App-V 5.1 について

適用対象: Application Virtualization 5.1

次のセクションを使用して、Application Virtualization (App-V) 5.1 における重要な変更に関する情報をご確認ください。

  • App-V 5.1 ソフトウェアの前提条件とサポートされている構成

  • App-V 5.1 への移行

  • App-V 5.1 の新機能

    • App-V による Windows 10 のサポート

    • App-V 管理コンソールの変更

    • Sequencer の機能強化

    • パッケージ コンバーターの機能強化

    • 1 つのイベント トリガーで複数のスクリプトをサポート

    • インストール フォルダーへのハードコーディングされたパスが仮想ファイル システムのルートにリダイレクトされます

App-V 5.1 ソフトウェアの前提条件とサポートされている構成

App-V 5.1 のソフトウェア前提条件とサポートされている構成については、次のリンクをご覧ください。

前提条件とサポートされている構成へのリンク 説明

App-V 5.1 の前提条件

App-V 5.1 のインストールを開始する前にインストールする必要がある、前提条件のソフトウェア

App-V 5.1 でサポートされる構成

App-V サーバー、Sequencer、およびクライアント コンポーネントのサポートされているオペレーティング システムとハードウェア要件

App-V で Configuration Manager を使用するためのサポート: App V 5.1 では System Center 2012 R2 の Configuration Manager SP1 をサポートします。App-V 環境と Configuration Manager の統合の詳細については、「App-V と Configuration Manager を統合するための計画策定」を参照してください。

App-V 5.1 への移行

以前のバージョンから App-V 5.1 にアップグレードするには、次の情報を使用してください。詳細については、「旧バージョンからの移行」をご覧ください。

アップグレードを始める前に

アップグレードを開始する前に、以下の情報をご確認ください。

アップグレードする前に確認する項目 説明

アップグレードするコンポーネント (順序は任意)

  1. App-V サーバー

  2. Sequencer

  3. App-V クライアントまたは App-V リモート デスクトップ サービス (RDS) クライアント

注意

App-V クライアントのユーザー インターフェイスを使用するには、Application Virtualization 5.0 クライアント UI アプリケーションのダウンロード ページから既存のバージョンをダウンロードします。

App-V 4.x からのアップグレード

詳細については、以下をご覧ください。

App-V 5.0 以降からのアップグレード

次のいずれかのバージョンを使用している場合は、App-V 5.1 に直接アップグレードできます。

  • App-V 5.0

  • App-V 5.0 SP1

  • App-V 5.0 SP2

  • App-V 5.0 SP3

App-V 5.1 にアップグレードするには、このトピックの残りのセクションの手順を実行します。

パッケージと接続グループは、現状のまま、App-V 5.1 で使用できます。

App-V インフラストラクチャのアップグレード手順

App-V インフラストラクチャの各コンポーネントを App-V 5.1 へアップグレードするには、次の手順を実行します。次に示す順序は提案に過ぎません。コンポーネントは任意の順序でアップグレードすることができます。

手順 詳細情報

手順 1: App-V サーバーをアップグレードします。

注意

App-V サーバーを使用していない場合は、この手順を省略して次の手順に進みます。

App-V 5.0 サーバーを展開する方法」をご覧ください。

手順 2: App-V Sequencer をアップグレードします。

シーケンサーをインストールする方法」をご覧ください。

手順 3: App-V クライアントまたは App-V RDS クライアントをアップグレードします。

App-V クライアントを展開する方法」をご覧ください。

以前のバージョンの App-V を使用して作成されたパッケージを変換する

パッケージ コンバーター ユーティリティを使用して、App-V 5.0 より前のバージョンの App-V を使用して作成された仮想アプリケーション パッケージをアップグレードします。パッケージ コンバーターは、PowerShell を使用してパッケージを変換し、変換が必要なパッケージが多数ある場合は、プロセスを自動化できます。

注意

App-V 5.1 パッケージは、App-V 5.0 パッケージとまったく同じです。バージョン間でパッケージ形式の変更は行われていないため、App-V 5.0 パッケージを App-V 5.1 パッケージに変換する必要はありません。

App-V 5.1 の新機能

このセクションは、App-V について既によく理解しており、App-V 5.1 での変更内容をお知りになりたいユーザーを対象としています。App-V についてまだ十分理解していない場合は、まず「APP-V 5.0 の計画」をお読みください。

