サーバー上のメジャー グループへのリンクは、今後のリリースで非推奨となる予定です (「SQL Server 2012 における Analysis Services 非推奨機能」を参照してください)。

重要な注意事項重要

メジャー グループは読み取り専用です。 最新の変更内容を取得するには、変更されたデータ ソース オブジェクトに基づいて、すべてのリンク メジャー グループを削除し、再作成する必要があります。 このため、今後メジャー グループの変更が必要になった場合は、プロジェクト間でメジャー グループをコピーし貼り付ける方法も検討してください。

使用法の制限

前に説明したように、リンク メジャーを使用する際の重要な制約事項は、リンク メジャーを直接カスタマイズできないことです。 データ型、形式、データ バインド、表示の有無、およびメジャー グループ自体に含まれるアイテムのメンバーシップに対する変更はすべて、元のメジャー グループで実行する必要がある変更です。

操作上、リンク メジャー グループは、クライアント アプリケーションからアクセスする場合はその他のメジャー グループとまったく同じであり、クエリもその他のメジャー グループと同様に行われます。

リンク メジャー グループを含むキューブでクエリを実行する場合、対象のキューブの最初の計算パスでリンクが確立され解決されます。 このため、リンク メジャー グループに格納されている計算は、クエリが評価されるまで解決できません。 つまり、計算されるメジャーと計算されるセルは、ソース キューブから継承されるのではなく、対象のキューブで再作成される必要があります。

使用法の制限を次に示します。

  • リンク メジャー グループを別のリンク メジャー グループから作成することはできません。

  • リンク メジャー グループのメジャーの追加や削除はできません。 メンバーシップは元のメジャー グループでのみ定義されます。

  • リンク メジャー グループでは、書き戻しがサポートされていません。

  • リンク メジャー グループは、複数の多対多リレーションシップでは使用できません。特に、これらのリレーションシップがさまざまなキューブに含まれている場合は注意してください。 このような状況で使用すると、あいまいな集計が行われる可能性があります。 詳細については、「多対多リレーションシップを含むキューブ内のリンク メジャーで発生する正しくない数量」を参照してください。

リンク メジャー グループに含まれるメジャーは、同一の Analysis Services データベースから取得したリンク ディメンションに従って直接編成できます。 ただし、計算されるメンバーを使用すると、リンク メジャー グループから、キューブ内の他のリンクされていないディメンションに情報を関連付けることができます。 さらに、参照リレーションシップや多対多リレーションシップなどの間接リレーションシップを使用して、他のリンクされていないディメンションをリンク メジャー グループに関連付けることもできます。

リンク メジャーの作成または変更

SQL Server Data Tools を使用して、リンク メジャー グループを作成します。

  1. 後続のキューブでリンク メジャー グループを再作成しなくて済むように、ソース キューブで、元のメジャー グループに対する変更内容を最終処理します。 リンク オブジェクトの名前を変更することはできますが、他のプロパティでは変更できません。

  2. ソリューション エクスプローラーで、リンク メジャー グループを追加するキューブをダブルクリックします。 この手順では、キューブ デザイナーでキューブを開きます。

  3. キューブ デザイナーの [メジャー] ペインまたは [ディメンション] ペインで、どちらかのペインの任意の場所を右クリックし、[新しいリンク オブジェクト] を選択します。 これにより、リンク オブジェクト ウィザードが起動します。

  4. 最初のページで、データ ソースを指定します。 この手順によって、元のメジャー グループの場所が設定されます。 既定値は現在のデータベース内の現在のキューブです。ただし、別の Analysis Services データベースを選択することもできます。

  5. 次のページで、リンクするメジャー グループまたはディメンションを選択します。 ディメンションとキューブ オブジェクト (メジャー グループなど) は、別々に一覧表示されます。 現在のキューブにまだ存在しないオブジェクトだけが利用可能になっています。

  6. [完了] をクリックして、リンク オブジェクトを作成します。 リンク オブジェクトが [メジャー] ペインと [ディメンション] ペインに表示され、リンク アイコンが示されます。

リンク メジャーのセキュリティ保護

リンクが定義されると、リンク メジャー グループのメジャーへのアクセスは、他のメジャー グループへのアクセスと同じように管理されます。 ロール デザイナーでは、リンク オブジェクトは、そのオブジェクトに相当するリンクされていないオブジェクトの横に表示されます。 メジャー グループのセキュリティ管理の詳細については、「キューブまたはモデル権限の付与 (Analysis Services)」を参照してください。

リンク メジャー グループを定義または使用するには、Analysis Services インスタンスの Windows サービス アカウントが、ソース Analysis Services インスタンスでソース キューブおよびメジャー グループに対する ReadDefinition アクセス権および Read アクセス権を持つ Analysis Services データベース ロールに属しているか、またはソース Analysis Services インスタンスの Analysis Services Administrators ロールに属している必要があります。

関連項目

概念

リンク ディメンションの定義