Windows To Go: よく寄せられる質問

次の一覧に、Windows To Go に関してよく寄せられるいくつかの質問を示します。

  • Windows To Go とは何ですか。

  • Windows To Go は仮想化に依存したものですか。

  • Windows To Go を使う必要があるのはだれですか。

  • Windows To Go を組織で展開するにはどうすればよいですか。

  • Windows To Go は USB 2.0 ドライブと USB 3.0 ドライブの両方でサポートされていますか。

  • Windows To Go は USB 2.0 ポートと USB 3.0 ポートの両方でサポートされていますか。

  • USB 3.0 ポートを識別するにはどうすればよいですか。

  • Windows To Go は USB 3.0 ポート上だとより高速で動作しますか。

  • ユーザーは自分で Windows To Go をプロビジョニングできますか。

  • Windows To Go を組織で管理するにはどうすればよいですか。

  • コンピューターを USB から起動するにはどうすればよいですか。

  • コンピューターが USB から起動しないのはなぜですか。

  • Windows To Go ドライブの実行中にドライブを取り外すとどうなりますか。

  • BitLocker を使って Windows To Go ドライブを保護できますか。

  • Windows To Go 作成ウィザードから BitLocker を有効にできないのはなぜですか。

  • Windows To Go でサポートされている電源状態は何ですか。

  • Windows To Go では休止状態が無効になっているのはなぜですか。

  • Windows To Go ではクラッシュ ダンプ分析がサポートされていますか。

  • "Windows To Go スタートアップ オプション" はデュアル ブート コンピューターで動作しますか。

  • 実行中のコンピューターに Windows To Go ドライブを接続しましたが、ドライブのパーティションが表示されません。どうしてでしょうか。

  • Windows To Go を起動しましたが、ホスト コンピューターの内蔵ハード ドライブを参照できません。どうしてでしょうか。

  • Windows To Go ドライブが FAT32 システム パーティションのある MBR ディスク フォーマットなのはなぜですか。

  • 信頼されていないコンピューターで使う場合、Windows To Go はセキュリティで保護されますか。

  • Windows To Go は ARM プロセッサで動作しますか。

  • Windows To Go のデータを他のコンピューターと同期できますか。

  • Windows To Go ドライブを作成するために必要な USB フラッシュ ドライブのサイズはどれくらいですか。

  • Windows To Go は、ローミングするたびにアクティブ化する必要がありますか。

  • Windows To Go では Windows の機能をすべて使うことができますか。

  • Windows To Go では自分のアプリケーションをすべて使うことができますか。

  • Windows To Go の動作は標準の Windows よりも遅いですか。

  • Windows To Go ドライブを紛失した場合、データは安全ですか。

  • Windows To Go は Mac で起動できますか。

  • アプリケーションで Windows To Go ワークスペースを識別できるようにする API はありますか。

  • Windows To Go はどのようにしてライセンス供与されますか。

  • Windows 回復環境は Windows To Go で動作しますか。Windows To Go ドライブを回復するためのガイダンスは何ですか。

  • Windows XP または Windows Vista を実行しているコンピューターで Windows To Go が動作しないのはなぜですか。

  • ホスト コンピューターのオペレーティング システムが重要なのはなぜですか。

  • Windows 7 を実行しているホスト コンピューターは、BitLocker ドライブの暗号化で保護されています。Windows To Go を使った後は回復キーを使ってホスト コンピューターのロックを解除し、再起動する必要があるのはなぜですか。

  • ドライブを Windows To Go に使うのを止めることにし、再フォーマットしました。ドライブにドライブ文字が割り当てられていないのはなぜですか。また、これを解決するにはどうすればよいですか。

  • Windows To Go を起動すると、"デバイスをインストールしています" というメッセージが表示され続けるのはなぜですか。

  • Windows To Go ドライブ上のオペレーティング システムをアップグレードするにはどうすればよいですか。

Windows To Go とは何ですか。

Windows To Go とは、ホスト PC 上の外付け USB ドライブから通常版の Windows を起動できるようにする、Windows 10 Enterprise と Windows 10 Education のユーザー向けの機能です。

