Analysis Services の開発環境と管理環境の概要

Microsoft Corporation

July 2004

適用対象:
    Microsoft SQL Server 2005

要旨: SQL Server 2005 では、機能豊富な一連のツールを導入して、ビジネス インテリジェンス アプリケーションの開発と管理をサポートしています。サポートされるアプリケーションには、Reporting Services やデータ変換サービス (DTS) と共に Analysis Services (OLAP およびデータ マイニング) を使用するアプリケーションがあります。

目次

はじめに
Business Intelligence Development Studio
SQL Server Management Studio
プロファイラ
ユーティリティ

はじめに

SQL Server 2005 では、機能豊富な一連のツールを導入して、ビジネス インテリジェンス アプリケーションの開発と管理をサポートしています。サポートされるアプリケーションには、Reporting Services やデータ変換サービス (DTS) と共に Analysis Services (OLAP およびデータ マイニング) を利用したアプリケーションがあります。

この資料では、OLAP アプリケーションやデータ マイニング アプリケーションを開発または管理するユーザーのさまざまな環境の概要が提供されます。ただし、このような環境内でホストされるさまざまな設計者すべての詳細が提供されるわけではありません。このような詳細については、製品ドキュメントで説明されています。

SQL Server 2005 の開発環境と管理環境

次の 2 つの主要な開発環境と管理環境があります。

  • Business Intelligence (BI) Development Studio。 この環境を使用して、BI アプリケーションをビルドおよび保守できます。したがって、キューブやマイニング モデルを定義する DBA は、BI Development Studio を使用することになります。ここで実行される機能には、以下のものがあります。

    • Analysis Services オブジェクト (キューブ、ディメンション、マイニング モデル、セキュリティ ロール ) のすべての詳細の定義と、このような定義のテストまたはデバッグ (データの参照を含みます)。

    • Reporting Services レポートや DTS パッケージなど、アプリケーションのその他のコンポーネントのすべての詳細の定義。

  • SQL Server Management Studio。 この環境を使用して、Analysis Services サーバー、Reporting Services サーバー、DTS サーバーなど、SQL Server ファミリのすべての種類のサーバーを管理します。この環境では、配置済みのアプリケーションの管理がサポートされます。ここで実行される機能には、以下のものがあります。

    • バックアップと復元などの管理タスクと処理。

    • Analysis Services オブジェクトの管理作業に関連すると見なされる詳細の定義。たとえば、新しいパーティションの追加、セキュリティ ロールへのユーザーの追加など。その他の詳細を定義または変更するために提供されるデザイン ツールはありません。たとえば、キューブに新しいディメンションを追加することは、管理作業とは見なされません。

    • データの参照、およびMDX クエリや DMX クエリの発行。

    • オブジェクトやタスクのスクリプト化、および XMLA クエリの発行 (オブジェクトの作成、オブジェクトの削除、処理など)。

    • ログ ファイルの場所などの、サーバー プロパティの変更。

  • したがって、'開発' と '管理' という 2 つの異なる一連の作業は、2 つの環境に分割されます。これは、分析マネージャが開発と管理の両方を対象としている SQL Server 2000 ツールとは対照的です。

BI Development Studio と SQL Server Management Studio は、どちらも Visual Studio 開発環境を基盤としています。Beta 2 後の計画では、BI Development Studio は単純に Visual Studio 開発環境を使用して、Visual Basic コードや Visual C# コードなどのアプリケーションの "すべての" コンポーネントの開発をサポートする環境を提供することになります。

以下のツールやユーティリティも SQL Server 2005 で提供されます。

  • SQL Server プロファイラ。 プロファイラでは、Analysis Services などのさまざまなサーバーで発生するイベントをトレースして、そのようなイベントをキャプチャ、調査、および再生できます。

  • 移行ウィザード (Migration Wizard) このウィザードでは、Analysis Services オブジェクトが SQL Server 2000 から SQL Server 2005 に移行されます。

  • 配置ウィザード (Deployment Wizard)。 このウィザードでは、Analysis Services オブジェクトが BI Development Studio 内でビルドされたときに、そのオブジェクトのテスト環境や実稼働環境への配置が支援されます。

この資料の残りの部分では、特に BI Development Studio に重点を置いて、これらのツールやユーティリティをさらに詳しく説明します。

Business Intelligence Development Studio

この環境では、開発作業に重点が置かれます。ここでは、'プロジェクト モード' と呼ばれる、Analysis Services では新しいスタイルの開発が導入されます。また、分析マネージャのユーザーにとっては使い慣れた 'オンライン モード' もサポートされます。どちらの作業モードも以下で説明します。

プロジェクトの紹介

開発者 は、プロジェクト モードで、一連の Analysis Services オブジェクト (データ ソース、キューブ、ディメンション、マイニング モデルなど) を含む Analysis Services (AS) プロジェクトを作成します。プロジェクトの定義、およびプロジェクトに含まれるすべてのオブジェクトは、XML 表記を使用して、ファイルとしてファイル システムに格納されます。開発者はその定義をテストおよびデバッグするために、プロジェクトを指定した AS サーバーに頻繁に '配置' して、サーバー上にオブジェクトを作成することになります 。

1 つのプロジェクト内のすべてのオブジェクトが、1 つの AS データベースに配置されます。オブジェクトは一連のファイルに格納されます。データ ソース、キューブ、ディメンションなどは、それぞれ独立したファイルに格納されます。プロジェクトのファイルはすべて、そのプロジェクトが作成されたファイル システム ディレクトリに格納されます。

