Windows 10 参照イメージの作成

  • [アーティクル]

参照イメージは組織のデバイスの基盤となるため、参照イメージを作成することは重要です。このトピックでは、Microsoft Deployment Toolkit (MDT) 2013 Update 1 を使って Windows 10 参照イメージを作成する方法を説明します。展開共有の作成、規則と設定の構成、Windows 10 参照イメージを作成するために必要なアプリケーションとオペレーティング システム ファイルのインポートを行います。このトピックで説明する手順を完了すると、展開ソリューションで使うことができる Windows 10 参照イメージを用意できます。

このトピックの目的上、DC01、MDT01、HV01、PC0001 という 4 台のコンピューターを使います。DC01 はドメイン コント ローラー、PC0001 は Windows 10 Enterprise x64 クライアント、MDT01 は Windows Server 2012 R2 Standard サーバーです。HV01 は Hyper-V ホスト サーバーですが、PC0001 に十分なメモリがあり Hyper-V を実行できる場合には HV01 を PC0001 に置き換えることができます。MDT01、HV01、PC0001 は架空の Contoso Corporation の contoso.com ドメインのメンバーです。このトピックのセットアップについて詳しくは、「Microsoft Deployment Toolkit による Windows 10 の展開」をご覧ください。

図 1

図 1: このトピックで使われるコンピューター。

参照イメージ

このドキュメントで説明されている参照イメージは、主に物理マシンへの展開のためのものです。ただし、自動的にシステム準備 (Sysprep) ツール プロセスを通過し Windows イメージング (WIM) ファイルにキャプチャされる前に、参照イメージは仮想プラットフォームに作成されます。仮想プラットフォームに参照イメージを作成する理由は次のとおりです。

  • 開発時間を短縮し、スナップショットを使ってさまざまな構成を迅速にテストできます。

  • ハードウェアの問題を除外できます。シンプルに最良のイメージを取得でき、問題がある場合には、その問題はハードウェアに関連するものではない可能性が高くなります。

  • ドライバーのインストールの一部としてインストールされ、Sysprep プロセスによって削除されない不必要なアプリケーションがなくなります。

  • ラボ、テスト、実稼働の間を簡単に移行できます。

MDT Build Lab 展開共有のセットアップ

Windows 10 では、参照イメージを作成するために厳しい要件はありません。ただし、展開に必要な時間を減らすために、いくつかの基本アプリケーションとすべての最新の更新プログラムを含む参照イメージを作成することもあります。このセクションでは、Windows 10 参照イメージを作成するための MDT Build Lab 展開共有の作成方法と構成方法を説明します。参照イメージは作成プロセス中に仮想マシンにのみ展開され、特定の設定 (規則) を持つため、常にこの目的専用の個別の展開共有を作成する必要があります。

MDT Build Lab 展開共有の作成

  • MDT01 で、P@ssw0rd のパスワードを使って CONTOSO ドメインに管理者としてログオンします。

  • Deployment Workbench を使い、[Deployment Shares] を右クリックし、[New Deployment Share] を選びます。

  • 新しい展開共有ウィザードで次の設定を使います。

  • [Deployment share path]: E:\MDTBuildLab

  • [Share name]: MDTBuildLab$

  • [Deployment share description]: MDT Build Lab

  • <既定>

  • \\MDT01\MDTBuildLab$ 共有にアクセスできることを確認します。

図 2

図 2: MDT Build Lab 展開共有が作成された Deployment Workbench。

展開共有のアクセス許可の構成

参照イメージを展開共有に書き戻すために、E:\MDTBuildLab フォルダーの Captures サブフォルダーに対する変更のアクセス許可を MDT ビルド アカウント (MDT_BA) に割り当てる必要があります。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の Windows PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行し、NTFS アクセス許可を E:\MDTBuildLab\Captures フォルダーに変更します。

    icacls E:\MDTBuildLab\Captures /grant '"MDT_BA":(OI)(CI)(M)'

図 3

図 3: MDT_BA ユーザー用に構成されたアクセス許可

セットアップ ファイルの追加

このセクションでは、一般的にセットアップ ファイルと呼ばれ、参照イメージを作成するために使われる Windows 10 オペレーティング システム ソース ファイルを MDT 2013 Update 1 展開共有に追加する方法を説明します。セットアップ ファイルは参照イメージの作成プロセス中に使われ、参照イメージの基盤となります。

Windows 10 インストール ファイルの追加

MDT 2013 は、完全なソースの Windows 10 DVD (ISO) と、作成したカスタム イメージの両方の追加をサポートしています。この場合は、参照イメージを作成するため、Microsoft から完全なソースのセットアップ ファイルを追加します。

注  

パスの長さについての Windows の制限により、Windows 10 Enterprise x64 RTM などのわかりやすい名前ではなく、W10EX64RTM というフォルダー名を使いオペレーティング システムの宛先ディレクトリを意図的に短く保ちます。