Windows To Go は仮想化に依存したものですか。

いいえ。Windows To Go は、USB デバイスから実行される、Windows 10 のネイティブ インスタンスです。Windows 8 を搭載したノート PC のハード ドライブが USB の筐体の中に入っているようなものです。

Windows To Go を使う必要があるのはだれですか。

Windows To Go は、企業での使用を意図したものであり、操作の継続、外注業者、管理された自由席、出張中の作業者、在宅勤務などのシナリオを対象にしています。

Windows To Go を組織で展開するにはどうすればよいですか。

Windows To Go は、Diskpart や DISM などの標準の Windows 展開ツールを使って展開することができます。Windows To Go を展開するための前提条件は次のとおりです。

  • プロビジョニングするための Windows To Go 推奨 USB ドライブ。Windows To Go のハードウェアに関する考慮事項で現在使用可能な USB ドライブの一覧をご覧ください。

  • Windows 10 Enterprise または Windows 10 Education のイメージ

  • 新しい USB キーのプロビジョニングに使うことができる Windows 10 Enterprise または Windows 10 Education のホスト PC

Windows PowerShell スクリプトを使って複数のドライブを対象にし、展開の規模を拡大することで、多数の Windows To Go ドライブに対応できます。また、多数のドライブを作成している場合は、Windows To Go ドライブをプロビジョニングした後に、USB 複製プログラムを使って複製することができます。ドライブ作成プロセスのチュートリアルについては、TechNet Wiki の Windows To Go ステップ バイ ステップに関する記事をご覧ください。

Windows To Go は USB 2.0 ドライブと USB 3.0 ドライブの両方でサポートされていますか。

いいえ。Windows To Go は、Windows To Go 用に認定された USB 3.0 ドライブでサポートされています。

Windows To Go は USB 2.0 ポートと USB 3.0 ポートの両方でサポートされていますか。

はい。Windows To Go は、Windows 7 以降用に認定された PC の USB 2.0 ポートと USB 3.0 ポートの両方で完全にサポートされています。

USB 3.0 ポートを識別するにはどうすればよいですか。

USB 3.0 ポートは通常、青色でマーキングされているか、側面に "SS" のマーキングがあります。

Windows To Go は USB 3.0 ポート上だとより高速で動作しますか。

はい。USB 3.0 は USB 2.0 よりも速度が大幅に向上しているため、USB 3.0 ポートで実行している Windows To Go ドライブは非常に高速で動作します。この速度上昇は、ドライブのプロビジョニングと、ドライブをワークスペースとして使っているときの両方に適用されます。

ユーザーは自分で Windows To Go をプロビジョニングできますか。

はい。ユーザーが管理者のアクセス権を持っている場合、Windows 10 Enterprise と Windows 10 Education に含まれている Windows To Go 作成ウィザードを使うことで、自分で Windows To Go ドライブをプロビジョニングすることができます。また、System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降には、ユーザーによる Windows To Go ドライブの自己プロビジョニングのサポートが含まれています。Configuration Manager は、Microsoft TechNet Evaluation Center から評価目的でダウンロードできます。

Windows To Go を組織で管理するにはどうすればよいですか。

Windows To Go は、従来のデスクトップ PC と同じように、System Center Configuration Manager などの標準の Windows 企業用ソフトウェア配布ツールを使って配布および管理することができます。Windows To Go ワークスペースのコンピューターとユーザーに関する設定は、組織内の他の PC のグループ ポリシー設定を管理する場合と同じように、グループ ポリシー設定を使って管理することができます。Windows To Go ワークスペースは、ネットワークに安全に接続できるように、DirectAccess または仮想プライベート ネットワーク接続を使ってリモートで組織のリソースに接続するように構成できます。