新しい空の Analysis Services プロジェクトを作成する方法
  1. [ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、テンプレート Analysis Services プロジェクトを選択し、(必要に応じて) プロジェクト ファイルが作成される場所を変更します。

新しいプロジェクトを作成するために、サーバーから AS データベースをインポートすることもできます。このことは、以下で説明する SQL Server 2000 から SQL Server 2005 への移行に特に関連しています。このような移行では、一般的に、さらに開発を進めるために、移行されるデータベースがプロジェクトにインポートされることになります。

既存のデータベースから Analysis Services プロジェクトを作成する方法
  1. [ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、テンプレート Analysis Services 9.0 データベースをインポートします を選択し、(必要に応じて) プロジェクト ファイルが作成される場所を変更します。

プロジェクトはテストやデバッグの目的で頻繁にサーバーに配置されますが、そのプロジェクトは定義の主たる 'ソース' として残ります。したがって、その後の変更は、プロジェクトを開き、変更を加え、再度配置することによって行われることになります。

既存の Analysis Services プロジェクトを開く方法
  1. [ファイル] メニューの [開く] をポイントし、[プロジェクト/ソリューション] をクリックします。

  2. [ファイル] メニューの [最近使ったプロジェクト] をポイントし、最近使用されたプロジェクトの一覧からプロジェクトを選択します。

次のように、BI アプリケーションのその他の要素に対応する他の種類のプロジェクトもあります。

  • Reporting Services レポート プロジェクトには、一連のレポート定義 (と関連するデータ ソース) が含まれ、同じ Reporting Services サーバーまたはフォルダに配置されます。

  • DTS プロジェクトには、一連の DTS パッケージ定義 (と関連するデータ ソース) が含まれます。

ソリューション

複数のプロジェクトを1 つの 'ソリューション' にグループ化できます。ソリューションは、関連するプロジェクトのコンテナにすぎません。たとえば、ソリューション "Sales Reporting" には次のものが含まれます。

  • Sales データのキューブを定義する AS プロジェクト。

  • そのキューブに対するいくつかのレポートを含むレポート処理プロジェクト。

  • 定期的にそのキューブを処理する DTS パッケージ。

ソリューションは、便宜上これらのプロジェクトをグループ化するように動作するので、同じ場所に配置されることを意味するわけではありません 。

新しいプロジェクトが作成されるときには、常に、新しいソリューションも作成されます。既定では、このソリューションがソリューション エクスプローラに表示されます。ただし、ツールのオプションにより、必要に応じて非表示にできます。したがって、新しい AS プロジェクトでは、常に、少なくとも次の 2 つのファイルが作成されます。

  • 全体としてソリューションの詳細を含む、サフィックス .slnbi を持つ 1 つのファイル。

  • AS プロジェクトの詳細を含む、サフィックス .dwproj を持つ 1 つのファイル。

Analysis Services プロジェクトを含む既存のソリューションに レポート プロジェクトを追加する方法
  1. ソリューション エクスプローラで、最上位のノード (ソリューション自体を表します) を右クリックし、[追加] をポイントして、[新しいプロジェクト] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、テンプレート レポート プロジェクト を選択します。

環境の要素

ここでは、BI Development Studio を構成する要素を説明します。

主な要素

以下の図では、サンプル AS プロジェクトを開き、環境の主な要素を強調した BI Development Studio が示されています。

ms345127.OvASDMEn01(ja-jp,SQL.90).jpg

主な要素には、以下のものがあります。

  • ソリューション エクスプローラ。 ソリューション エクスプローラは、現在開かれているソリューションを表示するウィンドウです (この例では、"Adventure WorksAS" という 1 つの AS プロジェクトが含まれています)。データ ソース、キューブ、ディメンションなどを含むファイルが表示され、ファイルを開くことによって、関連オブジェクトの定義を編集できる適切なデザイナが起動されます 。

    以下のフォルダが、許容される各オブジェクトの種類に対応します。

    • データ ソース。

    • データ ソース ビュー。

    • キューブ (キューブに含まれるパーティションを含みます)。

    • ディメンション。

    • マイニング モデル (構造と含まれるマイニング モデル)。

    • アセンブリ。このフォルダには、ストアド プロシージャを定義するアセンブリへのすべての参照が含まれます。

    • ロール。

    • その他。このフォルダには、プロジェクトに関連する、Excel ワークシートなどの任意の補助ファイルやテキスト ファイルが含まれます (これらのファイルは AS サーバーには配置されません)。

プロジェクトで新しいオブジェクトを作成する方法

  1. ソリューション エクスプローラで、適切なフォルダを右クリックし、[<オブジェクトの種類>の新規作成] をクリックします。これにより、オブジェクトを作成できる関連ウィザードが起動されます。(主要なオブジェクトの場合は) ウィザードの完了時に、デザイナが開きます。

  2. または (まれに既存のオブジェクトを含めるために、次の作業を行います)。

  3. ソリューション エクスプローラで、プロジェクト ノードを右クリックして、[追加] をポイントし、[既存の項目] をクリックします。表示されるダイアログ ボックスで、関連ファイルを選択します。これにより、選択したファイルがプロジェクト フォルダにコピーされ、プロジェクトに追加されることになります。