 

Windows 10 Enterprise x64 (完全なソース) の追加

次の手順では、Windows 10 Enterprise x64 ISO のコンテンツを E:\Downloads\Windows 10 Enterprise x64 フォルダーにコピーしていることを前提としています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. Deployment Workbench を使い、[Deployment Shares] ノードを展開して、[MDT Build Lab] を展開します。

  3. [Operating Systems] ノードを右クリックし、Windows 10 という名前の新しいフォルダーを作成します。

  4. [Operating Systems] ノードを展開し、Windows 10 フォルダーを右クリックして、[Import Operating System] を選びます。オペレーティング システムのインポート ウィザードで次の設定を使います。

  5. ソース ファイルの完全なセット

  6. [Source directory]: E:\Downloads\Windows 10 Enterprise x64

  7. [Destination directory name]: W10EX64RTM

  8. オペレーティング システムを追加した後、Operating Systems / Windows 10 フォルダーで、[Operating System] ノードの追加されたオペレーティング システム名をダブルクリックし、名前を次のように変更します: Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image。

図 4

図 4: 名前を変更した後のインポートされた Windows 10 オペレーティング システム。

アプリケーションの追加

MDT タスク シーケンスを作成する前に、すべてのアプリケーションとその他のサンプル スクリプトを MDT Build Lab 共有に追加する必要があります。

このセクションのこの手順では、MDT アプリケーションに厳密な命名基準を使います。ある種のセットアップ インストーラーを実行する一般的なアプリケーションのインストールには "Install - " というプレフィックスを追加し、アプリケーションがオペレーティング システムの設定を構成する場合には "Configure - " というプレフィックスを使います。アプリケーションのアーキテクチャを示すために、" - x86"、" - x64"、または "- x86-x64" というサフィックスを追加することもできます (一部のアプリケーションには両方のアーキテクチャ用のインストーラーがあります)。規則と一貫性を保つために役立つので、MDT を使うときは常にスクリプト命名基準を使うことをお勧めします。

構成項目を MDT アプリケーションとして保存することで、これらのオブジェクトをさまざまなソリューション間、またはテスト環境と実稼働環境間で移動しやすくなります。このトピックの手順のセクションでは、次のアプリケーションを追加します。

  • Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86

  • Install - Microsoft Silverlight 5.0 - x64

  • Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x86

  • Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x64

  • Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 - x86

  • Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 - x64

  • Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 - x86

  • Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 - x64

  • Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 - x86

  • Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 - x64

これらの例では、このリスト内のソフトウェアを E:\Downloads フォルダーにダウンロードしていることを前提としています。最初のアプリケーションは UI を使って追加しますが、MDT は Windows PowerShell をサポートしているため、その他のアプリケーションは Windows PowerShell を使って追加します。

注  

Microsoft Visual C++ のダウンロードは、すべて次の Microsoft サポート ページにあります: https://support.microsoft.com/kb/2019667。

 

[Create the install]: Microsoft Office Professional Plus 2013 x86

Office 2013 をカスタマイズすることができます。Office 2013 のボリューム ライセンス バージョンには Office カスタマイズ ツールがあり、Office のインストールをカスタマイズするために使うことができます。次の手順では、Office 2013 インストール ファイルを E:\Downloads\Office2013 フォルダーにコピーしていることを前提としています。

Microsoft Office Professional Plus 2013 x86 インストール ファイルの追加

Microsoft Office Professional Plus 2013 x86 アプリケーションを追加した後は、Office カスタマイズ ツールを実行してセットアップを自動化します。実際には、MDT 2013 が Office Professional Plus 2013 x86 アプリケーションの追加を検出し、これを行うためのショートカットを作成します。

Config.xml ファイルを使って Office インストールをカスタマイズすることもできます。ただし、Office カスタマイズ ツールでは Office 2013 の設定を制御する方法がはるかに豊富に提供されるため、次の手順で説明されているように Office カスタマイズ ツールを使うことをお勧めします。

  1. MDT Build Lab 展開共有の Deployment Workbench を使い、[Applications / Microsoft] ノードを展開し、[Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus x86] をダブルクリックします。

  2. [Office Products] タブで、[Office Customization Tool] をクリックし、[Information] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックします。

    図 5

    図 5: [Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86] アプリケーション プロパティ。

    注  

    [Office 製品] タブが見つからない場合は、ボリューム ライセンス バージョンの Office を使っていることを確認してください。Office 365 を展開している場合は、Microsoft から Admin フォルダーをダウンロードする必要があります。

     

  3. [Office カスタマイズ ツール] ダイアログ ボックスで、[次の製品の新しいセットアップ カスタマイズ ファイルを作成する] を選び、[Microsoft Office Professional Plus 2013 (32-bit)] (Microsoft Office Professional Plus 2013 (32 ビット)) 製品を選んで [OK] をクリックします。