コンピューターを USB から起動するにはどうすればよいですか。

Windows 10 を実行するホスト コンピューターの場合

  • Cortana を使って、Windows To Go スタートアップ オプションを検索し、Enter キーを押します。
  • [Windows To Go スタートアップ オプション] ダイアログ ボックスで、[はい] を選択し、[変更の保存] をクリックして USB から起動するようにコンピューターを構成します。

Windows 8 または Windows 8.1 を実行するホスト コンピューターの場合:

Windows ロゴ キーと W キーを同時に押し、Windows To Go スタートアップ オプションを検索して、Enter キーを押します。

[Windows To Go スタートアップ オプション] ダイアログ ボックスで、[はい] を選択し、[変更の保存] をクリックして USB から起動するようにコンピューターを構成します。

  

IT 部門は、グループ ポリシーを使用して組織の Windows To Go スタートアップ オプションを構成することができます。

 

ホスト コンピューターが以前のバージョンの Windows オペレーティング システムを実行している場合は、USB から起動するように手動でコンピューターを構成する必要があります。

そのためには、ブートの早期に (通常は製造元のロゴが表示されたとき)、ファームウェアと BIOS のセットアップ画面に移動します。(ファームウェアと BIOS のセットアップ画面に移動するこの方法は、コンピューターの製造元によって異なりますが、通常は F12、F2、F1、Esc などのファンクション キーのいずれかを押すことで移動できます。ファームウェアのセットアップ画面に移動するためのキーがわからない場合は、製造元のサイトで確認してください。)

ファームウェアのセットアップ画面に移動したら、USB からの起動が有効になっていることを確認してください。その後、まず USB ドライブから起動するようにブート順を変更してください。

または、お使いのコンピューターでサポートされている場合、1 回限りのブート メニュー (多くの場合は F12 キー) を使ったり、ブートごとに USB ブートを選択したりすることができます。

詳しい手順については、Windows To Go を使うように BIOS 設定を構成するためのヒントに関する Wiki の記事をご覧ください。

警告  

USB から起動するようにコンピューターを構成すると、コンピューターに接続されている起動可能な USB デバイスから起動しようとします。この場合、悪意のあるデバイスが含まれている可能性があります。ユーザーは、このリスクについて情報を提供され、Windows To Go ドライブ以外の USB 記憶装置をコンピューターに接続しないように指示を受けている必要があります。

 

コンピューターが USB から起動しないのはなぜですか。

Windows 7 以降用に認定されたコンピューターは、USB ブートをサポートしている必要があります。次のいずれかの項目が現在の状況にあてはまるか確認してください。

  1. コンピューターに最新の BIOS がインストールされており、USB デバイスから起動するように BIOS が構成されていることを確認します。

  2. Windows To Go ドライブがコンピューターの USB ポートに直接接続されていることを確認します。多くのコンピューターでは、USB 3 PCI アドオン カードまたは外部 USB ハブに接続されているデバイスからの起動はサポートしていません。

  3. コンピューターが USB 3.0 ポートから起動しない場合は、USB 2.0 ポートからの起動を試みてください。

これらの項目のいずれによっても USB からコンピューターを起動できない場合は、追加のサポートについてハードウェアの製造元にお問い合わせください。

Windows To Go ドライブの実行中にドライブを取り外すとどうなりますか。

Windows To Go ドライブが取り外されると、コンピューターはフリーズし、Windows To Go ドライブをもう一度挿入するための時間が 60 秒間与えられます。Windows To Go ドライブを同じポートにもう一度挿入すると、ドライブが取り外された時点から Windows が再開されます。USB ドライブをもう一度挿入しなかった場合、または別のポートにもう一度挿入した場合は、60 秒後にホスト コンピューターの電源がオフになります。

警告  

ワークスペースを実行しているときは、Windows To Go ドライブを取り外さないでください。コンピューターがフリーズするのは、誤って取り外されるリスクを軽減するための安全対策です。Windows To Go ワークスペースをシャットダウンせずに Windows To Go ドライブを取り外すと、Windows To Go ドライブが破損する可能性があります。

 