    ソリューション エクスプローラでファイルを削除してコピーできます。ファイル システム内のソリューション全体のディレクトリまたはプロジェクト ディレクトリをコピーすることによって、ソリューション全体とプロジェクトまたはどちらか一方をコピーすることができます。

  • Analysis Services のデザイナ。 図では、現在、"Adventure Works" キューブと "Product" ディメンションの 2 つのデザイナが開かれているところが示されています。ここでは、"Adventure Works" キューブのデザイナが現在 'アクティブ' になっています。オブジェクトの種類それぞれに独自の固有のデザイナがあります (ただし、簡単なダイアログなど、簡単な種類のオブジェクトのいくつかの例外を除きます)。より複雑な種類のオブジェクトの場合は、デザイナ内に個別のタブがあります。各タブは、オブジェクトの定義の異なる部分に対応します。この例の Cube Designer には、キューブの基本構造、ディメンションの用途、計算などを定義するさまざまなタブがあります。また、キューブ データを参照できるタブもあります。また、デザイナの各タブには、そのタブに関連する最も一般的な操作をサポートするツールバーが含まれています。

    各デザイナでは、2 つのビューが提供されます。ほとんどの場合、例で示したように 'デザイナ' ビューが使用されます。また、より高度で詳しい操作が必要な場合には、'コード' ビューを使用してファイルを開くことができます。このビューでは、単にファイルの XML コンテンツがそのまま表示されます。

  • [プロパティ] ウィンドウ。 [プロパティ] ウィンドウには、現在選択しているオブジェクトのプロパティが表示されます。プロパティは、カテゴリ別またはアルファベット順のいずれかで表示できます (このビュー オプションは、ウィンドウの上部のボタンで制御されます)。ソリューション エクスプローラでファイルが選択されると、表示されるプロパティはファイル内のオブジェクトではなく、ファイル自体のプロパティになります。

    ファイルの名前と、ファイル内に格納されるキューブ、ディメンションなどの名前には、わずかな違いがあります。ただし、ファイルの名前が変更される場合に、オブジェクトの名前も変更するオプションが提供されます。通常、このような名前の変更が希望されます。

  • メイン メニュー。 メイン メニューには、常に表示されるメニュー項目と、現在アクティブなデザイナに基づいて追加される追加メニュー項目があります。上記の例では、 Cube Designer がアクティブな間はメニュー項目 "キューブ" のみが表示されます。

  • ツールバー。 ツールバーには、最も一般的な操作に関する項目が含まれます。また、時には現在アクティブなデザイナに基づいて、別のツールバーが追加されます。AS プロジェクトのビルド中は、最も関連性の高いツールバー項目は、明らかに [すべてを保存] ボタンです。

その他の要素

以下の図には、あまり中心的ではない、環境のその他の要素が含まれています。これらの要素は、多くの場合、まったく表示される必要がなく、必要に応じて表示されます。

ms345127.OvASDMEn02(ja-jp,SQL.90).jpg

  • [Deployment Progress] ウィンドウ。 対象のサーバーにプロジェクトが配置されるときに、配置の進行状況を示すためにこのウィンドウが表示されます (既定では、オブジェクトの処理中にも表示されます)。すべての処理エラーの詳細が、このウィンドウに書き込まれます。

    既定では、このウィンドウは [プロパティ] ウィンドウを表示するための 'タブ付き' です。つまり、このウィンドウは [プロパティ] ウィンドウと同じ場所に、[プロパティ] ウィンドウの前に表示されます。[プロパティ] タブを選択することにより、[プロパティ] ウィンドウが再度前面に表示されます。

    ms345127.OvASDMEn03(ja-jp,SQL.90).jpg

  • [エラー一覧] ウィンドウ。 検証中または配置中に何らかのエラーが検出されると、このウィンドウが表示されます。このウィンドウにはエラーのテキストが表示されます。(検証中に検出されたエラーの場合は) エラーをダブル クリックすることにより、関連するダイアログ ボックスが起動されます。一般的には、画面領域を節約するために、すべてのエラーを修正したら、このウィンドウを閉じることをお勧めします。

    ms345127.OvASDMEn04(ja-jp,SQL.90).jpg

  • [出力] ウィンドウ。 配置のビルド (検証) フェーズ中にこのウィンドウが表示されます。このウィンドウには、テキスト形式の進行状況情報が含まれます。AS プロジェクトだけを考えると、このウィンドウには [Deployment Progress] ウィンドウに提供される値に表示が限定されるので、画面領域を節約するために、この自動表示をオフに切り替えることをお勧めします。

[出力] ウィンドウの自動表示をオフに切り替える方法
  1. [ツール] メニューから [オプション] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスの左側のウィンドウで、[プロジェクトおよびソリューション] ノードをクリックします。

  3. [ビルド開始時に出力ウィンドウを表示] チェック ボックスをオフにします。

    図では示されていませんが、以下の追加ウィンドウがあります。

  1. ツールボックス。このウィンドウには、レポートにドラッグできる 'List' 項目や 'Chart' 項目などの 'ツールバー項目' が含まれます。AS プロジェクトだけを考えると、値は提供されません。

  2. タスク一覧。タスク一覧には、単に、ユーザーが追加した、プロジェクトに関連付けられた任意のタスク ("To do" 項目) が含まれます。タスク一覧は、明示的に開かれた場合のみ表示されます。