App-V による Windows 10 のサポート

次の表では、App-V による Windows 10 のサポートについて一覧します。App-V 5.1 より前の App-V バージョンでは、Windows 10 はサポートされていません。

コンポーネント App-V 5.1 App-V 5.0

App-V クライアント

あり

なし

App-V RDS クライアント

あり

なし

App-V Sequencer

あり

なし

App-V 管理コンソールの変更

このセクションでは、App-V 管理コンソールの現在の機能と以前の機能を比較します。

Silverlight が不要になりました

管理コンソール UI では、Silverlight が不要になりました。5.1 管理コンソールは、HTML5 と Javascript で構築されます。

通知とメッセージは、ダイアログ ボックスに個別に表示されます。

App-V 5.1 の新機能 App-V 5.1 より前のバージョン

メッセージ インジケーターの数:

App-V 管理コンソールのタイトル バーでは、フラグ アイコンの横に、読み取られるのを待っているメッセージの数を示す数値が表示されるようになりました。

一度に確認できるメッセージまたはエラーは 1 つだけで、存在するメッセージの数を特定することができませんでした。

メッセージの表示:

  • ユーザーに入力を求めるメッセージは、現在のページの上部に開かれる別のダイアログ ボックスに表示され、応答を返すまで消えません。

  • メッセージとエラーは一覧表示されます (両者が上下に表示されます)。

一度に確認できるメッセージまたはエラーは 1 つだけでした。

メッセージの消去:

すべてのメッセージとエラーを一度に消去する場合、または 1 つずつ消去する場合には、[すべて消去] リンクを使用します。

メッセージとエラーは、1 つずつ消去することしかできませんでした。

コンソール ページが別々の URL となりました

App-V 5.1 の新機能 App-V 5.1 より前のバージョン

コンソールの各ページにはそれぞれ異なる URL が割り当てられています。これにより、後で簡単にアクセスできるように特定のページにブックマークを付けることができます。

一部の URL に表示される番号は、特定のパッケージを示します。これらは一意の番号です。

すべてのコンソール ページに、同じ URL でアクセスします。

新たに採用された個別の [接続グループ] ページとメニュー オプション

App-V 5.1 の新機能 App-V 5.1 より前のバージョン

[接続グループ] ページはメイン メニューの一部となりました。これで [パッケージ] ページと同じレベルになりました。

[接続グループ] ページを開くには、[パッケージ] ページを介して移動します。

パッケージのメニュー オプションが変更されました

App-V 5.1 の新機能 App-V 5.1 より前のバージョン

次のオプションのボタンが [パッケージ] ページの下部に表示されるようになりました。

  • 追加またはアップグレード

  • 公開

  • 非公開

  • 削除

パッケージを右クリックしてドロップダウン コンテキスト メニューを開くと、以前と変わらず次のオプションが表示されます。

  • 公開

  • 非公開

  • AD アクセスの編集

  • 展開構成の編集

  • 展開構成の転送

  • アクセス権と構成の転送

  • 削除

[削除] をクリックしてパッケージを削除する場合は、ダイアログ ボックスが開き、パッケージの削除を確認するメッセージが表示されます。

[追加またはアップグレード] オプションのボタンは、[パッケージ] ページの右上に配置されていました。

[公開]、[非公開]、および [削除] オプションを使用するには、パッケージ一覧でパッケージ名を右クリックする必要がありました。

次のパッケージ操作のボタンが、各パッケージのパッケージ詳細ページに表示されるようになりました。

  • 転送 (次のオプションが含まれるドロップダウン メニュー):

    • 展開構成の転送

    • アクセス権と構成の転送

  • 編集 (接続グループと AD アクセス)

  • 非公開

  • 削除

  • 既定の構成の編集

これらのパッケージ オプションを使用するには、パッケージ一覧でパッケージ名を右クリックする必要がありました。

左側のウィンドウにあるアイコンの色とテキストが新しくなりました

左側のウィンドウにあるアイコンの色を変更し、テキストを追加することで、その他のマイクロソフト製品のアイコンと整合性が取れるようになりました。

[概要] ページが削除されました

管理コンソールの左側のウィンドウで、[概要] メニュー オプションと、関連する [概要] ページが削除されました。

Sequencer の機能強化

App-V 5.1 Sequencer のパッケージ エディターで次の機能強化が行われました。

マニフェスト ファイルのインポートおよびエクスポート

AppxManifest.xml ファイルのインポートおよびエクスポートを実行できます。マニフェスト ファイルをエクスポートするには、[詳細設定] タブを選択し、[マニフェスト ファイル] ボックスの [エクスポート] をクリックします。シェル拡張機能の削除またはファイルの種類の関連付けの編集など、マニフェスト ファイルに変更を加えることができます。