BitLocker を使って Windows To Go ドライブを保護できますか。

はい。Windows 8 以降では、パスワードによるオペレーティング システム ドライブの保護が BitLocker でサポートされるようになりました。つまり、パスワードを使って Windows To Go ワークスペースを保護することができます。Windows To Go ワークスペースを使うたびに、このパスワードを入力するように求められます。

Windows To Go 作成ウィザードから BitLocker を有効にできないのはなぜですか。

組織のコンピューターでの BitLocker の使用は、いくつかの異なるグループ ポリシーによって制御されています。これらのポリシーは、ローカル グループ ポリシー エディターのコンピューターの構成\ポリシー\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\BitLocker ドライブ暗号化フォルダーにあります。このフォルダーには、固定データ ドライブ、オペレーティング システム データ ドライブ、リムーバブル データ ドライブの 3 種類のサブフォルダーが含まれています。

Windows To Go 作成ウィザードを使っているときは、Windows To Go ドライブは BitLocker からはリムーバブル データ ドライブと見なされます。次の設定を確認して、これらの設定が現在の状況にあてはまるか確認してください。

  1. リムーバブル ドライブでの BitLocker の使用を制御する

    この設定が無効になっている場合、BitLocker をリムーバブル ドライブで使うことはできません。そのため、Windows To Go ドライブで BitLocker を有効にしようとすると、Windows To Go 作成ウィザードは失敗します。

  2. リムーバブル データ ドライブでのスマート カードの使用を構成する

    この設定が有効になっており、[リムーバブル データ ドライブでスマート カードを必ず使用する] オプションも選択されている場合、Windows To Go 作成ウィザードを開始する前にスマート カード資格情報を使ってサインオンしていないと、作成ウィザードが失敗する可能性があります。

  3. リムーバブル データ ドライブのパスワードの使用を構成する

    この設定が有効になっており、[パスワードの複雑さを必要とする] オプションが選択されている場合、指定されたパスワードがパスワードの複雑さに関する要件を満たしていることを確認するために、コンピューターがドメイン コントローラーに接続できる必要があります。接続が利用できない場合、Windows To Go 作成ウィザードは BitLocker を有効にすることができません。

さらに、ドライブにボリュームがない場合は、Windows To Go 作成ウィザードによって BitLocker オプションが無効になります。この場合、ディスクの管理コンソールを使ってドライブを初期化し、ボリュームを作成してから、Windows To Go でドライブをプロビジョニングする必要があります。

Windows To Go でサポートされている電源状態は何ですか。

Windows To Go は、休止状態のクラスを除くすべての電源状態 (ハイブリッド ブートやハイブリッド スリープなど) をサポートしています。この既定の動作は、グループ ポリシー設定を使うことで、Windows To Go ワークスペースの休止状態を有効にするように変更できます。

Windows To Go では休止状態が無効になっているのはなぜですか。

Windows To Go ワークスペースが休止状態になると、まったく同じハードウェアでのみ正常に再開します。そのため、あるコンピューターで Windows To Go ワークスペースが休止状態になり、別のコンピューターにローミングされると、休止状態 (とユーザーの状態) は失われます。これを防ぐために、Windows To Go ワークスペースの既定の設定では休止状態が無効になっています。同じコンピューターでのみ再開を試みることが確実な場合は、Windows To Go のグループ ポリシー設定、[Windows To Go ワークスペースから起動したときに休止状態 (S4) を許可する] を使って休止状態を有効にすることができます。この設定は、ローカル グループ ポリシー エディター (gpedit.msc) の \\コンピューターの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\ポータブル オペレーティング システム\ にあります。

Windows To Go ではクラッシュ ダンプ分析がサポートされていますか。

はい。Windows 8 以降では、USB 2.0 と 3.0 の両方について、クラッシュ ダンプ スタック分析をサポートしています。

"Windows To Go スタートアップ オプション" はデュアル ブート コンピューターで動作しますか。

はい、両方のオペレーティング システムが Windows 8 オペレーティング システムを実行している場合は動作します。"Windows To Go スタートアップ オプション" を有効にした場合、ドライブを接続してからコンピューターをオンにすると、コンピューターは Windows To Go ワークスペースから起動します。