  4. 次の設定を使って Office 2013 セットアップを完全に無人に構成します。

    1. インストール先と組織名

      • [組織名]: Contoso

    2. 使用許諾契約とユーザー インターフェイス

      1. [KMS クライアント キーを使用する] を選ぶ

      2. [使用許諾契約書に同意します] を選ぶ

      3. [表示レベル] に [なし] を選ぶ

      図 6

      図 6: Microsoft Office カスタマイズ ツールの [使用許諾契約とユーザー インターフェイス] 画面

    3. セットアップ プロパティの変更

      • SETUP_REBOOT プロパティを追加し、値を [なし] に設定します。

    4. ユーザー設定の変更

      • [Microsoft Office 2013] ノードで、[プライバシー] を展開し、[セキュリティ センター] を選び、[初回起動時に選択ウィザードを表示しない] 設定を有効にします。

  5. [ファイル] メニューから、[保存] を選び、E:\MDTBuildLab\Applications\Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86\Updates フォルダーに 0_Office2013ProPlusx86.msp として構成を保存します。

    注  

    ファイルの最初に 0 (ゼロ) を使って名前を付ける理由は、Updates フォルダーも Microsoft Office 更新プログラムを扱い、これらはアルファベット順にインストールされるためです。すべての更新プログラムの前にカスタマイズ ファイルがインストールされた場合に Office 2013 セットアップは最適に動作します。

     

  6. Office カスタマイズ ツールを閉じ、ダイアログ ボックスの [はい] をクリックして、[Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86 Properties] (Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86 プロパティ) ウィンドウで、[OK] をクリックします。

Windows PowerShell を使った展開共有への接続

多くのアプリケーションを追加する場合は、MDT が持つ PowerShell のサポートを利用できます。展開共有に対して PowerShell を使い始めるには、まず MDT PowerShell スナップインを読み込んでから、展開共有を PowerShell ドライブ (PSDrive) にする必要があります。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、スナップインをインポートして PSDrive を作成します。

    Import-Topic "C:\Program Files\Microsoft Deployment Toolkit\bin\MicrosoftDeploymentToolkit.psd1"

New-PSDrive -Name "DS001" -PSProvider MDTProvider -Root "E:\MDTBuildLab"

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2005 SP1 x86

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2005 SP1 x86 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2005SP1x86 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x86"
$CommandLine = "vcredist_x86.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2005SP1x86"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -Commandline $Commandline -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2005 SP1 x64

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2005 SP1 x64 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2005SP1x64 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 ? x64"
$CommandLine = "vcredist_x64.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2005SP1x64"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -Commandline $Commandline -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2008 SP1 x86

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2008 SP1 x86 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2008SP1x86 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 - x86"
$CommandLine = "vcredist_x86.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2008SP1x86"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -Commandline $Commandline -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2008 SP1 x64

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2008 SP1 x64 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2008SP1x64 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 ? x64"
$CommandLine = "vcredist_x64.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2008SP1x64"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -Commandline $Commandline -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2010 SP1 x86

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2010 SP1 x86 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2010SP1x86 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 - x86"
$CommandLine = "vcredist_x86.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2010SP1x86"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -CommandLine $CommandLine -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2010 SP1 x64

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2010 SP1 x64 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2010SP1x64 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 ? x64"
$CommandLine = "vcredist_x64.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2010SP1x64"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -CommandLine $CommandLine -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 x86

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 x86 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2012Ux86 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 - x86"
$CommandLine = "vcredist_x86.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2012Ux86"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -CommandLine $CommandLine -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

インストールの作成: Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 x64

次の手順では、Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 x64 をダウンロードしていることを前提としています。現在の環境を反映するために、ソース フォルダーへのパスの変更が必要である可能性があります。この例では、ソース パスが E:\Downloads\VC++2012Ux64 に設定されています。

  1. MDT01 で CONTOSO\Administrator としてログオンします。

  2. 管理者特権の PowerShell プロンプトで次のコマンドを実行することで、アプリケーションを作成します。

    $ApplicationName = "Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 ? x64"
$CommandLine = "vcredist_x64.exe /Q"
$ApplicationSourcePath = "E:\Downloads\VC++2012Ux64"
Import-MDTApplication -Path "DS001:\Applications\Microsoft" -Enable "True" -Name $ApplicationName -ShortName $ApplicationName -CommandLine $CommandLine -WorkingDirectory ".\Applications\$ApplicationName" -ApplicationSourcePath $ApplicationSourcePath -DestinationFolder $ApplicationName 
-Verbose

