順方向専用カーソル (データベース エンジン)

順方向専用カーソルは、スクロールをサポートしていません。カーソル内の最初から最後まで順次に行をフェッチする機能だけをサポートしています。行はフェッチされるまで、データベースから取得されません。現在のユーザーが作成または別のユーザーがコミットした INSERT、UPDATE、および DELETE ステートメントが、結果セット内の行に与えた影響は、カーソルから行をフェッチした際に確認できます。

カーソルは後方にスクロールできないので、データベース内の行のフェッチ後にその行に対して行われた変更内容の大部分は、カーソル内で確認できません。クラスタ化インデックスに含まれる列の更新など、結果セット内の行の位置の判定に使用する値が変更されるような場合は、変更された値がカーソル内で表示されます。

データベース API カーソル モデルでは、順方向専用カーソルが特殊な種類のカーソルと見なされますが、SQL Server では違います。SQL Server では、順方向専用とスクロールの両方が静的カーソル、キーセット ドリブン カーソル、および動的カーソルに適用できるオプションと見なされます。Transact-SQL カーソルは、順方向専用の静的カーソル、キーセット ドリブン カーソル、および動的カーソルをサポートします。データベース API カーソル モデルでは、静的カーソル、キーセット ドリブン カーソル、および動的カーソルが常にスクロール可能であることを前提としています。データベース API カーソルの属性またはプロパティを順方向専用に設定すると、SQL Server により、カーソルは順方向専用の動的カーソルとして実装されます。