デュアル ブート コンピューターを Windows オペレーティング システムと別のオペレーティング システムで構成している場合は、動作することもあれば失敗することもあります。このような構成を使うことはサポートされていません。

実行中のコンピューターに Windows To Go ドライブを接続しましたが、ドライブのパーティションが表示されません。どうしてでしょうか。

Windows To Go 作成ウィザードと、Windows To Go の推奨展開手順では、Windows To Go ドライブに NO_DEFAULT_DRIVE_LETTER フラグを設定します。このフラグは、Windows が Windows To Go ドライブ上のパーティションに自動的にドライブ文字を割り当てないようにします。そのため、実行中のコンピューターに Windows To Go ドライブを接続しても、ドライブのパーティションは表示されません。これは、Windows To Go ドライブとホスト コンピューターの間で偶発的なデータの漏洩が発生するのを防ぐためです。実際に実行中のコンピューターから Windows To Go ドライブ上のファイルにアクセスする必要がある場合は、diskmgmt.msc または diskpart を使ってドライブ文字を割り当てることができます。

警告  

実行中のコンピューターには Windows To Go ドライブを接続しないことを強くお勧めします。コンピューターが侵害を受けた場合、Windows To Go ワークスペースも侵害を受ける可能性があります。

 

Windows To Go を起動しましたが、ホスト コンピューターの内蔵ハード ドライブを参照できません。どうしてでしょうか。

Windows To Go 作成ウィザードと、Windows To Go の推奨展開手順では、Windows To Go ドライブに SAN ポリシー 4 を設定します。このポリシーは、Windows が内蔵ディスク ドライブを自動的にマウントしないようにします。そのため、Windows To Go を起動したときはホスト コンピューターの内蔵ハード ドライブは表示されません。これは、Windows To Go とホスト システムの間で偶発的なデータの漏洩が発生するのを防ぐためです。また、このポリシーは、ホスト オペレーティング システムが休止状態になった場合に発生する可能性のあるホスト ドライブの破損やデータの損失も防ぎます。実際に内蔵ハード ドライブ上のファイルにアクセスする必要がある場合は、diskmgmt.msc を使って内蔵ドライブをマウントすることができます。

警告  

Windows To Go ワークスペースを起動したときは内蔵ハード ドライブをマウントしないことを強くお勧めします。内蔵ドライブに休止状態の Windows 8 以降のオペレーティング システムが含まれている場合、ドライブをマウントすると、ホスト オペレーティング システムを起動したときに休止状態が失われ、ユーザーの状態や保存されていないユーザー データが失われます。内蔵ドライブに休止状態の Windows 7 以前のオペレーティング システムが含まれている場合、ドライブをマウントすると、ホスト オペレーティング システムを起動したときに破損が発生します。

 

Windows To Go ドライブが FAT32 システム パーティションのある MBR ディスク フォーマットなのはなぜですか。

Windows To Go が UEFI システムとレガシ システムから起動できるようにするためです。

信頼されていないコンピューターで使う場合、Windows To Go はセキュリティで保護されますか。

完全に信頼されていないオペレーティング システムを使う場合よりも安全ですが、Windows To Go を開始する前に実行したファームウェアなどからの攻撃に対しては脆弱性があります。信頼されていない実行中のコンピューターに Windows To Go ドライブを接続した場合、コンピューター上でアクティブになっている可能性がある悪意のあるソフトウェアがドライブにアクセスできるため、Windows To Go ドライブが侵害される可能性があります。

Windows To Go は ARM プロセッサで動作しますか。

いいえ。Windows RT は、ARM プロセッサ用に設計された特殊な Windows のバージョンです。Windows To Go は現在、x86 または x64 ベースのプロセッサを持つ PC でのみサポートされています。