参照イメージ タスク シーケンスの作成

MDT を使って展開用の Windows 10 参照イメージをビルドしてキャプチャするには、タスク シーケンスを作成します。タスク シーケンスはあらかじめ MDT Build Lab 展開共有にインポートされたオペレーティング システムとアプリケーションを参照し、Windows 10 参照イメージをビルドします。

タスク シーケンスを作成した後は、Windows Server Update Services (WSUS) サーバーに対して修正プログラムの適用ができるように構成します。タスク シーケンス Windows Update 操作では Microsoft Update からの更新プログラムの直接取得をサポートしていますが、ローカル WSUS サーバーを使うことでより安定した修正プログラムの適用を行うことができます。WSUS では、展開する修正プログラムの承認のための簡単なプロセスも行うことができます。

ドライバーと参照イメージ

参照イメージの作成には最新の仮想プラットフォームを使うため、Windows 10 の参照イメージを作成するときにドライバーを気にする必要はありません。この環境内では Hyper-V を使い、Windows プレインストール環境 (Windows PE) には Hyper-V のために必要なすべてのドライバーが既に組み込まれています。

Windows 10 Enterprise 用のタスク シーケンスの作成

Windows 10 参照イメージ タスク シーケンスを作成するためのプロセスを以下に示します。

  1. MDT Build Lab 展開共有で Deployment Workbench を使い、[Task Sequences] を右クリックして、Windows 10 という名前の新しいフォルダーを作成します。

  2. [Task Sequences] ノードを展開し、新しい Windows 10 フォルダーを右クリックして [New Task Sequence] を選びます。タスク シーケンスの新規作成ウィザードに次の設定を使います。

    1. [Task sequence ID]: REFW10X64-001

    2. [Task sequence name]: Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image

    3. [Task sequence comments]: Reference Build

    4. テンプレート: [Standard Client Task Sequence]

    5. [Select OS]: Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image

    6. [Specify Product Key]: この時点ではプロダクト キーを指定しません

    7. [Full Name]: Contoso

    8. [Organization]: Contoso

    9. [Internet Explorer home page]: https://www.contoso.com

    10. [Admin Password]: この時点では管理パスワードを指定しません

Windows 10 タスク シーケンスの編集

以下の手順では、Windows 10 参照イメージ タスク シーケンスを編集して、WSUS から最新の更新プログラムで参照イメージを更新し、役割と機能、およびユーティリティをインストールして、Microsoft Office 2013 をインストールするために必要な操作を含めます。

  1. Task Sequences / Windows 10 フォルダーで、Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image タスク シーケンスを右クリックし、[Properties] を選びます。

  2. [Task Sequence] タブで、Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image タスク シーケンスを次の設定で構成します。

    1. [State Restore]。[Windows Update (Pre-Application Installation)] 操作を有効にします。

      注  

      [Options] タブに移動し、[Disable this step] チェック ボックスをオフにして操作を有効にします。

       

    2. [State Restore]。[Windows Update (Post-Application Installation)] 操作を有効にします。

    3. [State Restore]。[Windows Update (Post-Application Installation)] 操作を有効にします。[State Restore]。[Tattoo] 操作後に、次の設定で新しい [Group] 操作を追加します。

      • [Name]: Custom Tasks (Pre-Windows Update)

    4. [State Restore]。[Windows Update (Post-Application Installation)] 操作の後に、Custom Tasks の名前を Custom Tasks (Post-Windows Update) に変更します。

      注  

      [Tattoo] 操作の後、Windows Update の実行前にアプリケーションを追加する理由は、単純に展開にかかる時間を節約するためです。この方法では、いくつかの組み込みのコンポーネントをアップグレードし、不要な更新を回避するすべてのアプリケーションを追加できます。

       

    5. [State Restore] / [Custom Tasks (Pre-Windows Update)]。次の設定で新しい [Install Roles and Features] 操作を追加します。

      1. [Name]: Install - Microsoft NET Framework 3.5.1

      2. [Select the operating system for which roles are to be installed]: [Windows 8.1]

      3. [Select the roles and features that should be installed]: [.NET Framework 3.5 (includes .NET 2.0 and 3.0)]

      重要  

      参照イメージを作成するときは、これがおそらく最も重要な手順です。多くのアプリケーションが .NET Framework を必要とするため、イメージでこれを利用できるようにすることを強くお勧めします。このコンポーネントが別のコンポーネントとは異なる理由の 1 つは、.NET Framework 3.5.1 は WIM ファイルに含まれていないことです。Sources\SxS フォルダーからメディアにインストールされるため、イメージの展開後に追加することが難しくなっています。

       

      図 7

      図 7: [Custom Tasks (Pre-Windows Update)] グループを作成し、[Install - Microsoft NET Framework 3.5.1] 操作を追加した後のタスク シーケンス。

    6. [State Restore] - [Custom Tasks (Pre-Windows Update)]。[Install - Microsoft NET Framework 3.5.1] 操作後に、新しい [Install Application] 操作を次の設定で追加します。