ツール オプション

環境では、環境の動作の詳細を制御する多くのオプションが提供されます (上記で、[出力] ウィンドウの表示に関連するオプションを示しました)。

ms345127.OvASDMEn05(ja-jp,SQL.90).jpg

オプションを表示する方法
  • [ツール] メニューから [オプション] をクリックします。

以下は、AS プロジェクトでの作業時に最も関連する小さなサブセットです。

  • 環境\フォントおよび色。 このオプションでは、使用するフォントを制御できます。たとえば、(ドロップダウンから "ビジネス インテリジェンス デザイナ" を選択することによって表示される) AS デザイナ内で使用されるフォントなどです。

    (ソリューション エクスプローラやメイン メニューなど) 環境の大部分で使用されるフォントは、実際には、標準システム フォントから取得されます。

関連システム フォントを変更する方法
  1. コントロール パネルを開き、[画面] をクリックします。

  2. [デザイン] タブで [詳細設定] ボタンをクリックします。

  3. [指定する部分] ドロップダウンからアイコンを選択します。

  4. 使用するフォントを定義します。

  • ビジネス インテリジェンス デザイナ\ Analysis Services デザイナ。 このオプションでは、デザイナのさまざまな設定を制御できます。たとえば、AS サーバーへの任意の接続に使用するクエリ タイムアウトや接続タイムアウト、作成する新しいプロジェクトごとに使用する既定の対象サーバーなどです。

  • プロジェクトおよびソリューション\全般。 このオプションでは、プロジェクトのさまざまな設定を制御できます。中でも重要なのは、(上記で説明したように) [出力] ウィンドウを自動的に表示するかどうか、およびソリューションに 1 つしかプロジェクトが含まれていない場合 (一般的な場合です)、ソリューションを表示するかどうかです。

ツール オプションと似ているのは、MDX を作成できるデザイナ内でテキストを折り返すかどうかを制御するオプションです。関連するメニュー項目は、[編集] メニューの [詳細] メニュー項目の [Word Wrap] です。

環境のカスタマイズ

環境をカスタマイズすることは、多くの点で高度なトピックですが、そのようなカスタマイズにより、複雑で使いにくい環境に単純性や好みを適用できます。

可能なさまざまなカスタマイズには、以下のものがあります。

  • ウィンドウの位置と状態。 ソリューション エクスプローラ、[プロパティ] ウィンドウ、[エラー一覧] ウィンドウなどのウィンドウは、'ツール ウィンドウ' と呼ばれています。これらのウィンドウは、以下の任意の状態で表示できます。

    • [ドッキング可能]。つまり、ウィンドウは他のツール ウィンドウに '固定' (整列) されます (ソリューション エクスプローラと [プロパティ] ウィンドウはどちらも既定で固定されます)。ドッキング可能ウィンドウは、ドラッグ アンド ドロップにより、他のツール ウィンドウや環境の端に相対的な位置に変更できます。また、他のツール ウィンドウに切り替える 'タブ付き' にもできます。

    • [フローティング]。あまり一般的ではありませんが、ツール ウィンドウを 'フローティング' にできます。これにより、ウィンドウはフリー フローティング ウィンドウとして環境内に表示され、必要に応じて位置を移動できます。

    • [自動的に隠す]。この状態では、ウィンドウは環境の端に小さなタブとしてのみ表示されます。ただし、このタブ上にマウスを移動するとウィンドウが拡張され、ウィンドウの外部をクリックすると、再度タブに縮小されます。既定では、ツールボックスがこの状態で表示されます。

    • [非表示]。単純にツール ウィンドウを閉じることができます。非表示にした後、[表示] メニューを使用して再表示できます (たとえば、[表示] メニューの [その他のウィンドウ]-[タスク一覧] により、タスク一覧が表示されます)。

    • [タブ付きドキュメント]。ウィンドウを、デザイナに似たタブ付きドキュメントとして表示することもできます。

[Progress Reporting] ウィンドウは、やや特殊で、その表示状態はプロジェクト ショートカット メニューのメニュー項目によって制御されます (これは、ソリューションに複数の AS プロジェクトが含まれていた場合、プロジェクトごとに 1 つのウィンドウを持てるためです)。

ウィンドウの状態を変更する方法
  • ウィドウの見出しで下矢印をクリックして、必要な状態を選択します。

    '押しピン' のアイコンは、単にウィンドウを [自動的に隠す] から [ドッキング可能] に切り替えるショートカットで、'X (バツ印)' アイコンは明らかに [非表示] のショートカットです。

ウィンドウ レイアウトを初期状態に戻す方法
  1. [ウィンドウ] メニューの [ウィンドウ レイアウトのリセット] をクリックします。

  2. ツールバー。任意の時点に表示されるツールバーのセットをカスタマイズできます。また、各ツールバーに表示されるボタンを全体的にカスタマイズできるので、新しいツールバーを作成できます。あまり使用しないツールバー項目を削除するメリットの 1 つは、領域を節約できることです。特に、ツールバーが複数の行に折り返されるような場合に役に立ちます。ツールバーのカスタマイズは、Microsoft Word のような他のアプリケーションと同様に処理されます。

ツールバーをカスタマイズする方法
  • 右側の境界線をクリックして表示されるメニューで、一覧される項目を選択または選択解除するか、[カスタマイズ] をクリックして、完全なカスタマイズを行えるダイアログ ボックスを呼び出します。
ツールバーを移動する方法
  • 左側の境界線をクリックして、ドラッグ アンド ドロップします。