Windows To Go のデータを他のコンピューターと同期できますか。

すべてのコンピューター間でデータを取得するには、フォルダー リダイレクトとクライアント側のキャッシュを使い、必要なファイルにオフラインでアクセスできるようにしながら、サーバー上にデータのコピーを格納することをお勧めします。

Windows To Go ドライブを作成するために必要な USB フラッシュ ドライブのサイズはどれくらいですか。

サイズの制限は、通常版の Windows と同じです。Windows、データ、アプリケーション用の領域を十分に確保するために、サイズが 20 GB 以上の USB ドライブをお勧めします。

Windows To Go は、ローミングするたびにアクティブ化する必要がありますか。

いいえ、Windows To Go ではボリューム ライセンス認証が必要です。組織のキー管理サービス (KMS) サーバーを使うか、Active Directory によるボリューム ライセンス認証を使います。Windows To Go ワークスペースは、ローミングするたびに再アクティブ化する必要はありません。KMS によってローカル ネットワークで Windows がアクティブ化されるため、個々のコンピューターを Microsoft に接続する必要がなくなります。ライセンス認証を維持するために、KMS クライアント コンピューターは、定期的に KMS ホストに接続してライセンス認証を更新する必要があります。これは通常、ユーザーが (社内での直接接続または DirectAccess や仮想プライベート ネットワーク接続を使ったリモート接続によって) 企業ネットワークにアクセスするとすぐに行われます。一度ライセンス認証されると、ライセンス認証の有効期間が経過するまではコンピューターを再度アクティブ化する必要はありません。KMS 構成では、ライセンス認証の有効期間は 180 日間です。

Windows To Go では Windows の機能をすべて使うことができますか。

はい、わずかな例外はありますが、Windows のすべての機能を Windows To Go ワークスペースで使うことができます。現在サポートされていない機能は、Windows 回復環境と、PC をリフレッシュおよび初期状態に戻す機能のみです。

Windows To Go では自分のアプリケーションをすべて使うことができますか。

はい。Windows To Go ワークスペースは通常版の Windows 10 の環境であるため、Windows 10 で動作するアプリケーションはすべて Windows To Go ワークスペースでも動作します。ただし、(通常はライセンスやデジタル著作権管理上の理由により) ハードウェアのバインドを使うアプリケーションは、異なるホスト コンピューター間で Windows To Go ドライブをローミングする場合に実行できないことがあり、毎回同じホスト コンピューターで使う必要が生じる可能性があります。

Windows To Go の動作は標準の Windows よりも遅いですか。

USB 3.0 ポートと Windows To Go 認定デバイスを使っている場合は、標準の Windows と Windows To Go の間にユーザーが気付くレベルの違いはありません。ただし、USB 2.0 ポートから起動している場合は、USB 2.0 の転送速度は SATA の速度よりも遅いため、多少遅く感じる可能性があります。

Windows To Go ドライブを紛失した場合、データは安全ですか。

はい。Windows To Go ドライブで BitLocker を有効にしている場合、すべてのデータが暗号化されて保護されるため、悪意のあるユーザーは、パスワードを入力せずにデータにアクセスすることはできません。BitLocker を有効にしていない場合は、Windows To Go ドライブを紛失したときにデータが無防備になります。

Windows To Go は Mac で起動できますか。

マイクロソフトでは、Windows To Go によって一貫性のある高品質な Windows 10 エクスペリエンスをユーザーに提供できるようにつとめています。Windows To Go は、Windows 7 以降での使用が認定されたホスト デバイスをサポートしています。Mac コンピューターは Windows 7 以降での使用が認定されていないため、Mac での Windows To Go の使用はサポートされていません。

アプリケーションで Windows To Go ワークスペースを識別できるようにする API はありますか。

はい。識別子を組み合わせて使い、現在実行中のオペレーティング システムが Windows To Go ワークスペースかどうかを判断することができます。最初に、PortableOperatingSystem プロパティが true かどうかを確認します。値が true の場合は、オペレーティング システムが外部の USB デバイスから起動されたことを意味します。