      1. [Name]: Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x86

      2. [Install a Single Application]: Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x86-x64

    7. 前の手順を繰り返して (新しい [Install Application] を追加して) 次のアプリケーションを追加します。

      1. Install - Microsoft Visual C++ 2005 SP1 - x64

      2. Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 - x86

      3. Install - Microsoft Visual C++ 2008 SP1 - x64

      4. Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 - x86

      5. Install - Microsoft Visual C++ 2010 SP1 - x64

      6. Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 - x86

      7. Install - Microsoft Visual C++ 2012 Update 4 - x64

      8. Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86

    8. [Install - Microsoft Office 2013 Pro Plus - x86] 操作の後に、新しい [コンピューターの再起動] 操作を追加します。

  3. [OK] をクリックします。

オプションの構成: 中断操作の追加

参照イメージを作成するときの目的はもちろん、すべてを自動化することです。しかし、自動化するには時間がかかりすぎる特別な構成やアプリケーションのセットアップもあります。いくつかの手動構成を行う必要がある場合は、ライト タッチ インストール (LTI) サスペンドと呼ばれるあまり知られていない機能を追加できます。タスク シーケンス内のカスタム操作として LTISuspend.wsf スクリプトを追加した場合、デスクトップで [Resume Task Sequence] ショートカットをクリックするまでタスク シーケンスが中断されます。手動構成またはインストールのために LTI サスペンド機能を使うことに加えて、タスク シーケンスを続行させ、Sysprep を使って仮想マシンをキャプチャする前に参照イメージを検証するために使うこともできます。

図 8

図 8: 省略可能な [中断] 操作 (LTISuspend.wsf) が追加されたタスク シーケンス。

図 9

図 9: [Resume Task Sequence] ショートカットのある Windows 10 デスクトップ。

Windows 10 Enterprise 用の Unattend.xml ファイルの編集

MDT を使う場合、大半の構成が MDT によって対応されているため、Unattend.xml ファイルを編集する必要があることは多くありません。ただし、たとえば Internet Explorer 11 の動作を構成する場合は、そのために Unattend.xml を編集することができます。基本的な Internet Explorer 設定のために Unattend.xml を編集することは簡単ですが、高度な設定の場合、Internet Explorer 管理者キット (IEAK) を使うことをお勧めします。

注  

また、Unattend.xml を使って Telnet クライアントや Hyper-V クライアントなどの Windows 10 のコンポーネントを有効にすることもできます。通常は、アプリケーションとして追加することや、動的に追加すること、条件付けて追加することなどができるため、[Install Roles and Features] 操作から、または展開イメージのサービスと管理 (DISM) コマンド ライン ツールを使ってこれを行うことをお勧めします。また、Unattend.xml からパッケージを追加する場合、Unattend.xml はバージョン固有のため、処理するオペレーティング システムのバージョンと Unattend.xml が完全に一致する必要があります。

 

以下の手順に従い、Unattend.xml の Internet Explorer 設定を Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image タスク シーケンス用に構成します。

  1. Deployment Workbench を使い、[Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image] タスク シーケンスを右クリックして [Properties] を選びます。

  2. [OS Info] タブで、[Edit Unattend.xml] をクリックします。MDT がカタログ ファイルを生成します。これには数分かかり、その後 Windows システム イメージ マネージャー (Windows SIM) が起動します。

  3. Windows SIM で、[応答ファイル] ウィンドウの [4 specialize] ノードを展開し、[amd64_Microsoft-Windows-IE-InternetExplorer_neutral] エントリを選びます。

  4. [amd64_Microsoft-Windows-IE-InternetExplorer_neutral properties] (amd64_Microsoft-Windows-IE-InternetExplorer_neutral のプロパティ) ウィンドウ (右側のウィンドウ) で、次の値を設定します。

    • DisableDevTools: true

  5. Unattend.xml ファイルを保存し、Windows SIM を閉じます。

  6. Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image のプロパティで、[OK] をクリックします。

図 10

図 10: Windows システム イメージ マネージャーと Windows 10 Unattend.xml。

MDT 展開共有規則の構成

MDT を正しく使うには、規則を理解することが重要です。規則は展開共有のプロパティの [Rules] タブを使って構成します。[Rules] タブは、基本的には E:\MDTBuildLab\Control フォルダーに存在する CustomSettings.ini ファイルを編集するためのショートカットです。このセクションでは、Windows 10 Enterprise 展開の一部として MDT 展開共有規則を構成する方法について説明します。

MDT 展開共有規則の概要

MDT には、常に 2 つの規則ファイル、CustomSettings.ini ファイルと Bootstrap.ini ファイルが存在します。どちらにもほとんどすべての規則を追加できますが、Bootstrap.ini ファイルは Control フォルダーからブート イメージにコピーされるため、このファイルを変更するたびにブート イメージを更新する必要があります。