  • メニュー。表示されるメニューのセットをカスタマイズできます。繰り返しになりますが、Microsoft Word のような他のアプリケーションと同様です。

メニューをカスタマイズする方法
  • メニュー領域を右クリックし、ショートカット メニューで [カスタマイズ] をクリックします。

  • [コマンド] タブをクリックします。

  • コマンドを適切なメニューにドラッグするか、既存のメニュー項目を削除または再配置します。

もちろん、すべてのカスタマイズは複数のセッション間で保存されます。また、設定 (ツールのオプション設定やウィンドウ位置など) を明示的にエクスポートおよびインポートすることができます。

設定をエクスポートまたはインポートする方法
  • [ツール] メニューの[設定のインポートとエクスポート] をクリックします。

  • 表示されるダイアログ ボックスで、選択した設定を指定したファイルにエクスポートまたはインポートします。

配置

既に説明したように、オブジェクト定義を編集し、保存すると、単にプロジェクト内のファイルに保存されます。キューブやマイニング モデルの実行を実運用に対して実際にテストするには、まず、プロジェクトを指定した対象サーバーのデータベースに配置する必要があります。データベースの名前と対象サーバーは、プロジェクトのプロパティとして設定されます。既定では、次のようになります。

  • データベース名はプロジェクト名と同じになります (ただし、プロジェクトの名前を変更した場合、対象データベースの名前が自動的に変更されることはありません)。

  • 上記で説明したように、対象サーバーは、ツール オプションとして指定された対象サーバーになります (または、特定のサーバーがツール オプションとして定義されていない場合は "localhost" になります)。

プロジェクトの対象データベースとサーバーを設定する方法
  1. ソリューション エクスプローラで、プロジェクト ノードを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスの左側のウィンドウで、[配置] ノードをクリックします。

  3. 対象サーバーとデータベースを設定します。対象サーバーが名前付きインスタンスの場合は、<サーバー名>\<インスタンス名> の形式で入力します。

プロジェクトを配置する方法
  1. ソリューション エクスプローラで、プロジェクト ノードを右クリックして、[配置] をクリックします。または、

  2. [ビルド] メニューで [<プロジェクト名>の配置] をクリックします。

配置をキャンセルする方法
  • [ビルド] メニューで [キャンセル] をクリックします。

AS デザイナには、オブジェクトが配置されていることを必要とするさまざまな部分があります。このことが最も顕著なのはキューブ ブラウザやディメンション ブラウザで、必要なオブジェクトがまだ配置および処理されていない場合は、単純に背景が灰色で表示されます。ツールのその他の部分は操作できますが、この状態ではほとんど機能はありません (たとえば、メタデータ ブラウザでは計算を作成できますが、表示されるメタデータは配置済み、処理済みのキューブのみになります)。

配置の単位は、プロジェクト全体になります。したがって、配置の動作では、常に、プロジェクトの現在の定義が取り出され、それが対象サーバーに適用されます。プロジェクトの一部を配置することは選択できません。ただし、ツールでは (既定で) 増分配置が実行されます。そのため、配置時にプロジェクトの 1 つのオブジェクトが変更されており、このプロジェクトを再配置する場合は、変更された 1 つのオブジェクトだけがサーバーに再送されます。これは純粋に最適化のために行われており、結果的にはプロジェクト全体を配置するのと同じことになります (DeploymentMode プロジェクト プロパティを使用して、この最適化をオフにできます)。

既定では、配置中にオブジェクトが処理されます。使用される処理オプションは "ProcessDefault" になります。これはサーバーの処理オプションで、オブジェクトがまだ処理済み状態になっていない場合のみ、オブジェクトが処理されることになります。プロジェクト プロパティでは、配置中に実行される処理のレベルを制御できます。

既定の処理オプションの実質的な効果は、構造的な変更以外の変更 (説明の変更など) をキューブに行うのことなので、配置でデータを再処理することは要求されません。ただし、構造上の変更 (ディメンションの追加など) を行うと、再処理が必要になるので、非常に長い時間がかかる可能性があります。

注意 データ ソースまたはデータ ソース ビューに対する任意の変更は、構造上の変更とはみなされません (もちろん、ソース データ自体の変更も構造上の変更ではありません)。したがって、このような変更が行われている場合は、このような変更が確実に反映されるように、配置に続いて、キューブを完全に処理する必要があります。

プロジェクト全体を配置するという考え方により、開発者が配置作業から分離され、開発者は配置されている対象データベースを '所有' することになります。したがって、2 人の異なる開発者が同じプロジェクトの別のコピーで個別に作業し、"同じ" データベースに配置することはできません。チーム開発など、このようなアプローチが好ましい場合については、この資料の後半で説明します。

配置プロセスは、実際には、次の 2 つの手順で構成されます。

  • プロジェクトをビルドします。この手順では、プロジェクトのコンテンツが検証され、'出力' ファイルが作成されます。

  • プロジェクトからの出力を配置します。この手順では、出力定義が対象に送信され、オプションで処理が実行されます。

エラーはすべて [エラー一覧] ウィンドウに出力されます。検証はビルド中に行われますが、配置中のみに検出される種類のエラー (特に、処理中に見つかったデータ エラー) もあります。

ビルドからの出力は、プロジェクトによって定義されたデータベース全体の定義といくつかのサポート ファイルで構成されます。このファイルのセットは、C# プロジェクトをビルドした結果として出力される exe ファイルに似ています。既定では、出力はプロジェクト ディレクトリ内の "\bin" ディレクトリに作成されますが、この出力先はプロジェクトのプロパティにで制御できます。