次に、OperatingSystemSKU プロパティが 4 (Windows 10 Enterprise の場合) または 121 (Windows 10 Education の場合) かどうかを確認します。これら 2 つのプロパティの組み合わせは、Windows To Go ワークスペースの環境を表しています。

詳しくは、Win32_OperatingSystem クラスに関する MSDN の記事をご覧ください。

Windows To Go はどのようにしてライセンス供与されますか。

Windows To Go を使うと、組織は、組織のリソースへのより安全なアクセスによって、個人で所有している PC の自宅や社内での使用をサポートすることができます。ソフトウェア アシュアランスに基づく Windows To Go の使用権により、従業員は自宅の PC だけでなく、会社のどの PC でも、ソフトウェア アシュアランスでライセンス供与されていれば Windows To Go を使うことができます。

Windows 回復環境は Windows To Go で動作しますか。Windows To Go ドライブを回復するためのガイダンスは何ですか。

いいえ、Windows To Go では Windows 回復環境の使用はサポートされていません。フォルダー リダイレクトなどのユーザー状態の仮想化テクノロジを実装し、ユーザー データをデータ センターに集中させてバックアップすることをお勧めします。Windows To Go ドライブで破損が発生した場合は、ワークスペースを再プロビジョニングする必要があります。

Windows XP または Windows Vista を実行しているコンピューターで Windows To Go が動作しないのはなぜですか。

実際には動作する場合があります。Windows 7 以降用に認定されたコンピューターを購入し、それ以前のオペレーティング システムをインストールした場合は、USB から起動するようにファームウェアを構成している限り、Windows To Go は正常に起動し、実行されます。ただし、Windows XP または Windows Vista 用に認定されたコンピューターの場合は、Windows To Go を実行するためのハードウェアの要件を満たしていない可能性があります。通常、Windows Vista 以前のオペレーティング システム用に認定されたコンピューターは、メモリ、処理能力、ビデオ レンダリングの性能が低く、USB ポートの速度も遅くなっています。

ホスト コンピューターのオペレーティング システムが重要なのはなぜですか。

PC が互換性のあるハードウェアかどうかを視覚的に識別できるようにするためだけのものです。PC が Windows 7 以降用に認定されるには、USB からの起動をサポートしている必要があります。コンピューターが USB から起動できない場合は、Windows To Go で使うことはできません。Windows To Go ワークスペースは通常の Windows 10 の環境であるため、ワークスペースが正常に動作することが保証されるように、処理速度、メモリ使用量、グラフィックス レンダリングに関する Windows 10 のハードウェア要件がすべてサポートされている必要があります。

Windows 7 を実行しているホスト コンピューターは、BitLocker ドライブの暗号化で保護されています。Windows To Go を使った後は回復キーを使ってホスト コンピューターのロックを解除し、再起動する必要があるのはなぜですか。

Windows 7 の既定の BitLocker 保護プロファイルでは、コンピューターの改ざん防止の一環として、ブート順の変更がないかホスト コンピューターを監視します。Windows To Go ドライブから起動できるようにホスト コンピューターのブート順を変更すると、必要に応じてコンピューターを検査できるように、BitLocker システムの測定値がこの変更を反映し、回復モードで起動します。

次の手順を実行すると、新しいブート順を組み込むために BitLocker システムの測定値をリセットすることができます。

  1. 管理者特権を持つアカウントでホスト コンピューターにログオンします。

  2. [スタート][コントロール パネル][システムとセキュリティ] の順にクリックし、[BitLocker ドライブ暗号化] をクリックします。

  3. オペレーティング システム ドライブの [保護の中断] をクリックします。

    BitLocker が一時停止されている間はデータが保護されないことを通知し、BitLocker ドライブ暗号化を一時停止するかどうかを確認するメッセージが表示されます。[はい] をクリックして続行し、ドライブで BitLocker を一時停止します。

  4. コンピューターを再起動し、ファームウェアの設定画面に移動して、まず USB から起動するようにブート順をリセットします。BIOS でのブート順の変更について詳しくは、TechNet Wiki の Windows To Go を使うように BIOS 設定を構成するためのヒントに関するページを参照してください。