そのため、接続先の展開サーバーおよび共有を示す DEPLOYROOT 値など、最小限の規則のみを Bootstrap.ini に追加します。[OK] をクリックするとすぐにファイルが更新されるので、CustomSettings.ini にその他の規則を配置します。次の手順を使って、MDT Build Lab 展開共有の規則を構成します。

  1. Deployment Workbench を使い、[MDT Build Lab] 展開共有を右クリックし、[Properties] を選びます。

  2. [Rules] タブをクリックし、次の情報を使って変更します。

    [Settings]
Priority=Default
[Default]
_SMSTSORGNAME=Contoso
UserDataLocation=NONE
DoCapture=YES
OSInstall=Y
AdminPassword=P@ssw0rd
TimeZoneName=Pacific Standard Time 
JoinWorkgroup=WORKGROUP
HideShell=YES
FinishAction=SHUTDOWN
DoNotCreateExtraPartition=YES
WSUSServer=http://mdt01.contoso.com:8530
ApplyGPOPack=NO
SLSHARE=\\MDT01\Logs$
SkipAdminPassword=YES
SkipProductKey=YES
SkipComputerName=YES
SkipDomainMembership=YES
SkipUserData=YES
SkipLocaleSelection=YES
SkipTaskSequence=NO
SkipTimeZone=YES
SkipApplications=YES
SkipBitLocker=YES
SkipSummary=YES
SkipRoles=YES
SkipCapture=NO
SkipFinalSummary=YES

    図 11

    図 11: MDT Build Lab 展開共有のサーバー側の規則。

  3. [Edit Bootstrap.ini] をクリックし、次の情報を使って変更します。

    Settings]
Priority=Default
[Default]
DeployRoot=\\MDT01\MDTBuildLab$
UserDomain=CONTOSO
UserID=MDT_BA
UserPassword=P@ssw0rd
SkipBDDWelcome=YES

    図 12

    図 12: MDT Build Lab 展開共有のブート イメージ規則。

    注  

    セキュリティ上の理由から、通常は Bootstrap.ini ファイルにはパスワードを追加しません。ただし、この展開共有は参照イメージ ビルドの作成専用で、運用環境のネットワークには公開されないため、この場合はパスワードの追加を許容できます。

     

  4. [Windows PE] タブで、[Platform] ドロップダウン リストから [x86] を選びます。

  5. [Lite Touch Boot Image Settings] 領域で、次の設定を構成します。

    1. [Image description]: MDT Build Lab x86

    2. [ISO file name]: MDT Build Lab x86.iso

  6. [Windows PE] タブで、[Platform] ドロップダウン リストから [x64] を選びます。

  7. [Lite Touch Boot Image Settings] 領域で、次の設定を構成します。

    1. [Image description]: MDT Build Lab x64

    2. [ISO file name]: MDT Build Lab x64.iso

  8. [OK] をクリックします。

注  

MDT では、x86 ブート イメージは x86 と x64 のオペレーティング システムを両方展開できます (Unified Extensible Firmware Interface に基づくコンピューターを除く)。

 

展開共有の更新

展開共有を構成した後は、更新が必要です。これは、Windows Windows PE ブート イメージが作成されたときのプロセスです。

  1. Deployment Workbench を使い、[MDT Build Lab] 展開共有を右クリックし、[Update Deployment Share] を選びます。

  2. 展開共有の更新ウィザードの既定のオプションを使います。

注  

更新プロセスには、5 ～ 10 分かかります。

 

説明される規則

これで MDT Build Lab 展開共有 (参照イメージを作成するために使われる共有) が構成されたので、Bootstrap.ini ファイルと CustomSettings.ini ファイルで使われるさまざまな設定について説明します。

Bootstrap.ini ファイルと CustomSettings.ini ファイルは連携させることができます。Bootstrap.ini ファイルは常にブート イメージ上に存在し、最初に読み取られます。Bootstrap.ini の基本的な目的は、CustomSettings.ini を見つけるために十分な情報を MDT に提供することです。

CustomSettings.ini ファイルは通常、サーバーの Deployment share\Control フォルダーに保存されますが、メディアに保存することもできます (オフライン メディアを使う場合)。

注  

規則 (CustomSettings.ini と Bootstrap.ini) で使われる設定またはプロパティは MDT ドキュメントの「Microsoft Deployment Toolkit Reference」、「Properties」、「Property Definition」セクションに示されています。

 

Bootstrap.ini ファイル

Bootstrap.ini ファイルは展開共有の [Properties] ダイアログ ボックスから、または MDT01 の E:\MDTBuildLab\Control フォルダーから利用できます。

[Settings]
Priority=Default

[Default]
DeployRoot=\\MDT01\MDTBuildLab$
UserDomain=CONTOSO
UserID=MDT_BA
UserPassword=P@ssw0rd