変更を終えたら、[インポート] をクリックして、編集したファイルを選択します。インポートが正常終了すると、パッケージ エディター内でマニフェスト ファイルが直ちに更新されます。

注意

ファイルをインポートするとき、変更内容が XML スキーマに対して検証されます。ファイルが有効でない場合は、エラーが表示されます。XML スキーマに対して検証されたファイルをインポートすることはできても、他の理由でそのファイルをまだ実行できない場合があるので注意してください。

オペレーティング システムの一覧への Windows 10 の追加

[展開] タブでは、パッケージをシーケンスすることができるオペレーティング システムの一覧に Windows 10 (32 ビット) と Windows 10 (64 ビット) が追加されています。[すべてのオペレーティング システム] を選択すると、シーケンスされたパッケージでサポートされるオペレーティング システムの中に Windows 10 が自動的に追加されます。

仮想レジストリ エディターの下部に現在のパスが表示されます

[仮想レジストリ] タブでは、仮想レジストリ エディターの下部にパスが表示され、現在選択されているキーを確認できるようになりました。以前は、レジストリ ツリーをスクロールして、現在選択されているキーを見つける必要がありました。

仮想レジストリ エディターで検索と置換が 1 つのダイアログ ボックスに結合されショートカット キーが追加されました

仮想レジストリ エディターに、[検索] オプションに対応するショートカット キー (Ctrl + F) が追加されました。さらに、値とデータを検索して置換できるように、「検索」タスクと「置換」タスクを結合したダイアログ ボックスが追加されました。機能が結合されたこのダイアログ ボックスにアクセスするには、キーを選択し、次のいずれかの操作を行います。

  • Ctrl + H キーを押します。

  • キーを右クリックして [置換] を選択します。

  • [表示] > [仮想レジストリ] > [置換] を選択します。

以前は、[置換] ダイアログ ボックスが用意されていなかったため、手動で変更する必要がありました。

レジストリ キーとパッケージ ファイルの名前変更が正常に行われるようになりました

Sequencer に関する問題が発生することもなく、仮想レジストリ キー名とファイル名を変更することができます。以前は、キーの名前を変更しようとすると、Sequencer の動作が停止していました。

仮想レジストリ キーのインポートとエクスポート

仮想レジストリ キーのインポートおよびエクスポートを行うことができます。キーをインポートするには、キーのインポート先であるノードを右クリックし、インポートするキーに移動し、[インポート] をクリックします。キーをエクスポートするには、キーを右クリックし、[エクスポート] を選択します。

仮想ファイル システムへのディレクトリのインポート

ディレクトリを VFS にインポートすることができます。ディレクトリをインポートするには、[パッケージ ファイル] タブをクリックし、[表示] > [仮想ファイル システム] > [ディレクトリのインポート] をクリックします。VFS に既に存在しているファイルを含むディレクトリをインポートしようとした場合、インポートは失敗し、説明のためのメッセージが表示されます。App-V 5.1 より前のバージョンでは、ディレクトリをインポートすることができませんでした。

VFS ファイルのインポートまたはエクスポートにより、ファイルを削除してから再びパッケージに追加する操作が不要になりました

VFS に対するファイルのインポートおよびエクスポートを行うことができます。これにより、ファイルを削除してから再びパッケージに追加する操作が不要になりました。たとえば、この機能を使用して変更ログをローカル ドライブにエクスポートし、外部エディターを使用してファイルを編集し、そのファイルを VFS に再びインポートする場合が考えられます。

ファイルをエクスポートするには、[パッケージ ファイル] タブを選択し、VFS 内のファイルを右クリックし、[エクスポート] をクリックし、編集を行うエクスポート先を選択します。

ファイルをインポートするには、[パッケージ ファイル] タブを選択し、エクスポートしてあるファイルを右クリックします。編集済みのファイルを参照して、[インポート] をクリックします。既存のファイルは、インポートされたファイルで上書きされます。