  5. コンピューターをもう一度再起動し、管理者特権を持つアカウントでホスト コンピューターにログオンします。(Windows To Go ドライブやその他の USB ドライブを挿入する必要はありません。)

  6. [スタート][コントロール パネル][システムとセキュリティ] の順にクリックし、[BitLocker ドライブ暗号化] をクリックします。

  7. [保護の再開] をクリックして BitLocker の保護をもう一度有効にします。

ホスト コンピューターは、回復モードを開始することなく USB ドライブから起動できるようになります。

  

Windows 8 以降の既定の BitLocker 保護プロファイルでは、ブート順は監視されません。

 

ドライブを Windows To Go に使うのを止めることにし、再フォーマットしました。ドライブにドライブ文字が割り当てられていないのはなぜですか。また、これを解決するにはどうすればよいですか。

ドライブを再フォーマットすると、ドライブのデータが消去されますが、ボリュームの属性は再構成されません。Windows To Go ドライブとして使うためにドライブをプロビジョニングすると、ボリュームに NODEFAULTDRIVELETTER 属性が設定されます。この属性を削除するには、次の手順を実行します。

  1. 完全な管理者のアクセス許可でコマンド プロンプトを開きます。

      

    ユーザー アカウントが Administrators グループのメンバーではあるものの、Administrator アカウント自体ではない場合、既定では、昇格を明示的に指定しない限り、実行するプログラムは標準のユーザー アクセス許可を持ちます。

     

  2. コマンド プロンプトで「diskpart」と入力し、diskpart コマンド インタープリターを起動します。

  3. select disk コマンドを使ってドライブを識別します。ドライブ番号がわからない場合は、list コマンドを使って、使用可能なディスクの一覧を表示します。

  4. ディスクの選択後、clean コマンドを実行してすべてのデータ、フォーマット、初期化の情報をドライブから削除します。

Windows To Go を起動すると、"デバイスをインストールしています" というメッセージが表示され続けるのはなぜですか。

すべてのアプリケーションとデータにアクセスできる状態でシームレスに Windows を起動しながら PC 間で Windows To Go ドライブを移動するうえでの課題の 1 つは、Windows が完全に機能するために、Windows を実行する各コンピューターのハードウェアに特定のドライバーがインストールされている必要があるということです。Windows 8 以降には、respecialize と呼ばれるプロセスがあります。これは、新しい PC に読み込む必要があるドライバーを識別し、新しい構成には存在しないドライバーを無効にするものです。一般に、この機能は、多種多様な構成の PC 間でローミングするときに高い信頼性と効率を発揮します。

場合によっては、別のハードウェア モデルまたはバージョン用のサード パーティ製ドライバーでデバイス ID、ドライバー ファイル名、レジストリ キー (または、サイド バイ サイドのストレージをサポートしていない他のオペレーティング システム構造) を類似のハードウェアに再利用することができます。たとえば、別のノート PC のタッチパッドのドライバーが同じデバイス ID を再利用していたり、製造元が同じビデオ カードがサービス名を再利用したりしている場合がよくあります。Windows では、新しいドライバーのインストールを続行する前に既存のドライバーを再インストールする必要があることを示すフラグで非存在デバイス ノードをマークすることによって、このような状況に対処します。

このプロセスは、新しいドライバーが見つかったり、ドライバーの競合が検出されたりするブートにおいて実行されます。場合によっては、このプロセスにより、ドライブが競合する PC 間で Windows to Go ドライブをローミングするたびに "デバイスをインストールしています" という respecialize の進行状況メッセージが表示されます。

Windows To Go ドライブ上のオペレーティング システムをアップグレードするにはどうすればよいですか。

Windows には Windows To Go ドライブをアップグレードするためのサポートはありません。Windows が以前のバージョンの展開済み Windows To Go ドライブは、新しいオペレーティング システムのバージョンに移行するために、新しいバージョンの Windows で再イメージ化する必要があります。

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