ビルドの手順を個別に呼び出すこともできます。

プロジェクトをビルドする方法
  • ソリューション エクスプローラで、プロジェクト ノードを右クリックして、[ビルド] をクリックします。

[リビルド] は次の点を除いて [ビルド] と同じです。[ビルド] では、まず、出力ディレクトリが消去され、増分配置を決定する基になる詳細が削除されます。その結果、プロジェクト内の "すべての" オブジェクトが確実に配置されるようになります。

ビルドと配置に関連して、'デバッグ' という概念があります。デバッグを起動することによって、まず、ソリューション内の各プロジェクトがビルドされ、配置されることになります。その後の動作は、現在のアクティブ コンテキストによって異なります。たとえば、ユーザーが計算を編集している場合は、MDX スクリプト デバッガが起動されます。ディメンション エディタで作業をしている場合は、ディメンション ブラウザが起動されます。

デバッグを開始する方法
  • [デバッグ] メニューで、[開始] をクリックします (または、単に F5 キーを押します)。

構成

BI Development Studio では、さまざまな '構成' に対するサポートが用意されています。これは、いくぶん高度な機能で、主に、以下のようなシナリオを対象にしています。

  • 2 人の異なる開発者が同じプロジェクトで作業し、各開発者が独自の環境を保持します。つまり、各開発者が異なる対象データベースを保持し、異なるリレーショナル データ ソースを保持することさえできます。その結果、一方の開発者が開発やテスト中に他方の開発者に影響を与えることがありません。

  • 1 人の開発者がプロジェクトで作業していて、ある時点で別のデータ ソースでの作業を希望します (たとえば、通常はごく少量のデータしかないデータ ソースで作業していて、パフォーマンスを評価するときに、大量のデータを備えたデータ ソースに切り替えるような場合です)。

ツール内では、特定の物理環境固有のプロパティはすべて '構成可能' と見なされます。たとえば、データ ソース接続文字列、ログ ファイルの場所、データ ファイルの場所、および (対象サーバーやデータベースを含む) すべてのプロジェクト プロパティは構成可能です。さらに、複数の名前を持つ '構成' を追加できます。このような構成では、各構成が上記のような構成可能なプロパティに対して、異なる値を持つことができます。たとえば、"Development" 構成では、"AdventureWorks Small" というソース データベースが使用され、"Performance" 構成では "AdventureWorks Full" が使用されるといった場合です。表示され、使用される値が、現在アクティブな構成に設定される値です。既定では、"Development" という 1 つの構成が作成されます (ほとんどの場合、これ以上の構成が必要になることはありません)。

新しい構成を作成する方法
  1. [ビルド] メニューで [構成マネージャ] をクリックします。

  2. [アクティブ ソリューション構成] ドロップダウン リストで [<新規作成>] をクリックします。

  3. 新しい構成の名前を入力します。これにより、新しい構成が作成され、現在アクティブな構成になります。

アクティブな構成を変更する方法
  1. [ビルド] メニューで [構成マネージャ] をクリックします。

  2. [アクティブ ソリューション構成] ドロップダウン リストから必要な構成を選択します。

また、既定の標準ツール バーに、構成のドロップダウン リストが表示されます。

構成可能なプロパティを設定するために、特別な作業を行う必要はありません。標準のデザイナやプロパティ ウィンドウには、現在アクティブな構成に関連付けられた値が表示されます。そのため、構成を変更すると、それを受けて異なる値が表示されます。このような値はファイルとは別に格納されます。したがって、XML ビューに表示されるプロパティには、必ずしも、構成の変更により、実際のプロパティ値が反映されることにはならないことに注意してください。

チーム開発と再利用

複数の開発者が 1 つのプロジェクトで作業する、チーム開発の推奨アプローチは、ソース コード管理システムで変更を調整できるように、できる限り各開発者が個別のファイルで作業できるようにすることです。たとえば、最初の開発者が "Product.dim" ファイルと "Warehouse.dim" ファイルをチェックアウトして、これらのディメンションに変更を行っている間に、2 番目の開発者が "Employee.dim" ファイルをチェックアウトするとします。2 人の開発者が開発やテストを行っている間、2 人の開発者は分離されます (この場合、上記でも強調したように、作業は異なるデータベースに配置されることになります)。後で、このような変更を組み合わせることになります。

同じファイルでの並列作業が避けられない場合には、変更を手作業で組み合わせる必要があります (テキスト ファイルの比較やマージには標準のツールを使用できます)。

オンライン プロジェクト

上記の説明は、開発のプロジェクト モードのスタイルに重点を置いています。この場合、すべての変更がプロジェクト内のファイルに保存され、後でサーバーに配置されます。

もう 1 つ別の作業モードが用意されています。このモードでは、ユーザーがサーバーに直接接続し、サーバー上のオブジェクトを直接編集します (すべての変更がすぐにサーバーに適用されます)。もちろん、必要に応じてオブジェクトを処理する必要性は残ります。

この作業モードは "オンライン プロジェクト" と呼ばれ、概念的には SQL Server 2000 分析マネージャと同じスタイルです。ユーザーは、まず既存のデータベースに接続するか、新しいデータベースを作成します。その後、通常のプロジェクトでは、ソリューション エクスプローラにそのデータベース内のオブジェクトが表示されます。その後、上記で説明したように、ソリューション エクスプローラのノードからデザイナが呼び出されます。2 つの異なるモードでの実際のデザイナの動作は、ほぼ同じです。違いは変更の保存時で、サーバーがすぐに更新されます。