ファイルをインポートしたら、[ファイル] > [保存] をクリックしてパッケージを保存する必要があります。

パッケージ ファイルを追加するためのメニューが移動されました

パッケージ ファイルを追加するためのメニュー オプションが移動されました。[追加] オプションを見つけるには、[パッケージ ファイル] タブを選択し、[表示] > [仮想ファイル システム] > [ファイルの追加] をクリックします。以前は、VFS ノードの下にあるフォルダーを右クリックし、[ファイルの追加] を選択していました。

既定では仮想レジストリ ノードによって MACHINE および USER ハイブが展開されます

仮想レジストリを開くと、MACHINE および USER ハイブが最上位の REGISTRY ノードの下に表示されます。以前は、REGISTRY ノードを展開して、その下にあるハイブを表示する必要がありました。

ブラウザー ヘルパー オブジェクトの有効化または無効化

ブラウザー ヘルパー オブジェクトを有効または無効にするには、Sequencer ユーザー インターフェイスの [詳細設定] タブに新たに加えられたチェック ボックス [ブラウザー ヘルパー オブジェクトを有効にする] をオンまたはオフにします。ブラウザー ヘルパー オブジェクトの状況に応じて以下のようになります。

  • パッケージ内に存在する場合、チェック ボックスは既定ではオンになります。

  • パッケージ内に存在し、無効になっている場合、チェック ボックスは既定ではオフになります。

  • パッケージ内に存在し、そのうちの 1 つ以上が有効で、1 つ以上が無効である場合、チェック ボックスの設定は既定では不確定になります。

  • パッケージ内に存在しない場合、チェック ボックスが無効になります。

パッケージ コンバーターの機能強化

パッケージ コンバーターを使用して、スクリプトが含まれる App-V 4.6 パッケージに変換できるようになり、レジストリ情報およびソース .osd ファイルからのスクリプトはパッケージ コンバーターの出力に含まれるようになりました。

例を含む詳細については、「以前のバージョンから App-V 5.1 への移行」を参照してください。

1 つのイベント トリガーで複数のスクリプトをサポート

App-V 5.1 では、App-V パッケージ (App-V 4.6 から App-V 5.0 以降への変換を行うパッケージなど) 用の単一のイベント トリガーに対して複数のスクリプトの使用をサポートしています。App-V 5.1 では、複数のスクリプトの使用を有効にするために、App-V クライアント インストールの一部としてインストールされる ScriptRunner.exe という名前のスクリプト ランチャー アプリケーションを使用します。

イベント トリガーの一覧やスクリプトの実行が可能なコンテキストなど、詳細については、「App-V 5.1 の動的構成について」の「スクリプト」を参照してください。

インストール フォルダーへのハードコーディングされたパスが仮想ファイル システムのルートにリダイレクトされます

パッケージを App-V 4.6 から App-V 5.1 に変換すると、App-V 5.1 パッケージは、App-V 4.6 を作成する際に必要であったハードコーディングされたドライブにアクセスできるようになります。ドライブ文字は、4.6 シーケンス マシン上でインストール ドライブとして選択したドライブになります (既定のドライブ文字は Q:\ です)。

以前、4.6 のルート フォルダーは認識されず、App-V 5.0 パッケージでアクセスすることはできませんでした。App-V 5.1 パッケージでは、ハードコーディングされたファイルにその完全なパスによってアクセスすることも、App-V 4.6 のインストール ルートの下にあるファイルをプログラムによって列挙することもできます。

**技術的な詳細:**App-V 5.1 のパッケージ コンバーターでは、App-V 4.6 のインストール ルート フォルダーと短いフォルダー名をファイルシステム要素の FilesystemMetadata.xml ファイルに保存します。App-V 5.1 クライアントが仮想プロセスを作成する場合、App-V 4.6 のインストール ルートから仮想ファイル システム ルートに要求をマップします。

MDOP テクノロジを入手する方法

App-V は、Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) の一部です。MDOP はマイクロソフト ソフトウェア アシュアランスの一部です。マイクロソフト ソフトウェア アシュアランスおよび MDOP の取得の詳細については、MDOP を取得する方法に関するページをご覧ください。

APP-V への提案がございますか

こちらから提案を追加するか、提案に投票してください。App V の問題については、「APP-V に関する TechNet フォーラム」を利用してください。

関連項目

概念

App-V 5.1 リリース ノート

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MDOP の詳細については、TechNet ライブラリを参照してください。TechNet Wiki では、トラブルシューティング情報を検索できます。また、Microsoft の FacebookTwitter をフォローすることをお勧めします。
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