SkipBDDWelcome=YES

設定の説明

  • Priority。さまざまなセクションが読み取られる順序を決定します。この Bootstrap.ini には、[Default] という名前のセクションが 1 つだけあります。

  • DeployRoot。展開共有の場所です。通常、この値は MDT によって設定されますが、別のサーバーまたは別の共有に移動する場合は DeployRoot 値を更新する必要があります。値を指定しない場合、Windows 展開ウィザードにより場所を求められます。

  • UserDomain、UserID、UserPassword。これらの値は、展開共有への自動ログオンに使われます。これらの値も、指定されていない場合はウィザードによって求められます。

    注  

    注意してください。これらの値は、ブート イメージにクリア テキストで保存されます。これらは MDT Build Lab 展開共有に対してのみ使い、次のトピックで学習して作成する MDT Production 展開共有には使わないようにします。

     

  • SkipBDDWelcome。展開を開始するたびに歓迎されるのは喜ばしいことでも、Windows 展開ウィザードの最初のウェルカム ページはスキップすることをお勧めします。

注  

"Skip" から始まるすべてのプロパティは、Windows 展開ウィザードでそのウィンドウを表示するかどうかのみを制御します。ほとんどのウィンドウでは、実際に 1 つまたは複数の値を設定することも必要です。

 

CustomSettings.ini ファイル

CustomSettings.ini ファイルは、そのコンテンツが展開共有の [Properties] ダイアログ ボックスの [Rules] タブに表示され、構成で使われるプロパティの大半が含まれています。

[Settings]
Priority=Default
[Default]
_SMSTSORGNAME=Contoso
UserDataLocation=NONE
DoCapture=YES
OSInstall=Y
AdminPassword=P@ssw0rd
TimeZoneName=Pacific Standard Time 
JoinWorkgroup=WORKGROUP
HideShell=YES
FinishAction=SHUTDOWN
DoNotCreateExtraPartition=YES
WSUSServer=http://mdt01.contoso.com:8530
ApplyGPOPack=NO
SLSHARE=\\MDT01\Logs$
SkipAdminPassword=YES
SkipProductKey=YES
SkipComputerName=YES
SkipDomainMembership=YES
SkipUserData=YES
SkipLocaleSelection=YES
SkipTaskSequence=NO
SkipTimeZone=YES
SkipApplications=YES
SkipBitLocker=YES
SkipSummary=YES
SkipRoles=YES
SkipCapture=NO
SkipFinalSummary=YES

  • Priority。Bootstrap.ini と同じ機能です。Priority はさまざまなセクションが読み取られる順序を決定します。この CustomSettings.ini には、[Default] という名前のセクションが 1 つだけあります。一般に、同じ値を設定する複数のセクションがある場合は、最初のセクション (高い優先順位) の値が優先されます。まれな例外は ZTIGather.xml ファイルに示されています。

  • _SMSTSORGNAME。展開中にタスク シーケンスの進行状況バー ウィンドウに表示される組織名です。

  • UserDataLocation。ユーザー状態のバックアップの設定を制御します。参照イメージのビルドとキャプチャの際に使う必要はありません。

  • DoCapture。オペレーティング システムのインストール時にシステム準備 (Sysprep) ツールを実行し、イメージをファイルにキャプチャするようにタスク シーケンスを構成します。

  • OSInstall。セットアップを進めるには Y または YES に設定する必要があります (このコードは実際には Y の文字を探しているだけです)。

  • AdminPassword。ローカルの Administrator アカウントのパスワードを設定します。

  • TimeZoneName。使うタイム ゾーンを確立します。この値を TimeZone と混同しないでください。TimeZone は従来のオペレーティング システム (Windows 7 と Windows Server 2003) のみで使われます。

    注  

    Windows 10 コンピューターで現在のタイム ゾーン名を確認するための最も簡単な方法は、コマンド プロンプトで tzutil /g を実行することです。tzutil /l を実行して利用可能なすべてのタイム ゾーン名を取得することもできます。

     

  • JoinWorkgroup。Windows をワークグループに参加するように構成します。

  • HideShell。展開時に Windows Shell を非表示にします。これは、そうしない場合にタイルの後ろに展開ウィザードが表示される Windows 8.1 の展開に特に役立ちます。

  • FinishAction。タスク シーケンスが完了したときに何を行うかを MDT に指示します。

  • DoNotCreateExtraPartition。BitLocker に追加のパーティションを作成しないようにタスク シーケンスを構成します。この参照イメージでは、これを行う必要はありません。

  • WSUSServer。展開時にどの Windows Server Update Services (WSUS) サーバー (および必要に応じてポート) を使うかを指定します。このオプションがない場合、MDT は Microsoft Update を直接使うため、展開時間が長くなり、どの更新プログラムを適用するかを制御するためのオプションが限られます。