オンライン プロジェクトを使用して、新しい Analysis Services データベースを作成する方法
  1. [ファイル] メニューで [Analysis Services データベースへの接続] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、新しいデータベースを作成するオプションを選択し、データベースとサーバー名を入力します。

上記と同様にソリューション ファイルが作成されます。複数のオンライン プロジェクト (またはオンライン プロジェクトと通常のプロジェクトでも) を 1 つのソリューションにグループ化できます。

注意 オンライン プロジェクトと通常のプロジェクトのいずれで作業するかを選択する場合に関係してくるのは、大部分は 'スタイル' の違いになります。どれがマスター コピーであるかに関して生じる混乱を考えれば、間違いなく、同じプロジェクトに両方の開発スタイルを混在させることは望ましいこととは言えないでしょう。

SQL Server Management Studio

この環境では、管理作業に重点が置かれます。この環境は、Analysis Services などの SQL Server ファミリのあらゆる種類のサーバーの管理に対応します。単に、配置済みの AS データベースの管理 (バックアップ、処理など) に注目するユーザー、および管理指向の作業を実行する必要のある開発者の両方によって、この環境が使用されます。

環境の要素

以下の図では、サンプル AS サーバーに接続し、環境の主な要素を強調した SQL Server Management Studio が示されています。

ms345127.OvASDMEn06(ja-jp,SQL.90).jpg

主な要素

主な要素には、以下のものがあります。

  • オブジェクト エクスプローラ。 オブジェクト エクスプローラは、現在接続されているサーバーのコンテンツを表示するウィンドウです (この例には、"Inventory" と "Adventure Works DW" という 2 つのデータベースを含む 1 台の AS サーバーがあります)。

  • クエリ エディタ。 クエリ エディタでは、Analysis Services に対してクエリを実行できます。クエリ エディタでは、MDX (OLAP キューブに対するクエリ)、DMX (データ マイニング モデルに対するクエリ)、XMLA (Analysis Services に送信できるすべての種類のコマンドに対応します) が対応されます。MDX エディタと DMX エディタには、現在選択されているデータベースのメタデータを表示するウィンドウが含まれます。

  • 管理ダイアログ ボックスとウィザード。 さまざまな管理作業 (処理、バックアップ、パーティションの作成、集計のデザインなど) を実行するために、オブジェクト エクスプローラ内のオブジェクトから呼び出せる、一連のダイアログ ボックスとウィザードがあります。これには、'管理に重点を置いた' プロパティを設定できるプロパティ ダイアログ ボックスが含まれます。たとえば、ディメンションの場合は、プロアクティブ キャッシュの設定のような物理的な側面は制御できますが、"不明な" メンバが存在するかどうかのような論理的な側面は制御できません。ダイアログ ボックスやウィザードはモードレスです。図では、バックアップ用の管理ダイアログ ボックスが 1 つ開かれているところが示されています。

Analysis Services サーバーに接続する方法
  1. [ファイル] メニューで、[オブジェクト エクスプローラを接続] をクリックして [サーバーへの接続] ダイアログ ボックスを表示します (SQL Server Management Studio を起動したときもこのダイアログ ボックスが表示されます)。

  2. このダイアログ ボックスで、サーバーの種類として [分析サーバー] を選択して、インスタンスの名前を入力します。

新しい MDX クエリを作成する方法
  1. [ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[ファイル] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、 [分析サーバー クエリ] フォルダの [MDX クエリ] テンプレートを選択します。

  3. [分析サーバーへの接続] ダイアログ ボックスで、インスタンスの名前を入力して、エディタを対象のサーバーに接続します。対象データベースは、このダイアログ ボックスで [オプション]、[接続プロパティ] の順に表示して入力するか、サーバーへの接続後にツールバーに表示されるドロップダウン リストから選択します。

その他の要素

以下の図には、あまり中心的ではない、環境のその他の要素が含まれています。

ms345127.OvASDMEn07(ja-jp,SQL.90).jpg

  • 登録済みサーバー。 [登録済みサーバー] ウィンドウでは、通常使用するサーバーを登録できます。登録済みのサーバーをダブル クリックすることによって、オブジェクト エクスプローラがそのサーバーに接続されます。

  • ソリューション エクスプローラ。 SQL Management のユーザーは、保存された MDX クエリや XMLA スクリプトが含まれるファイルなど、多くの場合、ファイルを使って作業します。BI Development Studio と同様に、SQL Server Management Studio にもプロジェクトという概念があり、ソリューション エクスプローラに表示されます。このような 'スクリプト プロジェクト' は、BI Development Studio のプロジェクトとはまったく異なる種類のプロジェクトで、関連するファイルや接続のコンテナとして動作します。

  • [プロパティ] ウィンドウ。 [プロパティ] ウィンドウには、現在選択されているクエリ ウィンドウまたはファイルのプロパティが表示されます (個別のプロパティ ダイアログ ボックスがオブジェクト エクスプローラに表示されるオブジェクトの管理プロパティに対応することに注意してください)。

  • [概要] ページ。 [概要] ページには、オブジェクト エクスプローラで選択しているオブジェクトに関する情報が表示されます。

Beta 2 では、[概要] ページには、非常に限定された情報しか表示されません。

ms345127.OvASDMEn08(ja-jp,SQL.90).jpg

  • テンプレート エクスプローラ。 テンプレート ウィンドウには、一般的な MDX クエリ、DMX クエリ、および XMLA クエリのテンプレートが表示されます。テンプレートを選択することによって、そのテンプレート クエリを含むクエリ エディタが開かれます。

さまざまなツール ウィンドウがどのように表示されるかは、[表示] メイン メニューで制御されます。また、BI Development Studio と非常によく似た方法で、環境をカスタマイズできます。

管理ダイアログ ボックス

一般的な管理作業 (バックアップ、処理、集計のデザインなど) をサポートする、一連の管理ダイアログ ボックスとウィザードが用意されています。このようなダイアログ ボックスやウィザードは、オブジェクト エクスプローラ内の関連するオブジェクトから起動されます。各ダイアログ ボックスでは、すぐに操作を呼び出すか、操作をスクリプトにして、後で実行するために保存できる XML スクリプトを作成することができます。

また、各 AS オブジェクトには、管理に重点を置いたプロパティを設定できる、プロパティ ダイアログ ボックスもあります。このようなダイアログ ボックスは、'デザイン' のプロパティと見なされるプロパティは変更できません。したがって、通常 SQL Server Management Studio で変更できるプロパティと、変更できないプロパティが明確に区別されます。そのため、後者のプロパティは BI Development Studio 内で変更する必要があります。また、以下で説明するように、配置ウィザード (Deployment Wizard) でも区別が行われます。この区別は、提供されるツール サポートのレベルでのみ行われることに注意してください。したがって、たとえば、必要な XMLA コマンドを実行することにより、すべてのプロパティを変更できます。

スクリプティング

オブジェクトにとって適切な CREATE コマンド、ALTER コマンド、または DELETE コマンドを含む XMLA スクリプトを取得するために、Analysis Services の各オブジェクトをスクリプト化できます。

AS データベース全体をスクリプト化する方法
  1. オブジェクト エクスプローラで、関連するデータベースのノードを右クリックします。

  2. [Script Database as]、[CREATE To] の順にポイントし、[新しいクエリ エディタ ウィンドウ] をクリックします。

プロファイラ

この環境では、サーバーのイベントをキャプチャできます。この環境では、Analysis Services を含めて、SQL Server のすべての種類のサーバーが対応されます。イベントをキャプチャすることに加えて、キャプチャしたイベントを再生できます。

以下の図では、Analysis Services サーバーでキャプチャされる簡単なトレースが示されています。

Analysis Services サーバーのトレースを開始する方法

ms345127.OvASDMEn09(ja-jp,SQL.90).jpg

  1. [ファイル] メニューで [新しいトレース] をクリックします。

  2. このダイアログ ボックスで、サーバーの種類として [分析サーバー] を選択して、インスタンスの名前を入力します。

  3. トレース定義ファイルが取得されることを確認します (これは、インストール後はじめて開始されるときだけに適用されます)。

  4. [OK] をクリックして、キャプチャする既定のイベントの種類など、既定のトレース プロパティを受け入れます。

その結果、サーバーに対するすべての利用状況がトレース内に表示されます。

ユーティリティ

ここでは、SQL Server 2005 ツールセットで提供される 2 つのユーティリティを簡単に説明します (どちらも、Microsoft SQL Server メニューの Analysis Services メニューで使用できます)。

移行ウィザード (Migration Wizard)

移行ウィザードでは、既存の Analysis Services 2000 データベースが指定された SQL Server 2005 サーバーに移行されます。新しいデータベースが作成され、古い Analysis Services 2000 データベースは変更されずに残ります。移行ではメタデータのみが対応されるので、移行に続いて、新しいデータベースが処理されます。

配置ウィザード (Deployment Wizard)

配置ウィザードを使用して、BI Development Studio Analysis Services プロジェクトからの出力を、テスト環境や実稼働環境に配置します。

Analysis Services プロジェクトのビルドからの出力は、build ディレクトリ内の一連のファイルになります。これは、主として、データベースの完全な XML 定義を含む、1 つの .asdatabase ファイルで構成されます。その他のファイルには、以下のファイルがあります。

  • 通常、配置中に変更される構成設定 (接続文字列など) の値を含むファイル。

  • プロジェクトが配置される対象サーバーとデータベースを含むファイル。

  • 配置の動作 (配置に続いてキューブを処理する必要があるかどうかなど) を制御するさまざまなオプションを含むファイル。

配置ユーティリティでは、これらのファイルを入力として使用して、配置を実行するか、後で実行するために適切な XMLA スクリプトを生成するか、後で 'サイレント' 配置が可能なように単に入力ファイルを更新するかのいずれかを行えます。

ユーティリティでは、開発環境から新しいバージョンを配置する際に、セキュリティ ロールへのユーザーの追加や新しいパーティションの作成など、既存の配置済みバージョンに加えられる変更を考慮する必要もある、比較的一般的なケースがサポートされます。ユーティリティでは、開発環境から変更を適用している間、このような変更を保存することが支援されます。これには、'管理' の詳細と '開発' の詳細の間の区別が反映されることに注意してください。後のバージョンを配置する時点で、何らかのマージが行われることが不適切な場合は、配置済みのオブジェクトへの無原則の変更は受け入れられないことになります。このような変更が配置済みプロジェクトに対して行われる場合は、プロジェクトにフィードバックされる必要があります。