  • SLSHARE。展開時に問題が発生した場合、または展開が正常に完了した場合にログ ファイルをサーバー共有にコピーするように MDT に指示します。

  • ApplyGPOPack。Microsoft Security Compliance Manager (SCM) により作成されたローカル グループ ポリシーを展開できます。

  • SkipAdminPassword。Administrator のパスワードが求められるウィンドウをスキップします。

  • SkipProductKey。プロダクト キーが求められるウィンドウをスキップします。

  • SkipComputerName。[Computer Name] ウィンドウをスキップします。

  • SkipDomainMemberShip。[Domain Membership] ウィンドウをスキップします。Yes に設定する場合、JoinWorkgroup 値または JoinDomain、DomainAdmin、DomainAdminDomain、DomainAdminPassword プロパティを構成する必要があります。

  • SkipUserData。ユーザー状態の移行のウィンドウをスキップします。

  • SkipLocaleSelection。言語とキーボードの設定を選ぶためのウィンドウをスキップします。

  • SkipTimeZone。タイム ゾーンを設定するためのウィンドウをスキップします。

  • SkipApplications。[Applications] ウィンドウをスキップします。

  • SkipBitLocker。[BitLocker] ウィンドウをスキップします。

  • SkipSummary。最初の Windows 展開ウィザードの要約ウィンドウをスキップします。

  • SkipRoles。[Install Roles and Features] ウィンドウをスキップします。

  • SkipCapture。[Capture] ウィンドウをスキップします。

  • SkipFinalSummary。最後の Windows 展開ウィザードの要約をスキップします。FinishAction=Shutdown を使うため、コンピューターのシャットダウン前に [OK] をクリックする必要があるように、最後にウィザードを停止させません。

Windows 10 参照イメージのビルド

タスク シーケンスを作成すると、Windows 10 参照イメージを作成する準備が整います。これは仮想マシンからタスク シーケンスを起動すると実行され、その後自動的に参照イメージの作成とキャプチャ プロセスが実行されます。

以下の手順では、MDT によって作成された ISO ブート イメージを使って仮想マシンをブートし、その後参照イメージ タスク シーケンス イメージを実行して Windows 10 参照イメージの作成とキャプチャを行うために使われるプロセスについての概略を示します。

  1. MDT01 の E:\MDTBuildLab\Boot\MDT Build Lab x86.iso を Hyper-V ホストの C:\ISO にコピーします。

    注  

    MDT では、x86 ブート イメージを x86 と x64 のオペレーティング システム イメージの両方の展開に使うことができることを思い出してください。これが x64 ブート イメージではなく x86 ブート イメージを使うことができる理由です。

     

  2. 次の設定で仮想マシンを作成します。

    1. [Name]: REFW10X64-001

    2. [Location]: C:\VMs

    3. [Memory]: 1024 MB

    4. [Network]: [External] (MDT01 と同じインフラストラクチャに接続されているネットワーク)

    5. [Hard disk]: 60 GB (ダイナミック ディスク)

    6. [Image file]: C:\ISO\MDT Build Lab x86.iso

  3. REFW10X64-001 仮想マシンのスナップショットを取得し、Clean with MDT Build Lab x86 ISO という名前を付けます。

    注  

    スナップショットの取得は、プロセスを再起動する必要があり、クリーンアップが開始できることを確認する場合に役立ちます。

     

  4. REFW10X64-001 仮想マシンを起動します。Windows PE の起動後、次の設定を使って Windows 展開ウィザードを完了します。

    1. [Select a task sequence to execute on this computer]: Windows 10 Enterprise x64 RTM Default Image

    2. [Specify whether to capture an image]: [Capture an image of this reference computer]

      • [Location]: \\MDT01\MDTBuildLab$\Captures

    3. [File name]: REFW10X64-001.wim

      図 13

      図 13: Windows 10 参照イメージの Windows 展開ウィザード。

  5. セットアップがすぐに開始します。次の手順を実行します。

    1. Windows 10 Enterprise オペレーティング システムをインストールします。

    2. 追加のアプリケーション、役割、機能をインストールします。

    3. ローカルの Windows Server Update Services (WSUS) サーバーを介してオペレーティング システムを更新します。

    4. Windows PE をローカル ディスクにステージングします。

    5. システム準備 (Sysprep) を実行し、Windows PE を再起動します。

    6. Windows イメージング (WIM) ファイルへのインストールをキャプチャします。

    7. 仮想マシンをオフにします。

しばらくすると、完全にパッチが適用され、Sysprep から実行された Windows 10 Enterprise x64 イメージが展開サーバーの E:\MDTBuildLab\Captures フォルダーに置かれます。ファイル名は REFW10X64-001.wim です。

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